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102・婿修行だ!
第311話 馬小屋ぐらしからスタートせよ
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アゲパンが家についてきたぞ!
いや、知識神の神殿に居候するしか無かった状態らしいから、他に居場所が無いんだろう。
「アゲパンよ。僕はお前がコゲタに相応しいかを見極めるつもりだ」
「はっ! りかいしています、おとうさん!」
「お義父さんと呼ぶにはまだ早い! いいか? お前が少しでもコゲタを預けるに足らぬと思ったら容赦なく追い出す……! いや、あんまりコゲタを厳重に守りすぎて結婚できなかったらかわいそうなので、ちょっとは甘めに見る……」
「ありがたや。それで、われはどこにしゅくはくすればいいのでしょう」
「馬小屋を使うがいい……。そろそろ春だから、そんなに寒くないし、うちに居候していた吟遊詩人なんか冬に馬小屋で平気で寝てたからな……」
「なるほど! われらコボルドはやねとかべさえあれば、もんだいなくいきていけます! ありがたきしあわせ!」
「前向きだなー」
ちょっと感心してしまった。
「じゃあコゲタがあんないしてあげるね! こっちよー!」
「あっ、まってください、コゲタさーん!」
「ええい、青春真っ只中の男女のようなやり取りを! いや、間違ってはいないか」
僕も後を追った。
「ポーター! こっちはアゲパンだよ。よろしくね」
「ぶるるー」
「おおーっ、われのりんじんはこのうまか! よろしくたのむ、ポーター!」
「ぶるるー」
ポーターが近づいてきて、アゲパンをくんくんした。
そして、鼻先をぺちゃっとくっつけた。
ほうほう、いきなり舐めるまでには行かないが、まずは合格というところか。
ポーターは人懐こいが、人格をちょっと見抜く感じなところがある。
やっぱりこのアゲパン、悪いやつじゃないんだよなあ……。
心を鬼にせねば、くるりん尻尾のアゲパンに絆されそうになる。
「ポーターとは仲良くやれそうだな。では、住まいの準備をしているのだ。夕食時になったら呼びに来るから」
「えっ!? われもなかで、いっしょにしょくじをしていいので!?」
「なにい! 食事はな! みんなで一緒に食べるのが美味しいんだよ! ひとり飯も美味いが、現状は家族で飯を食ってるんだから、誰かを仲間外れにするわけないだろうが! 楽しみにしていろ、僕が作るからな!」
「ありがたきしあわせ~!」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶアゲパンなのだった。
コゲタはうんうん頷き、
「よかったねー!」
とアゲパンと一緒にぴょんぴょんした。
「な、な、なんといううつくしきこころ……!! おすがただけでなく、こころまでうつくしい……」
「コゲタは人の悲しみを分かち合い、人の喜びをともに喜ぶ娘だ……!! 結婚したいならお前も釣り合う男になるのだ……!!」
「はい!!」
アゲパンがいいお返事をした。
くそー、いいやつじゃないか。
僕は家に入ると、お手伝いさんに告げた。
「今回の夕食は僕が作るので、補助をお願いします」
「あ、はい! 美食伯様が手ずから作られるのですか?」
「無論! 客をもてなす食事は貴族の嗜みだ! うおおおお! 特製ハンバーグだ!! コボルドでも十分に味わえるぞ!!」
コボルドの苦手ではない野菜だけをチョイスし、みじん切りにしてひき肉と混ぜ込む。
粉をつなぎに使って、特製ハンバーグを焼き上げるのだ。
「おやナザル。誰がお客が来たのかい?」
戻ってきたカルを抱き上げつつ、リップルが問う。
「うむ……。語り始めれば長くなるのだが……」
「コゲタねー、ぷろぽーず? ってゆうのされたの!」
「ほほー!!」
「ぐぬぬ」
「ナザル、歯を食いしばりながら作ると料理が美味しくなくなるぞ」
「ぐわーっ」
そう言われては料理に注力せざるをえない。
ガーッと人数分のハンバーグを成形した後、油の力を使って素晴らしい香味に焼き上げる。
お手伝いさんが、その間にソースを作ってくれる。
これは好みでかければいい。
コゲタやアゲパンはソースいらずだろう。
「完成! 特製ハンバーグだ! 米の準備は?」
「こちらに」
さすが夕方担当のお手伝いさん!!
