異世界で始めるポイ活冒険生活 ~実績解除で人生ボーナス中!~

あけちともあき

文字の大きさ
2 / 121
ポイ活、人生を導く編

第2話 他のポイントサービスに相乗りしました! +200pt

しおりを挟む
 移民受け入れセンター。

 列に並んで、ついに俺の番が来た。
 他の人達はみんな、ボロボロの服装だったり、人間じゃなかったり、剣呑な武器をぶら下げてたり……。
 ワケアリだったりカタギじゃなかったりする感じだなあ。
 怖い怖い……。

「兄ちゃん、手ぶらなのかい!?」

 一緒に並んでいたおっさんに驚かれた。

「ええ、その、事情があって」

 さっきこの世界に転生してきたばかりだからな。
 UGWポイントプログラムしか持ってないぞ。

「よく、こんな物騒な世の中を手ぶらでケスタイン王国まで辿り着けたなあ……」

「ケスタイン王国……?」

『ウグワーッ! 初めて現在地を確認しました! 実績・ここはどこ?を解除! 100pt獲得!』

 あっ、ポイントが増えた!
 嬉しくてニコニコしてしまう。
 こりゃあ、いろいろな事に挑戦するモチベーションになるぞお!

「兄ちゃん急に笑いだして! そうかあ、色々苦労してきたんだああ」

 なんか勘違いされてしまった。
 俺はおっさんとともに建物の中に案内され、貢献活動とやらの説明を受けた。

 係員のお姉さんが言うには……。

「ケスタイン王国は平和な国です。ですから、各地から移民を希望する人々が集まってきます。ですが、誰も彼も受け入れては王国の治安を保てません。ですから移民を希望する人は、我が国への貢献を行っていただくことになっています。それが貢献活動です」

 係員がやってきて、俺とおっさんの手にリストバンドをつけた。
 なんだこれは?

「それは、貢献バンドです。皆さんが既定の貢献活動をすることで貢献ポイントが貯まります。これが1000ptになれば移民としての申請が可能になるということです。もちろん、貢献活動中に問題を起こした方は申請が却下されます。そういうこともバンドが記録します。途中で外した人も、申請は却下されます」

「思ってたより厳しい」

「何言ってるんだい兄ちゃん。他の国なんか、入国させてもくれないんだぜ? まだまだケスタイン王国は優しい方さ」

 そうなのか。
 異世界も大変なんだな……。

 そんな事を思っていたら、視界にステータス画面が開いた。

『ポイントプログラムからの提案です! 他社のポイントプログラム加入を確認しました。なんとUGWPAYポイントプログラムは、他社プログラムとの相乗りが可能です!』

「なんだって!?」

 思わず声が出た。
 説明のお姉さんが首を傾げる。
 しまった、声は抑えておかないと。

『相乗りすることで、他社プログラムで発生したポイントの10%が、UGWポイントとして獲得できます!』

 な、な、なんだってー!!
 やる!
 相乗りする!

 眼の前に、相乗りサービスに加入する YES/NOが表示されたので、震える指でYESを押した。

『相乗りサービスのご利用ありがとうございます! ご加入特典として、200ptを進呈します!』

 ポイントまでもらえるの!?
 やったー!!
 嬉しいー!!

「兄ちゃん、どっちに行くんだい? 採集と労働があるけど」

「え? あ、はい」

 いかん。
 ポイントプログラムに夢中で説明が耳に入っていなかった。
 おじさんはいい人だったので教えてくれた。

「労働は、農作業や荷役だな。こいつは一日働けば5pt手に入る。貢献ポイント1ptで一食得られるから、一日二食に切り詰めるとして……まあ一年働けば入国できるな」

「そんなに!?」

「いやまあ長いけどよ。命までは失わないだろ。で、採集は集めたものでポイントが変わるけど、モンスターがうようよいる国外に出ないといけないんだ! 上手く達成できりゃいいけど、まず死ぬぜ! 俺たちゃ強い騎士や冒険者様じゃないんだ」

 なるほどなあ……。
 でも、ポイントを得られるための新たな行動は、採集の方が多そうだ。

「あ、じゃあ、俺は採集に……」

「本気かい兄ちゃん!? い、いや、まあ兄ちゃんの選択だもんな。俺は止めねえよ。無謀は若さの特権だけどさ、それで死んだら元も子もねえぜ? いつでも労働に来ていいんだからな?」

