35 / 196
ワンザブロー帝国編
第35話 帝都の崩壊とは新たな旅立ちか
しおりを挟む
スローゲインが倒され、ようやく一息だ。
散々利用してきたが、利用する場所がなくなったら危険なだけの男だからな。
ここで倒せて実に良かった。
初めて出会ったときからまるで成長していなかったので、倒すのもまあイージーだった。
カオルンのお陰で楽もできたしな。
瓦礫の上に腰掛けて、のんびり一息。
ルミイがポケットから取り出した携帯食料チーズ味を、もしゃもしゃ食べる。
疲れた体に甘じょっぱい味が染み込む。
「おー、すっかり帝都は破壊されてしまったのだなー。ストライアスー! 帝都はもうだめなのだー」
カオルンが誰かに呼びかけている。
確かに彼女が言うように、帝都はもうボロボロだ。
スローゲインの攻撃で、建物がザックザックと切り刻まれた。
びっくりするくらい脆かった。
いまでは帝都全体が瓦礫の山にしか見えない。
「俺は今、とてもスッキリしている。勝手に召喚した挙げ句、滅びの塔に送り込んだり、魔法を使えないヤツを差別してひでえ扱いしていた帝国がこの有様だ。因果応報と言わずしてなんと言うか」
「まったくですねー。わたしもスッキリです!」
「僕としては頭が痛いところなんだがね」
突然知らない男の声がした。
宮殿から、メガネを掛けた優男が歩いてくるではないか。
「ストライアス! 無事だったのだ?」
「ああ。宮殿の守りは完璧だよ。元老院のお歴々が、宮殿にだけは予算を掛けて頑丈に作ってたのさ。だけど、他の建造物は老朽化やコストダウンの影響でスカスカになっていたわけだ」
そこまで言ってから、メガネの人は俺に気づいた。
「やあ、君がこの状況を作り出した元凶……いや、もともとは元老院によって勝手に呼び出され、しかも滅びの塔に送られてしまった異世界召喚者くんだね」
「そうだよ。あんたはストライアスってことは、皇帝? らしくないなあ」
「よく言われる。お飾りの皇帝だからね。君臨すれども統治はせず。政治を行う権限をはるか昔、元老院によって剥奪されているのさ」
ストライアスは俺の横まで来ると、適当な瓦礫に腰掛けた。
カオルンもちょこちょこやって来て、ストライアスの隣に座る。
「俺がこの状況を招いたことについて、何か一言あったりする?」
「無いね。君にとってこれは、当然の復讐だ。しかも君個人としては、やり終えてスッキリしたくらいの軽い気分でいる。そうだろう?」
「その通りだ。俺本来の目的は、ルミイを実家に送り届けることだからな」
「ああ、うちの元老院が勝手にさらってきたお嬢さんか……。済まなかったね」
「こ、この人皇帝なのに腰が低いですー!!」
ルミイが驚愕している。
「確かにな。あの魔法使いたちの皇帝なら超絶尊大なのかと思ってた。まさかこんなにいい人っぽいとは」
「ははははは、よく言われるよ。僕はお飾りの皇帝で、やることが無かったからね。ひたすら世界のことを調べた。その結果、この魔法文明と呼ばれる時代に終焉が迫っていることを突き止めたんだ。元老院にも伝えたんだが、連中は自分に都合の悪い意見に耳を貸さなくてね。あのアイナを召喚したことで乏しくなっていた魔力を、さらに使って君を呼び出した。そして虎の子のヘカトンケイルを連続で使って、ついに我が国の当座の魔力を空っぽにしてしまったんだ」
一息にそこまで言ってから、ストライアスが天を仰いだ。
「我が国、バカしかいない」
「あー、気持ちは察するよ」
なんかこのお飾り皇帝に同情してしまった。
「ありがとう。僕の計算だと、魔力の星エーテリアがあと数年で落ちるはずだけど……。君なら、正確な年数を知っているんじゃないか?」
鋭い。
ストライアスのメガネの向こうから、鋭い視線が俺を射抜く。
「三年だ。三年であの星が落ちて、魔法使いの地位もどん底まで落ちるぞ」
「やっぱり! そして思ったよりも近いな!」
皇帝は妙に嬉しそうだった。
「このタイミングでワンザブロー帝国がダメになったのは、天啓かも知れないね。我が国は神を崇めることをやめ、エーテリアを信仰するようになったんだ。だが、神は実在しているし、僕は現に知識神ブレイナスを信仰してる。やがてくる新世界への適応もバッチリだ」
「新情報が次々飛び出してきたな……!!」
「ということで、僕は妻たちと子どもたちとともに、国を逃げ出すことにするよ」
「サラッとハーレム発言をしたな! さすが皇帝だ」
「皇帝の血を途絶えさせないためだね。政略結婚だよ。だけど、娶った以上は責任というものがある。いや、君に会えて良かった! では僕は早々に国を脱出することにする! あ、カオルン。今までありがとう! これからの君は自由だ!」
立ち上がり、意気揚々と宮殿へ戻っていくストライアス。
今、当たり前みたいな顔をして魔神戦士をフリーにしたな?
