TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

文字の大きさ
17 / 373
美少女デビュー編

第17話 明らかにリスナーの顔ぶれが違う

しおりを挟む
 晴れてツイッピーに転生した俺。
 本日は予約したダンジョンの配信の日だ。

 待機画面を見ていると……。

※『おじさんってマジ!?』『一発凍結笑う』『でもカワイくね?』『俺の方がカワイイ』

 なんだ……?
 コメント欄の年齢層が若いような……。

 明らかにアワチューブのコメントは、それなりの年齢層が混じっていた。
 だがツイッピーは若い。
 具体的には十歳くらいコメントが若返っている気がするぞ!

『そこまで極端じゃないですけど、ツイッピーを主に見てる方は学生さんや女性の方に多いそうですねえー』

「フロータ、すっかり詳しくなって……」

『主様が情報収集なさっている間、私はずーっと動画見てましたからね!』

「勤勉なのか怠惰なのか……」

『今の時代ってほんとに楽でいいですよねぇ~』

「怠惰だった!!」

 そういうことで、配信スタート。
 今回のダンジョンは、自宅からいくつか駅を下ったところ。
 いわゆる、都心への直通列車が出ない辺りだ。

 ここで、老老介護の状態だった御夫婦がまとめて怨霊化し、ダンジョンになった物件が目的地です。
 す、救いがない……!

 訪問介護みたいにやってきた人が発見者で、その人は情報を流した後にダンジョン内で犠牲になった。
 す、救いがない……!

 配信者になると、そういう裏の事情みたいなのがどんどん入ってくるね。
 これをいつも明るいコンテンツに仕立てて同接を集めてたの、本当にプロ配信者は凄いわ。

「よっしゃ、気持ちを切り替えよう! 幸いなことに無人駅。物陰なら無限にあるので……メタモルフォーゼ・スパイス!」

 俺は素早く変身を終えた。
 いや、変身すると白黒の螺旋が飛び出してきて光り輝くから、超絶目立つんだけど。

「あれ!? 今の光ってもしかして」

 若い声が聞こえて、誰かが見に来た。
 若い男女の一団だ!

 あぶねー!
 もう少しで見られるところだった。

『やっぱり変身を終えてから電車に乗ったほうがいいですねこれ』

「そうかもな……。でも出発時、お隣さんには二度見られてしまったからな」

『きっと覚えてませんからセーフですよ!』

「そうかなあー」

 そんな俺たちを、男女が指さして「うわーっ!! スパイスちゃんがいる!!」と盛り上がった。
 こ、こいつらリスナーか!!

「どーもーっ! こんちは! 黒胡椒スパイスでーす! もしかしてみんな、ペッパーどもなの?」

「そーっす!」「やだ、本物超カワイイんだけど!!」「おじさんだって思えねえー!!」「お肌すべすべ……ファンになりそう」

 なんたるノリだ。
 元の姿の俺ならば、勘弁してくれとなったことだろう。

 だが……スパイスちゃんである俺は、この中で一番若い!!

「もしかして、スパイスが配信するって知って追っかけてきてくれたのー? 第二回なのにありがとー! ファンが増えてうれしー」

 ニッコニコでちょっと体を傾けて、手のひらをパタパターっと横に動かす。

「かっ、カワイイ」

 ノリのいい男子がなんか恋する男の目になって、隣りにいた彼女に肘で小突かれていた。
 ははは、おじさん、君の恋を奪っちゃったかな!

 ということで、現場まで彼らを引き連れていく。
 ここから配信開始というところで、画面から退いてもらった。

「どーもーっ、こんちゃー! ツイッピーに転生しました、黒胡椒スパイスでーす! おおーっ、でも同接集まってんねー!」

※『うおおおおスパイスちゃんスパイスちゃん』『こんちゃー!!』『第二回目でかなりこなれてきてる!』

 そりゃあな、何度もイメトレしたからな。
 あとは、俺の精神を引っ張ってくれる黒胡椒スパイスと言うキャラクターに任せる!