これをたっぷりと皿に盛り付け食事となった。
「アゲパン!」
僕が直々に呼びに行く。
「はっ、びしょくはく! ついに……きましたか」
「ああ。夕食だ! ついてくるのだ」
「はい!」
返事がいいな!
もともと人間に仕えていただけある。
コボルド用の椅子は一つしか無かったので、僕はそれっぽい箱を積み上げた後、板と釘で固定した。
「ここに腰掛けるがいい」
「ありがたきしあわせ」
ぴょんっと座るアゲパン。
一応コゲタの隣である!
「では食べよう。いただきます」
「いただきます。私のはちゃんとちっちゃめでいいね」
「いただきまあす! コゲタハンバーグすきー!」
「ふむ、ふむ! いただきます!!」
むっ、我が家の作法についてきたな。
できる……。
セルフ待てができるコボルドだ。
みんなが食べ始めたのを見て、アゲパンもようやくハンバーグに手を付けた。
腹が減っていたらしく、ガツガツ食べる。
いい食いっぷりだ!!
半分くらい一気に食べたところで、
「うまい!! いや、おいしいです!! なんですかこれは!? こんなおいしいにくは、たべたことがない! いや、やさいのあじやかおりもする!! うおお、脳内に知識神様の語彙が流れ込んでくる~!! ひき肉の中に混ぜ込まれた、コボルドの嗅覚を刺激しすぎない塩梅の数々の野菜が素晴らしいアクセントになり……もぐもぐ、歯ごたえにも変化があって楽しく……むしゃむしゃ、あえてひき肉も粗挽きで、飽きさせない工夫が……これは、これは……! うまい! うまいぞーっ!!」
知識神の食レポが火を吹いた!!
これは基本的に、本人が思った事を言語化して吐き出す詠唱なので、心にもないことは話せないのだ。
そうかそうか、美味いか……!
たんとお食べ!
いや、知識神の神殿に居候するしか無かった状態らしいから、他に居場所が無いんだろう。
「アゲパンよ。僕はお前がコゲタに相応しいかを見極めるつもりだ」
「はっ! りかいしています、おとうさん!」
「お義父さんと呼ぶにはまだ早い! いいか? お前が少しでもコゲタを預けるに足らぬと思ったら容赦なく追い出す……! いや、あんまりコゲタを厳重に守りすぎて結婚できなかったらかわいそうなので、ちょっとは甘めに見る……」
「ありがたや。それで、われはどこにしゅくはくすればいいのでしょう」
「馬小屋を使うがいい……。そろそろ春だから、そんなに寒くないし、うちに居候していた吟遊詩人なんか冬に馬小屋で平気で寝てたからな……」
「なるほど! われらコボルドはやねとかべさえあれば、もんだいなくいきていけます! ありがたきしあわせ!」
「前向きだなー」
ちょっと感心してしまった。
「じゃあコゲタがあんないしてあげるね! こっちよー!」
「あっ、まってください、コゲタさーん!」
「ええい、青春真っ只中の男女のようなやり取りを! いや、間違ってはいないか」
僕も後を追った。
「ポーター! こっちはアゲパンだよ。よろしくね」
「ぶるるー」
「おおーっ、われのりんじんはこのうまか! よろしくたのむ、ポーター!」
「ぶるるー」
ポーターが近づいてきて、アゲパンをくんくんした。
そして、鼻先をぺちゃっとくっつけた。
ほうほう、いきなり舐めるまでには行かないが、まずは合格というところか。
ポーターは人懐こいが、人格をちょっと見抜く感じなところがある。
やっぱりこのアゲパン、悪いやつじゃないんだよなあ……。
心を鬼にせねば、くるりん尻尾のアゲパンに絆されそうになる。
「ポーターとは仲良くやれそうだな。では、住まいの準備をしているのだ。夕食時になったら呼びに来るから」
「えっ!? われもなかで、いっしょにしょくじをしていいので!?」
「なにい! 食事はな! みんなで一緒に食べるのが美味しいんだよ! ひとり飯も美味いが、現状は家族で飯を食ってるんだから、誰かを仲間外れにするわけないだろうが! 楽しみにしていろ、僕が作るからな!」
