異世界で始めるポイ活冒険生活 ~実績解除で人生ボーナス中!~

あけちともあき

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ポイ活、人生の道標となる編

第82話 王子を迎え入れました! +1000pt

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『ウグワーッ! ミッションモード、第一目標達成! 進行度20%! 1500pt獲得!』

 完全休養日……。
 仕事によってめいめい設けられる、数日間の労働の後の一日の休みだ。

 そもそも、この世界は残業っていう概念がない。
 無理がない程度に一日働いて、日が暮れてきたら仕事は終わり。
 環境の厳しい冬は早上がりするし、暑い夏は真っ昼間に長い休憩が入る。

 で、完全休養日は雇用者がタイミングを見て入れるけど、労働環境を担当する侯爵の取り決めで、最長でも七日に一回は入れないといけないんだとか。

「現代日本よりは労働強度が低い気がする」

『とてもよい視点ですね! 肉体労働方面も、一番大変なのは壁のメンテナンスや拡張に関わる仕事で、それも外部からの危険が大変な理由です。他はインターネットなどが存在しませんから、仕事の密度を上げることができないというのはありますね』

 チャットボットの説明に頷く。

「俺があんまり効率化しても、働いてるみんなが苦しくなるだけだもんな。ほどよくダラダラやってくのが一番いいと思う」

 ただでさえ、通路の建設はこの世界の基準では急ピッチで行われているのだ。
 今日は王子が視察に来るんだそうで、俺だけはお仕事。

 王子を待つインビンシブル号内は、ピリッとした緊張感に包まれている。

「ま、ま、まさか王太子殿下が直接お見えになるとは……」

「ちょうど俺達の休養日と、殿下のオフが重なったんだそうだよ。デリアはガチガチになってるなあ」

「わ、わ、私は騎士だぞ! 王家に直接仕える身だ! だが、個人としてあのお方と相対するなど、騎士団長にでもならねばありえない……! ひいー、おなかいたい」

 いつもの態度が大きいデリアはどこに行った。

 工事の進捗がめちゃくちゃ早いので、王子はこれを視察して理由を聞きに来るようだ。
 なお、労務担当の侯爵も一緒だと。
 これは……ブラック労働を疑われているな……!?

『この国では、犯罪を犯さず仕事に従事できる移民は財産として扱われますからね。実は移民の半分は月々の貢献ポイント納税に耐えきれず、安易な犯罪の道を選んで国外追放されます。追放されたらその日の内に大体死にますね』

「ひえー。デリア、そんなに移民の犯罪率は高いの?」

「ああ、言ってなかったか? あれだけ厳しい選別をくぐり抜けて入国したというのに、奴らは我慢が効かずに安易なやり方に走るんだ。ポイントを稼ぎながら地道に暮らしていく……外でのコツコツポイントを貯める暮らしは、壁の中での平均的な暮らしに近い。ここを理想境か何かだと勘違いしていたのだろう」

 あー、オーガのマフィアたちとかそれだったのか。
 とかお喋りしていたら、王子と侯爵がやって来た。

「あっ! 一人も取り巻きがいない! 二人だけでトコトコ歩いてきた!! ……そもそも本体であるAIは別の場所にあって、そのアバターだから問題ないのか」

「そういうことじゃな。ほれ、出迎えるぞ。ようこそ若人たちよ!」

 ヨルカがぴょーんと車の外に出ていって二人を迎えた。
 王子も侯爵も目を丸くしている。

『子爵から連絡は来ていたが、本当に我らの原型にあたる存在なのだな……。今の時代まで存在を保っておられたことに敬意を表する』

『……それで、今はどのような労務を担当しておられるのだ?』

 王子は見慣れた威厳のあるおじさん。
 侯爵は細身で長身、メガネを掛けた神経質そうな男だ。

「わしか? わしは全ての仕事をミアンに預け、ついに自由の身となったのじゃ!」

『なにぃ!? ということは今は無職ということかぁ!? ケスタインにおいて、働かぬ者が惰眠を貪ることは許されぬ。資源は有限。労働を以て、資源を消費する権利を得るのだぞ!』

「わしはミアンのUGWポイント消費で食わせてもらっているからこの国の世話にはなっておらんよ」

『UGWポイント……?』

 きょとんとする侯爵。
 そこに畳み掛けていくチャットボット!

『説明しましょう! UGWポイントとは……』

『ウグワーッ!? 我らよりも遥かに高位のAIからの介入がーっ!! 殿下、これは侵略ですぞ! 異世界からの侵略ですぞ~っ!!』

「愉快な人だなあ侯爵」

「バカ、お前、侯爵が一番怖いんだぞ!! 私の直属の上司があの方、ワークライバ侯爵だ!」

「なんと! 騎士団は労務関係の役職だったのか」

「つまり移民の担当でもあるし、国民全体の担当でもある。そこから国内警備や冒険者の配備も担当しているんだよ」

「めちゃくちゃ仕事してる人だった」

「全ての貴族の方々の中で最も多忙なお方が、時間を割いて来てくださっているのだ……。おお、ワークライバ侯爵閣下! よくぞお越し下さりました! 騎士デリアでございます……!!」

『う、うむ、デリアよ。大義である。殿下、私がこの圧倒的情報量を処理している間にどうぞ車内へ……』

『ああ。今日という日を楽しみにしていた。ミアンよ。君は余を驚かせることばかりするな。今日はどんな驚きが待っているのかと思うと、胸が踊るよ』

 王子はヒゲの下の口元に笑みを浮かべて、車に乗り込んだ。

『ウグワーッ! 王子を迎え入れました! 実績・王太子殿下のインビンシブル号、解除! 1000pt獲得!』

「外がよく見える運転席にどうぞ!」

「なるほど、これは良い眺めだ。実にいい席だな」

 マキナに案内され、ポチョの眼の前に座る王子。

『ポピッピポッピー』

「貴公が運転手というわけか。よろしく頼むぞ」

『ポピー!』

「はわわわわわ、無礼が溢れ出して頭が沸騰しそうだよお」

 デリアが今にも倒れそうな顔色をしている!

「デリア、あれなら部屋に引っ込んでもらってても……」

「ええい、社会性が怪しいマキナやヨルカを放っておけるか! 私は最後まで仕事をするからな!」

 おおーっ、責任感!
 ヨルカは王子の隣に補助座席を展開して座り。

 マキナは屋上のロボットアームについた。
 最後にフラフラしながら侯爵が乗り込んできて、準備完了。

「えー、では視察に出発します! 皆さん、席につくか近くの掴まれるところに掴まってて下さい。出発!」

『ポッピー!』

 俺の宣言とともに、インビンシブル号は走り出す。

『ウグワーッ! 視察に出発です! 実績・上手に案内できるかな? 解除! 500pt獲得!』

◎現在のポイント:103020pt
 貢献ポイント :135855ポイント
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