 「情報提供ありがとー! 今日はこのダンジョンに潜ってくねー。ダンジョンって見た目は普通の建物だからホントたち悪いよなー」

 ここで、イエーイ、とか映り込んで来ようとする現場のペッパーどもを、フロータがガツーンと突撃して食い止める。

 画面外から「ウグワー!」と声が聞こえた。

※『なんだなんだ!?』『もう戦い始めてる!?』『あ、現場に突撃したバカがいたんだ!』『配信映るのいいなー!』『よくないよ! 危ないんだって現場!』

 そうそう。
 配信者と同じ画面に映ろうとダンジョンに突撃したリスナーが犠牲になるの、普通に毎月ありますからね。
 ダンジョンは洒落にならないくらい危険なので注意してもらいたい。

「それじゃあ行ってみよう! ごめんくーださい」

※『ごめんくーださい、かわいいw』『今日はパンツ見えるかな』『ばか、パンツのせいで凍結しただろ』『今日はパンツ見えないようにするための配信だもんな』

 みんなわかってるー。
 凍結は避けねばならないのだ!!

 扉を開けたら、古びた木造の家の外見から想像もつかないほど広大な空間が広がっている。
 半ば朽ちかけた黒い板張りの廊下はどこまでも続き、その横には無数の引き戸が並んでいる。
 天井にはたくさんの裸電球が揺れ、昼の配信だって言うのに薄暗い。

「雰囲気たっぷりだねー。こわーい」

『ゴブブーッ!!』

「早速出たな雑魚ー! おりゃー!」

 ゴブリンが横から出てきたので、俺は玄関に落ちていた靴べらでその頭をぶっ叩いた。

『ウグワーッ!!』

 昏倒するゴブリン。
 やっぱり、同接が集まっているとこのレベルなら脅威ではない。
 配信者は同接を集めることで、とんでもない強さになっているのだ。

※『物理攻撃で行ったーw!』『魔法じゃないw』『スパーンといい音したなあ!』

「スパイスの魔法はまだ、物を飛ばしたりしかできないからねー。それにこのダンジョンは天井が低いから、飛んでいくのも難しそうだし。拾ったものを武器にしながら進んで行くよー!」

 公式のAフォンなら、物品を収納できるらしい。
 だが悲しいかな、我が家のは民生品のAフォン。
 配信機能しかないのだ。

 最近はフロータに教育されて、簡単な会話ならできるようになっているけどな。
 で、喋る民生Aフォンって例は他に存在しないそうだ。
 あれ? なんかおかしなことが起きてる?

 まあ、配信中のAフォンは仕事に集中しているので静か静か。

『私の教育がいいですからねー! うーん! 妹ができた気分!』

「Aフォン、女性格なの……!?」

『どうなんですかね? でも教育すれば妹になると思います!!』

「この魔導書、Aフォン界に革命を起こそうとしてやがる」

 念話でのフロータとの会話と……。

「あっ、ゴブリンがみっしり詰まってるー!! なんだこれー!!」

※『シュールだw!』『スパイスちゃん嬉々として床板剥がしてる!』『床板で攻撃する気だw!』

『ゴブゴブー!!』『ゴブァーッ!!』

「うおおお、ぶっ飛べ床板、アクセール!!」

『ウグワーッ!!』

 配信も同時進行。
 忙しい!!

 このテンションのまま、断章を探しに突き進むのだ。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき
ファンタジー
冴えない高校生女子、きら星はづき(配信ネーム)。 彼女は陰キャな自分を変えるため、今巷で話題のダンジョン配信をしようと思い立つ。 初配信の同接はわずか3人。 しかしその配信でゴボウを使ってゴブリンを撃退した切り抜き動画が作られ、はづきはSNSのトレンドに。 はづきのチャンネルの登録者数は増え、有名冒険配信会社の所属配信者と偶然コラボしたことで、さらにはづきの名前は知れ渡る。 ついには超有名配信者に言及されるほどにまで名前が広がるが、そこから逆恨みした超有名配信者のガチ恋勢により、あわやダンジョン内でアカウントBANに。 だが、そこから華麗に復活した姿が、今までで最高のバズりを引き起こす。 増え続ける登録者数と、留まる事を知らない同接の増加。 ついには、親しくなった有名会社の配信者の本格デビュー配信に呼ばれ、正式にコラボ。 トップ配信者への道をひた走ることになってしまったはづき。 そこへ、おバカな迷惑系アワチューバーが引き起こしたモンスタースタンピード、『ダンジョンハザード』がおそいかかり……。 これまで培ったコネと、大量の同接の力ではづきはこれを鎮圧することになる。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。

夜兎ましろ
ファンタジー
 高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。  ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。  バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...