このくるくる髪の女子、ヘカトンケイル以上の化け物だろ?
「おー、カオルンは失業してしまったのだー」
「全然深刻さが伺えない口ぶり」
「カオルン! うちに来るといいですよ! わたし、ずーっと妹が欲しいと思ってたんです!!」
「そうなのだ? じゃあお言葉に甘えるのだー! ルミイはカオルンのお姉ちゃんなのだー!」
「やったー!」
おっ!!
女子二人が抱き合ってくるくる回っている。
眼福眼福!!
俺がニタニタしていると、いよいよ帝都の建物は限界が来たらしく、あちこちが崩れ始めた。
近く、宮殿以外の建造物は無くなってしまうことだろう。
「マナビさん! こうしちゃいられないです!」
「おうおう、こうしちゃいられませんか」
ルミイが背中にカオルンをぶら下げたまま、俺にぐいぐい来る。
「そうなんです! カオルンが増えましたから、魔導カーはもっと大きいのにしなくちゃいけないんですよ! 例えばあんな感じの!」
ルミイが指さしたのは、ジープに似た大型の魔導カーだった。
オープンタイプだが、幌を掛けることもできる感じか。
「乗り物がパワーアップしてしまったじゃないか……。これは、これからの旅が楽しみになるな!」
「カオルンは走ったほうが速いのだ?」
「俺たちは走っても遅いしバテるから」
「人間は不便なのだー」
こうして、俺たちは大型魔導カーで旅立つのだ。
さらば、ワンザブロー帝国!
背後で都市が崩壊していく音を聞きながら、晴れやかな気持ちで俺は助手席に乗り込んだ。
運転できないからね……。
(ワンザブロー帝国編 おわり)
散々利用してきたが、利用する場所がなくなったら危険なだけの男だからな。
ここで倒せて実に良かった。
初めて出会ったときからまるで成長していなかったので、倒すのもまあイージーだった。
カオルンのお陰で楽もできたしな。
瓦礫の上に腰掛けて、のんびり一息。
ルミイがポケットから取り出した携帯食料チーズ味を、もしゃもしゃ食べる。
疲れた体に甘じょっぱい味が染み込む。
「おー、すっかり帝都は破壊されてしまったのだなー。ストライアスー! 帝都はもうだめなのだー」
カオルンが誰かに呼びかけている。
確かに彼女が言うように、帝都はもうボロボロだ。
スローゲインの攻撃で、建物がザックザックと切り刻まれた。
びっくりするくらい脆かった。
いまでは帝都全体が瓦礫の山にしか見えない。
「俺は今、とてもスッキリしている。勝手に召喚した挙げ句、滅びの塔に送り込んだり、魔法を使えないヤツを差別してひでえ扱いしていた帝国がこの有様だ。因果応報と言わずしてなんと言うか」
「まったくですねー。わたしもスッキリです!」
「僕としては頭が痛いところなんだがね」
突然知らない男の声がした。
宮殿から、メガネを掛けた優男が歩いてくるではないか。
「ストライアス! 無事だったのだ?」
「ああ。宮殿の守りは完璧だよ。元老院のお歴々が、宮殿にだけは予算を掛けて頑丈に作ってたのさ。だけど、他の建造物は老朽化やコストダウンの影響でスカスカになっていたわけだ」
そこまで言ってから、メガネの人は俺に気づいた。
「やあ、君がこの状況を作り出した元凶……いや、もともとは元老院によって勝手に呼び出され、しかも滅びの塔に送られてしまった異世界召喚者くんだね」
「そうだよ。あんたはストライアスってことは、皇帝? らしくないなあ」
「よく言われる。お飾りの皇帝だからね。君臨すれども統治はせず。政治を行う権限をはるか昔、元老院によって剥奪されているのさ」
ストライアスは俺の横まで来ると、適当な瓦礫に腰掛けた。
カオルンもちょこちょこやって来て、ストライアスの隣に座る。
「俺がこの状況を招いたことについて、何か一言あったりする?」
「無いね。君にとってこれは、当然の復讐だ。しかも君個人としては、やり終えてスッキリしたくらいの軽い気分でいる。そうだろう?」
