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スリッピー帝国編
第44話 お風呂シーンを邪魔した報いは死ゾ
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存外に広い内風呂に浸かり、俺はあのNTR能力者タクルへの対策を考える────なんてことをするわけがない!!
ルミイと!
カオルンが!!
一緒の湯船にいるのだ!!!!!
「ほえー、これがお風呂なのだなー。カオルンは水浴びしかしてなかったから新体験なのだ。ストライアスがお風呂にこだわってたのも分かるのだー。ポカポカしててなんだかゆったりするのだなー」
ふむふむ、全体的に小ぶりながら、健康的に引き締まった肢体。
肌色は白を通り越して青白く見えるのは、魔神将とホムンクルスをミックスしたという生まれから来るものだろう。
尻尾はちゃんと尾てい骨から生えてるんですね……!
「なんでマナビはカオルンを拝んでるのだ?」
「マナビさん、お風呂にいるとわたしのこともよく拝むんですよね。不思議ですー」
ルミイはそう言うと、「うーん」と伸びをした。
うーむ!!
そこには立派なものが湯船に浮かんでており、俺はこれからもこのご立派のために戦い続け、絶対に勝ち続けると心に誓うのだった。
ご立派のためならば、俺は神様だって倒してみせよう。
「ああ~。でも、本当に大きなお風呂があって良かったですねえ! 一部屋まるごとお風呂だなんて! この都市は、工業製品を扱うから洗浄のために水はいっぱいあるそうですし、みんなお風呂に入る習慣があるから良かったなあと思います」
「そうなのだ? でも、汚くなった水を野原に垂れ流してたのだ!」
「あれは良くないですねえ。疫病とか流行っちゃいそうです」
「一応魔法で殺菌してはいたみたいなのだなー。でも街中は臭かったのだー」
「ほんとですねえ。臭いのはいやですよねえ。でもでも、カオルンはいい匂いがするので、わたしは満足ですよー」
「あはは、くすぐったいのだ! くっつくのはやめるのだ!」
ありがとう!
ありがとう!!
二人が言っている内容など頭に入らず、俺は視覚情報を100%にしてこの至上の光景を脳に焼き付けた。
「じゃあ体を洗いましょう! ここ、シャワーまでついてるんですよ! そう言えば滅びの塔の管理室も、小さい湯船とシャワーがありましたよね。なんだかんだ言ってワンザブロー帝国のお風呂は優秀だったんですよねえ」
「外で体を洗うのだ?」
「そうですよー。中だとお湯が汚れちゃいますから」
「そうなのだー。じゃあ、ルミイはカオルンが洗ってあげるのだ」
「ありがとうございます! じゃあわたしはマナビさんを……マナビさん?」
「俺が今、この状況で立ち上がれると思っているのかね? 思っているな? ちょっと待っててください。後ろ向きに立ち上がるので……」
俺はここで、チュートリアルモードを起動した。
元気になっている愚息をいかに純粋な二人に見せぬよう動くか、何度も綿密にシミュレーションする。
よし、この角度か。覚えたぞ……!!
俺は現実に戻り、チュートリアルを完全に再現した。
理想的な体勢で移動し、ルミイの前に座る俺。
「さあ、背中を流して下さい……!!」
「凄く気合が入ってます! 洗いっこの何がマナビさんをそこまで駆り立てるんですか」
「マナビはよく分かんないことに真剣なのだなー」
俺にとっては人生の一大事なのだよ!!
くっ……。この異世界に来て本当に良かった……!
俺は絶対に元の日本には帰らないぞ!!
固く心に誓うのだった。
そしてチュートリアルを駆使しながらの洗いっこが終わり、体をシャワーで流し合ってからまた湯船に……。
この時間が永遠に続いてほしいものだ。
だが、好事魔多しとはよく言ったものだ。
この極上の体験をしている最中に!!
宿にマジックボトルを!
投げ込んだ馬鹿野郎がいたのだ!!
