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ワンザブロー帝国編
第13話 魔導カーとは快適な
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ギリギリのところで降り注ぐ剣を回避した。
まあ、これは事前のチュートリアルで読み切ったソードヴァルキュリアとやらの癖があったから、必然として回避しているのだが。
これ、安全地帯があるのだ。
それはまた、スローゲインとやらと戦うことになったら披露することにしよう。
めちゃめちゃに煽ってやったからな。
絶対仕掛けてくるだろう。
「あひぇ~! も、も、もうだめかと思いましたぁ~!!」
完全に相手が転移したのを見送ってから、へろへろになって崩れ落ちるルミイ。
「もう、この一日とちょっとでこんなに死にそうになるなんて……! でもわたし生きてる……すごい……」
「うんうん、生きているのが何よりも大切だな。ただ、基本的に俺は失敗するのが怖いので、成功できるまできちんと準備してから挑む。ルミイもそこは信頼して一緒に行動してくれるとありがたいぞ。もちろん、緊張感が無くなるとすぐ死ぬと思うが」
「最後に付け加えた言葉で全然安心できないんですけど!」
「この世界、安心できるところなんかどこにも無いっぽいじゃないか。常にちょっと緊張感持っておくくらいは良いスパイスだ……。現代日本にいた俺は、緊張感を失ってダラダラと日々を浪費していたからな……」
俺は遠い目をした。
だからって今、いきなり休む暇なく命の危機が連続で訪れて、チュートリアルをやりまくってる状況が正しいとは思わないけどな!
本当にひどい世界だよ!
こういう救いのない世界をアポカリプス(終末世界)って言うんだよな。
「そうだそうだ。こうしちゃいられないぞ。レジスタンスの持ってる食料や道具を根こそぎ持っていかないとな。あ、運搬用の車あるかな……? 魔法世界だから魔導カーとか無い?」
「ほんっとにマナビさん、タフですよねえ……」
「タフでなければ生きていけないからな! あっちの世界はタフである意味も無い世界だった……」
「あ、マナビさん! 干し肉じゃない肉がありますよ!」
「ほんと!? さっさと焼いて食おう! 今食おう!!」
瓦礫の中から燃えそうな素材を取り出してきて、これにルミイが火を点ける。
「炎の精霊よ、ここに火を起こして!」
「燃えた燃えた! 魔法だ! 凄いなあ……」
「えっ、そうですか? えへへ、大したことないですよー。えへへへへ」
褒めるとふにゃふにゃになって笑うな!
超可愛い。
俺も癒やされてニコニコしながら彼女を見ていると、肉が焼き上がった。
表面がカリッカリだ。
「中が赤いとお腹壊しますからね」
「なるほど」
炭化したところをレジスタンスの魔法ナイフで削り落として食う。
味がしなかったので、調味料を漁った。
魔法調味料、美味い。
ケミカルな味がする。
フルーツパンチ味の肉だ。
二人でむしゃむしゃと飯を貪った後、腹が膨れて眠くなったのでそのまま寝ることにした。
「こんな状況で寝るなんて……。わたしはそんなに肝が太くないですからむにゃ……」
「一瞬で寝た!!」
ということで、瓦礫の中で熟睡したのである。
幸い、アポカリプス世界では野生の動物もあまりうろついておらず、安心して眠ることができた。
動物がいないのに、あの肉はどこから……?
