TSして魔法少女になった俺は、ダンジョンをカワイく攻略配信する~ダンジョン配信は今、カワイイの時代へ~

あけちともあき

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勇者パーティ・スパイス!編

第240話 お勉強配信だ勇者パーティ

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 初回配信は、勇者パーティにこれからの流れを教える配信だった。
 コーチング回ということだけど、パーティに参加してる配信者はみんな超一流の若手たちだからなあ。
 必要か必要でないかと言われると、本来なら微妙。

 ただし!!
 講師が魔王との直接対戦経験を持つ彼女であった場合を除く!

「えーと、いきなり厳しいことを言いますが、皆さんは大魔将を倒せないレベルだと思うので、今のところは戦力外です」

 いきなりスパルタ来たぞー!!
 だが、あんたほどの人がそう言うなら……って感じだよね。

 今回のこれは、勇者パーティ公式チャンネルからお送りしていまーす。
 スパイスとしては、厳しいことを言われるのは社会人生活で慣れているのでなんともないぞ。

 まずは自分の実力不足を知り、傾向と対策を調べて研鑽するものだからね。
 おっと!
 ケンタウロスのゼルガーが怒って立ち上がり、はづきちゃんに勝負を挑み……。

「じゃあ撃破しますね……。あちょっ」

「ウグワーッ!!」

 ゼルガーの突進が到達するよりも遥かに早く、ぴょんとジャンプしたはづきちゃんのチョップが炸裂した。
 冗談みたいに回転しながら吹っ飛んでいくゼルガー。

 素手で超強いであろうケンタウロスを赤ちゃん扱いする女子高生よ。

 ここで明かされる、はづきちゃんからの重要な講義!
 お約束のセリフでリスナーが盛り上がると、同接パワーが跳ね上がる!
 みたいな?

 なるほどなー!
 はづきちゃんなら、「じゃあ倒しますね」とか、リスナー側から発せられる『ご存じないのですか!?』がブーストのきっかけになる。
 スパイスたちも、自分なりのブーストを考えてみようという話だった。

 勉強になるなー。

「そういうことで、大切なのは実力よりも演出です! 演出が凄く上手いと実力以上の成果が出せるんで! ただ、みんなでやると効果が薄れるんでパーティで相談してやっていきましょうー。なお、こういうの必要ない人がいてですね」

「それは誰なんです? パーティメンバーですか」

 おっ、モリトンくんいいところで質問してくれる。
 場をつなぐのが上手いなー。
 将来性あるぞ。

「あ、はい。えっとですね、あとで合流してくるキャプテン・カイワレと、そこにいるシェリーさんとスパイスちゃんですね。シェリーさんは相手の能力をハックして自分の手駒にしますし、スパイスちゃんは魔導書を使ったスタイルを確立してますし、カイワレは意味がわからないですが打たれ強いです」

 スパイスとシェリーかー!
 なるほどねえ。
 それでキャプテンカイワレ……!?
 直接の面識はないけど、はづきちゃんに猛プッシュされるほどの人物だそうだからなあ。

 どれほどのレベルなのか。
 その後、モリトンくんのまたまたいい質問で、じゃあなんできら星はづきは常時バグみたいな強さなのかという話になった。

 これに関しての講師は、なうファンタジーのカンナ・アーデルハイドさん。
 何回も伝説じみた配信をしまくるうちに、動きそのものがネットミームみたいになっていると極意を伝えてくれた。
 講義内容はちょっと真似できないなー!

 彼女って、付き合いがあまりに長いので、きら星はづき学の権威になるくらい色々知っているらしい。
 後日、彼女からの座学があるそうなのだった。
 こうしてお勉強配信が終わり……。

 勇者パーティは解散!
 とならずにみんなでファミレスになだれ込んだ。

 ここ、ケンタウロスの人が入れるケンタウロスルームを最近完備したんだよね。
 窓際の席二つに、馬房みたいなのがついてる。

 世界はどんどん、異種族にも対応できるようになっているのだ!

 おっ、上の入口からバードマンのお客が入ってきて、バードマンの店員さんが止まり木型の席に案内している。

「皆さんお疲れ様でしたー!」

 ユーシャちゃんが声をあげて、ドリンクバーのコップを掲げる。
 これにみんな、「お疲れ様ー!」と唱和して乾杯した。
 いやー、ドリンクバーが染み渡る~!

 おじさんとしては仕事上がりはビールやハイボールでもいいんだけど……。
 この場に成人はスパイスしかいないからね……。

「しっかし、本当に驚いた!! 今更お勉強なんかめんどくさいなーって思ってたけど、タリサが知らないことがたっくさんあったのね!」

「うん、私もハヅキとは肩を並べて戦ったけど、やっぱり彼女っておかしいわ。強すぎるもの。一人であれに追いつこうなんて無理ね。特別な運命に導かれたような人だし。ちょっと悔しいんだけどね」

 おお、タリサもシェリーも発言が若い~。
 内心でニコニコしてしまうおじさんなのだ。

 モリトンくんは今日、たくさん喋れたということで満足げだ。
 ゼルガーも相棒の成長を見て、実に嬉しそう。
 なお、はづきちゃんに突撃してぶっ飛ばされた彼だが……。

「あれはあえて俺が突っかかり、彼女の力を皆に示す意味合いもあった。彼女が次々に大魔将を打ち倒した英雄であることは理解している。その上で、彼女の発言が暴言ではないことを動画を見る者たちに分からせる必要があると思った」

「おおーっ!! ゼルガー大人~! スパイスはこれ、分からず屋なリスナーに直接分からせをするんじゃないかと思ってたよ!」

「その話題も知っている……。彼女が術を使ってたちの悪いリスナーを制御していることはな。だが、こう……もっとお手柔らかにというか……。彼らが痛い目を見る前に、俺を見て分かってくれればな」

 優しい!!
 モリトンとの対比でクールで一匹狼的なキャラを作っているゼルガーだが、実は心優しい男だったのだ!
 いいやつだなあ。

「スパイスの好感度がガーッと上がったなあ。おじさんは見どころのある若者が大好きなのだ」

「スパイスの見た目でそんな事を言われると、不思議な気持ちになるな……」

「僕らより全然年下の女の子に見えるのにねえ」

 ゼルガーとモリトンが笑うのだった。
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