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第3章〜内乱の激化と流行病の発症〜
22.手紙の違い
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リオンが舌打ちした瞬間、部屋の温度が2~3度は下がったように感じたアリシアナ。
一方、突然リオンを睨みつけ威圧しだしたジーク様は、布団の中でさっきからなぜか繋ぎっぱなしの私の手をギュッとしたり親指でそっと撫でたりして遊んでいる。
私としては手汗も心配だしそろそろ離して欲しかったりする。
「王子である私に舌打ちして無事ですむと思ってるならタダでは済まさんが何か言いたい事があるんじゃないか?」
冷ややかな雰囲気を纏うジーク様は目をスっと細め睨みつけると10歳とは思えない威厳を感じさせる。私の手で遊んでさえなければ。
「言いたい事、ですか。」
リオンもリオンでそれを見て『へぇ…。』などと感心している。
ついでに言うとオロオロする私を見て楽しんでさえいる。
(2人ともそういうお遊びは私がいない時にやってくれませんかねぇ!?)
と思った私が一言言ってやろうと思ったがそんな気配を目ざとく察知したのかジーク様が相槌を打つ。
「えぇ。」
リオンはジークフリートの催促を知り目にその様子を観察する。
まず、冷たい目をこちらに向け余裕たっぷりにこちらを見据える10歳らしからぬ覇気を纏う王子にまず驚いたが、直に話した今感じるのは違和感とそして戦慄を覚え震えそうになる自分だった。我が妹は相変わらず変なのをよく引っ掛けてくる。
だが、リオンはこの王子にならば妹を任せてもいいかも知れないと思った。
「…いいえ、言いたいなどございま…いえ、ついさっきなくなりました。部を弁えぬ、御無礼をお許しください。」
一礼するリオンを見て、長く1回、ため息を吐き出すジーク様。その後すぐ冷たい雰囲気は霧散し消えた。スキルか何かだったのかもしれない。
「何が『お許しください』だ。言ってる事とやってる事が全くの逆では無いか、私を試したのだろう。納得したならさっさとここに来た本題を話せ。」
『そして早く出ていけ』と副音声が聞こえてきそうな表情で言われ、苦笑いしそうになるのをすんでのところで堪えたリオンはこれ以上は無意味だと判断しジークフリートの言う通り本題に入ることにする。
「かしこまりました。ではさっそくですが、シア。母上からの手紙には何が書かれてた?」
あぁ、それで来たのね。
説明するのめんどくさいし、何より今の私がこの内容を詳しく説明できるのはおかしいよね。手紙をそのまま見せた方が早いわね。
夢で見たって言い訳だけだと誤魔化しきれない気がする。
コレを見た所でその意味が分かるのは私くらいでしょうし。
「リオンお兄様。そういう事であれば、量が多いので直接ご覧ください。その方が早いでしょう。」
私は手紙をリオンに渡すために、初めの状態に戻そうと封筒に手を伸ばす。
封を開ける時は私が触れた途端勝手に開いたので片手でも問題なかったがしまうのは手動なので片手ではやりにくく、繋ぎっぱなしの手が邪魔だと思って振りほどこうと手を振り回す。
すると握る力を強められやんわりと拒否された。
仕返しと言わんばかりに流れてくる魔力量が増えた。
思わず顔を顰めてしまったが許されると思う。
私は反応して欲しそうなジーク様を無視して手紙をリオンに渡した。
リオンはその手紙を軽く読むとそのままジークフリートに渡した。
手紙を読んでもいいかのとこちらを見てきたので『どうぞご覧下さい』と返すとジークフリートは手紙を受け取り読みだす。
ジーク様が手紙を読みながらリオンにチラッと目をやる。
「手紙の内容を見るためねぇ。本当にそれだけなのかな?」
手紙目的で来たと言う割にはチラッと見ただけですぐ自分に渡してきたリオンにジークフリートが疑いの目を向ける。
「王子のくせにしつこいですね。そんなですと妹に愛想をつかされますよ。いや、つかされる愛なんて元よりありませんね。」
「……お前本気で死にたいのか?」
「まさか。ですが殿下はシアの兄である私を今どうにかする事はできないでしょう?」
「………お前いい性格してるな。」
「ありがとうございます。」
「褒めてない。」
ジークフリートが受け取った手紙には3枚の手紙が入っていた。
きりの無い反論を諦めて本格的に読むことにする。
1枚目は白紙、2枚目はアリシアナへと書かれた手紙、ただし後半の内容が全て消されていた。そして最後の3枚目は宛名と差出人の名前部分が消えた手紙だった。
「2枚目だけは今のところ普通の手紙みたいだね。」
今のところってなにその不穏な響き。
それに、そもそも普通の手紙だったのは1枚目だけだったと思う。2枚目は前半はともかく、後半があんな内容だったし。
なんか2人と食い違ってる気がする。
「そうですね。内容も少なめでしたしね。」
「それはどういうことですか?」
私と2人の見てる内容が違うかもしれないとアリシアナは思った。
不思議に思い、もう一度手紙を受け取って見てみてもさっき見た時と同じ内容だった。
*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*
一方、突然リオンを睨みつけ威圧しだしたジーク様は、布団の中でさっきからなぜか繋ぎっぱなしの私の手をギュッとしたり親指でそっと撫でたりして遊んでいる。
私としては手汗も心配だしそろそろ離して欲しかったりする。
「王子である私に舌打ちして無事ですむと思ってるならタダでは済まさんが何か言いたい事があるんじゃないか?」
冷ややかな雰囲気を纏うジーク様は目をスっと細め睨みつけると10歳とは思えない威厳を感じさせる。私の手で遊んでさえなければ。
「言いたい事、ですか。」
リオンもリオンでそれを見て『へぇ…。』などと感心している。
ついでに言うとオロオロする私を見て楽しんでさえいる。
(2人ともそういうお遊びは私がいない時にやってくれませんかねぇ!?)
