24 / 92
第一章
第二十四話 一筋の光
しおりを挟む
「リュカ、お前は光の魔法士についてどのくらい知っている?」
そうアシュベルに聞かれたリュカが不服そうに腕を組んで、眼鏡越しに睨むように彼を見る。
エレナから無理やり引き剥がされ、書庫に連れて来られてからずっとこんな調子だ。
僕だけが彼女のマナを覗けるのに・・・そう言いたげな視線を向けられているアシュベルは。
「今は」
開いていた本を閉じ棚に戻す。
「エレナが意識を取り戻すのを待つしかないだろう」
吐き出すように言葉を紡ぐ。
俺だって側に付いていたい、けれど今自分に出来る事をやるしかない。
エレナの事は心配だが、疑問は山のようにある。
先程戦った傀儡の事。
セーデルの身辺調査。
それに伴う王と王妃殺しについて。
何故奴はエレナを第一王位継承者であるエル・ローサだと気付いたのか。
これらはリュカがまだ知らない情報だ、彼は相当エレナに心酔しているようにみえる
がどれほど信用できるかアシュベルの中で未知数。
カリーナにしてもアシュベルはまだどこかで信用しきれていない部分がある。
一定の信頼はしている――――だが全てを話すには確信と呼べる何かが欲しい、では
何があれば俺はこいつらを信頼していると定義づけられるのか。馬鹿馬鹿しい。そん
なものは無いのだから。
けれどやはり自分には判断がつかない、とアシュベルは思う。
それは、彼が幼い頃に見てしまった大人たちの豹変した醜い姿、そこに尽きる。
妾の子供と罵られ過ごした日々から一転、炎のマナの覚醒により手の平を返したよう
に敬われ持て囃される。
まだ迷いがある、まだ自分の中にあの過去の日々の毒が残っている気がする。
アシュベルが心の底から信じられるのは、エレナ一人。
そうか、俺は初めて心から信じられる人に出会ったんだ、類い稀な出会いをしたんだ。
そう思うとエレナは自分にとってどれほど得難い存在であるか、今更ながらに知らしめられる。
ふとエレナと出会った時のことを思い出す、城下近くの森の中、盗賊数十人を前にし
て怯まず捕われた者を庇う姿。
アシュベルの肩から飛翔し ――――――― そうあの瞬間だ。
敵の真っただ中に身を投じる無謀ともとれるあの行動。
アシュベルは無意識に肩にてをやる。
あの瞬間、ひたむきな程純粋なエレナの瞳に胸が熱くなった。
全幅の信頼をエレナになら託せる、たぶんこれは初めての感情。
ではこの基準を他の誰かにあてはめるにはどうしたらいいのか・・・・。
「・・ベル様、アシュベル様!」
本棚の前で静止していたアシュベルは、リュカの声ではっと我に返る。
こんな大事な時に過去を振り返って・・・時間がないというのに、アシュベルは本を
手に取り机に座るった。
「アシュベル様、先程の質問ですが」
「ああ、すまない光の魔法士だな、なにか手掛かりになるような事を知っているのか?」
「いえ、知っているわけではないのですが、エレナが光の魔法士と断定するなら
考えられることがひとつ」
リュカは眼鏡を指先で直しながら続ける。
「これまで光の魔法士は小さい頃読み聞かされるお伽噺の中に出てくる想像上の人物、だと僕は思っていたのです・・・そうですね恐らく自分だけではなくこの世界の大半の人々は。でも事実、光の魔法士は存在する、今日僕はこの目でそれを知りました。」
「そう、だな」
リュカの真意を計り兼ねてアシュベルは曖昧に返事をする、だが次の言葉でそれは払拭される。
「では、過去にも存在していた可能性は否定できない」
リュカの澄んだ水色の瞳が眼鏡越しにも分かるほど青く深く熱を帯びる。
「お伽噺、伝説として語られているものの中に、事実が紛れ込んでいるかもしれない。勿論誇張されて記述されているものもあるかもしれませんが、探してみる価値はあると思います!」
これは ――――― アシュベルは思わず立ち上がった。
それこそ一筋の光。
「リュカ、それらの本を探すぞ!」
インテリ眼鏡は伊達じゃなかったか、自分が過去を探索している合間にリュカは一つの鍵を探し出していた、よっぽど彼の方がこの事態に向かい合っている。
だがこの書庫にはその手の本があるにはあるが手掛かりを探すとなると少々物足りない。
取り敢えず数冊机に重ね読み進めてみるが、やはり情報が少ない。
まだ全て読んだわけではないが、参考になりそうな箇所に目を通し分かった事と言えば、
物語の中の人物が、尊とき人、護り人、など多岐にわたって名称が変わっているという点。
これではリュカの言っていたように、人知れず埋もれている記述があるやも知れない、そのワードを探り当てるのはなかなかに難しい作業だ。
アシュベルは手元の本を開く、かなり古いようだがこれは伝説を扱った魔法書、記述に目が止まる。
(世界は常に均衡を保とうとする。その昔、妖魔が跋扈しそれにおびえ人間は
妖魔の少ない領土をめぐり大規模な戦争を繰り返した)
