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15 スー
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◇
四姉妹は夜の樹海を疾走した。全力で獲物を追う高揚感が懐かしい。群れのリーダーはディアだ。アクアが匂いをたどり、ヴェルデが音を拾う。ラピス姉さんが周囲を警戒する。
『こっち。スーの匂いがする』
「了解」
『ディア姉。沢山、人間の音が聞こえるよ』
「計画と違う。味方じゃない。迂回しよう」
進路を変えると、ラピス姉さんは心配そうに言った。
『ディア。速過ぎる?もっと落とそうか?』
「大丈夫。ついていける。…いた」
木々の間に巨竜の姿が見えた。一応呼びかけてみる。
「スー!一緒に帰ろう!」
「グルル…」
スーは姉妹を認めると、いきなり襲いかかってきた。人間のディアに狙いを定めている。ちょうど良い。ディアは走り出した。スーはその後を追ってきた。
◆
ローエンが狙撃場所に到着した時には、既にティー・レックスと姉妹が戦っていた。アクアとヴェルデが背中に噛み付き、ラピスとディアが正面から立ち向かっている。
「おかしいよ、博士。3発当てたのに、まだ倒れない」
バージェス卿は麻酔銃を構えたまま首を捻った。今回はより近くの岩陰から狙っている。
「計算上なので。もう1発お願いします」
巨大な尾がラピスを吹っ飛ばした。ディアは鼻先を集中的に攻撃している。弱点なのかもしれないが、危険すぎる。
「…これでどうだ!?」
最後の麻酔弾がティー・レックスの血管に当たった。早く効いてくれ。ローエンはハラハラしながら祈った。すると徐々に動きがゆっくりになり、遂に巨竜は横倒しになった。彼はラピスの下へ急いだ。
「ラピス!」
立ち上ろうともがいている。ローエンはその鼻先を撫でた。
「もう終わった。休んで良いよ」
「キュウ…」
妹達は横たわる姉の傷を舐め、ディアは骨が折れていないか確かめた。そこへ松明を持った猟犬部隊が来た。
「もう触っても大丈夫か?」
公爵閣下はティー・レックスを拘束する鉄鎖と重機を運ばせていた。ローエンは眠る巨竜を調べてから、許可した。
「はい。暫くは起きないでしょう。ところで、どうやって縛るんです?」
重機で吊るすには、まず体の下に鎖を潜らせなくては。ローエンが尋ねると、閣下はさらりと答えた。
「私が持ち上げる。おい、ディアナ!手伝え!」
「ん」
閣下とディアがティー・レックスを左右から持ち上げ、地面との間にできた隙間を鎖を持つ兵士が潜った。8トンはあるはずなんだが。
「すごいねぇ。これがトリアス家の加護かい」
バージェス卿は感心したように言った。
「ちなみにオレは『必中』の加護ね。博士も竜に懐かれる加護なんじゃない?」
「…」
顔が好みだったとは言えない。雑談をしているうちに、うつ伏せで縛られた巨竜は荷車に載せられていた。ラピスも歩けるまでに回復している。一行は樹海基地を目指して出発した。
◇
ラピス姉さんの負傷は想定外だった。でも無事にスーを眠らせて運ぶことに成功した。あとは公爵が建造中だという檻に入れて出航すれば良い。もう少しでディアの仕事も終わる。
兵が怖がるから姉妹は先頭を歩いていたが、急にヴェルデが立ち止まった。
『人間が来る。大勢』
訳さなくても公爵が反応した。
「何者だ。樹海へ続く街道は封鎖したはずだ」
『鶏野郎の匂いがする』
「?」
アクアが言うのは、姉妹を捕えたシルル人の事だ。鶏ばかり食わせるから。ディアが伝えると、公爵は全軍を停止させ、迎撃準備を命じた。
「シルルの反体制派だ。竜を奪うつもりだな。ティー・レックスを囲め!姉妹どもは中へ!クリティシャスもだ!」
兵士は荷車を中心に円陣となる。ディアは公爵に松明を消すよう言った。
