ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき

文字の大きさ
122 / 517
ドカ盛り! 私のアメリカ編

第122話 ダークネスビルRTA伝説

しおりを挟む
「じゃあここでエレベーターを使ってショートカットしまーす。ビルは高いし、階段使うと一時間で終わらないんで」

※『はづきっちのRTAが始まったぞ』『エレベーターは止まるフラグじゃないのかw』もんじゃ『ジャンボジェットを武器に変えたあの力があればあるいは……』おこのみ『みんなではづきっちを応援するぞ!』『うおおおおお』

 色々な意見があるみたい。
 キャプテン・カイワレも「映画だと敵が潜んでたり止められて余計に時間が掛かったりするんだ! 僕は詳しいんだ!」とか言っていたので、

「では階段を使ってもいいですよ……」

「ひ、一人はちょっと」

 ということでみんなで仲良くエレベーターで行くことになった。
 私が乗り込んだら、なんかエレベーターがピンク色に光る。
 なんだなんだ。
 ジャンボジェットの時みたいじゃないか。

 そしてエレベーターは何事もなく、スーッとすごく上の階まで到着したのだった。

「な、何もなかった。デーモンたち正気か!?」

「フフフ……正気みたい。だってほら、エレベーターから出てきた私たちを見て、みんな動揺してる……」

 ビクトリアの言う通り、この階にはたくさんデーモンがいて、その人たちがざわついている。
 そしてあちらさんは慌ててあちこちの壁に取りついた。

 あっ、壁から銃が出てくるんだけど!

「こ、これがサバゲー」

※たこやき『アメリカだから実銃だと思うなあ。配信者の力が実銃にも通用するか分からないから気をつけて』

「はーい」

 後ろの三人はかなり腰が引けている。
 なるほど、銃は怖い……!
 現地の人たちは詳しいんだなあ。

 私が露骨によそ見をしていたら、デーモンたちは銃の装備が終わったみたい。
 みんな一斉にバババババ、タタタタタ、と射撃してくる。

「あひー、なんかマシンガンみたいなやつなんだけど!」

「アサルトライフルだ!」

「我輩の肉体も銃には分が悪い」

「リーダー、隠れて、隠れて」

 三人が柱の陰にいるので、私もちょこちょこ移動して柱の陰に向かった。
 ついでに、飛んでくる銃弾をゴボウとバーチャルゴボウでパコンパコン打ち返しておく。

『ウグワーッ!?』『跳弾してきたらピンクに光って……ウグワーッ!?』『気をつけろ! 弾かれた弾丸はあいつのものになってる!』『ぼ、防弾ベストが効かねえ! ウグワーッ!!』『マジかあの女!! 秒間十発のフルオート射撃をまとめて弾きやがった!』『ば、化け物……』

 ひどい言われようだ!

※たこやき『ゴボウが通じちゃった』もんじゃ『はづきっちが意図を持って弾いたものは彼女の武器になるようだな』『もう戦術兵器じゃん』いももち『いや、女神なのだ』『そうか! 女神なら仕方ない』

 コメント欄が納得し始めている。
 えーと、これは銃弾が降ってる中でもいけるっぽい?

 私は柱からひょこっと出てきて、ゴボウで弾をぺちぺち防ぎながら小走りで走っていった。

『ウワーッ!! 銃撃の中を信じられない速度で小走りしてくる!』『止まらねえ! むしろ撃ってる側が動きを制限されて近寄られ……』

「あちょっ」

 ぺちっ。

『ウグワーッ!?』『制圧射撃のど真ん中をぶち破られたぞ!!』『何が制圧射撃だよ! 制圧できてねえじゃん!!』『正面突破とかありえねえ!!』

 なんかデーモンの人たちが、ゆっくり逃げながら射撃してくる。
 私は弾丸をぺちぺちしながらまた近づいて行って、ノロノロ移動をしている人たちをぺちぺち叩いていった。

『ウグワーッ!!』『染み付いた癖がウグワーッ!!』『くそっ、これでも喰らえ!!』

 なんか丸いものが投げつけられてきた。
 私はこれを、ゴボウでぺちんと打ち返す。

 すると丸いものがピンクに光り……。

『手榴弾が戻ってきた!!』『やべえ!』

 逃げ惑うデーモンたちの真ん中に落っこちた丸いのが、すぽーんっとカワイイ音を立てて爆発した。
 ピンクの光と煙が溢れて、巻き込まれたデーモンたちが『ウグワーッ!?』と粉砕されていく。