 そして、おじさんは去っていった。
 いい人だったなあ!
 異世界にもいい人がたくさんいる。
 それにこんなにたくさん、人と話したのは久しぶりだ。

『ウグワーッ! 10分間会話しました! 実績・コミュニケーションの第一歩を解除! 100pt獲得!』

「えっ!? 頑張ってお喋りしてもポイントになっちゃうの!? うわーっ、嬉しいなあ! これは本当に頑張る理由ができちゃうじゃん!」

 今のポイントは……。

◎現在のUGWポイント:1500pt

 いいぞいいぞ!
 それに、貢献ポイントを得るごとに、相乗りでその10%が乗ってくるんだ。
 楽しいことしか無い。

 さーて、それじゃあ採集に勤しみますか!
 でも、危険だって言われていたよな。
 ということは、武器とか備えが必要なんじゃないだろうか。

「ポイントで買えるかな? お買い物サービスっと……」

 俺はポイ活でポイントを貯めるが、使うべきときには使える男なのだ!
 よし、このモンスターよけスプレーというのにしよう……。

 鍛えてない俺の体では、振り回す系の武器なんか持っても無駄だからね……。
 あ、50ptで買えるの!?
 やすぅい!
 回数制限のある消耗品だし、二つ買っとこう。

 俺はスプレー一つを腰のベルトに挟み、一つを手にする。
 こうしてお買い物を楽しんでいると、採集に向かう移民希望者の会話が聞こえてくるではないか。

「ツノ女戻ってこないな」

「死んだんじゃないか? 人竜族ったって丸腰だろ」

「やっぱ採集、移民認定は爆速になるけど命が危なすぎだよな」

「俺等もポイントが貯まるのが先か、死ぬのが先か……」

 物騒なことを仰る。
 よし!
 俺は慎重に慎重に、しかし貪欲にポイントを獲得していくぞー!!

◎現在のポイント UGWポイント:1400pt
         貢献ポイント :0pt
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔法至上主義の世界で『筋力』だけカンストした男が拳一つで全てを覆す

ポポリーナ
ファンタジー
魔法こそが至高——この世界では呼吸も移動も戦闘も、あらゆる営みが魔力で成り立っている。 筋力は「野蛮人の遺物」と蔑まれ、身体を鍛える者は最底辺の存在とされていた。 そんな世界に転生した元・体育教師の剛田鉄心は、魔力適性ゼロ、しかし筋力だけが測定不能のカンスト値。 魔法障壁を素手でぶち抜き、転移魔法より速く走り、最上位魔法を腹筋で弾く—— 「なぜ魔法を使わないんだ!?」と問われるたびに「だって使えないし」と笑う男の、 常識を腕力でねじ伏せる痛快・逆転無双が今始まる!

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

異世界転移しても所詮引きこもりじゃ無双なんて無理!しょうがないので幼馴染にパワーレベリングして貰います

榊与一
ファンタジー
異世界で召喚士! 召喚したゴブリン3匹に魔物を押さえつけさせ、包丁片手にザク・ザク・ザク。 あれ?召喚士ってこんな感じだったっけ?なんか思ってったのと違うんだが? っていうか召喚士弱すぎねぇか?ひょっとしてはずれ引いちゃった? 異世界生活早々壁にぶつかり困っていたところに、同じく異世界転移していた幼馴染の彩音と出会う。 彩音、お前もこっち来てたのか? って敵全部ワンパンかよ! 真面目にコツコツとなんかやってらんねぇ!頼む!寄生させてくれ!! 果たして彩音は俺の救いの女神になってくれるのか? 理想と現実の違いを痛感し、余りにも弱すぎる現状を打破すべく、俺は強すぎる幼馴染に寄生する。 これは何事にも無気力だった引き篭もりの青年が、異世界で力を手に入れ、やがて世界を救う物語。 幼馴染に折檻されたり、美少女エルフやウェディングドレス姿の頭のおかしいエルフといちゃついたりいちゃつかなかったりするお話です。主人公は強い幼馴染にガンガン寄生してバンバン強くなっていき、最終的には幼馴染すらも……。 たかしの成長(寄生)、からの幼馴染への下克上を楽しんで頂けたら幸いです。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...