「その通りだ。俺本来の目的は、ルミイを実家に送り届けることだからな」
「ああ、うちの元老院が勝手にさらってきたお嬢さんか……。済まなかったね」
「こ、この人皇帝なのに腰が低いですー!!」
ルミイが驚愕している。
「確かにな。あの魔法使いたちの皇帝なら超絶尊大なのかと思ってた。まさかこんなにいい人っぽいとは」
「ははははは、よく言われるよ。僕はお飾りの皇帝で、やることが無かったからね。ひたすら世界のことを調べた。その結果、この魔法文明と呼ばれる時代に終焉が迫っていることを突き止めたんだ。元老院にも伝えたんだが、連中は自分に都合の悪い意見に耳を貸さなくてね。あのアイナを召喚したことで乏しくなっていた魔力を、さらに使って君を呼び出した。そして虎の子のヘカトンケイルを連続で使って、ついに我が国の当座の魔力を空っぽにしてしまったんだ」
一息にそこまで言ってから、ストライアスが天を仰いだ。
「我が国、バカしかいない」
「あー、気持ちは察するよ」
なんかこのお飾り皇帝に同情してしまった。
「ありがとう。僕の計算だと、魔力の星エーテリアがあと数年で落ちるはずだけど……。君なら、正確な年数を知っているんじゃないか?」
鋭い。
ストライアスのメガネの向こうから、鋭い視線が俺を射抜く。
「三年だ。三年であの星が落ちて、魔法使いの地位もどん底まで落ちるぞ」
「やっぱり! そして思ったよりも近いな!」
皇帝は妙に嬉しそうだった。
「このタイミングでワンザブロー帝国がダメになったのは、天啓かも知れないね。我が国は神を崇めることをやめ、エーテリアを信仰するようになったんだ。だが、神は実在しているし、僕は現に知識神ブレイナスを信仰してる。やがてくる新世界への適応もバッチリだ」
「新情報が次々飛び出してきたな……!!」
「ということで、僕は妻たちと子どもたちとともに、国を逃げ出すことにするよ」
「サラッとハーレム発言をしたな! さすが皇帝だ」
「皇帝の血を途絶えさせないためだね。政略結婚だよ。だけど、娶った以上は責任というものがある。いや、君に会えて良かった! では僕は早々に国を脱出することにする! あ、カオルン。今までありがとう! これからの君は自由だ!」
立ち上がり、意気揚々と宮殿へ戻っていくストライアス。
今、当たり前みたいな顔をして魔神戦士をフリーにしたな?
このくるくる髪の女子、ヘカトンケイル以上の化け物だろ?
「おー、カオルンは失業してしまったのだー」
「全然深刻さが伺えない口ぶり」
「カオルン! うちに来るといいですよ! わたし、ずーっと妹が欲しいと思ってたんです!!」
「そうなのだ? じゃあお言葉に甘えるのだー! ルミイはカオルンのお姉ちゃんなのだー!」
「やったー!」
おっ!!
女子二人が抱き合ってくるくる回っている。
眼福眼福!!
俺がニタニタしていると、いよいよ帝都の建物は限界が来たらしく、あちこちが崩れ始めた。
近く、宮殿以外の建造物は無くなってしまうことだろう。
「マナビさん! こうしちゃいられないです!」
「おうおう、こうしちゃいられませんか」
ルミイが背中にカオルンをぶら下げたまま、俺にぐいぐい来る。
「そうなんです! カオルンが増えましたから、魔導カーはもっと大きいのにしなくちゃいけないんですよ! 例えばあんな感じの!」
ルミイが指さしたのは、ジープに似た大型の魔導カーだった。
オープンタイプだが、幌を掛けることもできる感じか。
「乗り物がパワーアップしてしまったじゃないか……。これは、これからの旅が楽しみになるな!」
「カオルンは走ったほうが速いのだ?」
「俺たちは走っても遅いしバテるから」
「人間は不便なのだー」
こうして、俺たちは大型魔導カーで旅立つのだ。
さらば、ワンザブロー帝国!
