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ラスボス邂逅とお肉どもオフ会編
第330話 ご紹介いただきましたスパイスでーす!
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八百八狸を訪ねたその足で、別の場所に移動なのだ!
ここにやって来た時に使用した鏡のゲート。
そこまで戻り……。
「次は沖縄の魔法使いに協力を要請しましょう。キジムナーとも呼ばれる呪術の使い手ですが」
「知ってるー!」
鏡をびゅんと抜けると、ぽかぽか暖かい気候の中に飛び出したのだった。
沖縄は年中温暖だなあ!
春だと言うのに、初夏の日差しだ。
さてさて、出現したのは林の中。
ただし、ここからでも潮騒が聞こえてくる。
海に近いところだな?
木々の合間から、ちょっと離れたところの米軍基地を望みつつ……。
シヅルさんに案内されて到着した先は、昭和の香り漂う集落だった。
行き交う人達の姿も、昭和っぽい!
で、シヅルさんとスパイスのキラキラした格好はたいへん目立つわけだ。
「あらまあ!」
通りかかったおばさんが目を丸くしている。
話しかけてもらったのだが、沖縄の方言が凄く強い!
『ここはあっしの翻訳魔法を使うでやんすよ』
「方言翻訳助かる~!」
メンタリスの助けを借りて、意思疎通を試みるぞ!
「これはこれは、お久しぶりですシヅル様。ようこそキジムナーの里へ。隠神刑部様から連絡をいただき、お待ちしていました。それにしても早いですね!?」
「お出迎えありがとうございます。ウフフ、全盛期には鏡の扉でアジア中を飛び回り、欧米から東亜の魔女と恐れられた私ですから」
なにそれ詳しく聞きたい!
シヅルさんも若い頃は凄くやんちゃをしていたらしい。
なんか、生半可なやんちゃじゃないっぽいぞ!
こうして通されたのは集落の奥。
大きなガジュマルの木で、浜辺が近いところだ。
木の上に何かいる。
『いよう! シヅルじゃないか! 隠神刑部めがいきなり念話を飛ばしてきたと思ったら、お前さんが本当にやってくるとはな! それでそこの小さいのがあれか? 次の世代の魔女か。ひやー! おっそろしい実力者だなあ!』
陽気な男の声がする。
姿は見えないけど、鬱蒼と茂ったガジュマルの葉の中にいるようだ。
パワードはすぐに、相手の実体を掴んだようだった。
『これは実体がぼやけてるやつねえ! 力が薄く広がって木の中に偏在しているわ!』
「そういうパターン! 色々いるなあ」
この集落にしたって、裏社や八百八狸のところみたいな、結界に包まれた異界的な場所だろうし。
だって、浜辺からは基地が見えなくなっている。
『なーるほど。あの天魔の力を盗み取った悪い魔女が、悪さを企んでいるわけかあ。なにっ? 心の弱い人間を手下にして暴れさせている? なんと性根が腐った輩だあ。人間同士が殺し合う分には自然の摂理だが、魔が人を必要以上に食い物にするのはいけないなあ。天秤が崩れちまう』
キジムナーが枝の上で、ぴょんぴょん飛び跳ねるのが分かった。
『いいだろう。うちも協力する。最近、俺達みたいな異界の存在への理解が深まってか、力が増してきてたところだ。異世界とやらからの客人もいるんだろ? そろそろこの集落から外に出てもいいと思ってたんだ。そんな面白くなりそうな世界で、暴れてるやつがいたんじゃあ迷惑千万だわな。ああ、八重山のキジムナーたちにも顔を見せてやってくれ』
「えーっ! 島々にいるんですかー!?」
『おう、そうだぞ! 普段は姿を隠しているが、人が住まう島には必ずいる。俺達は人間たちの隣人であり、島を守る存在でもあるんだ』
人を守るわけではないけどな、と付け加えるキジムナーだった。
その後、ヤギ汁みたいなのをごちそうになり、堪能してからまた移動!
石垣島、西表島、波照間島、与那国島、黒島、小浜島、竹富島、新城島の上地と下地、鳩間島、嘉弥真島、由布島を巡ったらもう夜になっていた!