「私たちが背後からやる。スーとラピス姉さんをお願い」
「…夜目が利く兵も行かせる。同士討ちに気をつけろよ」
アクアとヴェルデは味方の匂いを嗅いで覚えると、闇に消えた。ディアも続いた。
◆
ローエンはついて行きたそうなラピスの首を押さえて言い聞かせた。
「大丈夫だ。妹達を信じて」
「キュルル」
防弾盾が並べられた。いつの間にかバージェス卿が隣で普通のライフルを盾の上から構えていた。ラピスが歯を剥き出して威嚇するが、彼は肩をすくめて言った。
「博士の護衛だよ。これが終わったら、いくらでも受けて立つからさ。今は勘弁な」
「グルル…」
「あ、昼間ね。1匹ずつで頼むよ」
ラピスは口を閉じた。不思議と通じている。閣下と言い、竜と話せる人間の共通点は何だ。暗闇の中でローエンがバージェス卿を観察していたら、彼は小さな声で笑った。
「閣下もオレも、前の戦争で大活躍したんだよ。因果なもんだねぇ。晴れて王子の護衛になれたのに、竜の呪いを喰らうとはね」
ならばその呪いはローエンが蒔いたものだ。あの日、放飼場にいなかったのだから。
(俺がディアの人生を狂わせた。俺が…)
とん、とラピスが鼻でローエンの肩を突いた。慰めている。優しい長女の頭をなでていると、遠くで銃声が聞こえた。
「始まったね。博士、竜のお姉ちゃん。頭低くして。こっちも来るよ」
バージェス卿が言った途端、本隊を銃火が襲った。
◇
新月の濃い闇の中、ディア達は鶏野郎どもの背後にまわった。微かな音も立てずに、一人、また一人と茂みに引き摺り込んでゆく。奴らは闇雲に撃つが、夜のラプトルに敵うものはいない。
「後ろに何かいる!早く行け!」
パニックになった敵は本隊の前に飛び出した。挟み討ちにされてもなお、スーの奪取を諦めない。指揮官らしき男が叫んだ。
「怯むな!撃てっ!」
どこかで聞いた声だ。ディアは長ナイフで戦いながら考えた。
「気をつけろ!“魔弾”のバージェスがいるぞ!」
捕獲作戦の情報が漏れている。呆れていると、アクアが側に来て言った。
『ディア姉。あのおっさん、人間の子を連れてきた奴だよ』
四姉妹は夜の樹海を疾走した。全力で獲物を追う高揚感が懐かしい。群れのリーダーはディアだ。アクアが匂いをたどり、ヴェルデが音を拾う。ラピス姉さんが周囲を警戒する。
『こっち。スーの匂いがする』
「了解」
『ディア姉。沢山、人間の音が聞こえるよ』
「計画と違う。味方じゃない。迂回しよう」
進路を変えると、ラピス姉さんは心配そうに言った。
『ディア。速過ぎる?もっと落とそうか?』
「大丈夫。ついていける。…いた」
木々の間に巨竜の姿が見えた。一応呼びかけてみる。
「スー!一緒に帰ろう!」
「グルル…」
スーは姉妹を認めると、いきなり襲いかかってきた。人間のディアに狙いを定めている。ちょうど良い。ディアは走り出した。スーはその後を追ってきた。
◆
ローエンが狙撃場所に到着した時には、既にティー・レックスと姉妹が戦っていた。アクアとヴェルデが背中に噛み付き、ラピスとディアが正面から立ち向かっている。
「おかしいよ、博士。3発当てたのに、まだ倒れない」
バージェス卿は麻酔銃を構えたまま首を捻った。今回はより近くの岩陰から狙っている。
「計算上なので。もう1発お願いします」
巨大な尾がラピスを吹っ飛ばした。ディアは鼻先を集中的に攻撃している。弱点なのかもしれないが、危険すぎる。
「…これでどうだ!?」
最後の麻酔弾がティー・レックスの血管に当たった。早く効いてくれ。ローエンはハラハラしながら祈った。すると徐々に動きがゆっくりになり、遂に巨竜は横倒しになった。彼はラピスの下へ急いだ。
「ラピス!」
立ち上ろうともがいている。ローエンはその鼻先を撫でた。
「もう終わった。休んで良いよ」
「キュウ…」
妹達は横たわる姉の傷を舐め、ディアは骨が折れていないか確かめた。そこへ松明を持った猟犬部隊が来た。
