105 / 337
35・冬のお仕事
第105話 白い都アーラン
しおりを挟む
飯を食い終わって外に出ると、空からはらはらと雪が降ってくるところだった。
魔法の灯りに照らされて、なんとも幻想的だ。
ま、この世界そのものが僕の前世からすると、幻想世界……ファンタジーなんだけど。
「ゆきー! コゲタ、群れにいたときはゆき、きらいだった。エサなくなる。寒いと、弱いなかましぬ。でも、ふしぎ! ご主人といるとゆき、きらいじゃない!」
「いつになく饒舌じゃないか。そうだなな。やっぱ、安心できるようになると余裕って産まれるものだからね。コゲタはやっと落ち着けて、だから雪が綺麗だって思えるようになったんだろう」
僕の言葉を半分も分かってないと思うが、だけどコゲタはニコニコしながら話を聞いていた。
その後、二人でパラパラと降る雪の中をのんびり歩く。
幻想的な夜だ。
雪雲から降りてくるモンスターなんて、まるでいないかのようだ。
「やあこんばんは。冒険者さん、これから見回りかい? お疲れ様だよ」
「どうもどうも」
「これ、差し入れの焼き肉」
「あっ、こいつはどうも」
道行く人から差し入れをもらってしまったぞ。
冬だと言うのにアーランはあったかいな。
いや、以前はここまであったかくなかった気がする。
ここ最近、アーランは食生活がどんどん豊かになってきており、民たちは味を楽しむという娯楽を得たことで心豊かになってきているのかも知れない。
焼き肉、なんかバターで焼かれていて美味いぞ。
「おいしー!」
「コゲタは油とか塩とか摂りすぎるとよくないからな。食べ終わったら小走りで移動しよう」
「わん!」
腹ごなしも同時にやると、体もポカポカ温まるというものだ。
商業地区をぐるりと巡り、そこから下町に入っていく。
徐々に周囲の喧騒は収まり、静かになっていくぞ。
下町ですら寝静まる冬。
お陰で治安がとてもいい夜。
僕らは完全装備でもこもこに着込んでいるから耐えられるのだ。
靴には水が染み込んでこないよう、蝋を塗っているし。
「雪質的には粉雪か……。ザクザクしてて楽しいんだけど、これからどんどん降り積もって行きそうだな」
「ざくざく、ざくざく!」
足音が楽しいらしく、コゲタはどんどん先に行った後、こっちに振り返ってから駆け戻って来た。
「ごしゅじーん! だーれもいない!」
「そうだなあー。でも、みんな寝ているところだから静かにな。コゲタだって、いい気分で寝てるところをうるさくされて起こされたらいやだろう?」
「うん! ! ……わかった」
最後は小声になった。
賢い。
いつもなら騒がしく、そしてあちこちでスリや盗みの機会を伺う連中がいる下町。
だが、今はそんな気配が微塵もない。
みんなこの寒さにやられて、家の中に閉じこもってぶるぶる震えているに違いない。
「下町の巡回、終了!」
「しゅうりょう!」
指差し点検の後、居住区画へ向かった。
たくさんの家々が立ち並ぶ場所で、昼間はみんな働きに出ているから静かなこの場所は、なんと遅くになっても賑やかだった。
ホームパーティみたいなものが開かれているのかも知れない。
どこかで誰かが、夜通し飲み明かしているのだな。
むしろ安心できるかも知れない。
「ご主人!」
ここで、コゲタが注意喚起の声を上げた。
彼の鼻が、人ならざる何かのにおいを嗅ぎつけたのだろう。
「おそらからにおい! くさいの!」
「モンスターか。居住区画に降り立つつもりだな。やっこさん、静かな場所は好みではないと見える」
僕が頭上を注視すると、闇に紛れて白いものが降りてくるところだった。
なるほど、これはなかなか大型のモンスターのようだ。
冬の風に乗って、アーランの空を滑空している。
見た目は超大型のムササビのような。
雪ムササビとでも呼ぼう。
雪ムササビはパーティをしている家の一つに目をつけたようだった。
そこを目掛けて降りていこうとする。
僕はこんなこともあろうかと用意してきていたスリングを構えた。
石が収まる場所に器があり、そこに油を溜めて放り投げるのだ。
油、宙を舞う!
