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シクスゼクス帝国編
第68話 人狼村と人狼ゲーム
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塀の中には、枯れてるんだか枯れてないんだか分からないような木々が立ち並んでいる。
で、そいつにはなんかぶら下がっているのだ。
あれは……骸骨ではないか?
「あひー! なんで骸骨が吊り下げられてるんですか! しかも首のところを繋いでますよ! ま、まさか首吊り!」
「そうだろうなあ。なんか物騒なことをやる習慣がある村らしい。全員ライカンスロープとのミックスらしいしな」
「カオルンは腕が鳴るのだ!」
「必要とあらば、どんどんヘルプ機能を使って下さいマスター」
賑やかに村へと入っていった俺たち。
ここは大変広い。
畑なども村の中に作られているからだな。
そして、村の中心には大きな広場があり、それを囲むように家々が立ち並んでいた。
村人たちが姿を現す。
一見して普通の人間っぽい。
みんな不自然なくらいニコニコしており、俺たちを歓迎しているように見える。
「コダルコダールの村にようこそ。私が村長のバルゲです。旅人さん、宿を提供しましょう」
「ありがたいありがたい」
村長だという男は、頭がつるりとしていて太めだった。
彼と握手を交わす俺。
「我が村はシクスゼクス帝国の入り口です。皆、ここで休み、そして帝都へと旅立つのです。帝都からも旅人に休んでもらえるよう励めと、支援してもらっているのです。どうぞくつろいで下さい」
バルゲはそう言いながら、魔導バギーの横を歩きながら案内する。
広場を囲んでいる家の中にある、真新しい建物。
そこが俺たちの宿になるようだ。
「こちらに泊まって下さい。ああ、それから」
「うむ」
「村には決まり事が一つありまして。たまに、人を喰らう化け物が出現するんです。夜になって人を喰うものですから、朝にはこうして村人が集まり、無事を確認するんです。もしも現れない村人がいたら……」
バルゲは目をキューッと細めて、笑った。
「化け物が誰かに化けているのです。皆で相談し、誰が化け物かを探り、吊るします」
「ほうほう、いいことだ」
俺はニコニコしながら頷いた。
バルゲがちょっとだけ固まる。
想定外の反応だったな?
だって人食いの化け物ってお前ら全員じゃん。
つまり、茶番劇をやって旅人を吊るして遊ぶのが、この村のレジャーなんだろう。
俺、こういうシチュエーションのゲームを知ってるぞ。
人狼ゲームというやつだな。
村人がぐるになって、旅人をハメるのだ。
フフフ、俺をいつもの旅人と同じだと思っていると見える。
「で、ではごゆっくりお休み下さい。必要な物は全て揃えてありますので、家の中で事足りるはず。足りなければ私どもにお申し付けを」
「ありがとうー」
俺は手を振り、バルゲと別れた。
「あひー! 人食いの化け物ですって!!」
震え上がるルミイ。
君、あらゆる攻撃を二回まで完全無効化できるだろうが。
何を恐れているんだ。
カオルンは嬉しそうで、「早く襲ってくるのだー! カオルンが撃滅してやるのだー!!」と気勢を上げている。
アカネルはスルスルッと小型化すると、俺のポケットにぴょーんと潜り込んだ。
「当機能には防衛能力がありませんので、マスターに守っていただかなくてはなりません」
「うむ、シリアスに一番守らないと行けないのはアカネルだよな」
「わたしはー!?」
「俺の旅に散々付き合ってきて未だに無傷なハーフエルフが何か言っている」
「万一があるかもしれないじゃないですかー!」
絶対防御二回をぶち抜いてくる万一!
そんなもん、発生する前に潰すわ。
「じゃあ荷物を置いたら軽く会議しよう。お風呂入ると頭がゆるくなるからな……」
「はあい。残念ですー!」
「ルミイ、今全力で風呂を沸かそうとしてたな……」
残念ながら、この家の風呂は多人数では入れない大きさだ。
なんとか二人……!
誰と入るか……?
「うーむ、これは守る対象であるアカネルとお風呂するしかあるまいな」
「むっ、マスターはそれがマスターの世界ではどういう意味か……いえ、確かに守られるためには合理的です。変なことをしないなら許可します」
「やったああああ」
「マナビさんが飛び跳ねました」
「よっぽど嬉しかったのだなー」
俺のテンションは絶頂だぞ。
ということで、会議に入る。
「明日の朝には何か犠牲者が出て、俺たちのうちの誰かを吊るしてくると思うんだ」
「そうなんですか!? とんでもない状況じゃないですか!」
「なので、こっちから工作を仕掛けて村人を吊るさせるぞ」
「どっちが悪いやつが分からないのだ!」
いいのだ。
「よし、じゃあヘルプ機能に相談だ。今回犯人役を務める村人は誰と誰?」
「二人いるんですか?」
ルミイが首を傾げた。
「そういうもんだ」
「ヘルプ機能から返事が来ました。ええと、彼と彼女です」
俺のポケットから飛び出したアカネルが、虚空を指差す。
すると、そこにさっき見た村人の顔が二つ写し出された。
「なるほどな。じゃあ、夜になったらカオルン。この二人をぶっ殺してくれ」
「分かったのだー!」
「最初の晩でいきなり、人狼役が二名脱落してゲームが破綻する。さあ、どう収集をつけてくれるか楽しみだぞ」
「うわーっ、マナビさんがすっごく悪そうな笑い方してます!! いつも通りですね……」
で、そいつにはなんかぶら下がっているのだ。
あれは……骸骨ではないか?
