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帰ってきた勇者パーティー編
第104話 魔王、キレた! が、こっちもやる気だぞ
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『私はね、もうそろそろこの星のゲームにも飽きたんだ。やっぱり理不尽な能力を持つ勇者パーティーは良くない。興ざめだよ』
魔王は肩をすくめながらそんな事を言う。
だが、その間にも奴の周囲には青い世界が広がり続けていっている。
「そのなんか青いの広げるのやめなさい!」
エクセレンが指差した。
すると魔王は鼻で笑ったようだ。
『これね、私が手加減するのを止めたんだ。これからこの星全体が、私のテクスチャによって塗り替えられる。君たちが望むと望まざるとに関わらず、この星は私に征服されるということだ。そうだね、あと一時間。それだけあれば星の征服は完了する。私はねえ……やろうと思えばいつだってできたんだよ』
「何か口上を始めたぞ」
「時間稼ぎであろうな」
「よし、これが音を吸収する粉だ」
ウインドがバッと謎の粉を撒いたら、魔王の言葉が聞こえなくなった。
しばらく得意げに何か喋っている風だった魔王だが、音が全部吸収されていることに気づき、両拳を空に突き上げてカンカンに怒り出したぞ。
「魔王の声も吸収できる。計算通りだ」
「あんたやるねえ……。魔王をここまで煽れる男は他にいないよ!? やっぱりあたいの旦那に……」
この状況でウインドを口説こうとするとは、筋金入りだなカッサンドラ。
魔王は青い世界を広げて、大急ぎで粉を塗り替えた。
『こらーっ!!』
「怒ってます怒ってます」
『私の話を途中で遮るとは何事だ! こんなことされたの初めてだよ!! 本当にひどいな君たちは!! ありえない!』
「そのありえないのついでに、お前さんをここでぶっ倒してやるぜ」
俺は盾を持って、魔王に向かって走る。
『ははははは! 無防備に近づいてくるとは愚かな……と普段は言うところだが、君は来るな! 近づいてくるな! 相性最悪なんだよなあ!』
魔王が俺たちに背中を向けて走り出した。
こいつ!
全力で逃げながら青い世界を広げまくるつもりだぞ!
「汚い! なんと汚いやつであろうか! 待て、待つのだーっ!! はあっ! カトン!!」
俺に並んで走り出したジュウザが炎を放つ。
これは魔王に直撃した。
ある程度攻撃の速度が速ければ、魔王の青い世界に塗り替えられないようだな。
『あつつ! だがこうして一時間逃げ回れば、君たちの負けだ! 私が攻撃しなければ、タンクの君は無力だろう!』
「ずるがしこいなこいつ! 最悪にたちが悪いぞ!」
「こ……これが魔王なのか……」
やっぱり並走してきたフェイクが呆然としている。
「もっとどんと構えていて、黒幕という感じかと思っていた……」
「いや、フェイク、よく考えてみろ。自ら率先して人間を堕落させ、しかもそこには一切思想も何もなく、遊びに飽きたらこうやって世界を滅ぼそうとするやつだぞ。部下に全てを任せるような黒幕だったら、どれだけやりやすかったことか」
「言われてみれば……。しかも追い詰められてもこうして世界に危機をばら撒きながら全力で逃げる……!」
「それに、逃げてはいるがあいつは強いからな。少なくともさっきの魔将よりも遥かに強い。なのに自己保身最優先で逃げながら、世界に対して攻撃を仕掛け続けてるんだ」
「最悪だ」
魔王の性格的に、リスクは最小限でいかに相手を困らせるか、苦しめるかを追求するというやつなんじゃないか。
本来なら魔王の王という呼び名もおこがましいくらいだ。
魔将たちは、こいつが強いから従っていたに過ぎないんだろう。
そして俺は気付く。
俺たち三人で魔王を追いかけていたが、これは前衛と後衛を引き離す作戦なのではないか?
確か、黒騎士はまだ倒していなかったような……。
「うわー出ましたー!」
ほら!
