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第一章
第十二話 男には譲れない一線がある
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エレナと接して分かった事このヒメはかなり、いやそんな言葉では生ぬるいほど超がつくほどの頑固者であるという事。
―――即ち意志が強い。
だからこそ、今の彼女が在るのだろう。
アシュベルに言い寄る女性は彼に気に居られようと彼の趣向に合わせ彼の意見に添おうと努める。それは決して悪いことではないし、そういう女性を好ましく思うこともある。彼女らのその幼気単語な姿は愛らしくもあり時に護りたいという男性の本能をくすぐるものがある。
「ふぅ、わかりました、とことん話しましょう」
エレナから切り出す。
「先ほども言いましたね、ヒメと言葉遣い直してほしいと。」
これはそんなに重大なものなのか・・いや、この事を解決してしまわねば先に進めない。
いや、本当に早急に解決しないと問題が山積みなのだから。
アシュベルはグッと拳を作り応戦する。
「ヒメは俺の主単語なのですから当然の事を実行しているだけです!!」
「だーかーらー!アシュベルは年上なのだから・・ん、あれ?あなたの年齢聞いてない??」
勿論見た目で判断してはいけないというのは自身が十分理解している事だが、彼とのやり取りの中、十分すぎるほどそうだと思える器量の大きさがうかがえた。
「俺は25歳です、ですが主君に対して敬語・・とかは苦手てなので、丁寧語で話すのは当然の事でしょう!使おうと思えば使えるはずなんですがね、ここのところ全く扱ってないからなぁ」
この人は城勤めので重要な地位にいるのにも関わらず敬語ができないと断言した。どうやってその場をしのいでいるのかはなはだ疑問である。
「わたしが嫌、なのです!!ヒメだのあの言葉遣いは周りから目立ちすぎますし!」
「でも俺が主従関係を感じることができないじゃないですかっ」
なんという自分勝手。
自己満足のためにそれを相手に押し付けてくるなんて。
「それはアシュベルの事情でしょう、私には付き合う気はないと言っているんです――――!」
はぁはぁはぁ・・・。
疲れた、エレナもアシュベルも汗をかいて肩を揺らしている。
両社とも譲らない。
これでは永遠に平行線だ、あまりに時間が掛かり過ぎる。
仕方ない、こんな状況でなければ妥協などしないが今は時間をかけている暇はない。
アシュベルが呼吸を整え切り出す。
「ヒメ、提案があります。」
「・・提案?」
「ヒメも俺に対して丁寧語を使わないでくだ・・使わないで・・」
もどかしい。
いかん、エレナに対して使い慣れてきたせいで言葉遣いが治らない。
もう一度だ。
「使わないでほしい」
こんな感じだったっけ、アシュベルに焦りが生じる。
最初は気軽に
何か凄く気まずい。
「そっか、分かった、私もそうするよ。」
早っ。
エレナの順応の速さにアシュベルは暫し呆然とする。
いや、呆けている場合じゃない。
アシュベルが仕切り直す。己の気持ちと共に。
「では、言葉遣いの問題は解決したということで、ヒメという呼び方なんだけど」
エレナが腕組みをしながらうんうんと頷いている。
「さすがにこれだけは譲れない!絶対譲れない!!!」
「はぁぁぁぁ!ちょっ、むしろそっちを直すべきでしょ!」
エレナが全力で応戦する。
そしてアシュベルが全力で否定する。
「いや、敵には既に知られているし、それに・・っ」
息を溜めて次の言葉を放つ。
「なによりも俺がそう呼びたいっ!」
「はい。却下」
エレナが冷酷な程の口調で言う。
「そうじゃなくて、いや、それもあるが・・寧ろ敵には抑制になると思うし、周りには姫じゃなく、俺の『ヒメちゃん』って事で通るかと」
まるで究極の解決策を論じるようにアシュベルは自慢げだ。
この男、やはり軽薄なのか、そういう事に慣れている気がしてエレナは無意識にむくれてしまう。
「ふ――――ん」
あれ。
どうも誤解を生んでしまっている気がする。
「なるほどなるほど。それほどアシュベルは『女性と戯れることが日常的である』と認知されていると」
アシュベルはその言葉を聞いてそこで初めて、あらぬ誤解を与えてしまったようだと。
アシュベルに関して誤解を解いておくと・・・。
彼はその少し癖のある柔らかな金の髪と端正な顔立ちの中でも目立つ深紅の瞳がで、妖しげで女性の間では誠実さの中に影がある、などと魅力溢れる異性として認知されている。
それ故に、彼は全ての女性から放ってはおかれない、彼にその気があろうがなかろうが問答無用に女性たちの方から積極的に、いや積極的などという形容詞とは程遠い、我先に声をかけ我先に彼に取り入ろうと争いが起きるほどだった。
そのうち彼は気づかぬ内に女性の扱いに慣れてしまった、自身の立場は揺らぎないまま、その名声や注目も保ちつつアシュベルに好意を持つ彼女らと一線を隔す術を会得していたのだ。