「や、宿が燃えてるぞー!!」
「くそっ、また活動家の連中か!!」
「消し止めろ消し止めろ!!」
そんな声が外から響いてきたのである。
「うおおおお!! 行くぞ二人とも! 空気が読めない活動家を許すな! 殺せ!!」
「あひー! マナビさんがものすごくやる気ですー!! シルフさん、お願いします! ウンディーネさんも!」
ビューっと風と、ほどよい湿気がやって来て、体と髪が乾いた。
便利だなあ、精霊魔法。
「あっという間に水気がなくなったのだ! これですぐ行けるのだなー!」
「待ってくださいカオルン! 裸! まだ裸ですからー!!」
「くそーっ、この緊急事態だというのに俺をオーバーキルするようなサービスイベントが目白押しだ! 神よ、なぜこんな時にこんな素晴らしい状況を連発するのだ! くそっ、活動家をぶっ殺さないと気がすまねえ!」
ということで、俺とルミイとカオルンで、バスローブ姿で外に飛び出すのだ。
「チュートリアルで行く! 五分で鎮火、一分で鎮圧、一分で部屋に戻るぞ!!」
「はいですー!」
「やるのだー!」
俺たちが走り出したら、誰かが慌てて逃げていく気配があった。
「ありえねえだろ! 普通女は部屋の中に置いといて自分が出ていくだろ! なんで全員で行動するんだよ!」
この声は……NTRのタクル!!
やつの仕業かッ……!!
いつか絶対に仕留めねばならんな……!!
とりあえずその後、ルミイの呼び出した火の精霊ヴルカンとやらが、炎の延焼をストップさせ、従業員と協力して猛烈な勢いで燃えそうな場所を叩いて消し、上から砂を掛け、水をぶっかけ、さらにマジックボトルを投げてきたやつを全部キャッチして正確に投げ返して活動家を全員爆殺し、予定通り七分で戻ったのだった。
カスどもが、二度と俺の天国を邪魔するんじゃねえぞ……!!
「今日のマナビは強いのだなー! その動きで戦われたら、カオルンも勝てるかどうか怪しいのだ!」
「マナビさん、たまにこうやってスイッチ入るんですけど本当に謎なんですよねー」
ルミイと!
カオルンが!!
一緒の湯船にいるのだ!!!!!
「ほえー、これがお風呂なのだなー。カオルンは水浴びしかしてなかったから新体験なのだ。ストライアスがお風呂にこだわってたのも分かるのだー。ポカポカしててなんだかゆったりするのだなー」
ふむふむ、全体的に小ぶりながら、健康的に引き締まった肢体。
肌色は白を通り越して青白く見えるのは、魔神将とホムンクルスをミックスしたという生まれから来るものだろう。
尻尾はちゃんと尾てい骨から生えてるんですね……!
「なんでマナビはカオルンを拝んでるのだ?」
「マナビさん、お風呂にいるとわたしのこともよく拝むんですよね。不思議ですー」
ルミイはそう言うと、「うーん」と伸びをした。
うーむ!!
そこには立派なものが湯船に浮かんでており、俺はこれからもこのご立派のために戦い続け、絶対に勝ち続けると心に誓うのだった。
ご立派のためならば、俺は神様だって倒してみせよう。
「ああ~。でも、本当に大きなお風呂があって良かったですねえ! 一部屋まるごとお風呂だなんて! この都市は、工業製品を扱うから洗浄のために水はいっぱいあるそうですし、みんなお風呂に入る習慣があるから良かったなあと思います」
「そうなのだ? でも、汚くなった水を野原に垂れ流してたのだ!」
「あれは良くないですねえ。疫病とか流行っちゃいそうです」
「一応魔法で殺菌してはいたみたいなのだなー。でも街中は臭かったのだー」
「ほんとですねえ。臭いのはいやですよねえ。でもでも、カオルンはいい匂いがするので、わたしは満足ですよー」
「あはは、くすぐったいのだ! くっつくのはやめるのだ!」
ありがとう!
