“ダメージはゼロだ”追放された最強タンクによる勇者育成記

あけちともあき

文字の大きさ
51 / 108
ライトダーク王国編

第51話 教会はお城の中に

しおりを挟む
 占星術師が、俺たちに教会の在り処を教えてくれない訳がわかった。
 というか、彼がずっと城を離れなかったのがその答えだったわけだ。
 例え、彼が地面に降りたら死ぬ魔将だったのだとしても。

「教会ですねえ……」

 エクセレンが唸る。

「教会だなあ……」

 俺も唸る。
 目の前には、星見の塔が崩れた跡。
 お城の三階部分なのだが、星見の塔周りだけはやたらと壁が分厚くなっていて、不自然なほど使えるスペースが無かった。

 そこが先程崩れたのだが、ベテルギウ王を連れて見に行ったら、別の建物の屋根が覗いていたのである。

「これは……星の教会か! 伝説に聞いたことがある。空から星が落ちた時、奇跡のように残った岩の柱を削って作り上げた教会。それがこの星の教会だと。ここで我らは暦を発見し、世界に広めた。ライトダークが始まった場所こそが、星の教会なのだ」

「そいつが城の中に隠されていたんですね。陛下は知ってたんですか」

「知らなかった。恐らくは占星術師が、代々受け継いでいた秘密だったのだろうな……。まさかこんな近くに、始まりの場所があったとは」

 その後、兵士たちが集まってきて、わあわあと壁を崩す作業に入ったのだった。
 石壁を取り除くと、たくさんの土が埋め込まれていた。
 これを掘っていくと、星の教会とやらに行き着く。

 不思議なことに、教会を覆っていた土は建物の中には入り込んでいなかった。

「きれいですね! うちの教会と一緒です!」

「不思議な力で守られてるのかも知れないな。ほら、紋章があるぞ」

 教会の奥の壁には、神の紋章が飾られている。
 エクセレンは小走りで駆け寄ると、紋章に祈るのだった。

「神様! ボクは強くなったと思ってたけど、まだまだ未熟です! 操られちゃいました! なのでもっともーっと強くなりますね!」

 エクセレンの分かりやすい宣言。
 これは神に届いたようである。

 すぐさま、彼女の棍棒が輝き出した。
 六角ある面の一つに、金色の輝きが生まれる。

「星のトゲだ!」

「星のトゲ!?」

 エクセレンの発言に、これを見ていたベテルギウ王以下、ライトダーク王国の面々が目を丸くする。
 だが、彼らの表情はすぐに感動に満ちたものに変わった。

 神の奇跡を目の前で見たわけだからな。
 エクセレンが神に選ばれた勇者なのだと、完全に確信したのだろう。

「勇者よ! これまでの数々の無礼をお許しいただきたい! そして我がライトダーク王国をお守りくださり、ありがとうございます!」

 片膝を突いた王が声を張り上げる。
 騎士や兵士たちも皆、それに倣った。

「あ、え、え、いいんですよー! ボクの仕事は魔王をやっつけることなので!」

 慌てるエクセレン。
 田舎の村娘に、一国の王が頭を下げるなんて前代未聞だものな。
 だが、神に選ばれて、世界を襲う危機に立ち向かうというのはそういうことだ。

 エクセレンは俺たち人間の代表ということだからな。
 つまりある意味一番えらい。

 彼女がぶら下げている棍棒は、満足げに黄金の輝きを放っているのだった。
 その後、ライトダーク王国では宴が催された。

 そこでは、占星術師が王国に潜んでいた魔将だったということは隠され、謎の魔将が勇者によって打ち倒されたという話が語られた。
 占星術師はその犠牲になったとも。

 新たな占星術師としてスターズが任命され、星見の塔の再建が王の口から語られると、宴の会場からは大きな拍手が巻き起こった。
 様々な挨拶を終えたらしき、ベテルギウ王が俺たちのところにやって来る。

