TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

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奥様コラボと同じマンションのドラゴン

第140話 若者パワーだ!

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 高校生グループは、シェイクストライカーズという五人組で、女子三名、男子二名。
 PickPockで主に活動しているんだそうだ。
 うおお、別世界。

 おじさんの身としてはガードマスクがやりやすかったなあ。

 だが、現地で発見した配信者と協力して今回のスタンピードには当たらねばならない。
 俺は気合を入れて、スパイスになるのだった。

「メタモルフォーゼ! スパイス!」

「あっ、なんか駅のトイレから白黒の螺旋が!」

 スパイス登場!

 眼の前には、あらかじめアポイント入れておいたシェイクストライカーズがいる。
 ストリートファッション風の子たちで、みんな帽子を被ってる。
 ははあ、黒いオーバーサイズのシャツにホットパンツが女子の共通衣装で、帽子とスニーカーが赤とイエローとピンク。
 対する男子はブルーのシャツにダボッとしたボトムで、帽子は黒とグリーン。

 戦隊だ!!

 しかし、年頃の若者たち相手に、なんて話をしたらいいんだろう。
 おじさんになると、若い子との共通の話題なんかないので大変緊張するのだ。

 どうしたもんだろうなあ……。

 スパイスは難しい顔をしながら近づいていったよ。
 すると、シェイクストライカーズのリーダーらしき……赤い帽子の女の子が立ち上がった。

 こっちに歩いてくる。
 むむっ、やるかーっ。

「あっ、あのっ!! く、黒胡椒スパイスちゃんですよね!? 声を掛けていただけて、本当に光栄です!!」

「あれえー!?」

 むちゃくちゃ緊張した、それでもなんかウキウキな声を掛けられて、思いっきり肩透かしにあうスパイスなのだった!

「本物ですか!? うわーっ!!」

「かわいい!! かわいい!! ちっちゃーい!」

「この子がおじさんってほんと!? うへえーっ!!」

「くっ……くうっ……俺の性癖壊れちゃうよ」

 一人だけお肉どもの素質があるのが混じってるようだな。
 彼ら五人は、うちの市にある総合高校の学生五人組。
 ストリートダンス部だったそうなんだけど、有名になることでダンスがダンジョンにも通じるようになることを知って、活動は始めたのだ。

 いいことじゃないですか。

「今世の中だと、みんなが配信者をやってるわけじゃない。自分たちがこんな危険なことやらなくてもーって思わなかった?」

「思わないです」

 リーダーのレッドな少女が首を横に振った。

「他人事じゃないですもん。自分ごとですもん。私達、生まれたときからダンジョンってあるんです。だから、そういう危険なのがいつも隣りにあるって怯えながら暮らしてて。だけど、それと戦えるって分かったらやるしかないじゃないですか」

「そうは言っても、部でもこの五人しか集まんなかったけどね」

 けらけら笑う桃色の子。

「武士としての気概が足りないんじゃない?」

 黄色の子が肩をすくめた。
 そこを黒帽子の少年が小突く。

「だーれが武士だよ!」

「バレた~!」

「くうっ、スパイスちゃん、現実だとこんなに可愛いのかよ……」

 緑の少年はずっとスパイスをチラチラ見ているようだがね!?

「なるほどー! じゃあバッチリだ! あのねー、スパイスはみんなに大きなミッションを伝えに来ました! もうすぐイカルガ大感謝祭あるでしょう」

「ありますね! きら星はづきちゃん! 同い年なのに、何度も世界を救ってるすごい子! 彼女がいるお陰で、私たちみたいな高校生配信者はワーッと増えたんですよ!」

 ほへー、そうだったのか!!
 彼女は同年代の若者たちの希望そのものでもあるのだ。
 まあ、実際に会った身からすると、御本人からは現役高校生! みたいなフレッシュさとかキラキラがあんま感じられなくて、むしろ謎に満ちた重鎮感というか曲者感というか……。

「なるほどねえ! でね、イカルガ大感謝祭で世界の注目がそっちに集まるところで……。全国的にスタンピードが起こるよ。これはスパイス情報。信じるか信じないかはみんな次第だけど、信じて欲しいなー。100%起こるから」

 五人に緊張が走った。

「スタンピード……!? それって前に動画でみたやつ?」

「あのモンスターがすっごい出てくるやつでしょ!? 一対一ではないとは卑怯な」

 黄色の子、なんか武士道精神こじらせてる?

「あれとやりあうってこと!? いや、俺ら五人なら、ゴブリンくらいなら楽勝だけど……!」

「……スパイスちゃん」

 ここで顔を上げる、緑の少年。
 恐らく最もお肉どもの素質を持っている少年だ。

「なんでしょ」

「勝ち目はあるんですか? みんな強がってるけど、俺たちはやっぱ頑張っても普通っていうか。五人がかりでゴブリン倒すのがやっとっていうか」

「あるんだなこれが」

「あるんですか!?」

 緑の少年とともに、どよめく一同。

「いい? イカルガ大感謝祭で、たぶんきら星はづきがでっかいことを何かする。その余波で、こっちとあっちの戦力がひっくり返るんだ。でも、幾ら弱体化したスタンピードだって、押し返すには何箇所かに配信者がいないとやってらんない。この街だと君たちと、ガードマスクの二人しかスパイスは知らなかったからさ」

「な、なるほど……!!」

「じゃあさじゃあさ! うちらの知ってる配信者に声掛けまくろうよ! PickPockでお知らせしよ!」

 ピンクの子が立ち上がり、その後、スパイスをビシッと指さした。

「宣伝動画! スパイスちゃんも出て!!」

「えっ、スパイスも踊るんですか!!!!」

 そういうことになった。
 いやあ、このスパイスボディの圧倒的なキレがなければグダグダだった。

 教えてもらったダンスは上手く行かなかったけど、肉体の才能だけでねじ伏せたね!

「そっかー。スパイスはPickPockを知らないから、そっちから広がる配信者に気付いてなかったのか。押してくれてありがとー」

 五人と順番に握手する。
 スマホの画面の中では、五人とダンスをした後、スパイスが「大変だー!」と騒ぐ動画が公開されている。

『イカルガ大感謝祭の間、暇な配信者のみなさーん! 町中が手薄ですよー! 油断をしたらスタンピード! 何も起こらなきゃ大ラッキー! なにか起こったら~……? みんなを救った上に目立てる! 不謹慎なんて言ってらんない! 目立てば目立つほどみんな助かる! 備えましょー!!』

 いい感じの広報になったんじゃないだろうか?
 その後、スパイスは五人にハンバーガーチェーンで一食奢ったのだった。
 へえ、地元の子は実は二人で、あと三人は市外から来てるの!?

「あー、でもスパイスちゃんとたくさんお話出来てよかったー! 話してみたらちゃんとおじさんだったね」

「どきーっ! やっぱ話の内容で分かっちゃうよねー」

「こんな可愛いおじさん反則だけどな」

「あたしら、見た目だけならちっちゃい子に奢ってもらってる高校生だもんね」

 なんて感じで盛り上がりつつ……。
 いよいよXデーがやって来るのだった!
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