「マナビさん、車です! お望み通りの魔導カーがありました! ……あれ? マナビさんは魔力がないから運転できないのでは……?」
「免許も持ってない」
「それがなんなのかは分からないですけど、胸を張って言うことじゃないというのは分かりました」
魔導カーの見た目は、カーというか三輪バイクにサイドカーが付き、さらに後ろにはリヤカーが接続されているというものだ。
どう運転するのか、全く分からない。
「ルミイ、これの運転ができますかね……」
「できますけど……マナビさん、もしや」
「フフフフフ」
「マナビさん、窮地以外では役に立たない人な気がしてきました……!」
ということで、ルミイに運転してもらうことになった。
レジスタンス施設はたくさんのアイテムが転がっており、取り放題。
実にありがたい。
魔導カーのガソリンに当たる魔晶石や、魔法が掛かったアイテム類を回収していく。
他に食べ物もどっさりだ。
「いやあ、レジスタンス施設に寄って良かったな」
「この人たちにとっては災厄以外の何者でもなかったでしょうけど……まあ、なんか感じ悪かったですもんね!」
「そうそう。俺たちに他意は無かったからな。そして、このままでは無駄になってしまう資材の数々を俺たちが活用する。エコだよこれは」
「なんですかそれ」
魔導カーにまたがったルミイが、ハンドルをひねる。
すると、ブルブルと音がしてエンジンが起動したのが分かる。
俺はスッとサイドカーに滑り込んだ。
車が走り出し、レジスタンス施設が遠ざかっていく。
すると、向こうからでかい雲が湧いてきて、猛烈な風が吹き荒れ始めた。
「おっと、スーパーセル」
「スーパーセルってなんです? あれは暴威のゼフィロスと呼ばれる現象ですけど、マナビさんの世界ではそうい言うんですね」
「ゼフィロス?」
「風の精霊王様です。幾つもの世界の風を束ねるというお方で、わたしもゼフィロスの力を使った魔法を覚えてますよ」
暴威のゼフィロスからは、雨や雷が降り注ぎ、風が吹き荒れる。
ボロボロになっていたレジスタンス施設は、それでとどめを刺されたようだ。
あそこに残っていたら危なかったな。
この世界、一箇所にとどまることも許されないようだ。
いやあ、ひどい世界である。
「わたしが運転しますから、マナビさんは地図を見て行き先を決めてください」
「おうおう。地図は紙なのね」
「いつも眺めるものですから、魔法でできたものだと使い勝手が悪いんですよね」
「こういうのはむしろ俺の世界ではスマホに入ってたりな……」
「ええ……!? マナビさんの世界、魔法があるんですか!?」
そんな話をしながら、魔導カーは荒野を走るのだった。
まあ、これは事前のチュートリアルで読み切ったソードヴァルキュリアとやらの癖があったから、必然として回避しているのだが。
これ、安全地帯があるのだ。
それはまた、スローゲインとやらと戦うことになったら披露することにしよう。
めちゃめちゃに煽ってやったからな。
絶対仕掛けてくるだろう。
「あひぇ~! も、も、もうだめかと思いましたぁ~!!」
完全に相手が転移したのを見送ってから、へろへろになって崩れ落ちるルミイ。
「もう、この一日とちょっとでこんなに死にそうになるなんて……! でもわたし生きてる……すごい……」
「うんうん、生きているのが何よりも大切だな。ただ、基本的に俺は失敗するのが怖いので、成功できるまできちんと準備してから挑む。ルミイもそこは信頼して一緒に行動してくれるとありがたいぞ。もちろん、緊張感が無くなるとすぐ死ぬと思うが」
「最後に付け加えた言葉で全然安心できないんですけど!」
「この世界、安心できるところなんかどこにも無いっぽいじゃないか。常にちょっと緊張感持っておくくらいは良いスパイスだ……。現代日本にいた俺は、緊張感を失ってダラダラと日々を浪費していたからな……」
俺は遠い目をした。
だからって今、いきなり休む暇なく命の危機が連続で訪れて、チュートリアルをやりまくってる状況が正しいとは思わないけどな!
本当にひどい世界だよ!
こういう救いのない世界をアポカリプス(終末世界)って言うんだよな。
「そうだそうだ。こうしちゃいられないぞ。レジスタンスの持ってる食料や道具を根こそぎ持っていかないとな。あ、運搬用の車あるかな……? 魔法世界だから魔導カーとか無い?」
「ほんっとにマナビさん、タフですよねえ……」
「タフでなければ生きていけないからな! あっちの世界はタフである意味も無い世界だった……」
「あ、マナビさん! 干し肉じゃない肉がありますよ!」
「ほんと!? さっさと焼いて食おう! 今食おう!!」
瓦礫の中から燃えそうな素材を取り出してきて、これにルミイが火を点ける。
「炎の精霊よ、ここに火を起こして!」
「燃えた燃えた! 魔法だ! 凄いなあ……」
「えっ、そうですか? えへへ、大したことないですよー。えへへへへ」
褒めるとふにゃふにゃになって笑うな!
