転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第167話

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「やぁ!」
 俺は無言で声の主に殴りかかる。
「ちょ!? たんまたんま!!」
 構わず殴りかかり蹴りかかる。流石にこの感覚は覚えた、あの神様が会いに来たのだが今回は今までと状況がちょっと違う。
「そんな、怒らないで。今日はその件で謝罪に来たんだよっ」
「流石に、あれは許せないが?」
「はぁ……もちろんわかってる。僕も今回初めて知ったんだよ、あんな強引なやり方で神兵を集めてたのは想定外だったよ……」
「いや知らないとかふざけてる??」
 俺はまた拳を構える。
「まってまって!! ホントに知らなかったの、僕は世界の運行にはノータッチで干渉するのは最下級の神達なんだよ……」
 両手を上げてお手上げみたいなポーズをとってるけど正直ぶん殴りたい……
「世界が崩壊する何かが起きた時、どうにか抵抗するための力として神が訪れることがあるんだけど、そういうのって下位組織の自己判断で動いてもらってるからホントに知らなかったんだ、申し訳なかった」
 神様はそう言い、頭を下げた。
「一応事情はわかりましたけど……」
「もちろん、今後君と君の家族に今回みたいな干渉はしないよう徹底するし、僕の権限で復讐とかそういうのも禁止したからもう今回みたいなことは起きない。約束するよ」
「流石に産まれたばかりの子供を攫うとかたちが悪いです……」
「価値観の違いがね……」
 ちょっと納得できないとこはあるけど今後このようなことが起きないと約束してくれるならまぁ……
「っと、あとお詫びの印にこれを贈呈するよ」
 神はそう言うと思いだしたというように手を叩いて自身の目の前に円を描いた。
「これって、まさか!?」
 円を描いた場所からすーっと巨大な剣が現れた、それが異質なものなのは嫌でもわかる。なにせ自分の中に同系の物が三本もあるのだから。
「流石にわかったみたいだね? お察しの通りこいつは神滅剣。名をグラディアンドレッドという」
 神滅剣って神を殺すための武器だろ? なんでその神が持ってくるんだよ……
「確かに神殺しの武器だけどそもそも神が神を殺した剣がそう呼ばれるようになったパターンもあるんだよ? それに戦利品として奪っていても何の不思議もないじゃない」
「当たり前のように思考を読んで勝手に話を進めないでもらえますか?」
「はっはっは!」
 神は笑いながらその一振りを俺へと差し出してきて。
「グラディアンドレッドの特性は単純シンプル! 所有者の能力増幅」
「能力増幅……」
 差し出された剣を握りしめてみると異常なほどの重さを感じる。大きさもかなりのものだがそれ以上の何かを感じる、流石神滅剣というところだろう。
「ポイントは能力アップの仕様がプラスではなくカケルって点でね。元々の能力が高いものが持てばその真価を発揮する、ドラゴンの君にピッタリの剣でしょ? それに別の意味でも四本目は欲しかったんじゃない?」
「ほんと、なんでもお見通しみたいなこと言いやがって……」
 実際欲しかったがこうも見透かされると腹が立つ……
「剣としては純粋な力を現す物でどんなに乱暴に扱っても刃こぼれ一つしない最後まで主の元に残る最硬の剣」
 剣としてはかなり分厚い気がするし盾としても機能しそうだ……なにより物凄くシンプルな性能で扱いやすさがずば抜けているのが魅力的だ。
「今回はホントにお詫びのためだけだったからここまで、そろそろ目覚めるんじゃない?」
「今の生活をくれた貴方には感謝してます。でも、俺の家族に何かするのなら神様だろうと食い殺してやりますよ……元は貰ったこの力だとしても」
「もちろん、その力は僕が授けたのは確かだけどすでにそれは完全に君の物だ。好きに振るうといい」
「それでは……」
 俺はそう呟きお辞儀した。それと同時に視界が暗転していく、神様との邂逅が終わり日常へと戻っていくのだった。
「……」
「本当に良かったんですか?」
 女性の神がいつの間にか背後に立っていた。
「ん? 何のことかな?」
「白々しい……」
 女神は呆れた顔をしながら近づいてくる。
「まぁ、彼はあの世界に神以上に必要だと思ってるからね。死なせるわけにはいかないさ」
「自分の子にそんなに執着するなんて珍しい……」
「そうかい? 僕は等しく全てを愛してるよ?」
 実際この人はどんなにふざけていても残酷なくらい平等だ……だからこそこれだけ手を出す理由がわからない。
「はぁ……でもあの子、彼のお気に入りのセラフィム消しちゃいましたよ? このままだと間違いなくぶつかります」
「あれはしょうがないよ。子供を攫うなんて親からしたらそれこそブチギレ案件でしょ」
「しかし、必滅の劫火でやられると魂すら燃え尽きて回収転生すらできないんですよ?」
 神の兵を集める大義を任せてセラフィムまで育てたお気に入りの天使の再誕すら許されない消滅、彼もその気配を感じているだろうしいくらこの人の言葉があってもタダでは終わらないだろう……
「それだけ怒らせたってことなんだけどね。まぁ条件は揃いつつある、この後はどの道を選択するかだね」
「またそんなこと言って……」
 この人、はなからぶつかるの前提で……確かに神が干渉する時点で異例。これくらいの手助けはありとも受け取れる……ほんと何を考えてるんだこの人は?
