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ポイ活、人生の道標となる編
第83話 視察にお付き合いしました! +1000pt
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「出発して早々なんですが、ここが作業員たちがいつも食事しているパン屋と煮込み屋です。これは第二目標地点が着工する段階で、この先の新しい店舗に移動します」
『ふむふむ、なるほど! よい匂いが漂ってきている。美味い食事を提供し、作業員たちの士気を上げているというわけだな』
『ふん、だがこの程度のことならば、他の作業現場でも近いことは行われているだろう。食事代を出す現場がほとんどだぞ』
王子が感心した横で、ワークライバ侯爵はいちゃもんをつけてくる。
「では左手を御覧ください」
そこで俺は、左側を指し示す!
「作業員用の大浴場と、宿泊所です! つまりこれは……夕方はここでひとっ風呂浴びて汗を流し、飯を食って酒を飲んだらすぐ眠れるんです」
『な、な、なにぃーっ!!』
衝撃を受けるワークライバ侯爵!!
『ウグワーッ! 嫌味な侯爵に一発かましました! 実績・ざまぁ! 解除! 1000pt獲得!』
『ええいいかに上位AIと言えど、私を嫌味な侯爵などと呼ぶんじゃなあーい!!』
『ほほほ』
侯爵がチャットボットとじゃれ合っている。
『なるほどな……。これは完璧な福利厚生だ。現場に近い宿泊所で眠れるから、睡眠時間もしっかり確保できよう。食事も近いところにあり、全てはここで完結する。だが一週間でこの現場を離れて次に行くのだろう?』
「ええ、そうです。ですので使用しなくなったこの箱は、民間に払い下げます」
『なんと!!』
「ここを拠点にして、新たに街を作ってもらうんです。ただの道ではなく、リクス・タカードまでがひと繋がりの都市になるようにします」
『ほう……ほうほう……! 計画には目を通していたが、実際にこの目で確かめると驚きを覚えてしまうな……!!』
王子のテンションが上がったところで次に行ってみよう。
壁の一つ一つを指さしながら、作業工程の映像を流して説明する。
「ここなんですが、向こうのエッジユニットを中継地点として使用し、そこに向けて俺とマキナで壁を立てていったんです。あの映像通り、正確に一個ずつ空けて……。その隙間を作業員たちが産めていくわけですね」
『これは……君はたった一人ですべてを作ってしまうことができるのではないか?』
「はい、できます」
『ならばどうして作業員に任せる? 時間も掛かるし、資材も余計に必要になるだろう』
「そうした方が、みんなに仕事ができますし、やっぱりこういうのってみんなで完成させていくのが一番楽しいじゃないですか。今は作業員だけですけど、第二目標地点までの作業が始まったらここを一般に解放しようと思ってます。それで観光して、ポイントを落としていってもらえれば」
『ほう! なるほど、なるほどな。大した男だ』
王子が笑った。
『この男、分かっていますな。我らは人間がこの世界を生き延びられるよう、サポートするために存在するAI。なるほど、人間には楽をさせず、仕事と連帯感と達成感を与える。正しい選択であろう』
「ミアンが侯爵からリスペクトを送られている……! や、やはりあの男の懐に入った私は正しかったな」
「デリア、お主はこう、打算しか感じぬのじゃよなー」
別にそれはそれでいいんじゃないかと。
インビンシブル号がまったりと、第一目標地点まで進む。
そうしたら、暇になったマキナが降りてきた。
「私が活躍するところ全然ないじゃないですかあー!」
「ごめんごめん。そもそもロボットアーム使うところがなかった。でも、これから殿下に体験してもらおうよ」
「これからなんですか? いいでしょう! 王子様! 上ですよ上! 来て下さい!」
『ほうほう! この大きな車の上に? ハハハ、余は車に登ったことはないなあ!』
王子が楽しげに笑いながら、マキナに連れられて車上に登っていく。
到着した第一目標地点は、怪物たちが入り込めないように周囲を蓋されている。
これをマキナが、ロボットアームでずらす……!
『おお! 安全な通路の外は……まさしく壁の外側!』
蓋の近くまで来ていたシェイプシフターたちだが、インビンシブル号が姿を見せたので、ぎょっとして跳び下がった。
身を低くして唸っている。
こいつらは一匹でも壁の中に入れると大惨事になるのだ。
人間に化けて人間を食べるからね。
『ポッピピー!』
その時!
インビンシブル号から鳴り響く、ポチョの大きな声!
これに呼応して、遠くにある地面がブフーン!と吹き上がった。
デスワームを呼んだんだな?
ポチョの盟友であるデスワームが駆けつける!
そしてシェイプシフターを蹴散らし、一匹食べる。
『キュキュキュー』
『ピポポー!』
お互い声を掛け合った後、デスワームは去っていった。
『なんと! デスワームとも交流していたのか。あれは人を食べぬ益虫。だが、意思の疎通は出来ぬと思っていた。そうか、あれにも高い知性があったのだな……』
うんうん感心する殿下。
そして彼に、壁を立てる体験をやってもらったのだった。
『わはは! こ、これは……! 余のアバターの出力では難しすぎる! うおおっ、
なんとも不格好な壁になった!』
「王子様下手ですねー! でも練習すれば上手くなりますよ!」
『そうかそうか。わっはっは』
『無礼ではある。無礼ではあるが……うぬぬ』
侯爵、なんかプルプル震えているのだった。
『ウグワーッ! 視察にお付き合いしました! 実績・王太子殿下のお気に入り解除! 1000pt獲得!』
こうして王太子は大いに満足し、侯爵もなんか言いたげではあったが『全体的に見て大変良い労働環境だった。そのまま励むように』と告げて去っていった。
視察はとてもいい感じで終わったな。
後に来た通達で、国は俺の事業を全面的に支援することを決定したそうである。
◎現在のポイント:108020pt
貢献ポイント :165855ポイント(視察へのお付き合いの謝礼)
『ふむふむ、なるほど! よい匂いが漂ってきている。美味い食事を提供し、作業員たちの士気を上げているというわけだな』
『ふん、だがこの程度のことならば、他の作業現場でも近いことは行われているだろう。食事代を出す現場がほとんどだぞ』
王子が感心した横で、ワークライバ侯爵はいちゃもんをつけてくる。
「では左手を御覧ください」
そこで俺は、左側を指し示す!
