異世界で始めるポイ活冒険生活 ~実績解除で人生ボーナス中!~

あけちともあき

文字の大きさ
83 / 121
ポイ活、人生の道標となる編

第83話 視察にお付き合いしました! +1000pt

しおりを挟む
「出発して早々なんですが、ここが作業員たちがいつも食事しているパン屋と煮込み屋です。これは第二目標地点が着工する段階で、この先の新しい店舗に移動します」

『ふむふむ、なるほど! よい匂いが漂ってきている。美味い食事を提供し、作業員たちの士気を上げているというわけだな』

『ふん、だがこの程度のことならば、他の作業現場でも近いことは行われているだろう。食事代を出す現場がほとんどだぞ』

 王子が感心した横で、ワークライバ侯爵はいちゃもんをつけてくる。

「では左手を御覧ください」

 そこで俺は、左側を指し示す!

「作業員用の大浴場と、宿泊所です! つまりこれは……夕方はここでひとっ風呂浴びて汗を流し、飯を食って酒を飲んだらすぐ眠れるんです」

『な、な、なにぃーっ!!』

 衝撃を受けるワークライバ侯爵!!

『ウグワーッ! 嫌味な侯爵に一発かましました! 実績・ざまぁ! 解除! 1000pt獲得!』

『ええいいかに上位AIと言えど、私を嫌味な侯爵などと呼ぶんじゃなあーい!!』

『ほほほ』

 侯爵がチャットボットとじゃれ合っている。

『なるほどな……。これは完璧な福利厚生だ。現場に近い宿泊所で眠れるから、睡眠時間もしっかり確保できよう。食事も近いところにあり、全てはここで完結する。だが一週間でこの現場を離れて次に行くのだろう?』

「ええ、そうです。ですので使用しなくなったこの箱は、民間に払い下げます」

『なんと!!』

「ここを拠点にして、新たに街を作ってもらうんです。ただの道ではなく、リクス・タカードまでがひと繋がりの都市になるようにします」

『ほう……ほうほう……! 計画には目を通していたが、実際にこの目で確かめると驚きを覚えてしまうな……!!』

 王子のテンションが上がったところで次に行ってみよう。
 壁の一つ一つを指さしながら、作業工程の映像を流して説明する。

「ここなんですが、向こうのエッジユニットを中継地点として使用し、そこに向けて俺とマキナで壁を立てていったんです。あの映像通り、正確に一個ずつ空けて……。その隙間を作業員たちが産めていくわけですね」

『これは……君はたった一人ですべてを作ってしまうことができるのではないか?』

「はい、できます」

『ならばどうして作業員に任せる? 時間も掛かるし、資材も余計に必要になるだろう』

「そうした方が、みんなに仕事ができますし、やっぱりこういうのってみんなで完成させていくのが一番楽しいじゃないですか。今は作業員だけですけど、第二目標地点までの作業が始まったらここを一般に解放しようと思ってます。それで観光して、ポイントを落としていってもらえれば」

『ほう! なるほど、なるほどな。大した男だ』

 王子が笑った。

『この男、分かっていますな。我らは人間がこの世界を生き延びられるよう、サポートするために存在するAI。なるほど、人間には楽をさせず、仕事と連帯感と達成感を与える。正しい選択であろう』

「ミアンが侯爵からリスペクトを送られている……! や、やはりあの男の懐に入った私は正しかったな」

「デリア、お主はこう、打算しか感じぬのじゃよなー」

 別にそれはそれでいいんじゃないかと。
 インビンシブル号がまったりと、第一目標地点まで進む。
 そうしたら、暇になったマキナが降りてきた。

「私が活躍するところ全然ないじゃないですかあー!」

「ごめんごめん。そもそもロボットアーム使うところがなかった。でも、これから殿下に体験してもらおうよ」

「これからなんですか? いいでしょう! 王子様! 上ですよ上! 来て下さい!」

『ほうほう! この大きな車の上に? ハハハ、余は車に登ったことはないなあ!』

 王子が楽しげに笑いながら、マキナに連れられて車上に登っていく。
 到着した第一目標地点は、怪物たちが入り込めないように周囲を蓋されている。
 これをマキナが、ロボットアームでずらす……!