 静かになってしまった。

「みんなー、後は大丈夫だから行こう行こう」

「お、おう……! 今日日、ヒーローだって銃弾は回避するぞ……!!」

「銃信仰を真っ向からへし折ってきたわねリーダー」

「美も極めれば銃に勝るのか! おみそれした!」

 三人がちょこちょこ近づいてくる。
 さあ、ここからは特別なエレベーターだ。

 ええと、なんかこの上の階が本来は会社の役員の人たち専用のフロアで、この専用エレベーターが必要なのだ。
 カードキーとか顔認証みたいなのがある。

『顔認証を行います』

「あ、はい。私です」

「またリーダーが無防備に施設を利用してるぞ!」

 カイワレは何気に心配性だなあ。

『登録なし』

※おこのみ『まさかこいつ、ご存知ないのか』『ご存知ないのですか!』『ご存知ないのですか!』『ご存知ないのですか!』

 うわーっ、例のセリフがコメント欄をガーッと流れた!
 そうすると、顔認証がピカピカ光った。

『ピガーッ!? か、彼女こそアメリカを救うために降り立った新世紀ヒロイン、きら星はづき……! 認証しました! お通りください!』

※もんじゃ『システムをジャックした!? いや、同接の力がシステムの認識を改変させたのか!?』

「なんか通れるみたいなんで行こう行こう」

 私は焦っていた。
 もう40分が経過しているからだ。
 このままでは、お前らの睡眠時間が危ない。

 三人を専用エレベーターに詰め込み、ついに最上階へ到着。

 そこは全面ガラス張りで、サンフランシスコを見渡せるようになっていた。
 中心に机があって、腰掛けている人がいる。

 翼が生えていて、スーツの上からでも分かるムキムキだ。

『馬鹿な。誰にも攻略できなかった我がダークネスビルがたった45分で……』

「もう45分経ったんです!? あひー! やばい! みんな、スパチャ読みはホテルに帰ったらやるのでちゃっちゃと片付けますね!」

※『ボスのセリフをキャンセル!』『RTAだなあ……』

『貴様、この私を愚弄……』

「あちょー!」

 私がムキムキの人に突撃していったので、残る三人も慌てて突撃してきた。

『は、話を』

「あちょっ」

『ウグワーッ!!』

 ゴボウでペチペチする。
 横からカイワレがキックして、ビクトリアがバールで叩いて、インフェルノがムチの柄で殴った。

『レ、レディから預かっ、我が力っ、こんなバカなっ、デタラメっ、ウグワワーッ!!』

 粉砕されてしまった。

※『全てのセリフとイベントを飛ばした感があったな』『口上中に総攻撃すると動く前に倒せます』『こんな身も蓋もない決着ありかw』『あっ、ダンジョン化してたビルが普通のビルに戻っていく……』『本当にボスモンスターだったんだなあれ』『46分で攻略してしまった』『ボス1分は無情過ぎるw』

 ラストバスターズの三人は、肩で息をしている。
 だけど、顔を見合わせてだんだん笑顔になってきた。

「やった……! 僕たち、やったんだな!!」

「わ、私、ダンジョン初めてクリアしたかも!」

「うむ、我輩の筋肉が躍動し喜んでいる」

 インフェルノ自分の話しかしないね!

 こうして私たちは勝利し、色欲のマリリーヌの支配する地域がぐーっと縮小した。
 私はエレベーターに乗り込みながら、お前らにオヤスミの挨拶をするのだった。

「またねお前ら! おつきらー! いい夢見てね、寝る前にちゃんと歯磨きしてね。それじゃあスパチャ読みはお前ら起きる辺りで……」

「リーダー、攻略を喜ぶ気配すらない……!」

「プロね……!」

「他人のことをああも考えられるとは……」

 なんか三人からキラキラした眼差しを感じるんだけど。
しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...