僕は慎重に油をコントロールした。
形を変え、風に乗り……雪ムササビに見事着弾!
いやあ、遠距離だとほんの少しの油しか操作できないな。
だが、今回はこれで十分。
雪ムササビの体を這い上がった油は、猛烈な勢いでムササビの目玉に入り込む。
『ウグワーッ!!』
まるで人間みたいな叫び声をあげて、雪ムササビは空中で身を捩った。
そして落下していく。
「追いかけるぞコゲタ!」
「わん! こっち!」
コゲタが雪ムササビの臭いを辿ってくれる。
臭いらしいからな。
恐らく、見た目通りのムササビじゃない。
到着した場所で、雪ムササビはその体から大量の雪をふるい落とすところだった。
雪を集めてハングライダーのようにし、空から降りてきたモンスターだったのだ。
なんともいい難い見た目の白い獣が、僕を確認してから唸り声を上げた。
『人間め、お前の仕業か! いいだろう! まずはお前から食ってやろう!!』
立ち上がるモンスター。
で、既に僕がばらまいていた油。
モンスターはその上に踏み出したわけだ。
つるんと滑る。
『ウグワーッ!!』
「地上に降りたんなら、もう僕の勝ちだよ。じゃあね、バイバーイ」
油があっという間にモンスターを覆っていく。
相手は油で溺れ、ゴボゴボ言いながら動かなくなったのだった。
「ご主人つよーい!」
「ははは、万に一つもコゲタが怪我をすることがないようにね。速攻で叩き潰したよ」
後は朝を待ち、ギルドに報告だ。
ただまあ、モンスターを倒したからと言ってこれで仕事終了とはいかないのが辛いところだ。
僕の任務は、朝まで巡回すること。
いやあ、辛い任務だなあ……。
せめて雪の夜を楽しみながら、ぐるぐる歩き回ることにしよう……。
魔法の灯りに照らされて、なんとも幻想的だ。
ま、この世界そのものが僕の前世からすると、幻想世界……ファンタジーなんだけど。
「ゆきー! コゲタ、群れにいたときはゆき、きらいだった。エサなくなる。寒いと、弱いなかましぬ。でも、ふしぎ! ご主人といるとゆき、きらいじゃない!」
「いつになく饒舌じゃないか。そうだなな。やっぱ、安心できるようになると余裕って産まれるものだからね。コゲタはやっと落ち着けて、だから雪が綺麗だって思えるようになったんだろう」
僕の言葉を半分も分かってないと思うが、だけどコゲタはニコニコしながら話を聞いていた。
その後、二人でパラパラと降る雪の中をのんびり歩く。
幻想的な夜だ。
雪雲から降りてくるモンスターなんて、まるでいないかのようだ。
「やあこんばんは。冒険者さん、これから見回りかい? お疲れ様だよ」
「どうもどうも」
「これ、差し入れの焼き肉」
「あっ、こいつはどうも」
道行く人から差し入れをもらってしまったぞ。
冬だと言うのにアーランはあったかいな。
いや、以前はここまであったかくなかった気がする。
ここ最近、アーランは食生活がどんどん豊かになってきており、民たちは味を楽しむという娯楽を得たことで心豊かになってきているのかも知れない。
焼き肉、なんかバターで焼かれていて美味いぞ。
「おいしー!」
「コゲタは油とか塩とか摂りすぎるとよくないからな。食べ終わったら小走りで移動しよう」
「わん!」
腹ごなしも同時にやると、体もポカポカ温まるというものだ。
商業地区をぐるりと巡り、そこから下町に入っていく。
徐々に周囲の喧騒は収まり、静かになっていくぞ。
下町ですら寝静まる冬。
お陰で治安がとてもいい夜。
僕らは完全装備でもこもこに着込んでいるから耐えられるのだ。
靴には水が染み込んでこないよう、蝋を塗っているし。
「雪質的には粉雪か……。ザクザクしてて楽しいんだけど、これからどんどん降り積もって行きそうだな」
「ざくざく、ざくざく!」