「もう触っても大丈夫か?」
公爵閣下はティー・レックスを拘束する鉄鎖と重機を運ばせていた。ローエンは眠る巨竜を調べてから、許可した。
「はい。暫くは起きないでしょう。ところで、どうやって縛るんです?」
重機で吊るすには、まず体の下に鎖を潜らせなくては。ローエンが尋ねると、閣下はさらりと答えた。
「私が持ち上げる。おい、ディアナ!手伝え!」
「ん」
閣下とディアがティー・レックスを左右から持ち上げ、地面との間にできた隙間を鎖を持つ兵士が潜った。8トンはあるはずなんだが。
「すごいねぇ。これがトリアス家の加護かい」
バージェス卿は感心したように言った。
「ちなみにオレは『必中』の加護ね。博士も竜に懐かれる加護なんじゃない?」
「…」
顔が好みだったとは言えない。雑談をしているうちに、うつ伏せで縛られた巨竜は荷車に載せられていた。ラピスも歩けるまでに回復している。一行は樹海基地を目指して出発した。
◇
ラピス姉さんの負傷は想定外だった。でも無事にスーを眠らせて運ぶことに成功した。あとは公爵が建造中だという檻に入れて出航すれば良い。もう少しでディアの仕事も終わる。
兵が怖がるから姉妹は先頭を歩いていたが、急にヴェルデが立ち止まった。
『人間が来る。大勢』
訳さなくても公爵が反応した。
「何者だ。樹海へ続く街道は封鎖したはずだ」
『鶏野郎の匂いがする』
「?」
アクアが言うのは、姉妹を捕えたシルル人の事だ。鶏ばかり食わせるから。ディアが伝えると、公爵は全軍を停止させ、迎撃準備を命じた。
「シルルの反体制派だ。竜を奪うつもりだな。ティー・レックスを囲め!姉妹どもは中へ!クリティシャスもだ!」
兵士は荷車を中心に円陣となる。ディアは公爵に松明を消すよう言った。
「私たちが背後からやる。スーとラピス姉さんをお願い」
「…夜目が利く兵も行かせる。同士討ちに気をつけろよ」
アクアとヴェルデは味方の匂いを嗅いで覚えると、闇に消えた。ディアも続いた。
◆
ローエンはついて行きたそうなラピスの首を押さえて言い聞かせた。
「大丈夫だ。妹達を信じて」
「キュルル」
防弾盾が並べられた。いつの間にかバージェス卿が隣で普通のライフルを盾の上から構えていた。ラピスが歯を剥き出して威嚇するが、彼は肩をすくめて言った。
「博士の護衛だよ。これが終わったら、いくらでも受けて立つからさ。今は勘弁な」
「グルル…」
「あ、昼間ね。1匹ずつで頼むよ」
ラピスは口を閉じた。不思議と通じている。閣下と言い、竜と話せる人間の共通点は何だ。暗闇の中でローエンがバージェス卿を観察していたら、彼は小さな声で笑った。
「閣下もオレも、前の戦争で大活躍したんだよ。因果なもんだねぇ。晴れて王子の護衛になれたのに、竜の呪いを喰らうとはね」
ならばその呪いはローエンが蒔いたものだ。あの日、放飼場にいなかったのだから。
(俺がディアの人生を狂わせた。俺が…)
とん、とラピスが鼻でローエンの肩を突いた。慰めている。優しい長女の頭をなでていると、遠くで銃声が聞こえた。
「始まったね。博士、竜のお姉ちゃん。頭低くして。こっちも来るよ」
バージェス卿が言った途端、本隊を銃火が襲った。
◇
新月の濃い闇の中、ディア達は鶏野郎どもの背後にまわった。微かな音も立てずに、一人、また一人と茂みに引き摺り込んでゆく。奴らは闇雲に撃つが、夜のラプトルに敵うものはいない。
「後ろに何かいる!早く行け!」
パニックになった敵は本隊の前に飛び出した。挟み討ちにされてもなお、スーの奪取を諦めない。指揮官らしき男が叫んだ。
「怯むな!撃てっ!」
どこかで聞いた声だ。ディアは長ナイフで戦いながら考えた。
「気をつけろ!“魔弾”のバージェスがいるぞ!」
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