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58・ツーテイカーからの誘い
第168話 ツーテイカーへ
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揚げパン、素晴らしいカロリーの味がした。
午後いっぱい活動できるだけのエネルギーを得たと言えよう。
「どうしてだろう……。俺、今とっても眠いんだ……」
「いかん、寝るなシズマ! それは血糖値スパイクだ!」
倒れているシズマの頬をピシピシする。
面白がって近寄ってきたコゲタとアララちゃんが、シズマの顔をぺたぺたする。
「うーん肉球がひんやりして気持ちいい……ちょっと目が醒めた。恐ろしい威力だな、揚げパン……」
「最近は糖質多めの食事ができるとは言え、揚げパンはちょっとランクが違うからな……」
二人で揚げパンが血糖値を揚げるパワーに戦慄するのだった。
なお、飼い主氏は寝ていた。
ワーッと駆け寄るコゲタとアララちゃん。
また顔を肉球でぺたぺたして起こしたようだ。
「食べると眠くなってしまう食事とは……。なんとも恐ろしいものだ」
「すまんな、血糖値爆揚げ……いや爆上げモンスターを作ってしまって……」
だが、揚げパンのパワーは凄い。
僕らはここから、本日分の移動範囲までを楽々踏破した。
以前にコゲタと一緒に旅したときよりも、全然進めるぞ。
それほど凄まじいエネルギーが揚げパンには秘められていたのだ。
森にほど近い辺りに到着したので、ここを本日のキャンプ地とする。
「任せてくれ。沈め、森よ」
シズマがクールに告げると、森の一角が沈み込んでいった。
そこに更地が出現する。
「どういう力なんだ……? ギフト使いの力は色々見てきたが、ナザルさんの油使いと言い、シズマさんの沈める力と言い、原理が全く分からない」
原理が分からない力こそがギフトなんだよな。
僕もシズマも、特に原理となるものが存在しない力を行使してる。
前はマナがコストだと思ってたけど、これどうも違う気がするな……。
「シズマはどうなの」
「沈められる量に限界があるから、沈めたのをまた浮かび上がらせないと新しく沈められないんだ」
「ははあ。では沈められる量は……」
「ファイブスターズの一国くらいなら」
「恐ろしい!!」
飼い主氏が震え上がった。
そりゃあ怖い。
一国を滅ぼせる男だシズマは。
それはそれとして、ちょうどキャンプ地ができた。
僕らはここにテントを張り、飯を食う……。
「揚げパン連続は流石に不味い。消化が悪いことに慣れているこの世界で、あの栄養効率はヤバい。蕎麦にしよう」
僕の決定で蕎麦となった。
茹でたあとのお湯は蕎麦湯にしてそのまま飲める。
無駄がない!
蕎麦を茹で、つゆを作り、保存食などを刻んでかき揚げにして載せて食べた。
いやあ、美味い美味い。
「スープとパスタが一緒になっているとは……。パスタの元になっているのが蕎麦!? 蕎麦はこんな食べ方ができたのか……」
飼い主氏が驚愕している。
そしてシズマは「うまいうまいうまい!」と叫びながらひたすらつるつる食べているのだ。
ちょっと涙ぐんでいる。
まさか異世界で蕎麦が食えると思わないもんな。
だが残念ながら、まだまだ蕎麦は研究が足りないのだ。
この世界の人々も蕎麦切りを再現するまでには至っていない。
コボルドのおちびたちは、むしゃむしゃーっと食べて、薄めにしてあるつゆをごくごくーっと飲んでいる。
人間からするとかなり薄いが、嗅覚に優れた彼らならこれで十分。
コボルド基準にしていると事故がなくてよろしい。
人間用はここに色々足せばいいからね。
「なるほど……。パスタと比べるとちょっとボソボソしているが、これはこれで蕎麦自体の味が強くて楽しい。この塩味と甘味のあるスープもいい味だねえ」
「これを、蕎麦を茹でた湯で割って飲むわけで……」
「なるほど新しい……!」
大好評ですな。
さらにかき揚げも評判だった。
「なるほど、そのままならサクサク、スープに浸せばしっとりとして味も付き、これもまた美味しい」
「でしょう……。しかもかき揚げには、ツーテイカーの名産品であるキノコを使っても美味しい」
「なんと!? ということは、それはツーテイカー発の名物料理になるのでは……」
「なるね」
「素晴らしい! 頼む、ナザルさん! これを私の手柄にさせてもらっていいだろうか!」
「構わないよ」
「ありがたい!!」
ということで、恐らくツーテイカーの偉い人たちにキノコのかき揚げを振る舞うことが決定したのだった。
この世界、いよいよグルメで回ってきているな。
その日は蕎麦を食って寝て、朝になる。
出発した僕らの後ろで、沈んでいた森が浮かび上がってくるところだった。
いやあ不思議な能力だ……。
そうしてしばらく行くと……フォーゼフが見えてきた。
僕的には夢の都市国家フォーゼフ。
一体あそこには、まだどれだけの種類の作物が存在しているんだ……。
「フォーゼフは日の当たりが強いので、野菜類がよく育つからね……。ツーテイカーは日の当たりが悪いから強みを探した……」
飼い主氏、複雑な思いを抱いているのだな……。
さらにしばらく行くと……。
その日の昼食は蕎麦をガレットにして食べ、ついに日暮れ頃に到着!
周囲はどんよりと曇り、空気はじめじめ……。
全体的に灰色の光景。
ここがツーテイカーだ!