伝説書に書かれるよくある序文だ。
代表的な文言ともいえる。
――――――― 代表的な文言、か
ざっと目を通すと、幼少聞かされたお伽噺や伝説の書物をあれほど聞いたり読
んだりしたのに、記憶が曖昧になっている事に気付く。
(そうして世界が混沌の闇に沈むとき、かの者・・・)
その先は紙の変色がひどく読めない、繰り返し聞いたはずなのにこの先を思い
出せない。
そんなものか。
これまで光の魔法士は伝説上の人物だった。
他の魔導士の呼び名はほぼ変わっていない、それが光の魔法士だけが違う形で記
されているのは何故か。
敢えて伏せている、そんな印象が伝わってくる。
憶測だが他の者に知られる事を恐れたのではないか・・・。
しかし人は言ってはならない秘密程誰かに伝えたいと思うもの、これはアシュベ
ルの邪推だが、ひっそりと記して残っている手記もあるかもしれない、今はそち
らの方が可能性が高いように思える。
「リュカ、出身はどこだ」
本を読みふけっていたリュカは唐突な質問に眉根をひそめる。
「僕の両親は商人ですので小さい頃から町を転々としていましたが」
「そうか、俺はほぼ城下育ちだから・・・まぁ隊を率いて遠方まで赴くこともある
が、町の細かな様子は分からないんだ。町には書庫はあるのか?」
この時代、本は書き写しが主流である、今活版印刷とされている本が多くの人に読
めよう広まってはいるがそのほとんどは身分の高いものから独占されていくのが現
状である。
「町には書庫、と呼べるほどの大きさはありませんたが、小さいながらも特殊な記
述を目にしたことはありますね。」
「やはり、これに気付いたのはいいが、果てしなく膨大な作業になる、しかも他の
書庫や記述ももあたらねばならないようだな。まずは王都にある図書室からあたっ
てみたいものだ、あそこには大量の情報が国中から集まっている」
「まさか、今から行かれるのですか?」
「――――― いや」
行きたいのは山々だが、今ここを離れるのは得策ではない。
エレナが弱っている今、セーデルが襲って来ないのは不可解だが、いつ何時奴がまた
彼女を狙って来るか分からない。
何よりも彼女の側を己が離れたくない、これは只の我儘だな。
自分が各地の図書室や書庫をあたるのはあまりにも効率が悪すぎる、人手が要る。
それも多数の。
事実を伏せてこの作業をあたらせるに相応しい人選、こんなところで立ち止まって
いる訳にはいかないのに難問だな、アシュベルは頭を抱える。
――――――――バタンッ!
「アシュベル様ああああー!」
けたたましく扉の開く音が響き、一人の青年が飛び込んできた。
「お前、シャルル!?」
そうアシュベルに聞かれたリュカが不服そうに腕を組んで、眼鏡越しに睨むように彼を見る。
エレナから無理やり引き剥がされ、書庫に連れて来られてからずっとこんな調子だ。
僕だけが彼女のマナを覗けるのに・・・そう言いたげな視線を向けられているアシュベルは。
「今は」
開いていた本を閉じ棚に戻す。
「エレナが意識を取り戻すのを待つしかないだろう」
吐き出すように言葉を紡ぐ。
俺だって側に付いていたい、けれど今自分に出来る事をやるしかない。
エレナの事は心配だが、疑問は山のようにある。
先程戦った傀儡の事。
セーデルの身辺調査。
それに伴う王と王妃殺しについて。
何故奴はエレナを第一王位継承者であるエル・ローサだと気付いたのか。
これらはリュカがまだ知らない情報だ、彼は相当エレナに心酔しているようにみえる
がどれほど信用できるかアシュベルの中で未知数。
カリーナにしてもアシュベルはまだどこかで信用しきれていない部分がある。
一定の信頼はしている――――だが全てを話すには確信と呼べる何かが欲しい、では
何があれば俺はこいつらを信頼していると定義づけられるのか。馬鹿馬鹿しい。そん
なものは無いのだから。
けれどやはり自分には判断がつかない、とアシュベルは思う。
それは、彼が幼い頃に見てしまった大人たちの豹変した醜い姿、そこに尽きる。
妾の子供と罵られ過ごした日々から一転、炎のマナの覚醒により手の平を返したよう
に敬われ持て囃される。
まだ迷いがある、まだ自分の中にあの過去の日々の毒が残っている気がする。
アシュベルが心の底から信じられるのは、エレナ一人。
そうか、俺は初めて心から信じられる人に出会ったんだ、類い稀な出会いをしたんだ。
そう思うとエレナは自分にとってどれほど得難い存在であるか、今更ながらに知らしめられる。
ふとエレナと出会った時のことを思い出す、城下近くの森の中、盗賊数十人を前にし
て怯まず捕われた者を庇う姿。
アシュベルの肩から飛翔し ――――――― そうあの瞬間だ。
敵の真っただ中に身を投じる無謀ともとれるあの行動。
アシュベルは無意識に肩にてをやる。