「八重山列島の島が多いよー!!」
「これでも有人島だけですから、半分ですね。久しぶりにこれほど動き回りました。若返った気分ですね」
シヅルさんがニコニコしながらガッツポーズした。
やっぱり肉体的に若返ってるでしょー!
裏社で階段を前に絶望していたのと、同じ人だとは思えないなあ。
それでも、日本の西の果てから東京まで一瞬で帰れるのが鏡の魔法だ。
便利過ぎる。
「私が若い頃に、この島々全てに来たことがありましたからね。今は無人になっている島も、かつては人がいて、キジムナーがいました。懐かしい……」
校長室に戻ってきたところで本日は解散!
今日は四国と沖縄を攻めたので、少し間を置いてから九州から山陰、中国地方を攻略していくんだそうな。
なお、関西方面は裏社からの働きかけがあるのでスルーしてよし!
「大変だとは思いますが、スパイスさんが直接顔を見せてお願いすることに意味がありますから。こういう魔法界は言葉の内容ではなく、言葉を発した本人がいるということが大切なのです」
「なるほどー。つながりを持つとか、縁を作るのが意味があるわけだね」
「そういうことです」
シヅルさんの鏡の移動魔法も、言うなれば縁を用いた魔法。
彼女が縁を作った場所になら、どこにでも移動できるわけだ。
こうしておばあちゃんに戻ったシヅルさんが、
「ああー、無理をしすぎたかも。腰が痛い、腰が……」
とか言いながら使い魔に支えられて自宅へ戻っていく。
ずっと魔女の姿でいた人たちの気持ちが分かったかもー。
若いままだとアドバンテージかなりあるもんねえ。
ただ、その姿のまま意識が人間から離れてしまうと問題だけど!
「スパイスも気をつけなくちゃなあ」
『主様の場合、最初から意識の半分はスパイス側に持っていかれているので問題ありませんけど?』
「なあにぃー!?」
こうしてその日は終了!
シヅルさんの腰の調子が良くなったら、魔法使い訪問を再開なのだ!
その前に……。
ヤタさん、チャラちゃんとのサバゲーコラボがある……!
あれっ?
シヅルさんも参加するとか言ってなかったっけ?
ここにやって来た時に使用した鏡のゲート。
そこまで戻り……。
「次は沖縄の魔法使いに協力を要請しましょう。キジムナーとも呼ばれる呪術の使い手ですが」
「知ってるー!」
鏡をびゅんと抜けると、ぽかぽか暖かい気候の中に飛び出したのだった。
沖縄は年中温暖だなあ!
春だと言うのに、初夏の日差しだ。
さてさて、出現したのは林の中。
ただし、ここからでも潮騒が聞こえてくる。
海に近いところだな?
木々の合間から、ちょっと離れたところの米軍基地を望みつつ……。
シヅルさんに案内されて到着した先は、昭和の香り漂う集落だった。
行き交う人達の姿も、昭和っぽい!
で、シヅルさんとスパイスのキラキラした格好はたいへん目立つわけだ。
「あらまあ!」
通りかかったおばさんが目を丸くしている。
話しかけてもらったのだが、沖縄の方言が凄く強い!
『ここはあっしの翻訳魔法を使うでやんすよ』
「方言翻訳助かる~!」
メンタリスの助けを借りて、意思疎通を試みるぞ!
「これはこれは、お久しぶりですシヅル様。ようこそキジムナーの里へ。隠神刑部様から連絡をいただき、お待ちしていました。それにしても早いですね!?」
「お出迎えありがとうございます。ウフフ、全盛期には鏡の扉でアジア中を飛び回り、欧米から東亜の魔女と恐れられた私ですから」
なにそれ詳しく聞きたい!
シヅルさんも若い頃は凄くやんちゃをしていたらしい。
なんか、生半可なやんちゃじゃないっぽいぞ!