『おお! 安全な通路の外は……まさしく壁の外側!』

 蓋の近くまで来ていたシェイプシフターたちだが、インビンシブル号が姿を見せたので、ぎょっとして跳び下がった。
 身を低くして唸っている。
 こいつらは一匹でも壁の中に入れると大惨事になるのだ。

 人間に化けて人間を食べるからね。

『ポッピピー!』

 その時!
 インビンシブル号から鳴り響く、ポチョの大きな声!
 これに呼応して、遠くにある地面がブフーン!と吹き上がった。

 デスワームを呼んだんだな?
 ポチョの盟友であるデスワームが駆けつける!
 そしてシェイプシフターを蹴散らし、一匹食べる。

『キュキュキュー』

『ピポポー!』

 お互い声を掛け合った後、デスワームは去っていった。

『なんと! デスワームとも交流していたのか。あれは人を食べぬ益虫。だが、意思の疎通は出来ぬと思っていた。そうか、あれにも高い知性があったのだな……』

 うんうん感心する殿下。
 そして彼に、壁を立てる体験をやってもらったのだった。

『わはは! こ、これは……! 余のアバターの出力では難しすぎる! うおおっ、
なんとも不格好な壁になった!』

「王子様下手ですねー! でも練習すれば上手くなりますよ!」

『そうかそうか。わっはっは』

『無礼ではある。無礼ではあるが……うぬぬ』

 侯爵、なんかプルプル震えているのだった。

『ウグワーッ! 視察にお付き合いしました! 実績・王太子殿下のお気に入り解除! 1000pt獲得!』

 こうして王太子は大いに満足し、侯爵もなんか言いたげではあったが『全体的に見て大変良い労働環境だった。そのまま励むように』と告げて去っていった。
 視察はとてもいい感じで終わったな。

 後に来た通達で、国は俺の事業を全面的に支援することを決定したそうである。

◎現在のポイント:108020pt
 貢献ポイント :165855ポイント(視察へのお付き合いの謝礼)
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔法至上主義の世界で『筋力』だけカンストした男が拳一つで全てを覆す

ポポリーナ
ファンタジー
魔法こそが至高——この世界では呼吸も移動も戦闘も、あらゆる営みが魔力で成り立っている。 筋力は「野蛮人の遺物」と蔑まれ、身体を鍛える者は最底辺の存在とされていた。 そんな世界に転生した元・体育教師の剛田鉄心は、魔力適性ゼロ、しかし筋力だけが測定不能のカンスト値。 魔法障壁を素手でぶち抜き、転移魔法より速く走り、最上位魔法を腹筋で弾く—— 「なぜ魔法を使わないんだ!?」と問われるたびに「だって使えないし」と笑う男の、 常識を腕力でねじ伏せる痛快・逆転無双が今始まる!

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。 この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。 これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!! 神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!? これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

異世界転移しても所詮引きこもりじゃ無双なんて無理!しょうがないので幼馴染にパワーレベリングして貰います

榊与一
ファンタジー
異世界で召喚士! 召喚したゴブリン3匹に魔物を押さえつけさせ、包丁片手にザク・ザク・ザク。 あれ?召喚士ってこんな感じだったっけ?なんか思ってったのと違うんだが? っていうか召喚士弱すぎねぇか?ひょっとしてはずれ引いちゃった? 異世界生活早々壁にぶつかり困っていたところに、同じく異世界転移していた幼馴染の彩音と出会う。 彩音、お前もこっち来てたのか? って敵全部ワンパンかよ! 真面目にコツコツとなんかやってらんねぇ!頼む!寄生させてくれ!! 果たして彩音は俺の救いの女神になってくれるのか? 理想と現実の違いを痛感し、余りにも弱すぎる現状を打破すべく、俺は強すぎる幼馴染に寄生する。 これは何事にも無気力だった引き篭もりの青年が、異世界で力を手に入れ、やがて世界を救う物語。 幼馴染に折檻されたり、美少女エルフやウェディングドレス姿の頭のおかしいエルフといちゃついたりいちゃつかなかったりするお話です。主人公は強い幼馴染にガンガン寄生してバンバン強くなっていき、最終的には幼馴染すらも……。 たかしの成長(寄生)、からの幼馴染への下克上を楽しんで頂けたら幸いです。

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。 ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。 仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...