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102・婿修行だ!
第312話 遺跡で仕事をしてもらう!!
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「明日は試練だぞ! たっぷり寝ろ! これ、夜中にお腹が減ったら食べるといい。チーズだぞ」
「ありがたきしあわせー。ではおやすみなさい」
「おやすみー!」
馬小屋に入っていくアゲパンなのだった。
「お夜食まであげて、言ってることとやってることが全然違わないかい? もう認めちゃったらどうだい?」
なんてことを言うのだリップル。
「いやいや、まだ僕は彼を信用したわけではない。人と人の信頼というものは、様々なことから生まれてくるのだ……! 明日は遺跡に連れて行って、仕事振りを見るぞ!!」
「君も物好きだねえ」
呆れているリップルなのだった。
僕とコゲタは明日に備えて、すぐに寝たぞ!
どういう状況でも、眠れない、食べられないということが一切ないのが僕の強みである。
朝になり、僕は職場である遺跡第四層に向かう準備をする。
おや?
コゲタがお台所で、朝のお手伝いさんとなにかやっているような……。
「何をやっているんだね」
「ご主人とー、コゲタとー、アゲパンのおべんとうつくったの!」
「な、な、なんだってー!!」
そこには、パンにぎっちり野菜やハムやチーズが挟まったサンドイッチが!
これを皮製の風呂敷みたいなやつで包むのだ。
悪くなるのを防ぐために、辛いハーブを一緒に包んでおく。
食べるときにはどけるのだ。
「コゲタ、あいつにまでお弁当を……」
「おなかへるとたいへんだからねー」
「そうだねえ。コゲタは本当に優しいなあ……」
衝撃のあとに、ジーンと来た。
アゲパンを呼びに行き、朝飯にする。
パンとカリカリベーコンと目玉焼きだ。
美味い。
「しふく~!! われ、こんなすさまじきびしょくにひたるせいかつ、はじめてです!!」
「基本的にアーランの外の食生活は質素だからな。質素にせざるを得ない」
アーランから美食が広がり、様々な人々が美味しい料理を楽しむようになってはいる。
だが、まだまだ田舎には広がってはおるまい。
ちなみに美食が広がった場所では、贅沢病と呼ばれるいわゆる成人病も発生してきており、社会問題として浮かび上がってきているそうな。
美食と運動はセットだぞ!!
「アゲパン! おべんとうつくった! いせきでたべようね!」
「な、な、なんですとーっ!! うおおおおおお、なんとやさしいおかたーっ!! われのめはたしかだったー!!」
うおおおーんと感激の遠吠えをするアゲパン。
くそーっ、また好感度が上がってしまった!
どうだ、うちのコゲタは本当にいい子だろう!!
「ナザル、二人の距離が近づく危機感と、コゲタの良さを認めてもらった嬉しさがまいまぜになっているね?」
「僕の心を読むのではない」
「ばあうー」
「おうカル、行ってくるからな」
息子の小さい手をむにむにしてから、出かけることにした。
うーむ、触れるたびに大きくなっている気がする。
でかい男になるんだぞー。
ということで。
馬車を呼んで、アーラン入口まで走らせる。
そこから遺跡に向かい、エレベーターを使って第四層へ。
「ほほー!! ここがいせきですか!! われははじめてはいりますよ!」
「そうかそうか。第四層は丸ごと僕の土地になっているからな。僕が見つけてきた、美食に欠かせぬ作物が育てられているのだ。昨夜の米はここから来た」
「な、なんとー!! コゲタさんのご主人はすごいかたであった」
「凄いかどうかは分からないが、アーランにおいて重要な仕事をしているぞ。そら、アゲパンを職人たちに紹介しよう」
「諸君!ここで作業は一休みしてくれ! 新しい研修生を紹介しよう! ほんの数日だが、僕が彼という男を試すためにここで働いてもらうことになった! アゲパンだ!」
「よろしくおねがいします! せんぱいがた!!」
「おー、コボルドだ」「かわいいぞ」「コゲちゃんと同じ種類のコボルドかい?」「ちょっと大きくて美味しそうな色をしてるな」「よく焼けたパンみたい」「なるほどアゲパン」
ざわめく職人たち。
彼らは機会があれば休憩することを愛するので、こうしてこっちから、表立って休める場を用意してやるのである。
みんなめいめい、お茶を飲み始める。
「ナザル様! もしかしてそのコボルド、コゲちゃんの婿ですかね!」「おー!」「なるほどなあ!」「そりゃあナザルの旦那も気が気じゃねえよな!」
な、なにぃーっ!!
僕の心を読んだのか!?
いつの間にそんなスキルを……。
まあ察されてしまったものは仕方ない。
アゲパンを交えて、仕事を開始するのだった。
「ま、まさかびしょくはくみずからが、たんぼにはいってさぎょうを!!」
「当たり前だろう!! 米の仕上がりをこうしてチェックしないと、その田んぼの状態が分からないじゃないか!」
「ナザルの旦那は何日も掛けて、全ての田んぼと畑を回って土や作物の状況をチェックしてるんだぜ」「金を出すだけじゃなく、自分の目と鼻と舌と足を使ってるんだよな」「真っ向勝負態勢、マジリスペクトだぜ」
ラッパーみたいなのいなかった?
あちこちから雇い入れている商人だから、ラッパーが混じっててもおかしくないな……。
「では各地の農作物をチェックしながら、僕の仕事を見せていく! ついてこいアゲパン!」
「ははーっ!」
「ご主人はりきってるー! たのしーね!」
「ありがたきしあわせー。ではおやすみなさい」
「おやすみー!」
馬小屋に入っていくアゲパンなのだった。
「お夜食まであげて、言ってることとやってることが全然違わないかい? もう認めちゃったらどうだい?」
なんてことを言うのだリップル。
「いやいや、まだ僕は彼を信用したわけではない。人と人の信頼というものは、様々なことから生まれてくるのだ……! 明日は遺跡に連れて行って、仕事振りを見るぞ!!」
「君も物好きだねえ」
呆れているリップルなのだった。
僕とコゲタは明日に備えて、すぐに寝たぞ!
どういう状況でも、眠れない、食べられないということが一切ないのが僕の強みである。
朝になり、僕は職場である遺跡第四層に向かう準備をする。
おや?
コゲタがお台所で、朝のお手伝いさんとなにかやっているような……。
「何をやっているんだね」
「ご主人とー、コゲタとー、アゲパンのおべんとうつくったの!」
「な、な、なんだってー!!」
そこには、パンにぎっちり野菜やハムやチーズが挟まったサンドイッチが!
これを皮製の風呂敷みたいなやつで包むのだ。
悪くなるのを防ぐために、辛いハーブを一緒に包んでおく。
食べるときにはどけるのだ。
「コゲタ、あいつにまでお弁当を……」
「おなかへるとたいへんだからねー」
「そうだねえ。コゲタは本当に優しいなあ……」
衝撃のあとに、ジーンと来た。
アゲパンを呼びに行き、朝飯にする。
パンとカリカリベーコンと目玉焼きだ。
美味い。
「しふく~!! われ、こんなすさまじきびしょくにひたるせいかつ、はじめてです!!」
「基本的にアーランの外の食生活は質素だからな。質素にせざるを得ない」
アーランから美食が広がり、様々な人々が美味しい料理を楽しむようになってはいる。
だが、まだまだ田舎には広がってはおるまい。
ちなみに美食が広がった場所では、贅沢病と呼ばれるいわゆる成人病も発生してきており、社会問題として浮かび上がってきているそうな。
美食と運動はセットだぞ!!
「アゲパン! おべんとうつくった! いせきでたべようね!」
「な、な、なんですとーっ!! うおおおおおお、なんとやさしいおかたーっ!! われのめはたしかだったー!!」
うおおおーんと感激の遠吠えをするアゲパン。
くそーっ、また好感度が上がってしまった!
どうだ、うちのコゲタは本当にいい子だろう!!
「ナザル、二人の距離が近づく危機感と、コゲタの良さを認めてもらった嬉しさがまいまぜになっているね?」
「僕の心を読むのではない」
「ばあうー」
「おうカル、行ってくるからな」
息子の小さい手をむにむにしてから、出かけることにした。
うーむ、触れるたびに大きくなっている気がする。
でかい男になるんだぞー。
ということで。
馬車を呼んで、アーラン入口まで走らせる。
そこから遺跡に向かい、エレベーターを使って第四層へ。
「ほほー!! ここがいせきですか!! われははじめてはいりますよ!」
「そうかそうか。第四層は丸ごと僕の土地になっているからな。僕が見つけてきた、美食に欠かせぬ作物が育てられているのだ。昨夜の米はここから来た」
「な、なんとー!! コゲタさんのご主人はすごいかたであった」
「凄いかどうかは分からないが、アーランにおいて重要な仕事をしているぞ。そら、アゲパンを職人たちに紹介しよう」
「諸君!ここで作業は一休みしてくれ! 新しい研修生を紹介しよう! ほんの数日だが、僕が彼という男を試すためにここで働いてもらうことになった! アゲパンだ!」
「よろしくおねがいします! せんぱいがた!!」
「おー、コボルドだ」「かわいいぞ」「コゲちゃんと同じ種類のコボルドかい?」「ちょっと大きくて美味しそうな色をしてるな」「よく焼けたパンみたい」「なるほどアゲパン」
ざわめく職人たち。
彼らは機会があれば休憩することを愛するので、こうしてこっちから、表立って休める場を用意してやるのである。
みんなめいめい、お茶を飲み始める。
「ナザル様! もしかしてそのコボルド、コゲちゃんの婿ですかね!」「おー!」「なるほどなあ!」「そりゃあナザルの旦那も気が気じゃねえよな!」
な、なにぃーっ!!
僕の心を読んだのか!?
いつの間にそんなスキルを……。
まあ察されてしまったものは仕方ない。
アゲパンを交えて、仕事を開始するのだった。
「ま、まさかびしょくはくみずからが、たんぼにはいってさぎょうを!!」
「当たり前だろう!! 米の仕上がりをこうしてチェックしないと、その田んぼの状態が分からないじゃないか!」
「ナザルの旦那は何日も掛けて、全ての田んぼと畑を回って土や作物の状況をチェックしてるんだぜ」「金を出すだけじゃなく、自分の目と鼻と舌と足を使ってるんだよな」「真っ向勝負態勢、マジリスペクトだぜ」
ラッパーみたいなのいなかった?
あちこちから雇い入れている商人だから、ラッパーが混じっててもおかしくないな……。
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