足音が楽しいらしく、コゲタはどんどん先に行った後、こっちに振り返ってから駆け戻って来た。
「ごしゅじーん! だーれもいない!」
「そうだなあー。でも、みんな寝ているところだから静かにな。コゲタだって、いい気分で寝てるところをうるさくされて起こされたらいやだろう?」
「うん! ! ……わかった」
最後は小声になった。
賢い。
いつもなら騒がしく、そしてあちこちでスリや盗みの機会を伺う連中がいる下町。
だが、今はそんな気配が微塵もない。
みんなこの寒さにやられて、家の中に閉じこもってぶるぶる震えているに違いない。
「下町の巡回、終了!」
「しゅうりょう!」
指差し点検の後、居住区画へ向かった。
たくさんの家々が立ち並ぶ場所で、昼間はみんな働きに出ているから静かなこの場所は、なんと遅くになっても賑やかだった。
ホームパーティみたいなものが開かれているのかも知れない。
どこかで誰かが、夜通し飲み明かしているのだな。
むしろ安心できるかも知れない。
「ご主人!」
ここで、コゲタが注意喚起の声を上げた。
彼の鼻が、人ならざる何かのにおいを嗅ぎつけたのだろう。
「おそらからにおい! くさいの!」
「モンスターか。居住区画に降り立つつもりだな。やっこさん、静かな場所は好みではないと見える」
僕が頭上を注視すると、闇に紛れて白いものが降りてくるところだった。
なるほど、これはなかなか大型のモンスターのようだ。
冬の風に乗って、アーランの空を滑空している。
見た目は超大型のムササビのような。
雪ムササビとでも呼ぼう。
雪ムササビはパーティをしている家の一つに目をつけたようだった。
そこを目掛けて降りていこうとする。
僕はこんなこともあろうかと用意してきていたスリングを構えた。
石が収まる場所に器があり、そこに油を溜めて放り投げるのだ。
油、宙を舞う!
僕は慎重に油をコントロールした。
形を変え、風に乗り……雪ムササビに見事着弾!
いやあ、遠距離だとほんの少しの油しか操作できないな。
だが、今回はこれで十分。
雪ムササビの体を這い上がった油は、猛烈な勢いでムササビの目玉に入り込む。
『ウグワーッ!!』
まるで人間みたいな叫び声をあげて、雪ムササビは空中で身を捩った。
そして落下していく。
「追いかけるぞコゲタ!」
「わん! こっち!」
コゲタが雪ムササビの臭いを辿ってくれる。
臭いらしいからな。
恐らく、見た目通りのムササビじゃない。
到着した場所で、雪ムササビはその体から大量の雪をふるい落とすところだった。
雪を集めてハングライダーのようにし、空から降りてきたモンスターだったのだ。
なんともいい難い見た目の白い獣が、僕を確認してから唸り声を上げた。
『人間め、お前の仕業か! いいだろう! まずはお前から食ってやろう!!』
立ち上がるモンスター。
で、既に僕がばらまいていた油。
モンスターはその上に踏み出したわけだ。
つるんと滑る。
『ウグワーッ!!』
「地上に降りたんなら、もう僕の勝ちだよ。じゃあね、バイバーイ」
油があっという間にモンスターを覆っていく。
相手は油で溺れ、ゴボゴボ言いながら動かなくなったのだった。
「ご主人つよーい!」
「ははは、万に一つもコゲタが怪我をすることがないようにね。速攻で叩き潰したよ」
後は朝を待ち、ギルドに報告だ。
ただまあ、モンスターを倒したからと言ってこれで仕事終了とはいかないのが辛いところだ。
僕の任務は、朝まで巡回すること。
いやあ、辛い任務だなあ……。
せめて雪の夜を楽しみながら、ぐるぐる歩き回ることにしよう……。
32
あなたにおすすめの小説
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる