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異世界探索編
第52話 異世界を歩き回ってみよう
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※『異世界って聞くけど、空の色とか本当に変だ』『紫色だ』『モンスター出てきそう』『スパイスちゃんとシノちゃんなら平気でしょ』
「えー、スパイスは策略とハッタリと罠で敵を倒しているだけで、未だに直接戦闘力はありません! 搦め手系の能力者です!」
「うちも探索系と変身系の術ばかりやねえ。諜報員がうちの仕事やさかい」
※『急に不安になってきたぞ』『非戦闘員の二人でどうして異世界行こうなんて思ったんですかw!』『※いのちをだいじに』
「危なそうならすぐ帰って、応援呼ぶよー! じゃあ行ってみよう!」
荒れ果てた石畳の上に降り立ったということは、ここは異世界の街なのだ。
フロッピーがぐるりと周囲を映し出す。
うーん、荒れ果てた街ですねえ。
石造りの建物だから残っているだけで、全く人間の気配とかがない。
「えー、近場の家から探っていこうと思います。お邪魔しまあす」
『さすが異世界、濃厚な魔力を感じますねー。ここなら魔女の才能が無くても魔法は使えますよねえ』
「おっ、フロータ魔力関係に詳しい?」
『そりゃあもう専門家ですから! 地球は魔力が薄いから、魔法を使うには特別な才能か補助するための道具が必要なんですよー。私達みたいな! で、魔導書は才能がある人しか選びませんから』
「広がる格差!」
「その才能格差をどうにかするために作られたのが、現代魔法なんやね」
※『なるほどー!』『現代魔法って道具を使ってもいいくらいの成果を魔法でやるやつでしょ』『あんま意味分からなかったけど、配信だと強くなるんだよね』
「そういうことや。才能が無い人間が現代魔法を使っても大したことにならへんのですけど、配信なら同接の応援が乗りますから。ほんでそれなりに魔法っぽくなるわけやね。うちは本物の魔法をよう知らんのですけど」
「なるほどねー。スパイスはいきなり魔法使ったから分かんなかったなー。これはイグナイトを読み解いて炎の魔法をパワーアップさせないとね! おっと、屋内に入ったけど全部風化しててだめですねー」
建物の外観は残っていても、中にあった有機物や木材はボロボロになっている。
もしかしたら誰かに荒らされたのかも知れないが、それも確認はできないな。
他の家々も巡ってみる。
商店みたいなのがあったけど、ここもやっぱり中身はボロボロ。
随分昔に人間がいなくなった後みたいな。
「いやー、なんかちょっとした観光のつもりだったんだけど、むしろ廃墟めぐりみたいになっちゃったねえ」
※『異世界廃墟』『なんとも言えぬ侘しい趣を感じますねえ。廃墟と幼女、絵になる』『幼女が二人で配信してるだけで満足ですやで』
「今日のコメント欄はお肉どもが多い気がするな……。ペッパーどもはVRロビーの落成式に出てるのかな?」
フロッピーに調べてもらったらそうっぽい?
さすが、VRは今の時代、飛ぶ鳥落とす勢いだね。
おいそれと遠くまで出かけられない時代だから、バーチャルで広い世界に飛び出す。
全然ありだと思います。
※『VRはおじさんには分からなくてな』『むしろVR配信してるのを同じ気分で眺めてたい』『未経験怖い』『会いたい人もおらんからなあ』
「スパイスがVR握手会とかやったらー?」
※『VRが分かる気がしてきたぞ』『そらVR世界にダイブよ』『未経験上等!』『スパイスちゃんに会うぞー!』
こ、こいつら~!
人は欲望でいくらでも自分の壁を超えていけるんだなあ。
人間の光の汚いバージョンだよ。
そんなこんなで、お喋りしながら街の散策を行っていく。
何かに出会った時のために、瓦礫をレビテーションで浮かせながらこっちに引っ張ってきているのだ。
ほんと、リバース便利!
手を触れないでも、レビテーションさせた物品を引き寄せたりできるんだもん。
一歩間違えると核爆発だそうですけど。
「あっ、これはまずそうな音が聞こえて来ましたよ。スパイスさんお任せしますわ」
※『シノちゃんの耳がピコピコしててかわいい』『スパイスちゃんねるに新しいスター誕生だな……』『迷宮省め本当にけしからん納税しちゃう』
シノの人気が上がってきている。
陰陽師が本職だから忙しくて配信はできないので、彼女はあくまでスパイスの補佐業務をやる人だけどね。
「敵が出てきたってことだね、オッケー。こっちの世界にモンスターが出てきたら、それは現実のダンジョンとは全然違うわけだから……気を引き締めていかないとなあ。寄ってこい、リバース!」
スパイスの周りに、瓦礫を引き寄せる。
これをくるくる回転させながら、現れる敵を待つのだ。
「来ましたわ! 上です!」
「ほいきた! アクセル!」
瓦礫の幾つかをデコピンで弾く。
それは猛烈な勢いになって空に飛び上がっていった。
「ギャギャギャアーッ!」
頭上から襲いかかってきていたモンスターっぽいのが、瓦礫を掠められて勢いを緩める。
その姿は、四本脚のでっかいワシみたいな?