 我らエクセレントマイティは、慣れない礼服とドレスで、頼りないやら窮屈やらで、それでも負けじとガツガツ料理を平らげているところだった。

「やっているな! それで、どうだ。次の目的地は決まったのか?」

「うーん」

 骨付き肉を手にしていたエクセレンが首を傾げている。
 彼女のドレスが汚れないよう、首からエプロンが下げられている。

 見た目的には、ドレスとしては台無しなので、誰も宴のダンスにエクセレンを誘いにやって来ない。

「決めてません」

「ではどうだ、我が国に残るというのは」

「うーん、それをすると魔王を倒せないのでできないです」

 エクセレンの返答は単刀直入、単純明快だ。
 ベテルギウ王も、曲解のしようがない答えに笑うしか無い。

「嘘の付けぬ勇者だ! だが、そなたは真っすぐでいいのだろうな。周りにそなたを守り導く大人たちがいる。そのまま健やかであれ」

「? はい!」

 分からないなりに、褒められていると思ったのか、エクセレンは笑顔で返事をした。
 次に、王は俺に話しかけてくる。

「マイティ。実はな。ライトダークの文献を紐解いて、教会について調べさせたのだ。我らが住むこの世界は、サウザームという巨大な島だ。これは知っているか?」

「へえ……。知らなかった」

 俺たちが住んでるのは島だったのか。

「大陸、と呼ぶ。ライトダークをまっすぐ北上していくと、どんどん暑くなってくる。そこに密林の国がある。あえて原始的な暮らしをし、我々の社会とは関わりを絶って存在している、謎の多い国だ。その密林の中に、森の教会があると聞いた」

「ほう! 三つ目の教会ですな」

「うむ。サウザームには三つの古代の教会があり、そこから橋の王国を抜けて辿り着くノウザーム大陸に二つの教会がある。残り一つは分からない。これからの旅も、大変ではあろう」

「でしょうな。ですがまあ、魔王退治はやらねばならんので」

「ああ。世界の命運はそなたらの双肩に掛かっている……! 我が国からも、援助をしよう。旅立つまでの間、疲れを癒やすがいい、勇者たちよ」

 かくして俺たちは、ライトダーク王国からの補給物資を得た。
 そして、次なる目的地、森の王国への地図も。

 さて、次はどんな冒険が俺たちを待っているのやら。

「見て下さいマイティ! 星の欠片で作られたショートソードらしいですよ! パワーアップしちゃいました!」



パーティー名『エクセレントマイティ』
ランク:A
構成員:四名

名前:エクセレン
職業:エクセレントファイター
Lv:33
HP:351
MP:260
技 :魔技ミサイルスピン クイックドロー バックスタブ パイルバンカーブロウ
エンタングルブロウ
魔法:マジックミサイル(中級):派生ドリルマジックミサイル(中級) ヒール(中級) ライト(中級)
覚醒:シャイニング棍棒 グランド棍棒インパクト1 シャイニング斬 シャイニングアロー
武器:聖なる棍棒(第二段階) 星のショートソード 鋼のトマホーク ハルバード
 ガイストサーベル 帝国の弓矢 魔王星の欠片
防具:チェインメイルアーマー(上質)


名前:マイティ
職業:タンク
Lv:87
HP:1250
MP:0
技 :ガード強化(特級) カバーガード(特級) エリアガード(特級)
   マジックガード(特級) マインドガード(特級) パリィ(特級)
   ガードムーブ(特級) ヘイトコントロール(特級) マッチング(中級)
   ベクトルガード(初級)
魔法:なし
覚醒:フェイタルガード ディザスターガード2
武器:なし
防具:熟練のプレートアーマー、??のビッグシールド、星のマント


名前:ジュウザ・オーンガワラ
職業:ニンジャ(オーンガワラ流アークニンジャ)
Lv:84
HP:680
MP:535
技 :クリティカルヒット(特級) デックスアーマークラス(特級) ラビットムーブ(特級)
   シュリケンスロー(特級) ハイド&シーク(特級)
魔法:カトン(特級) スイトン(特級) ドトン(特級)
覚醒:クリティカルヒット(極)
武器:投擲用ダガー、星のダガー
防具:なし


名前:ディアボラ
職業:アークメイジ
Lv:154
HP:490
MP:2600
技 :テレポート
魔法:(一部のみ記載)ヒーリングサークル ウォーブレス ステイシスサークル
 メテオフォール ライジングメテオ ボルカニックゲイザー 
 ツイスター メイルシュトローム ランドスライダー
覚醒:魔法儀式行使
武器:儀式用ダガー
防具:魔将のローブ(サイズSS)、星の帽子

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」

チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。 だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。 魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。 だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。 追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。 訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。 そして助けた少女は、実は王国の姫!? 「もう面倒ごとはごめんだ」 そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...