ずっと後方で、エクセレンが黒騎士と戦っている。
圧倒的な黒騎士の剣技がエクセレンを襲う……のだが、彼女が右手に棍棒、左手に魔王星の剣を握って振り回しているので、圧倒できないようだ。
「いいぞエクセレン! そのままちょっとずつ近寄って削ってやれ!」
「あたりませーん!!」
「ウインドが今妨害してくれる! カッサンドラも支援してくれるだろう! あと、攻撃の範囲を広げろ! 逃げる場所をなくせば当たる!」
「なるほどー!! シャーイニーング!! 棍棒! カノンナックル! ざーんっ! もう一つざーんっ!」
『うおわーっ!?』
黒騎士の悲鳴が聞こえる。
おお、背後がピカピカ光っているな!
どうやら、棍棒で地面を叩きつつ、カノンナックルをぶっ放し、時間差でトマホークを投げてから魔王星の剣で切りつけているようだ。
エクセレンの強さは圧倒的な破壊力の攻撃を、とんでもない手数で繰り出せることだな。
飽和攻撃ってやつだ。
これはもう、技で凌げる次元ではない。
視界の端で、黒騎士が必死になって転がりながら避けているのが見える。
立ち上がった黒騎士は、無限のスタミナのはずが、明らかに肩で息をしている。
『こら黒騎士ーっ!! 勇者と遊んでいるんじゃない! 私が言った通り一番たちが悪い魔女を殺せーっ! そいつが今何もしていないだろう! 絶対に状況をひっくり返す魔法陣を書いているはずだ! そいつを! 殺せーっ!!』
『し、しかしながらこの勇者はーっ!! うおーっ! 当たれば即死の攻撃が! 広範囲で連続して! うおおーっ!!』
エクセレンの攻撃をああやって凌いでるだけで、黒騎士は本当に凄いな。
だが、黒騎士が凄いだけにエクセレンも凄い勢いで成長していっているのだ。
今まで持っていた、彼女の攻撃手段が組み合わさり新たな戦い方に変化する。
これは素晴らしいことだ。
だがそれはそれとして、俺たちの切り札であるディアボラを狙われていたとはな。
つまり今も反応がないディアボラは、魔王をどうにかするための対策を立ててくれていることになる。
「こりゃいかんな。俺が加勢する!」
フェイクはそう告げると、黒騎士目掛けて走っていった。
フェイクブレイバーズも現れ、彼に続く。
頼むぞ!
あいつの足さえ止めればどうにかなるのだ。
魔王は肩をすくめながらそんな事を言う。
だが、その間にも奴の周囲には青い世界が広がり続けていっている。
「そのなんか青いの広げるのやめなさい!」
エクセレンが指差した。
すると魔王は鼻で笑ったようだ。
『これね、私が手加減するのを止めたんだ。これからこの星全体が、私のテクスチャによって塗り替えられる。君たちが望むと望まざるとに関わらず、この星は私に征服されるということだ。そうだね、あと一時間。それだけあれば星の征服は完了する。私はねえ……やろうと思えばいつだってできたんだよ』
「何か口上を始めたぞ」
「時間稼ぎであろうな」
「よし、これが音を吸収する粉だ」
ウインドがバッと謎の粉を撒いたら、魔王の言葉が聞こえなくなった。
しばらく得意げに何か喋っている風だった魔王だが、音が全部吸収されていることに気づき、両拳を空に突き上げてカンカンに怒り出したぞ。
「魔王の声も吸収できる。計算通りだ」
「あんたやるねえ……。魔王をここまで煽れる男は他にいないよ!? やっぱりあたいの旦那に……」
この状況でウインドを口説こうとするとは、筋金入りだなカッサンドラ。
魔王は青い世界を広げて、大急ぎで粉を塗り替えた。
『こらーっ!!』
「怒ってます怒ってます」
『私の話を途中で遮るとは何事だ! こんなことされたの初めてだよ!! 本当にひどいな君たちは!! ありえない!』
「そのありえないのついでに、お前さんをここでぶっ倒してやるぜ」
俺は盾を持って、魔王に向かって走る。
『ははははは! 無防備に近づいてくるとは愚かな……と普段は言うところだが、君は来るな! 近づいてくるな! 相性最悪なんだよなあ!』
魔王が俺たちに背中を向けて走り出した。
こいつ!