グリフォンだ!
それでもスパイスのことを諦めず、今度は斜めに軌道を変えて急降下してくるね。
うわー、シノ、背後に隠れるなー!
「一気に全部放流! リバース!」
瓦礫が次々に、元いた場所に戻るべく動き始めた。
グリフォンはこれの間を掻い潜りながら迫ってくる。
「うひょー! 弾避けすげー! つよーい!! うおお、ホットウィンド!」
相手が風に乗って空を飛ぶなら、これでしょう。
いきなり生暖かいつむじ風が巻き起こる。
これが、グリフォンの乗る風の動きを大きく変えたらしい。
「ギャギャッ!?」
露骨にグリフォンの軌道が逸れた。
瓦礫を避けるために翼を縮めていたのが災いしたねえ。
精緻な回避ができなくなってる!
「そーらぶっ飛べアクセル! アクセル! アクセル!」
そこに残った瓦礫を弾いて加速!
三発命中!
「ギャオーッ!!」
一発は頭に当たったようで、慌ててグリフォンが飛び上がった。
そして遠くに逃げていく。
「ふいーっ! なんというかダンジョンのモンスターよりも生きが良かったねー。イグナイトの魔法が無ければ即死だった!」
『んその通りぃ~! 主は俺のページをもっと読み解くべきだぁ~! 次の章がぁ、ちょっと攻撃できる魔法なんでぇ、そこまで学んでから異世界に行けぇ』
「あっはい」
現実的な提案をされてしまったのだった。
今日はここまでにしておこうっと。
ちなみに、物凄い話題になっても当たり前なこの異世界配信だったが、同時期に発生したVRロビーでの大事件の方が話題になってしまった。
VRで大罪と呼ばれる超強力なデーモンが出たんだとか。
アメリカを危機に陥れたやつと同じ種類のデーモンで、それがついに電脳空間をも侵食……!?
と思ったら、偶然居合わせたきら星はづきに撃破されたんだとか。
ネットニュースはそれ一色。
うーん、目立てなくて残念だったのか、まだまだ目立たずに行動できてお得だったのか……!
「えー、スパイスは策略とハッタリと罠で敵を倒しているだけで、未だに直接戦闘力はありません! 搦め手系の能力者です!」
「うちも探索系と変身系の術ばかりやねえ。諜報員がうちの仕事やさかい」
※『急に不安になってきたぞ』『非戦闘員の二人でどうして異世界行こうなんて思ったんですかw!』『※いのちをだいじに』
「危なそうならすぐ帰って、応援呼ぶよー! じゃあ行ってみよう!」
荒れ果てた石畳の上に降り立ったということは、ここは異世界の街なのだ。
フロッピーがぐるりと周囲を映し出す。
うーん、荒れ果てた街ですねえ。
石造りの建物だから残っているだけで、全く人間の気配とかがない。
「えー、近場の家から探っていこうと思います。お邪魔しまあす」
『さすが異世界、濃厚な魔力を感じますねー。ここなら魔女の才能が無くても魔法は使えますよねえ』
「おっ、フロータ魔力関係に詳しい?」
『そりゃあもう専門家ですから! 地球は魔力が薄いから、魔法を使うには特別な才能か補助するための道具が必要なんですよー。私達みたいな! で、魔導書は才能がある人しか選びませんから』
「広がる格差!」
「その才能格差をどうにかするために作られたのが、現代魔法なんやね」
※『なるほどー!』『現代魔法って道具を使ってもいいくらいの成果を魔法でやるやつでしょ』『あんま意味分からなかったけど、配信だと強くなるんだよね』
「そういうことや。才能が無い人間が現代魔法を使っても大したことにならへんのですけど、配信なら同接の応援が乗りますから。ほんでそれなりに魔法っぽくなるわけやね。うちは本物の魔法をよう知らんのですけど」
「なるほどねー。スパイスはいきなり魔法使ったから分かんなかったなー。これはイグナイトを読み解いて炎の魔法をパワーアップさせないとね! おっと、屋内に入ったけど全部風化しててだめですねー」
建物の外観は残っていても、中にあった有機物や木材はボロボロになっている。
もしかしたら誰かに荒らされたのかも知れないが、それも確認はできないな。
他の家々も巡ってみる。
商店みたいなのがあったけど、ここもやっぱり中身はボロボロ。
随分昔に人間がいなくなった後みたいな。
「いやー、なんかちょっとした観光のつもりだったんだけど、むしろ廃墟めぐりみたいになっちゃったねえ」
※『異世界廃墟』『なんとも言えぬ侘しい趣を感じますねえ。廃墟と幼女、絵になる』『幼女が二人で配信してるだけで満足ですやで』
「今日のコメント欄はお肉どもが多い気がするな……。ペッパーどもはVRロビーの落成式に出てるのかな?」
フロッピーに調べてもらったらそうっぽい?
