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異世界、始めてみました。
選ばれました
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ニッコリと微笑んだ彼女に、私は何故だか何をしても無駄だということを悟った。
圧倒的な力の前に、威圧されたというのが最も正しいのかもしれない。
頭から爪先まで、サーっと血の気が引いていく音がする。
これは、ヤバイやつだ。
「まさか、こんなに早く見つけてくれるなんて思ってなかったの」
驚かせてごめんなさいと、店員さんはニコニコと笑いながら私に話しかける。
「この薔薇に気づく人がいるなんて、しかもこんなに早く!あぁ、ごめんなさい。やっぱり、ふふ、笑いが止まらないわ」
店員さんは思わず、といったようにまた笑う。
まるで、さっきと違う様子に若干引きながらも、私はどういうことなの?という疑問を口に出してしまった。
小さな声で言ったつもりだが、店員さんにはしっかり伝わったらしく、まだ肩を震わせながら、私とやっと向き合った。「あぁ、本当にごめんなさい。
何も説明してないのに、笑ってばかりで。
まずは、自己紹介からした方がいいかしら?それとも、今の状況から?
どちらにしても、短い話ではないから、お茶の方がいいかしらね?」
そう言うと彼女は、片手をクネクネと回すと何処からともなくポットとカップが二脚現れた。
あまりの光景に、開いた口が閉まらない。空中に浮かんだまま静止してる茶器と同じ様に、私の思考も驚きのあまり止まっている。
「あぁ、椅子とテーブルも必要ね?」
今度は空中の何かを掴むように、手を動かす。
そうすると、あら不思議。近くに置いてあったアイビーの苗達がワサワサと動き出し、あっという間に机と椅子を作り上げた。
「さぁ、どうぞ?まずは座って」
そう言われて座る奴がいるなら、是非ともその人に席を譲りたい。
一瞬そう思ったけど、私は抵抗することもなく勧められた椅子に座った。
幾重にも絡まったアイビーの椅子は思ったよりも座り心地がいいけれど、植物好きとして、やっぱりちょっと居心地が悪い。
けれど、目の前の店員さんはそんなこと気にしない様子で、何処から出したか分からないポットからカップに紅茶を注いでいる。
どうぞ、と改めて紅茶を勧められて受け取るも、さすがに飲む気にはなれない。
そんな私を見て、彼女はますます微笑むと自分で淹れた紅茶を一口飲んだ。
「とりあえず、自己紹介から。私の名前はコノハ。あなたは?」
「あっ、と、世良 咲耶です」
彼女が恐らくファーストネームしか名乗ってないのに、姓名すべて言うのには少し気が引けたけど、思わず全部名乗ってしまった。
「さて、突然なんだけど。貴女ももしかしたら、少なからず気づいているかもしれないけどね」
コノハさんはずっと笑ったまま。初対面だけど、どうやら機嫌がすこぶる良いみたいだ。
「貴女は選ばれました」
それはまるで、仕事の面接で合格だと言われたように素っ気なく。
けれど、両手を広げて歓迎されてるのが、分かるような満面の笑みで。
「ようこそ、私の魔法の世界へ」
・・・・・・。
まずは、自己紹介よりも状況説明からしてくれませんか?
圧倒的な力の前に、威圧されたというのが最も正しいのかもしれない。
頭から爪先まで、サーっと血の気が引いていく音がする。
これは、ヤバイやつだ。
「まさか、こんなに早く見つけてくれるなんて思ってなかったの」
驚かせてごめんなさいと、店員さんはニコニコと笑いながら私に話しかける。
「この薔薇に気づく人がいるなんて、しかもこんなに早く!あぁ、ごめんなさい。やっぱり、ふふ、笑いが止まらないわ」
店員さんは思わず、といったようにまた笑う。
まるで、さっきと違う様子に若干引きながらも、私はどういうことなの?という疑問を口に出してしまった。
小さな声で言ったつもりだが、店員さんにはしっかり伝わったらしく、まだ肩を震わせながら、私とやっと向き合った。「あぁ、本当にごめんなさい。
何も説明してないのに、笑ってばかりで。
まずは、自己紹介からした方がいいかしら?それとも、今の状況から?
どちらにしても、短い話ではないから、お茶の方がいいかしらね?」
そう言うと彼女は、片手をクネクネと回すと何処からともなくポットとカップが二脚現れた。
あまりの光景に、開いた口が閉まらない。空中に浮かんだまま静止してる茶器と同じ様に、私の思考も驚きのあまり止まっている。
「あぁ、椅子とテーブルも必要ね?」
今度は空中の何かを掴むように、手を動かす。
そうすると、あら不思議。近くに置いてあったアイビーの苗達がワサワサと動き出し、あっという間に机と椅子を作り上げた。
「さぁ、どうぞ?まずは座って」
そう言われて座る奴がいるなら、是非ともその人に席を譲りたい。
一瞬そう思ったけど、私は抵抗することもなく勧められた椅子に座った。
幾重にも絡まったアイビーの椅子は思ったよりも座り心地がいいけれど、植物好きとして、やっぱりちょっと居心地が悪い。
けれど、目の前の店員さんはそんなこと気にしない様子で、何処から出したか分からないポットからカップに紅茶を注いでいる。
どうぞ、と改めて紅茶を勧められて受け取るも、さすがに飲む気にはなれない。
そんな私を見て、彼女はますます微笑むと自分で淹れた紅茶を一口飲んだ。
「とりあえず、自己紹介から。私の名前はコノハ。あなたは?」
「あっ、と、世良 咲耶です」
彼女が恐らくファーストネームしか名乗ってないのに、姓名すべて言うのには少し気が引けたけど、思わず全部名乗ってしまった。
「さて、突然なんだけど。貴女ももしかしたら、少なからず気づいているかもしれないけどね」
コノハさんはずっと笑ったまま。初対面だけど、どうやら機嫌がすこぶる良いみたいだ。
「貴女は選ばれました」
それはまるで、仕事の面接で合格だと言われたように素っ気なく。
けれど、両手を広げて歓迎されてるのが、分かるような満面の笑みで。
「ようこそ、私の魔法の世界へ」
・・・・・・。
まずは、自己紹介よりも状況説明からしてくれませんか?
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