こうして通されたのは集落の奥。
大きなガジュマルの木で、浜辺が近いところだ。
木の上に何かいる。
『いよう! シヅルじゃないか! 隠神刑部めがいきなり念話を飛ばしてきたと思ったら、お前さんが本当にやってくるとはな! それでそこの小さいのがあれか? 次の世代の魔女か。ひやー! おっそろしい実力者だなあ!』
陽気な男の声がする。
姿は見えないけど、鬱蒼と茂ったガジュマルの葉の中にいるようだ。
パワードはすぐに、相手の実体を掴んだようだった。
『これは実体がぼやけてるやつねえ! 力が薄く広がって木の中に偏在しているわ!』
「そういうパターン! 色々いるなあ」
この集落にしたって、裏社や八百八狸のところみたいな、結界に包まれた異界的な場所だろうし。
だって、浜辺からは基地が見えなくなっている。
『なーるほど。あの天魔の力を盗み取った悪い魔女が、悪さを企んでいるわけかあ。なにっ? 心の弱い人間を手下にして暴れさせている? なんと性根が腐った輩だあ。人間同士が殺し合う分には自然の摂理だが、魔が人を必要以上に食い物にするのはいけないなあ。天秤が崩れちまう』
キジムナーが枝の上で、ぴょんぴょん飛び跳ねるのが分かった。
『いいだろう。うちも協力する。最近、俺達みたいな異界の存在への理解が深まってか、力が増してきてたところだ。異世界とやらからの客人もいるんだろ? そろそろこの集落から外に出てもいいと思ってたんだ。そんな面白くなりそうな世界で、暴れてるやつがいたんじゃあ迷惑千万だわな。ああ、八重山のキジムナーたちにも顔を見せてやってくれ』
「えーっ! 島々にいるんですかー!?」
『おう、そうだぞ! 普段は姿を隠しているが、人が住まう島には必ずいる。俺達は人間たちの隣人であり、島を守る存在でもあるんだ』
人を守るわけではないけどな、と付け加えるキジムナーだった。
その後、ヤギ汁みたいなのをごちそうになり、堪能してからまた移動!
石垣島、西表島、波照間島、与那国島、黒島、小浜島、竹富島、新城島の上地と下地、鳩間島、嘉弥真島、由布島を巡ったらもう夜になっていた!
「八重山列島の島が多いよー!!」
「これでも有人島だけですから、半分ですね。久しぶりにこれほど動き回りました。若返った気分ですね」
シヅルさんがニコニコしながらガッツポーズした。
やっぱり肉体的に若返ってるでしょー!
裏社で階段を前に絶望していたのと、同じ人だとは思えないなあ。
それでも、日本の西の果てから東京まで一瞬で帰れるのが鏡の魔法だ。
便利過ぎる。
「私が若い頃に、この島々全てに来たことがありましたからね。今は無人になっている島も、かつては人がいて、キジムナーがいました。懐かしい……」
校長室に戻ってきたところで本日は解散!
今日は四国と沖縄を攻めたので、少し間を置いてから九州から山陰、中国地方を攻略していくんだそうな。
なお、関西方面は裏社からの働きかけがあるのでスルーしてよし!
「大変だとは思いますが、スパイスさんが直接顔を見せてお願いすることに意味がありますから。こういう魔法界は言葉の内容ではなく、言葉を発した本人がいるということが大切なのです」
「なるほどー。つながりを持つとか、縁を作るのが意味があるわけだね」
「そういうことです」
シヅルさんの鏡の移動魔法も、言うなれば縁を用いた魔法。
彼女が縁を作った場所になら、どこにでも移動できるわけだ。
こうしておばあちゃんに戻ったシヅルさんが、
「ああー、無理をしすぎたかも。腰が痛い、腰が……」
とか言いながら使い魔に支えられて自宅へ戻っていく。
ずっと魔女の姿でいた人たちの気持ちが分かったかもー。
若いままだとアドバンテージかなりあるもんねえ。
ただ、その姿のまま意識が人間から離れてしまうと問題だけど!
「スパイスも気をつけなくちゃなあ」
『主様の場合、最初から意識の半分はスパイス側に持っていかれているので問題ありませんけど?』
「なあにぃー!?」
こうしてその日は終了!
シヅルさんの腰の調子が良くなったら、魔法使い訪問を再開なのだ!
その前に……。
ヤタさん、チャラちゃんとのサバゲーコラボがある……!
あれっ?
シヅルさんも参加するとか言ってなかったっけ?
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