と思った私が一言言ってやろうと思ったがそんな気配を目ざとく察知したのかジーク様が相槌を打つ。
「えぇ。」
リオンはジークフリートの催促を知り目にその様子を観察する。
まず、冷たい目をこちらに向け余裕たっぷりにこちらを見据える10歳らしからぬ覇気を纏う王子にまず驚いたが、直に話した今感じるのは違和感とそして戦慄を覚え震えそうになる自分だった。我が妹は相変わらず変なのをよく引っ掛けてくる。
だが、リオンはこの王子にならば妹を任せてもいいかも知れないと思った。
「…いいえ、言いたいなどございま…いえ、ついさっきなくなりました。部を弁えぬ、御無礼をお許しください。」
一礼するリオンを見て、長く1回、ため息を吐き出すジーク様。その後すぐ冷たい雰囲気は霧散し消えた。スキルか何かだったのかもしれない。
「何が『お許しください』だ。言ってる事とやってる事が全くの逆では無いか、私を試したのだろう。納得したならさっさとここに来た本題を話せ。」
『そして早く出ていけ』と副音声が聞こえてきそうな表情で言われ、苦笑いしそうになるのをすんでのところで堪えたリオンはこれ以上は無意味だと判断しジークフリートの言う通り本題に入ることにする。
「かしこまりました。ではさっそくですが、シア。母上からの手紙には何が書かれてた?」
あぁ、それで来たのね。
説明するのめんどくさいし、何より今の私がこの内容を詳しく説明できるのはおかしいよね。手紙をそのまま見せた方が早いわね。
夢で見たって言い訳だけだと誤魔化しきれない気がする。
コレを見た所でその意味が分かるのは私くらいでしょうし。
「リオンお兄様。そういう事であれば、量が多いので直接ご覧ください。その方が早いでしょう。」
私は手紙をリオンに渡すために、初めの状態に戻そうと封筒に手を伸ばす。
封を開ける時は私が触れた途端勝手に開いたので片手でも問題なかったがしまうのは手動なので片手ではやりにくく、繋ぎっぱなしの手が邪魔だと思って振りほどこうと手を振り回す。
すると握る力を強められやんわりと拒否された。
仕返しと言わんばかりに流れてくる魔力量が増えた。
思わず顔を顰めてしまったが許されると思う。
私は反応して欲しそうなジーク様を無視して手紙をリオンに渡した。
リオンはその手紙を軽く読むとそのままジークフリートに渡した。
手紙を読んでもいいかのとこちらを見てきたので『どうぞご覧下さい』と返すとジークフリートは手紙を受け取り読みだす。
ジーク様が手紙を読みながらリオンにチラッと目をやる。
「手紙の内容を見るためねぇ。本当にそれだけなのかな?」
手紙目的で来たと言う割にはチラッと見ただけですぐ自分に渡してきたリオンにジークフリートが疑いの目を向ける。
「王子のくせにしつこいですね。そんなですと妹に愛想をつかされますよ。いや、つかされる愛なんて元よりありませんね。」
「……お前本気で死にたいのか?」
「まさか。ですが殿下はシアの兄である私を今どうにかする事はできないでしょう?」
「………お前いい性格してるな。」
「ありがとうございます。」
「褒めてない。」
ジークフリートが受け取った手紙には3枚の手紙が入っていた。
きりの無い反論を諦めて本格的に読むことにする。
1枚目は白紙、2枚目はアリシアナへと書かれた手紙、ただし後半の内容が全て消されていた。そして最後の3枚目は宛名と差出人の名前部分が消えた手紙だった。
「2枚目だけは今のところ普通の手紙みたいだね。」
今のところってなにその不穏な響き。
それに、そもそも普通の手紙だったのは1枚目だけだったと思う。2枚目は前半はともかく、後半があんな内容だったし。
なんか2人と食い違ってる気がする。
「そうですね。内容も少なめでしたしね。」
「それはどういうことですか?」
私と2人の見てる内容が違うかもしれないとアリシアナは思った。
不思議に思い、もう一度手紙を受け取って見てみてもさっき見た時と同じ内容だった。
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