悪役令嬢ですが、自分のスキルの代償がきつくて泣きそうです(仮)

秋桜

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第3章〜内乱の激化と流行病の発症〜

23.前の私と今の私

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何度も加筆修正してたら、わからなくなってきました。
意味がわからない所、おかしな所などありましたら、速攻で修正するのでコメントください。

アリシアナが見た内容
1枚目 普通の手紙
2枚目 後半がなければ普通の手紙
3枚目 宛名が消えたスキルについての手紙

ジークフリート達が見た手紙
1枚目 真っ白(DearとFromの文字だけが書いてある)
2枚目 文章量は少ないが内容は普通の手紙
3枚目 宛名が消えたスキルについての手紙

です、参考までに…。

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*



「2枚目だけは今のところ普通の手紙みたいだね。」
「そうですね。内容も少なめでしたしね。」

「それはどういうことですか?」

手紙を見てジーク様がつぶやいた内容にリオンも同意しているけど、私は2人が何を言っているのか理解が出来なかった。

だって私が読んだ時普通の手紙だったと感じたのは1から。
2枚目に関しては、前半部分はともかくし、それに短くもないと思う。むしろ後半も入れたら1枚目より長い。

私が読んでリオンに渡すまでの間に手紙の内容が変わったのかもと思い、もう一度手紙を受け取って見てみるがさっき見た時と同じ内容だった。

コレ2枚目が普通の手紙…?いやいやいや。

「あぁ、シアには母上の事をちゃんと話した事が無かったですね。」

「いや、もともと話してた所で今のシアはどの道忘れてただろうから説明し直しだと思うよ。」

「それもそうですね。」

アリシアナは2人の会話を聞きながらこの食い違いを指摘するかどうか迷った。

アリシアナは2枚目の手紙の内容そのものを指して「どういうことですか?」と聞いたが、おそらく内容の違いなど知らないだろう2人が、アリシアナの疑問点はジークフリートの言った『普通の手紙』という言葉に対してだろうと思った事は想像がつく。母の手紙が普通の手紙で終わるはずがないという事実をアリシアナが知らないのだろうと。だが、ゲームの知識があるアリシアナにとってそれは常識レベルの事だった。
アリシアナは少し考えた結果、この誤解は自分にとってのでそのまま放置することにした。

というか、リオンの母上って事はアリシアナチート令嬢の産みの親って事よね。ゲームでも夢でも話に出てくるだけでよくは知らないのよね。かなり前に亡くなってる設定の悪役令嬢の母だから立ち絵すら無かったし、当然スチルにも出てこないから顔すら知らない。知ってる事と言えば『歩く爆弾』とか『微笑みの悪魔』とか、かなりアレな二つ名があったらしいって事くらい。

ちょっと待って。

私さっき『小さな母上みたい』って言われたわよね!?
それって、はた迷惑な所がよく似てると嫌味を言われてたって事?トラブルメーカーだと思われてる?失礼な!
一言文句を言ってやろうかと思ったけど勝てない喧嘩は売るべきでは無いと思ってやめた。私があのリオンに口喧嘩で勝てる道理はない。

私は諦めて大人しく母の話を聞くことにした。
もしかしたら知らない情報があるかもしれないし!





結論から言って、話してくれた内容に特別新しい事は
だが、どんな人柄だったのかはよくわかった。アリシアナの母はゲームでのアリシアナをしっかり者にした感じのようだ。

髪や目の色はそのままアリシアナと一緒だったらしいからアリシアナは母親似だったのね。きっとすごい美人だったんだろうなぁ。1度会ってみたかった。

ゲームのアリシアナは結構抜けているところがあったけど母のシーナさんはかなりしっかり者で同時にちゃっかりもしてたらしい。
まぁ、ゲームのアリシアナはそのぼんやりさが可愛くてヒロインより人気があったんだけど。ただし、ジークフリート王子ルートは除く。

ん?

ジークフリート王子ルートではどうだったのかって?ジークフリート王子ルートのアリシアナはたった1人で乙女ゲームをホラーゲームに変えていて『トラウマ製造機』と呼ばれSNSや動画なんかでよくネタになってた。
今にして思えばそれはド忘れでのうっかりではなく、ゲームのアリシアナも今の私と同じ記憶喪失で、最初から記憶がなかったから指摘されるまで気づけなかったのでは無いかと推測もできる。
そんな中唯一ちゃんと自分の記憶に残って覚えているジークフリート王子に執着しても不思議じゃないと思う。
この推測は真実に限りなく近いのではないかと考えている。なぜそこまでの確信ができたのかと言うと、断片的に以前の記憶を思い出したからだ。
3枚目の手紙に書いてあった【原始創造スキル】とやらの影響なのか、他に理由があるのかはわからないけど、この世界に来てからずっと寝る度に少しずつ夢にみる。
見る夢は時系列も結末も全てがバラバラな今より少し先の未来での出来事で、その記憶は間違いなく前の私のものだとわかるものだった。だがそれらの記憶は、思い出した事には思い出したが今の自分のだという実感がまるで湧かない。その為、過去の自分の行動を思い出したと言うより別の人の人生を知ったと言った方が正しいかもしれない。