「ありがたきしあわせ~!」
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶアゲパンなのだった。
コゲタはうんうん頷き、
「よかったねー!」
とアゲパンと一緒にぴょんぴょんした。
「な、な、なんといううつくしきこころ……!! おすがただけでなく、こころまでうつくしい……」
「コゲタは人の悲しみを分かち合い、人の喜びをともに喜ぶ娘だ……!! 結婚したいならお前も釣り合う男になるのだ……!!」
「はい!!」
アゲパンがいいお返事をした。
くそー、いいやつじゃないか。
僕は家に入ると、お手伝いさんに告げた。
「今回の夕食は僕が作るので、補助をお願いします」
「あ、はい! 美食伯様が手ずから作られるのですか?」
「無論! 客をもてなす食事は貴族の嗜みだ! うおおおお! 特製ハンバーグだ!! コボルドでも十分に味わえるぞ!!」
コボルドの苦手ではない野菜だけをチョイスし、みじん切りにしてひき肉と混ぜ込む。
粉をつなぎに使って、特製ハンバーグを焼き上げるのだ。
「おやナザル。誰がお客が来たのかい?」
戻ってきたカルを抱き上げつつ、リップルが問う。
「うむ……。語り始めれば長くなるのだが……」
「コゲタねー、ぷろぽーず? ってゆうのされたの!」
「ほほー!!」
「ぐぬぬ」
「ナザル、歯を食いしばりながら作ると料理が美味しくなくなるぞ」
「ぐわーっ」
そう言われては料理に注力せざるをえない。
ガーッと人数分のハンバーグを成形した後、油の力を使って素晴らしい香味に焼き上げる。
お手伝いさんが、その間にソースを作ってくれる。
これは好みでかければいい。
コゲタやアゲパンはソースいらずだろう。
「完成! 特製ハンバーグだ! 米の準備は?」
「こちらに」
さすが夕方担当のお手伝いさん!!
これをたっぷりと皿に盛り付け食事となった。
「アゲパン!」
僕が直々に呼びに行く。
「はっ、びしょくはく! ついに……きましたか」
「ああ。夕食だ! ついてくるのだ」
「はい!」
返事がいいな!
もともと人間に仕えていただけある。
コボルド用の椅子は一つしか無かったので、僕はそれっぽい箱を積み上げた後、板と釘で固定した。
「ここに腰掛けるがいい」
「ありがたきしあわせ」
ぴょんっと座るアゲパン。
一応コゲタの隣である!
「では食べよう。いただきます」
「いただきます。私のはちゃんとちっちゃめでいいね」
「いただきまあす! コゲタハンバーグすきー!」
「ふむ、ふむ! いただきます!!」
むっ、我が家の作法についてきたな。
できる……。
セルフ待てができるコボルドだ。
みんなが食べ始めたのを見て、アゲパンもようやくハンバーグに手を付けた。
腹が減っていたらしく、ガツガツ食べる。
いい食いっぷりだ!!
半分くらい一気に食べたところで、
「うまい!! いや、おいしいです!! なんですかこれは!? こんなおいしいにくは、たべたことがない! いや、やさいのあじやかおりもする!! うおお、脳内に知識神様の語彙が流れ込んでくる~!! ひき肉の中に混ぜ込まれた、コボルドの嗅覚を刺激しすぎない塩梅の数々の野菜が素晴らしいアクセントになり……もぐもぐ、歯ごたえにも変化があって楽しく……むしゃむしゃ、あえてひき肉も粗挽きで、飽きさせない工夫が……これは、これは……! うまい! うまいぞーっ!!」
知識神の食レポが火を吹いた!!
これは基本的に、本人が思った事を言語化して吐き出す詠唱なので、心にもないことは話せないのだ。
そうかそうか、美味いか……!
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