さすが、VRは今の時代、飛ぶ鳥落とす勢いだね。
おいそれと遠くまで出かけられない時代だから、バーチャルで広い世界に飛び出す。
全然ありだと思います。
※『VRはおじさんには分からなくてな』『むしろVR配信してるのを同じ気分で眺めてたい』『未経験怖い』『会いたい人もおらんからなあ』
「スパイスがVR握手会とかやったらー?」
※『VRが分かる気がしてきたぞ』『そらVR世界にダイブよ』『未経験上等!』『スパイスちゃんに会うぞー!』
こ、こいつら~!
人は欲望でいくらでも自分の壁を超えていけるんだなあ。
人間の光の汚いバージョンだよ。
そんなこんなで、お喋りしながら街の散策を行っていく。
何かに出会った時のために、瓦礫をレビテーションで浮かせながらこっちに引っ張ってきているのだ。
ほんと、リバース便利!
手を触れないでも、レビテーションさせた物品を引き寄せたりできるんだもん。
一歩間違えると核爆発だそうですけど。
「あっ、これはまずそうな音が聞こえて来ましたよ。スパイスさんお任せしますわ」
※『シノちゃんの耳がピコピコしててかわいい』『スパイスちゃんねるに新しいスター誕生だな……』『迷宮省め本当にけしからん納税しちゃう』
シノの人気が上がってきている。
陰陽師が本職だから忙しくて配信はできないので、彼女はあくまでスパイスの補佐業務をやる人だけどね。
「敵が出てきたってことだね、オッケー。こっちの世界にモンスターが出てきたら、それは現実のダンジョンとは全然違うわけだから……気を引き締めていかないとなあ。寄ってこい、リバース!」
スパイスの周りに、瓦礫を引き寄せる。
これをくるくる回転させながら、現れる敵を待つのだ。
「来ましたわ! 上です!」
「ほいきた! アクセル!」
瓦礫の幾つかをデコピンで弾く。
それは猛烈な勢いになって空に飛び上がっていった。
「ギャギャギャアーッ!」
頭上から襲いかかってきていたモンスターっぽいのが、瓦礫を掠められて勢いを緩める。
その姿は、四本脚のでっかいワシみたいな?
グリフォンだ!
それでもスパイスのことを諦めず、今度は斜めに軌道を変えて急降下してくるね。
うわー、シノ、背後に隠れるなー!
「一気に全部放流! リバース!」
瓦礫が次々に、元いた場所に戻るべく動き始めた。
グリフォンはこれの間を掻い潜りながら迫ってくる。
「うひょー! 弾避けすげー! つよーい!! うおお、ホットウィンド!」
相手が風に乗って空を飛ぶなら、これでしょう。
いきなり生暖かいつむじ風が巻き起こる。
これが、グリフォンの乗る風の動きを大きく変えたらしい。
「ギャギャッ!?」
露骨にグリフォンの軌道が逸れた。
瓦礫を避けるために翼を縮めていたのが災いしたねえ。
精緻な回避ができなくなってる!
「そーらぶっ飛べアクセル! アクセル! アクセル!」
そこに残った瓦礫を弾いて加速!
三発命中!
「ギャオーッ!!」
一発は頭に当たったようで、慌ててグリフォンが飛び上がった。
そして遠くに逃げていく。
「ふいーっ! なんというかダンジョンのモンスターよりも生きが良かったねー。イグナイトの魔法が無ければ即死だった!」
『んその通りぃ~! 主は俺のページをもっと読み解くべきだぁ~! 次の章がぁ、ちょっと攻撃できる魔法なんでぇ、そこまで学んでから異世界に行けぇ』
「あっはい」
現実的な提案をされてしまったのだった。
今日はここまでにしておこうっと。
ちなみに、物凄い話題になっても当たり前なこの異世界配信だったが、同時期に発生したVRロビーでの大事件の方が話題になってしまった。
VRで大罪と呼ばれる超強力なデーモンが出たんだとか。
アメリカを危機に陥れたやつと同じ種類のデーモンで、それがついに電脳空間をも侵食……!?
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