「むしろそのくらいしてくれなきゃこの先生きて行けないさ」
「貴方は仮にも最高神の一角なんですから、変な行動は慎んでください。すぐに問題になるんですから」
「はいはい、わかってますよ……」
 ほんとにわかっているのか怪しい人だ……
「もうすぐ世界が動くけど、君も一緒に見ていかない?」
「私は忙しいので結構です!」
「最下級だけど神が動くよ」
「はぁ? それは規定違反では?」
「普通はね……でも信仰者が願い、条件を揃えた場合一時的に力を貸すという形で干渉できる。干渉方法はその神に一任されてる」
「でもその条件は相当厳しい物では?」
「それを可能にできる知識を与えていたみたいだね、まったく血気盛んな奴だよ……」
 神が動くなんてどの世界でも滅多に起きないし私がここに来てからは一度もなかったはず……
「あれ? 行くんじゃなかったの?」
 このニヤニヤ顔腹が立つ、しかし興味はある。結局神様は退屈している……面白いことがあったら黙っていられない性分らしい。
「……ちょっとだけです」
「賭ける?」
「最高神秘蔵の酒を掛けてくれるなら?」
「いいよ~、その代わり僕がかったらいろいろ付き合ってもらうからね」
 この人は……冗談で言ったのに平気であの希少品を差し出してくる。それほど自信があるということ?
「神に勝てるとは思えませんけど?」
「まぁ見ててよ。僕のジョーカーをね!」
 二柱の神はしばし一つの世界の一点を眺めていくのだった。

 一方、ここは謎のドレイクと介入で大損害を受けてからしばらく経った帝国軍拠点。
「ミカ、君もなのか……」
「ごめんなさい……私はもう、戦えない……」
 ドレイクの襲撃で多くの友達が目の前で死んだ。あの光景を目撃した者の多くが戦いに出れなくなった、ゲームとはいえ生々しい死を目の当たりにし部屋に引きこもったり王都へと逃げ帰る者も半数を超えようとしていた。
「ハクア、これ不味いんじゃないのか?」
 セイジは会議室でまだ残っている学友たちと今後について話し合っていた。
「そうですね……しかし帝国側からも無理して戦う必要はない。今までの戦果、恩もあるからしっかりと今後の事を保証するって」
「意外と良心的だよな」
「そうですね、もしかするともう勝利を確信できる何かがあるのかもしれません」
「こんな戦争早く終わらせて皆で帰りたいものだね……」
「物資を考えても次の戦いが最後になるのは確実です」
「またこの前みたいなチートみたいな化け物出てきたらどうするんだよ?」
「それについては対策を用意しました」
 ハクアはそう言うと白い棒状の物を持ちだしてきた。
「これは神縛りの十字槍という神具らしく、発動させ命中させた相手の動きを封じ込めることができるらしいです」
「ホントに聞くのかそれ?」
「神すらも拘束するという代物らしいですしあのドラゴンみたいなのくらいなら縛れるでしょうし。上手くいけば魔王を拘束、そのまま仕留めることもできるかもしれません」
「んなもんあるなら最初から持って来いよ!!」
「さっき帝国から届いたんですよ……特級品らしくて処理に時間がかかってたみたいで……」
 これがあれば皆死なずに済んだのかもしれないと思うと……
「次で最後だ……全てを終わらせる」
「はい!」
 友人が目の前で肉片に変わる光景を目の当たりにしてこれがゲームではないと嫌でも実感させられた……これ以上死なせないために決着をつける……
「準備が整い次第打って出ます。今は休んで万全の準備を致しましょう!」
「「「おう!」」」
 残ったメンバーは少ないがそれでも全員勇者、必ず勝利を勝ち取り元の世界に帰るんだと決意を新たにしたのだった。
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