ありがとう!!
二人が言っている内容など頭に入らず、俺は視覚情報を100%にしてこの至上の光景を脳に焼き付けた。
「じゃあ体を洗いましょう! ここ、シャワーまでついてるんですよ! そう言えば滅びの塔の管理室も、小さい湯船とシャワーがありましたよね。なんだかんだ言ってワンザブロー帝国のお風呂は優秀だったんですよねえ」
「外で体を洗うのだ?」
「そうですよー。中だとお湯が汚れちゃいますから」
「そうなのだー。じゃあ、ルミイはカオルンが洗ってあげるのだ」
「ありがとうございます! じゃあわたしはマナビさんを……マナビさん?」
「俺が今、この状況で立ち上がれると思っているのかね? 思っているな? ちょっと待っててください。後ろ向きに立ち上がるので……」
俺はここで、チュートリアルモードを起動した。
元気になっている愚息をいかに純粋な二人に見せぬよう動くか、何度も綿密にシミュレーションする。
よし、この角度か。覚えたぞ……!!
俺は現実に戻り、チュートリアルを完全に再現した。
理想的な体勢で移動し、ルミイの前に座る俺。
「さあ、背中を流して下さい……!!」
「凄く気合が入ってます! 洗いっこの何がマナビさんをそこまで駆り立てるんですか」
「マナビはよく分かんないことに真剣なのだなー」
俺にとっては人生の一大事なのだよ!!
くっ……。この異世界に来て本当に良かった……!
俺は絶対に元の日本には帰らないぞ!!
固く心に誓うのだった。
そしてチュートリアルを駆使しながらの洗いっこが終わり、体をシャワーで流し合ってからまた湯船に……。
この時間が永遠に続いてほしいものだ。
だが、好事魔多しとはよく言ったものだ。
この極上の体験をしている最中に!!
宿にマジックボトルを!
投げ込んだ馬鹿野郎がいたのだ!!
「や、宿が燃えてるぞー!!」
「くそっ、また活動家の連中か!!」
「消し止めろ消し止めろ!!」
そんな声が外から響いてきたのである。
「うおおおお!! 行くぞ二人とも! 空気が読めない活動家を許すな! 殺せ!!」
「あひー! マナビさんがものすごくやる気ですー!! シルフさん、お願いします! ウンディーネさんも!」
ビューっと風と、ほどよい湿気がやって来て、体と髪が乾いた。
便利だなあ、精霊魔法。
「あっという間に水気がなくなったのだ! これですぐ行けるのだなー!」
「待ってくださいカオルン! 裸! まだ裸ですからー!!」
「くそーっ、この緊急事態だというのに俺をオーバーキルするようなサービスイベントが目白押しだ! 神よ、なぜこんな時にこんな素晴らしい状況を連発するのだ! くそっ、活動家をぶっ殺さないと気がすまねえ!」
ということで、俺とルミイとカオルンで、バスローブ姿で外に飛び出すのだ。
「チュートリアルで行く! 五分で鎮火、一分で鎮圧、一分で部屋に戻るぞ!!」
「はいですー!」
「やるのだー!」
俺たちが走り出したら、誰かが慌てて逃げていく気配があった。
「ありえねえだろ! 普通女は部屋の中に置いといて自分が出ていくだろ! なんで全員で行動するんだよ!」
この声は……NTRのタクル!!
やつの仕業かッ……!!
いつか絶対に仕留めねばならんな……!!
とりあえずその後、ルミイの呼び出した火の精霊ヴルカンとやらが、炎の延焼をストップさせ、従業員と協力して猛烈な勢いで燃えそうな場所を叩いて消し、上から砂を掛け、水をぶっかけ、さらにマジックボトルを投げてきたやつを全部キャッチして正確に投げ返して活動家を全員爆殺し、予定通り七分で戻ったのだった。
カスどもが、二度と俺の天国を邪魔するんじゃねえぞ……!!
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