「作業員用の大浴場と、宿泊所です! つまりこれは……夕方はここでひとっ風呂浴びて汗を流し、飯を食って酒を飲んだらすぐ眠れるんです」
『な、な、なにぃーっ!!』
衝撃を受けるワークライバ侯爵!!
『ウグワーッ! 嫌味な侯爵に一発かましました! 実績・ざまぁ! 解除! 1000pt獲得!』
『ええいいかに上位AIと言えど、私を嫌味な侯爵などと呼ぶんじゃなあーい!!』
『ほほほ』
侯爵がチャットボットとじゃれ合っている。
『なるほどな……。これは完璧な福利厚生だ。現場に近い宿泊所で眠れるから、睡眠時間もしっかり確保できよう。食事も近いところにあり、全てはここで完結する。だが一週間でこの現場を離れて次に行くのだろう?』
「ええ、そうです。ですので使用しなくなったこの箱は、民間に払い下げます」
『なんと!!』
「ここを拠点にして、新たに街を作ってもらうんです。ただの道ではなく、リクス・タカードまでがひと繋がりの都市になるようにします」
『ほう……ほうほう……! 計画には目を通していたが、実際にこの目で確かめると驚きを覚えてしまうな……!!』
王子のテンションが上がったところで次に行ってみよう。
壁の一つ一つを指さしながら、作業工程の映像を流して説明する。
「ここなんですが、向こうのエッジユニットを中継地点として使用し、そこに向けて俺とマキナで壁を立てていったんです。あの映像通り、正確に一個ずつ空けて……。その隙間を作業員たちが産めていくわけですね」
『これは……君はたった一人ですべてを作ってしまうことができるのではないか?』
「はい、できます」
『ならばどうして作業員に任せる? 時間も掛かるし、資材も余計に必要になるだろう』
「そうした方が、みんなに仕事ができますし、やっぱりこういうのってみんなで完成させていくのが一番楽しいじゃないですか。今は作業員だけですけど、第二目標地点までの作業が始まったらここを一般に解放しようと思ってます。それで観光して、ポイントを落としていってもらえれば」
『ほう! なるほど、なるほどな。大した男だ』
王子が笑った。
『この男、分かっていますな。我らは人間がこの世界を生き延びられるよう、サポートするために存在するAI。なるほど、人間には楽をさせず、仕事と連帯感と達成感を与える。正しい選択であろう』
「ミアンが侯爵からリスペクトを送られている……! や、やはりあの男の懐に入った私は正しかったな」
「デリア、お主はこう、打算しか感じぬのじゃよなー」
別にそれはそれでいいんじゃないかと。
インビンシブル号がまったりと、第一目標地点まで進む。
そうしたら、暇になったマキナが降りてきた。
「私が活躍するところ全然ないじゃないですかあー!」
「ごめんごめん。そもそもロボットアーム使うところがなかった。でも、これから殿下に体験してもらおうよ」
「これからなんですか? いいでしょう! 王子様! 上ですよ上! 来て下さい!」
『ほうほう! この大きな車の上に? ハハハ、余は車に登ったことはないなあ!』
王子が楽しげに笑いながら、マキナに連れられて車上に登っていく。
到着した第一目標地点は、怪物たちが入り込めないように周囲を蓋されている。
これをマキナが、ロボットアームでずらす……!
『おお! 安全な通路の外は……まさしく壁の外側!』
蓋の近くまで来ていたシェイプシフターたちだが、インビンシブル号が姿を見せたので、ぎょっとして跳び下がった。
身を低くして唸っている。
こいつらは一匹でも壁の中に入れると大惨事になるのだ。
人間に化けて人間を食べるからね。
『ポッピピー!』
その時!
インビンシブル号から鳴り響く、ポチョの大きな声!
これに呼応して、遠くにある地面がブフーン!と吹き上がった。
デスワームを呼んだんだな?
ポチョの盟友であるデスワームが駆けつける!
そしてシェイプシフターを蹴散らし、一匹食べる。
『キュキュキュー』
『ピポポー!』
お互い声を掛け合った後、デスワームは去っていった。
『なんと! デスワームとも交流していたのか。あれは人を食べぬ益虫。だが、意思の疎通は出来ぬと思っていた。そうか、あれにも高い知性があったのだな……』
うんうん感心する殿下。
そして彼に、壁を立てる体験をやってもらったのだった。
『わはは! こ、これは……! 余のアバターの出力では難しすぎる! うおおっ、
なんとも不格好な壁になった!』
「王子様下手ですねー! でも練習すれば上手くなりますよ!」
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『無礼ではある。無礼ではあるが……うぬぬ』
侯爵、なんかプルプル震えているのだった。
『ウグワーッ! 視察にお付き合いしました! 実績・王太子殿下のお気に入り解除! 1000pt獲得!』
こうして王太子は大いに満足し、侯爵もなんか言いたげではあったが『全体的に見て大変良い労働環境だった。そのまま励むように』と告げて去っていった。
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