超可愛い。
俺も癒やされてニコニコしながら彼女を見ていると、肉が焼き上がった。
表面がカリッカリだ。
「中が赤いとお腹壊しますからね」
「なるほど」
炭化したところをレジスタンスの魔法ナイフで削り落として食う。
味がしなかったので、調味料を漁った。
魔法調味料、美味い。
ケミカルな味がする。
フルーツパンチ味の肉だ。
二人でむしゃむしゃと飯を貪った後、腹が膨れて眠くなったのでそのまま寝ることにした。
「こんな状況で寝るなんて……。わたしはそんなに肝が太くないですからむにゃ……」
「一瞬で寝た!!」
ということで、瓦礫の中で熟睡したのである。
幸い、アポカリプス世界では野生の動物もあまりうろついておらず、安心して眠ることができた。
動物がいないのに、あの肉はどこから……?
「マナビさん、車です! お望み通りの魔導カーがありました! ……あれ? マナビさんは魔力がないから運転できないのでは……?」
「免許も持ってない」
「それがなんなのかは分からないですけど、胸を張って言うことじゃないというのは分かりました」
魔導カーの見た目は、カーというか三輪バイクにサイドカーが付き、さらに後ろにはリヤカーが接続されているというものだ。
どう運転するのか、全く分からない。
「ルミイ、これの運転ができますかね……」
「できますけど……マナビさん、もしや」
「フフフフフ」
「マナビさん、窮地以外では役に立たない人な気がしてきました……!」
ということで、ルミイに運転してもらうことになった。
レジスタンス施設はたくさんのアイテムが転がっており、取り放題。
実にありがたい。
魔導カーのガソリンに当たる魔晶石や、魔法が掛かったアイテム類を回収していく。
他に食べ物もどっさりだ。
「いやあ、レジスタンス施設に寄って良かったな」
「この人たちにとっては災厄以外の何者でもなかったでしょうけど……まあ、なんか感じ悪かったですもんね!」
「そうそう。俺たちに他意は無かったからな。そして、このままでは無駄になってしまう資材の数々を俺たちが活用する。エコだよこれは」
「なんですかそれ」
魔導カーにまたがったルミイが、ハンドルをひねる。
すると、ブルブルと音がしてエンジンが起動したのが分かる。
俺はスッとサイドカーに滑り込んだ。
車が走り出し、レジスタンス施設が遠ざかっていく。
すると、向こうからでかい雲が湧いてきて、猛烈な風が吹き荒れ始めた。
「おっと、スーパーセル」
「スーパーセルってなんです? あれは暴威のゼフィロスと呼ばれる現象ですけど、マナビさんの世界ではそうい言うんですね」
「ゼフィロス?」
「風の精霊王様です。幾つもの世界の風を束ねるというお方で、わたしもゼフィロスの力を使った魔法を覚えてますよ」
暴威のゼフィロスからは、雨や雷が降り注ぎ、風が吹き荒れる。
ボロボロになっていたレジスタンス施設は、それでとどめを刺されたようだ。
あそこに残っていたら危なかったな。
この世界、一箇所にとどまることも許されないようだ。
いやあ、ひどい世界である。
「わたしが運転しますから、マナビさんは地図を見て行き先を決めてください」
「おうおう。地図は紙なのね」
「いつも眺めるものですから、魔法でできたものだと使い勝手が悪いんですよね」
「こういうのはむしろ俺の世界ではスマホに入ってたりな……」
「ええ……!? マナビさんの世界、魔法があるんですか!?」
そんな話をしながら、魔導カーは荒野を走るのだった。
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