――傷つけず遠ざける術を身に着けていた。
「俺、――――はそんなんじゃないし、こういってはなんなのですが心のままに仕えたいと思ったのは初めで・・・これまで真剣に向き合いたいと思う女性は君が初めてなんだ」
これはもう告白に近い、崩壊しつつあるアシュヴェルは話し合いは失敗したと確信した。
最近少し俺は壊れているのかもしれない・・・色々あったし、アシュベルは眩暈を感じる。
ちらりエレナの方を様子見る。
彼女は先程と変わらず、こちらを見返していた。
軽蔑しているような素振りはない、もしかしたら自分が悲観しているよりもまんざら心配することではなかったのかもしれない。
よし、この手の話には疎いようだ。
「とりあえず、ヒメちゃんは譲れない。そうじゃないとヒメに主従関係を認めてもらえたと実感できないんだ」
そんなにこだわる事なのか・・頑なに拒んではみたがエレナは首を捻る。
怖いほどの並々ならぬ決意を感じる。
エレナからすると、周りの目が恥ずかしい、それと周囲の人々に誤解を生みそうで面倒くさい。
後―――特にコレだという決定的な理由は見当たらないが強いていうのなら『主従関係』というよくわからない設定に関心がない。
しかし彼はいいのだろうか、想う女性がいるのならそれこそ誤解を生むんじゃ・・。
あれ、何を心配しているんだ、わたしは・・・。
エレナは自分の思考に疑問を感じながらも、頭を切り替えて言った。
「わたしにはよく分からないが、君がそこまで言うなら」
「おおっ!それはっ・・」
アシュベルが嬉しさのあまりガッツポーズを取ろうとしたが、すぐさま襟を正しお礼を言おうと瞬間。
エレナによって話が別次元へと誘われる。
「でもなぁ、アシュベルは王族近衛隊とかっていう立場でしょ?王族と言えばお城なんだよね」
よくわからないエレナの言葉に戸惑うアシュベル。
「話を戻して申し訳ないけど」
エレナが思い出したように話し始めた。
「おじい様の本当の名前は、クアドラで・・」
「え」
「クアドラ=ゼルネシス、たぶんすごく腕の立つ剣士だったはずだわ、おじい様は城に行くのなら用心しろと忠告してくれたの、それがこういう意味なのか分からないのだけど」
―――クアドラ
その名にアシュベルは戦慄を覚える。
返答しようとするが珍しく次の言葉が出てこない、そして得体の知れない底知れぬ感情が爆発的に湧き上がり、彼の鼓動を一気に上げなかばパニック状態に陥るほどだった。
衝撃の事実を次々と聞かされもうこれ以上はないと勝手に思っていた矢先、どんでもない情報が彼女の口から告げられることになるとは。
さらりと答えるエレナに一抹の恐怖を感じだ。
―――即ち意志が強い。
だからこそ、今の彼女が在るのだろう。
アシュベルに言い寄る女性は彼に気に居られようと彼の趣向に合わせ彼の意見に添おうと努める。それは決して悪いことではないし、そういう女性を好ましく思うこともある。彼女らのその幼気単語な姿は愛らしくもあり時に護りたいという男性の本能をくすぐるものがある。
「ふぅ、わかりました、とことん話しましょう」
エレナから切り出す。
「先ほども言いましたね、ヒメと言葉遣い直してほしいと。」
これはそんなに重大なものなのか・・いや、この事を解決してしまわねば先に進めない。
いや、本当に早急に解決しないと問題が山積みなのだから。
アシュベルはグッと拳を作り応戦する。
「ヒメは俺の主単語なのですから当然の事を実行しているだけです!!」
「だーかーらー!アシュベルは年上なのだから・・ん、あれ?あなたの年齢聞いてない??」
勿論見た目で判断してはいけないというのは自身が十分理解している事だが、彼とのやり取りの中、十分すぎるほどそうだと思える器量の大きさがうかがえた。
「俺は25歳です、ですが主君に対して敬語・・とかは苦手てなので、丁寧語で話すのは当然の事でしょう!使おうと思えば使えるはずなんですがね、ここのところ全く扱ってないからなぁ」
この人は城勤めので重要な地位にいるのにも関わらず敬語ができないと断言した。どうやってその場をしのいでいるのかはなはだ疑問である。
「わたしが嫌、なのです!!ヒメだのあの言葉遣いは周りから目立ちすぎますし!」
「でも俺が主従関係を感じることができないじゃないですかっ」
なんという自分勝手。
自己満足のためにそれを相手に押し付けてくるなんて。
「それはアシュベルの事情でしょう、私には付き合う気はないと言っているんです――――!」
はぁはぁはぁ・・・。
疲れた、エレナもアシュベルも汗をかいて肩を揺らしている。
両社とも譲らない。
これでは永遠に平行線だ、あまりに時間が掛かり過ぎる。
仕方ない、こんな状況でなければ妥協などしないが今は時間をかけている暇はない。
アシュベルが呼吸を整え切り出す。
「ヒメ、提案があります。」
「・・提案?」
「ヒメも俺に対して丁寧語を使わないでくだ・・使わないで・・」
もどかしい。