背後で都市が崩壊していく音を聞きながら、晴れやかな気持ちで俺は助手席に乗り込んだ。
運転できないからね……。
(ワンザブロー帝国編 おわり)
21
あなたにおすすめの小説
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!
月芝
ファンタジー
国の端っこのきわきわにある辺境の里にて。
不自由なりにも快適にすみっこ暮らしをしていたチヨコ。
いずれは都会に出て……なんてことはまるで考えておらず、
実家の畑と趣味の園芸の二刀流で、第一次産業の星を目指す所存。
父母妹、クセの強い里の仲間たち、その他いろいろ。
ちょっぴり変わった環境に囲まれて、すくすく育ち迎えた十一歳。
森で行き倒れの老人を助けたら、なぜだか剣の母に任命されちゃった!!
って、剣の母って何?
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。
それを産み出す母体に選ばれてしまった少女。
役に立ちそうで微妙なチカラを授かるも、使命を果たさないと恐ろしい呪いが……。
うかうかしていたら、あっという間に灰色の青春が過ぎて、
孤高の人生の果てに、寂しい老後が待っている。
なんてこったい!
チヨコの明日はどっちだ!
【完結】腹ペコ貴族のスキルは「種」でした
シマセイ
ファンタジー
スキルが全てを決める世界。
下級貴族の少年アレンが授かったのは、植物の種しか生み出せない、役立たずの『種』スキルだった。
『種クズ』と周りから嘲笑されても、超がつくほど呑気で食いしん坊なアレンはどこ吹く風。
今日もスキルで出した木の実をおやつに、マイペースな学院生活を送る。
これは、誰もがクズスキルと笑うその力に、世界の常識を覆すほどの秘密が隠されているとは露ほども知らない、一人の少年が繰り広げる面白おかしい学院ファンタジー!
ざまぁされた馬鹿勇者様に転生してしまいましたが、国外追放後、ある事情を抱える女性たちの救世主となっていました。
越路遼介
ファンタジー
65歳で消防士を定年退職した高野健司、彼は『ざまぁ』系のネット小説を好み、特に『不細工で太っている補助魔法士の華麗な成り上がり』と云う作品を愛読していた。主人公アランの痛快な逆転劇、哀れ『ざまぁ』された元勇者のグレンは絶望のあまり…。そして、85歳で天寿を全うした健司は…死後知らない世界へと。やがて自身が、あのグレンとなっていることに気付いた。国外追放を受けている彼は名を変えて、違う大陸を目指して旅立ち、最初に寄った国の冒険者ギルドにて女性職員から「貴方に、ある事情を抱えている女性たちの救世主になってもらいたいのです」という依頼を受けるのであった。そして、そのある事情こそ、消防士である高野健司が唯一現場で泣いた事案そのものだったのである。
長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~
灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。
その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。
魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。
首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。
訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。
そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。
座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。
全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。
ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
継母の嫌がらせで冷酷な辺境伯の元に嫁がされましたが、噂と違って優しい彼から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアーティアは、継母に冷酷無慈悲と噂されるフレイグ・メーカム辺境伯の元に嫁ぐように言い渡された。
継母は、アーティアが苦しい生活を送ると思い、そんな辺境伯の元に嫁がせることに決めたようだ。
しかし、そんな彼女の意図とは裏腹にアーティアは楽しい毎日を送っていた。辺境伯のフレイグは、噂のような人物ではなかったのである。
彼は、多少無口で不愛想な所はあるが優しい人物だった。そんな彼とアーティアは不思議と気が合い、やがてお互いに惹かれるようになっていく。
2022/03/04 改題しました。(旧題:不器用な辺境伯の不器用な愛し方 ~継母の嫌がらせで冷酷無慈悲な辺境伯の元に嫁がされましたが、溺愛されています~)
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる