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106・うなぎ料理と美少年
第325話 集えギルボウ亭! うな重来たる
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向かった先はギルボウの店である。
もういつものところである。
今回はあらかじめ、シャザクとエリィを店に呼び出しておいた。
ここで食うのが一番美味いからだ。
さらに、知識神の神官も呼んでおいた。
で、呼んでもいないのにどこで嗅ぎつけたのか、リップルも来た。
大所帯である。
コゲタもアゲパンもハムソンもいる。
「コボルドたちにはハンバーグを出しておくからな」
「手をかけさせてスマンな」
「気にするな。あいつらは素直に美味いって言うから、俺は好きなんだよ」
三人のコボルドが、ハンバーグをもりもり食べながら「おいしい!」と言っている横で……。
うな重を囲む会が開かれたのだった。
「うなぎって、あの長い魚でしょ? 食べたことはあるけど、そんなに美味しくは無かったな」
エリィが首を傾げている。
もしかすると、うなぎのゼリー寄せみたいな食べ方しか知らないのではないか。
シャザクに至っては全く食べたこともないそうだ。
これはビータもツインも同じ。
「いい? うなぎって言うのは本来、庶民的な食べ物なの。血には毒があるからしっかり焼かなくちゃいけないし、小骨は多いし……とてもとても、そんな魅力的な食材じゃないわ」
「なるほど、アーランの常識ではそうだったわけだね」
「うっ、美食伯がそう言っているのを聞くと、私達が知らないうなぎの魅力があるような気がしてくるわ……」
あるのだ。
僕は既に、知識神の神官を通じて、神にレシピの伝授を願っている。
果たして神は奇跡を起こした。
うなぎ蒲焼の作り方が、僕の脳内にインスピレーションとして沸き起こったのである!
なお、知識神は僕の周辺に限り、スナック感覚で奇跡を起こす。
どうも他の神々からのチェックが、そこだけ薄いんだそうだ。
これはきっと、知識神が僕の死後、僕を神様に召し上げる予約をしているせいだろうな。
僕がレシピを伝えると、ギルボウは頷きながら猛烈な速度でメモをした。
そして僕に見せて確認し、修正。
それらを終えたら、メモをくしゃくしゃと丸めて捨てた。
「もう頭の中に入った。忘れねえよ」
そう言うなり、彼はうなぎの料理を開始したのだった。
ほう、腹開き!
関西風ですな。
その間に僕は、醤油ベースでタレを作っておく。
うな重のタレと言えば、本体とも言えるような重要な存在である。
だが、ギルボウは初の焼きで手一杯だ。
ここは僕が作業をせねばな。
最近、料理をし続けたお陰で腕も上がってきたしな。
もりもりとタレを作っていると、美味しそうなうなぎの香りがしてきた。
テーブルに並ぶ人々が大いに沸いている。
うなぎを焼く香りは気になるよな。
しかも、うな重のこれは蒸し焼きをしたものをさらに焼く。
その際に、このうなぎのタレを塗りながら焼くのだ!
「ギルボウ、こいつを頼む」
「おう! 甘辛いタレなんだな。醤油ベースで、砂糖と酒を混ぜて熱を加えてアルコールを飛ばしたか。ほうほう……いい味だ! どれどれ……?」
タレを塗ったうなぎが焼ける香りに、ざわつく一同。
悪魔的な香りであろう!
これはやばいぞ。
香りだけでご飯が食べられると言われた代物だ。
もちろん、米はつやつやのピカピカに炊いてある。
これを、箱型の器に盛って、そこにうなぎをドーン!
タレをたらーりたらり。
山椒はまだ発見されていないが、似た味のハーブならあった。
これをパラパラと振る。
完成……!
パルメディア初のうな重だ!
うなぎと米と醤油はあったのに、今まで生まれなかったのが不思議なくらいだな。
どうやら、うなぎは下魚というイメージが流布しすぎていて、美味しい料理にするという発想が出てこなかったようなのである。
果たして、こんがりとこげ茶色に焼けたうなぎが乗った、うな重が各人の前に供された。
「シャザク、これがうな重だ。ぜひ味わってくれ!」
「あ、ああ。どれどれ……?」
スプーンでうなぎを切ったシャザクは目を丸くする。
「柔らかい……!! 魚の身が、これほど柔らかいのか!? それに……中身は白い。どれ……?」
米と一緒に口に運ぶシャザク。
次の瞬間、彼の目が見開かれた。
「うおっ……うおおおおおおお!! 溶けた! うなぎの身が、口の中で溶けた!!」
「えっ!? これがうなぎ!? うなぎなの!? 嘘でしょう!? あの弾力が強い身が、どうやったらこんなに柔らかくてふんわりした上品な味になるの!? それにこのタレ、甘くて美味しい……。ご飯にも合う……」
「うわわわわっ、美味しい! 美味しいですよ師匠、これすっごく美味しい!」
「ああ、僕らが釣ったうなぎがこんなに美味しくなるんだなあ。これは凄い……」
神官氏は、ひたすら食レポを垂れ流しながら食べていた。
そしてリップルはうんうん頷きながら食べる。
「魚とお米だろう? 消化に良さそうだ! 素晴らしい」
なんておばあちゃんめいたことを言うのか。
「ナザルは別に食べなくてもいいんじゃないかい?」
「そりゃまたどうして」
「精がつく料理なんだろ? またカッとなるような過ちが起きたらお互い目も当てられない」
「なるほど、確かになあ……。だが僕にうな重を眼の前にして食べないという選択肢はないんだなあ! いただきます!」
「あーっ!!」
「美味い! うまいうまいうまい!!」
転生してから初めてのうな重。
こんなもん絶対に美味いに決まっているのだ!
もういつものところである。
今回はあらかじめ、シャザクとエリィを店に呼び出しておいた。
ここで食うのが一番美味いからだ。
さらに、知識神の神官も呼んでおいた。
で、呼んでもいないのにどこで嗅ぎつけたのか、リップルも来た。
大所帯である。
コゲタもアゲパンもハムソンもいる。
「コボルドたちにはハンバーグを出しておくからな」
「手をかけさせてスマンな」
「気にするな。あいつらは素直に美味いって言うから、俺は好きなんだよ」
三人のコボルドが、ハンバーグをもりもり食べながら「おいしい!」と言っている横で……。
うな重を囲む会が開かれたのだった。
「うなぎって、あの長い魚でしょ? 食べたことはあるけど、そんなに美味しくは無かったな」
エリィが首を傾げている。
もしかすると、うなぎのゼリー寄せみたいな食べ方しか知らないのではないか。
シャザクに至っては全く食べたこともないそうだ。
これはビータもツインも同じ。
「いい? うなぎって言うのは本来、庶民的な食べ物なの。血には毒があるからしっかり焼かなくちゃいけないし、小骨は多いし……とてもとても、そんな魅力的な食材じゃないわ」
「なるほど、アーランの常識ではそうだったわけだね」
「うっ、美食伯がそう言っているのを聞くと、私達が知らないうなぎの魅力があるような気がしてくるわ……」
あるのだ。
僕は既に、知識神の神官を通じて、神にレシピの伝授を願っている。
果たして神は奇跡を起こした。
うなぎ蒲焼の作り方が、僕の脳内にインスピレーションとして沸き起こったのである!
なお、知識神は僕の周辺に限り、スナック感覚で奇跡を起こす。
どうも他の神々からのチェックが、そこだけ薄いんだそうだ。
これはきっと、知識神が僕の死後、僕を神様に召し上げる予約をしているせいだろうな。
僕がレシピを伝えると、ギルボウは頷きながら猛烈な速度でメモをした。
そして僕に見せて確認し、修正。
それらを終えたら、メモをくしゃくしゃと丸めて捨てた。
「もう頭の中に入った。忘れねえよ」
そう言うなり、彼はうなぎの料理を開始したのだった。
ほう、腹開き!
関西風ですな。
その間に僕は、醤油ベースでタレを作っておく。
うな重のタレと言えば、本体とも言えるような重要な存在である。
だが、ギルボウは初の焼きで手一杯だ。
ここは僕が作業をせねばな。
最近、料理をし続けたお陰で腕も上がってきたしな。
もりもりとタレを作っていると、美味しそうなうなぎの香りがしてきた。
テーブルに並ぶ人々が大いに沸いている。
うなぎを焼く香りは気になるよな。
しかも、うな重のこれは蒸し焼きをしたものをさらに焼く。
その際に、このうなぎのタレを塗りながら焼くのだ!
「ギルボウ、こいつを頼む」
「おう! 甘辛いタレなんだな。醤油ベースで、砂糖と酒を混ぜて熱を加えてアルコールを飛ばしたか。ほうほう……いい味だ! どれどれ……?」
タレを塗ったうなぎが焼ける香りに、ざわつく一同。
悪魔的な香りであろう!
これはやばいぞ。
香りだけでご飯が食べられると言われた代物だ。
もちろん、米はつやつやのピカピカに炊いてある。
これを、箱型の器に盛って、そこにうなぎをドーン!
タレをたらーりたらり。
山椒はまだ発見されていないが、似た味のハーブならあった。
これをパラパラと振る。
完成……!
パルメディア初のうな重だ!
うなぎと米と醤油はあったのに、今まで生まれなかったのが不思議なくらいだな。
どうやら、うなぎは下魚というイメージが流布しすぎていて、美味しい料理にするという発想が出てこなかったようなのである。
果たして、こんがりとこげ茶色に焼けたうなぎが乗った、うな重が各人の前に供された。
「シャザク、これがうな重だ。ぜひ味わってくれ!」
「あ、ああ。どれどれ……?」
スプーンでうなぎを切ったシャザクは目を丸くする。
「柔らかい……!! 魚の身が、これほど柔らかいのか!? それに……中身は白い。どれ……?」
米と一緒に口に運ぶシャザク。
次の瞬間、彼の目が見開かれた。
「うおっ……うおおおおおおお!! 溶けた! うなぎの身が、口の中で溶けた!!」
「えっ!? これがうなぎ!? うなぎなの!? 嘘でしょう!? あの弾力が強い身が、どうやったらこんなに柔らかくてふんわりした上品な味になるの!? それにこのタレ、甘くて美味しい……。ご飯にも合う……」
「うわわわわっ、美味しい! 美味しいですよ師匠、これすっごく美味しい!」
「ああ、僕らが釣ったうなぎがこんなに美味しくなるんだなあ。これは凄い……」
神官氏は、ひたすら食レポを垂れ流しながら食べていた。
そしてリップルはうんうん頷きながら食べる。
「魚とお米だろう? 消化に良さそうだ! 素晴らしい」
なんておばあちゃんめいたことを言うのか。
「ナザルは別に食べなくてもいいんじゃないかい?」
「そりゃまたどうして」
「精がつく料理なんだろ? またカッとなるような過ちが起きたらお互い目も当てられない」
「なるほど、確かになあ……。だが僕にうな重を眼の前にして食べないという選択肢はないんだなあ! いただきます!」
「あーっ!!」
「美味い! うまいうまいうまい!!」
転生してから初めてのうな重。
こんなもん絶対に美味いに決まっているのだ!
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