なるほど、キノコが育ちそうだ。
午後いっぱい活動できるだけのエネルギーを得たと言えよう。
「どうしてだろう……。俺、今とっても眠いんだ……」
「いかん、寝るなシズマ! それは血糖値スパイクだ!」
倒れているシズマの頬をピシピシする。
面白がって近寄ってきたコゲタとアララちゃんが、シズマの顔をぺたぺたする。
「うーん肉球がひんやりして気持ちいい……ちょっと目が醒めた。恐ろしい威力だな、揚げパン……」
「最近は糖質多めの食事ができるとは言え、揚げパンはちょっとランクが違うからな……」
二人で揚げパンが血糖値を揚げるパワーに戦慄するのだった。
なお、飼い主氏は寝ていた。
ワーッと駆け寄るコゲタとアララちゃん。
また顔を肉球でぺたぺたして起こしたようだ。
「食べると眠くなってしまう食事とは……。なんとも恐ろしいものだ」
「すまんな、血糖値爆揚げ……いや爆上げモンスターを作ってしまって……」
だが、揚げパンのパワーは凄い。
僕らはここから、本日分の移動範囲までを楽々踏破した。
以前にコゲタと一緒に旅したときよりも、全然進めるぞ。
それほど凄まじいエネルギーが揚げパンには秘められていたのだ。
森にほど近い辺りに到着したので、ここを本日のキャンプ地とする。
「任せてくれ。沈め、森よ」
シズマがクールに告げると、森の一角が沈み込んでいった。
そこに更地が出現する。
「どういう力なんだ……? ギフト使いの力は色々見てきたが、ナザルさんの油使いと言い、シズマさんの沈める力と言い、原理が全く分からない」
原理が分からない力こそがギフトなんだよな。
僕もシズマも、特に原理となるものが存在しない力を行使してる。
前はマナがコストだと思ってたけど、これどうも違う気がするな……。
「シズマはどうなの」
「沈められる量に限界があるから、沈めたのをまた浮かび上がらせないと新しく沈められないんだ」
「ははあ。では沈められる量は……」
「ファイブスターズの一国くらいなら」
「恐ろしい!!」
飼い主氏が震え上がった。
そりゃあ怖い。
一国を滅ぼせる男だシズマは。
それはそれとして、ちょうどキャンプ地ができた。
僕らはここにテントを張り、飯を食う……。
「揚げパン連続は流石に不味い。消化が悪いことに慣れているこの世界で、あの栄養効率はヤバい。蕎麦にしよう」
僕の決定で蕎麦となった。
茹でたあとのお湯は蕎麦湯にしてそのまま飲める。
無駄がない!
蕎麦を茹で、つゆを作り、保存食などを刻んでかき揚げにして載せて食べた。
いやあ、美味い美味い。
「スープとパスタが一緒になっているとは……。パスタの元になっているのが蕎麦!? 蕎麦はこんな食べ方ができたのか……」
飼い主氏が驚愕している。
そしてシズマは「うまいうまいうまい!」と叫びながらひたすらつるつる食べているのだ。
ちょっと涙ぐんでいる。
まさか異世界で蕎麦が食えると思わないもんな。
だが残念ながら、まだまだ蕎麦は研究が足りないのだ。
この世界の人々も蕎麦切りを再現するまでには至っていない。
コボルドのおちびたちは、むしゃむしゃーっと食べて、薄めにしてあるつゆをごくごくーっと飲んでいる。
人間からするとかなり薄いが、嗅覚に優れた彼らならこれで十分。
コボルド基準にしていると事故がなくてよろしい。
人間用はここに色々足せばいいからね。
「なるほど……。パスタと比べるとちょっとボソボソしているが、これはこれで蕎麦自体の味が強くて楽しい。この塩味と甘味のあるスープもいい味だねえ」
「これを、蕎麦を茹でた湯で割って飲むわけで……」
「なるほど新しい……!」
大好評ですな。
さらにかき揚げも評判だった。
「なるほど、そのままならサクサク、スープに浸せばしっとりとして味も付き、これもまた美味しい」
「でしょう……。しかもかき揚げには、ツーテイカーの名産品であるキノコを使っても美味しい」
「なんと!? ということは、それはツーテイカー発の名物料理になるのでは……」
「なるね」
「素晴らしい! 頼む、ナザルさん! これを私の手柄にさせてもらっていいだろうか!」
「構わないよ」
「ありがたい!!」
ということで、恐らくツーテイカーの偉い人たちにキノコのかき揚げを振る舞うことが決定したのだった。
この世界、いよいよグルメで回ってきているな。
その日は蕎麦を食って寝て、朝になる。
出発した僕らの後ろで、沈んでいた森が浮かび上がってくるところだった。
いやあ不思議な能力だ……。
そうしてしばらく行くと……フォーゼフが見えてきた。
僕的には夢の都市国家フォーゼフ。
一体あそこには、まだどれだけの種類の作物が存在しているんだ……。
「フォーゼフは日の当たりが強いので、野菜類がよく育つからね……。ツーテイカーは日の当たりが悪いから強みを探した……」
飼い主氏、複雑な思いを抱いているのだな……。
さらにしばらく行くと……。
その日の昼食は蕎麦をガレットにして食べ、ついに日暮れ頃に到着!
周囲はどんよりと曇り、空気はじめじめ……。
全体的に灰色の光景。
ここがツーテイカーだ!
なるほど、キノコが育ちそうだ。
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