いかん、エレナに対して使い慣れてきたせいで言葉遣いが治らない。
もう一度だ。
「使わないでほしい」
こんな感じだったっけ、アシュベルに焦りが生じる。
最初は気軽に
何か凄く気まずい。
「そっか、分かった、私もそうするよ。」
早っ。
エレナの順応の速さにアシュベルは暫し呆然とする。
いや、呆けている場合じゃない。
アシュベルが仕切り直す。己の気持ちと共に。
「では、言葉遣いの問題は解決したということで、ヒメという呼び方なんだけど」
エレナが腕組みをしながらうんうんと頷いている。
「さすがにこれだけは譲れない!絶対譲れない!!!」
「はぁぁぁぁ!ちょっ、むしろそっちを直すべきでしょ!」
エレナが全力で応戦する。
そしてアシュベルが全力で否定する。
「いや、敵には既に知られているし、それに・・っ」
息を溜めて次の言葉を放つ。
「なによりも俺がそう呼びたいっ!」
「はい。却下」
エレナが冷酷な程の口調で言う。
「そうじゃなくて、いや、それもあるが・・寧ろ敵には抑制になると思うし、周りには姫じゃなく、俺の『ヒメちゃん』って事で通るかと」
まるで究極の解決策を論じるようにアシュベルは自慢げだ。
この男、やはり軽薄なのか、そういう事に慣れている気がしてエレナは無意識にむくれてしまう。
「ふ――――ん」
あれ。
どうも誤解を生んでしまっている気がする。
「なるほどなるほど。それほどアシュベルは『女性と戯れることが日常的である』と認知されていると」
アシュベルはその言葉を聞いてそこで初めて、あらぬ誤解を与えてしまったようだと。
アシュベルに関して誤解を解いておくと・・・。
彼はその少し癖のある柔らかな金の髪と端正な顔立ちの中でも目立つ深紅の瞳がで、妖しげで女性の間では誠実さの中に影がある、などと魅力溢れる異性として認知されている。
それ故に、彼は全ての女性から放ってはおかれない、彼にその気があろうがなかろうが問答無用に女性たちの方から積極的に、いや積極的などという形容詞とは程遠い、我先に声をかけ我先に彼に取り入ろうと争いが起きるほどだった。
そのうち彼は気づかぬ内に女性の扱いに慣れてしまった、自身の立場は揺らぎないまま、その名声や注目も保ちつつアシュベルに好意を持つ彼女らと一線を隔す術を会得していたのだ。
――傷つけず遠ざける術を身に着けていた。
「俺、――――はそんなんじゃないし、こういってはなんなのですが心のままに仕えたいと思ったのは初めで・・・これまで真剣に向き合いたいと思う女性は君が初めてなんだ」
これはもう告白に近い、崩壊しつつあるアシュヴェルは話し合いは失敗したと確信した。
最近少し俺は壊れているのかもしれない・・・色々あったし、アシュベルは眩暈を感じる。
ちらりエレナの方を様子見る。
彼女は先程と変わらず、こちらを見返していた。
軽蔑しているような素振りはない、もしかしたら自分が悲観しているよりもまんざら心配することではなかったのかもしれない。
よし、この手の話には疎いようだ。
「とりあえず、ヒメちゃんは譲れない。そうじゃないとヒメに主従関係を認めてもらえたと実感できないんだ」
そんなにこだわる事なのか・・頑なに拒んではみたがエレナは首を捻る。
怖いほどの並々ならぬ決意を感じる。
エレナからすると、周りの目が恥ずかしい、それと周囲の人々に誤解を生みそうで面倒くさい。
後―――特にコレだという決定的な理由は見当たらないが強いていうのなら『主従関係』というよくわからない設定に関心がない。
しかし彼はいいのだろうか、想う女性がいるのならそれこそ誤解を生むんじゃ・・。
あれ、何を心配しているんだ、わたしは・・・。
エレナは自分の思考に疑問を感じながらも、頭を切り替えて言った。
「わたしにはよく分からないが、君がそこまで言うなら」
「おおっ!それはっ・・」
アシュベルが嬉しさのあまりガッツポーズを取ろうとしたが、すぐさま襟を正しお礼を言おうと瞬間。
エレナによって話が別次元へと誘われる。
「でもなぁ、アシュベルは王族近衛隊とかっていう立場でしょ?王族と言えばお城なんだよね」
よくわからないエレナの言葉に戸惑うアシュベル。
「話を戻して申し訳ないけど」
エレナが思い出したように話し始めた。
「おじい様の本当の名前は、クアドラで・・」
「え」
「クアドラ=ゼルネシス、たぶんすごく腕の立つ剣士だったはずだわ、おじい様は城に行くのなら用心しろと忠告してくれたの、それがこういう意味なのか分からないのだけど」
―――クアドラ
その名にアシュベルは戦慄を覚える。
返答しようとするが珍しく次の言葉が出てこない、そして得体の知れない底知れぬ感情が爆発的に湧き上がり、彼の鼓動を一気に上げなかばパニック状態に陥るほどだった。
衝撃の事実を次々と聞かされもうこれ以上はないと勝手に思っていた矢先、どんでもない情報が彼女の口から告げられることになるとは。
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