全力で逃げながら青い世界を広げまくるつもりだぞ!
「汚い! なんと汚いやつであろうか! 待て、待つのだーっ!! はあっ! カトン!!」
俺に並んで走り出したジュウザが炎を放つ。
これは魔王に直撃した。
ある程度攻撃の速度が速ければ、魔王の青い世界に塗り替えられないようだな。
『あつつ! だがこうして一時間逃げ回れば、君たちの負けだ! 私が攻撃しなければ、タンクの君は無力だろう!』
「ずるがしこいなこいつ! 最悪にたちが悪いぞ!」
「こ……これが魔王なのか……」
やっぱり並走してきたフェイクが呆然としている。
「もっとどんと構えていて、黒幕という感じかと思っていた……」
「いや、フェイク、よく考えてみろ。自ら率先して人間を堕落させ、しかもそこには一切思想も何もなく、遊びに飽きたらこうやって世界を滅ぼそうとするやつだぞ。部下に全てを任せるような黒幕だったら、どれだけやりやすかったことか」
「言われてみれば……。しかも追い詰められてもこうして世界に危機をばら撒きながら全力で逃げる……!」
「それに、逃げてはいるがあいつは強いからな。少なくともさっきの魔将よりも遥かに強い。なのに自己保身最優先で逃げながら、世界に対して攻撃を仕掛け続けてるんだ」
「最悪だ」
魔王の性格的に、リスクは最小限でいかに相手を困らせるか、苦しめるかを追求するというやつなんじゃないか。
本来なら魔王の王という呼び名もおこがましいくらいだ。
魔将たちは、こいつが強いから従っていたに過ぎないんだろう。
そして俺は気付く。
俺たち三人で魔王を追いかけていたが、これは前衛と後衛を引き離す作戦なのではないか?
確か、黒騎士はまだ倒していなかったような……。
「うわー出ましたー!」
ほら!
ずっと後方で、エクセレンが黒騎士と戦っている。
圧倒的な黒騎士の剣技がエクセレンを襲う……のだが、彼女が右手に棍棒、左手に魔王星の剣を握って振り回しているので、圧倒できないようだ。
「いいぞエクセレン! そのままちょっとずつ近寄って削ってやれ!」
「あたりませーん!!」
「ウインドが今妨害してくれる! カッサンドラも支援してくれるだろう! あと、攻撃の範囲を広げろ! 逃げる場所をなくせば当たる!」
「なるほどー!! シャーイニーング!! 棍棒! カノンナックル! ざーんっ! もう一つざーんっ!」
『うおわーっ!?』
黒騎士の悲鳴が聞こえる。
おお、背後がピカピカ光っているな!
どうやら、棍棒で地面を叩きつつ、カノンナックルをぶっ放し、時間差でトマホークを投げてから魔王星の剣で切りつけているようだ。
エクセレンの強さは圧倒的な破壊力の攻撃を、とんでもない手数で繰り出せることだな。
飽和攻撃ってやつだ。
これはもう、技で凌げる次元ではない。
視界の端で、黒騎士が必死になって転がりながら避けているのが見える。
立ち上がった黒騎士は、無限のスタミナのはずが、明らかに肩で息をしている。
『こら黒騎士ーっ!! 勇者と遊んでいるんじゃない! 私が言った通り一番たちが悪い魔女を殺せーっ! そいつが今何もしていないだろう! 絶対に状況をひっくり返す魔法陣を書いているはずだ! そいつを! 殺せーっ!!』
『し、しかしながらこの勇者はーっ!! うおーっ! 当たれば即死の攻撃が! 広範囲で連続して! うおおーっ!!』
エクセレンの攻撃をああやって凌いでるだけで、黒騎士は本当に凄いな。
だが、黒騎士が凄いだけにエクセレンも凄い勢いで成長していっているのだ。
今まで持っていた、彼女の攻撃手段が組み合わさり新たな戦い方に変化する。
これは素晴らしいことだ。
だがそれはそれとして、俺たちの切り札であるディアボラを狙われていたとはな。
つまり今も反応がないディアボラは、魔王をどうにかするための対策を立ててくれていることになる。
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あいつの足さえ止めればどうにかなるのだ。
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