「あひー! なんで骸骨が吊り下げられてるんですか! しかも首のところを繋いでますよ! ま、まさか首吊り!」
「そうだろうなあ。なんか物騒なことをやる習慣がある村らしい。全員ライカンスロープとのミックスらしいしな」
「カオルンは腕が鳴るのだ!」
「必要とあらば、どんどんヘルプ機能を使って下さいマスター」
賑やかに村へと入っていった俺たち。
ここは大変広い。
畑なども村の中に作られているからだな。
そして、村の中心には大きな広場があり、それを囲むように家々が立ち並んでいた。
村人たちが姿を現す。
一見して普通の人間っぽい。
みんな不自然なくらいニコニコしており、俺たちを歓迎しているように見える。
「コダルコダールの村にようこそ。私が村長のバルゲです。旅人さん、宿を提供しましょう」
「ありがたいありがたい」
村長だという男は、頭がつるりとしていて太めだった。
彼と握手を交わす俺。
「我が村はシクスゼクス帝国の入り口です。皆、ここで休み、そして帝都へと旅立つのです。帝都からも旅人に休んでもらえるよう励めと、支援してもらっているのです。どうぞくつろいで下さい」
バルゲはそう言いながら、魔導バギーの横を歩きながら案内する。
広場を囲んでいる家の中にある、真新しい建物。
そこが俺たちの宿になるようだ。
「こちらに泊まって下さい。ああ、それから」
「うむ」
「村には決まり事が一つありまして。たまに、人を喰らう化け物が出現するんです。夜になって人を喰うものですから、朝にはこうして村人が集まり、無事を確認するんです。もしも現れない村人がいたら……」
バルゲは目をキューッと細めて、笑った。
「化け物が誰かに化けているのです。皆で相談し、誰が化け物かを探り、吊るします」
「ほうほう、いいことだ」
俺はニコニコしながら頷いた。
バルゲがちょっとだけ固まる。
想定外の反応だったな?
だって人食いの化け物ってお前ら全員じゃん。
つまり、茶番劇をやって旅人を吊るして遊ぶのが、この村のレジャーなんだろう。
俺、こういうシチュエーションのゲームを知ってるぞ。
人狼ゲームというやつだな。
村人がぐるになって、旅人をハメるのだ。
フフフ、俺をいつもの旅人と同じだと思っていると見える。
「で、ではごゆっくりお休み下さい。必要な物は全て揃えてありますので、家の中で事足りるはず。足りなければ私どもにお申し付けを」
「ありがとうー」
俺は手を振り、バルゲと別れた。
「あひー! 人食いの化け物ですって!!」
震え上がるルミイ。
君、あらゆる攻撃を二回まで完全無効化できるだろうが。
何を恐れているんだ。
カオルンは嬉しそうで、「早く襲ってくるのだー! カオルンが撃滅してやるのだー!!」と気勢を上げている。
アカネルはスルスルッと小型化すると、俺のポケットにぴょーんと潜り込んだ。
「当機能には防衛能力がありませんので、マスターに守っていただかなくてはなりません」
「うむ、シリアスに一番守らないと行けないのはアカネルだよな」
「わたしはー!?」
「俺の旅に散々付き合ってきて未だに無傷なハーフエルフが何か言っている」
「万一があるかもしれないじゃないですかー!」
絶対防御二回をぶち抜いてくる万一!
そんなもん、発生する前に潰すわ。
「じゃあ荷物を置いたら軽く会議しよう。お風呂入ると頭がゆるくなるからな……」
「はあい。残念ですー!」
「ルミイ、今全力で風呂を沸かそうとしてたな……」
残念ながら、この家の風呂は多人数では入れない大きさだ。
なんとか二人……!
誰と入るか……?
「うーむ、これは守る対象であるアカネルとお風呂するしかあるまいな」
「むっ、マスターはそれがマスターの世界ではどういう意味か……いえ、確かに守られるためには合理的です。変なことをしないなら許可します」
「やったああああ」
「マナビさんが飛び跳ねました」
「よっぽど嬉しかったのだなー」
俺のテンションは絶頂だぞ。
ということで、会議に入る。
「明日の朝には何か犠牲者が出て、俺たちのうちの誰かを吊るしてくると思うんだ」
「そうなんですか!? とんでもない状況じゃないですか!」
「なので、こっちから工作を仕掛けて村人を吊るさせるぞ」
「どっちが悪いやつが分からないのだ!」
いいのだ。
「よし、じゃあヘルプ機能に相談だ。今回犯人役を務める村人は誰と誰?」
「二人いるんですか?」
ルミイが首を傾げた。
「そういうもんだ」
「ヘルプ機能から返事が来ました。ええと、彼と彼女です」
俺のポケットから飛び出したアカネルが、虚空を指差す。
すると、そこにさっき見た村人の顔が二つ写し出された。
「なるほどな。じゃあ、夜になったらカオルン。この二人をぶっ殺してくれ」
「分かったのだー!」
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