昨晩の夢は今から約7年後のの出来事だった。
起きてすぐは意味が変わらなかったけど手紙を読むとその夢がどういう物なのかも理解が出来た。

そしてそれによってもうひとつわかった事がある。

1ヶ月と数日前に謎空間で見せられた光景とアリシアナの記憶という2つのピースに、手紙によるスキルの知識が合わさった事で私の中でようやくひとつ結論が出た。

いや、結論が出てしまったと言うべきだろうか。

アリシアナはこの世界の時の流れを改変してしまったのかもしれないという結論が。

それも1回や2回じゃなく何回もスキルを使って時間を巻き戻したみたいだ。今の私の記憶では詳しい回数まではわからないけど、そうじゃないと記憶の辻褄が合わない箇所が何個も出てくるからだ。

そしてこの結論が正しかった場合、私の記憶喪失は治らない可能性が高い。
3枚目の手紙通りこのスキルが大きな代償を伴うものだとして、世界全体いわばこの時空間そのものが対象の事象改変…いや、改竄と呼ぶべきこの行為の代償が簡単に払い終えられるとは思えない。今の私の頻発する記憶喪失もそのせいだと思う。実際昨日の出来事も1部忘れている様だから。
昨日の出来事で私が覚えているのはジーク様と魔力循環をしているところからでそれ以前は覚えてない。どうせ忘れるなら魔力循環の時の記憶も消して欲しかった。あの感覚に慣れてきた途中からはともかく最初のうちは死ぬほど恥ずかしかった。これでは、ジークフリート王子に執着して最後はうっとおしがられて殺されたゲームのアリシアナを笑えないなと自嘲めいた笑いがこぼれる。

そういえば手紙に書いてあったわね、『怒っていますか?憎んでいますか?恨んでいますか?』って。
全てわかってて私に後始末を押し付けたなら、さすがの私も思う所はある。

自分の中にあるどうしても消えない不安と恐怖。
今の自分の周りにいる人に感じる原因のわからない不信感。
この気持ちの理由を私はずっと異世界という知らない所に来た事と記憶喪失から来るものかと思っていた。
けど、そうじゃないのかもしれないと思えてきた。もちろんそれも理由の一つではあるのかもしれないが、それだけじゃなくて、アリシアナがずっと1人で抱えてきた感情がそのまま残っているからなのかもしれない。

ゲームでのアリシアナ記憶喪失前と今の私がだという事。これは確かな証拠や根拠は今のところ何一つないがきっと真実だろうと確信がある。

アリシアナとして目覚めてからずっと頭の隅っこに追いやり否定し続けてきたがそろそろ認めなくてはいけない。私はアリシアナと違って死にたいわけじゃないから。
昨日、謎空間から出るために必要な行動が何となくわかったのと同じ様に今回のこれもそうなんだろうなと直感もある。


私に全て押し付けて消えた元のアリシアナはどうしてしまったのだろうか。
私は死んでアリシアナに転生したのでは無く、何らかの原因でカラになったアリシアナの体に入り込んで乗っ取ってしまったのはまあ確定だろうけど、本当のこの体の持ち主であるはずのアリシアナはどこに行ってしまったのか。
もし本物のアリシアナが戻ってきた時はどうなるのだろう。

「ひゃうっ!」

突然耳に息がかけられて変な声が出る。

突然なに!?…ってジーク様かい!

変な声を出すはめになった元凶である王子様は私の反応がおかしかったのかお腹を抱えて笑っている。

わー珍しい。あのジークフリート王子がお腹を抱えて笑ってるよ。ってそうじゃない!

どうやらまた周りを忘れて自分の思考に気を取られていた私を正気に戻す為…という大義名分の元、ジーク様にからかわr…遊ばr…もといイタズラされた様だ。

うわぁー…いや、確かにほったらかした私も悪いけどさ!貴族の令嬢にこれはないでしょ!ゲームでもイタズラ好きだったけどこんな小さな頃からイタズラ好きだっんかい!
両手の魔力循環の意味教えてくれなかった時といい、何度も人で遊びやがって。………………………………………………いつか、絶対、やり返す。

私がキッと睨みつけるとそれがまたお気に召したのか、それはそれはいい笑顔でニッコリ微笑んだ後、クスクス笑い続けるジーク様。

この王子様、まるで堪えてない。それどころかまたされそうな勢いだ。

笑い続けるジーク様を見て私はゲームとはイタズラのタイプが違う気がするとふと思う。まだ子供だからかな?ゲームではもう少し人を小馬鹿にしたような感じだったはず。

「ぷっ………殿下、妹で遊ばないでください。他にも、ふふっ、方法はあったでしょうに…ふっ。」

こっちもかいっ!兄なら止めなさいよ!
笑いを堪えながら言われても説得力は皆無でしょうが。いや全然堪えきれてないわね。

「くくくっ…シア大丈夫?」

ひとしきり笑うと、首を傾げてこちらを見つめるジーク様。
綺麗なサラサラの漆黒の髪を揺らし端正な顔に(意地の悪い)微笑を浮かべてこちらを見つめる姿はそれだけ見れば誰もが見惚れる美少年だ。

だけどこんなジーク様は私がアリシアナになって初めて見る、気がする。ゲームでヒロイン達によくしてたから知識として知ってはいたけど、なんだかんだ言っても私には優しい王子様モードが大きく崩れることは無かったから。

(あー、こんな意地悪い笑顔でも相変わらずキラッキラの超イケメンで腹が立つわね!)

アリシアナは今も尚笑い続けるその笑顔を見て、昨日の夢を思い出した。
その夢で前の自分を何度も殺したあの王子と目の前の人が同じ人物だと思うと少しもやっとした。

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*

お読みくださりありがとうございます。
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