あの瞬間、ひたむきな程純粋なエレナの瞳に胸が熱くなった。
全幅の信頼をエレナになら託せる、たぶんこれは初めての感情。
ではこの基準を他の誰かにあてはめるにはどうしたらいいのか・・・・。
「・・ベル様、アシュベル様!」
本棚の前で静止していたアシュベルは、リュカの声ではっと我に返る。
こんな大事な時に過去を振り返って・・・時間がないというのに、アシュベルは本を
手に取り机に座るった。
「アシュベル様、先程の質問ですが」
「ああ、すまない光の魔法士だな、なにか手掛かりになるような事を知っているのか?」
「いえ、知っているわけではないのですが、エレナが光の魔法士と断定するなら
考えられることがひとつ」
リュカは眼鏡を指先で直しながら続ける。
「これまで光の魔法士は小さい頃読み聞かされるお伽噺の中に出てくる想像上の人物、だと僕は思っていたのです・・・そうですね恐らく自分だけではなくこの世界の大半の人々は。でも事実、光の魔法士は存在する、今日僕はこの目でそれを知りました。」
「そう、だな」
リュカの真意を計り兼ねてアシュベルは曖昧に返事をする、だが次の言葉でそれは払拭される。
「では、過去にも存在していた可能性は否定できない」
リュカの澄んだ水色の瞳が眼鏡越しにも分かるほど青く深く熱を帯びる。
「お伽噺、伝説として語られているものの中に、事実が紛れ込んでいるかもしれない。勿論誇張されて記述されているものもあるかもしれませんが、探してみる価値はあると思います!」
これは ――――― アシュベルは思わず立ち上がった。
それこそ一筋の光。
「リュカ、それらの本を探すぞ!」
インテリ眼鏡は伊達じゃなかったか、自分が過去を探索している合間にリュカは一つの鍵を探し出していた、よっぽど彼の方がこの事態に向かい合っている。
だがこの書庫にはその手の本があるにはあるが手掛かりを探すとなると少々物足りない。
取り敢えず数冊机に重ね読み進めてみるが、やはり情報が少ない。
まだ全て読んだわけではないが、参考になりそうな箇所に目を通し分かった事と言えば、
物語の中の人物が、尊とき人、護り人、など多岐にわたって名称が変わっているという点。
これではリュカの言っていたように、人知れず埋もれている記述があるやも知れない、そのワードを探り当てるのはなかなかに難しい作業だ。
アシュベルは手元の本を開く、かなり古いようだがこれは伝説を扱った魔法書、記述に目が止まる。
(世界は常に均衡を保とうとする。その昔、妖魔が跋扈しそれにおびえ人間は
妖魔の少ない領土をめぐり大規模な戦争を繰り返した)
伝説書に書かれるよくある序文だ。
代表的な文言ともいえる。
――――――― 代表的な文言、か
ざっと目を通すと、幼少聞かされたお伽噺や伝説の書物をあれほど聞いたり読
んだりしたのに、記憶が曖昧になっている事に気付く。
(そうして世界が混沌の闇に沈むとき、かの者・・・)
その先は紙の変色がひどく読めない、繰り返し聞いたはずなのにこの先を思い
出せない。
そんなものか。
これまで光の魔法士は伝説上の人物だった。
他の魔導士の呼び名はほぼ変わっていない、それが光の魔法士だけが違う形で記
されているのは何故か。
敢えて伏せている、そんな印象が伝わってくる。
憶測だが他の者に知られる事を恐れたのではないか・・・。
しかし人は言ってはならない秘密程誰かに伝えたいと思うもの、これはアシュベ
ルの邪推だが、ひっそりと記して残っている手記もあるかもしれない、今はそち
らの方が可能性が高いように思える。
「リュカ、出身はどこだ」
本を読みふけっていたリュカは唐突な質問に眉根をひそめる。
「僕の両親は商人ですので小さい頃から町を転々としていましたが」
「そうか、俺はほぼ城下育ちだから・・・まぁ隊を率いて遠方まで赴くこともある
が、町の細かな様子は分からないんだ。町には書庫はあるのか?」
この時代、本は書き写しが主流である、今活版印刷とされている本が多くの人に読
めよう広まってはいるがそのほとんどは身分の高いものから独占されていくのが現
状である。
「町には書庫、と呼べるほどの大きさはありませんたが、小さいながらも特殊な記
述を目にしたことはありますね。」
「やはり、これに気付いたのはいいが、果てしなく膨大な作業になる、しかも他の
書庫や記述ももあたらねばならないようだな。まずは王都にある図書室からあたっ
てみたいものだ、あそこには大量の情報が国中から集まっている」
「まさか、今から行かれるのですか?」
「――――― いや」
行きたいのは山々だが、今ここを離れるのは得策ではない。
エレナが弱っている今、セーデルが襲って来ないのは不可解だが、いつ何時奴がまた
彼女を狙って来るか分からない。
何よりも彼女の側を己が離れたくない、これは只の我儘だな。
自分が各地の図書室や書庫をあたるのはあまりにも効率が悪すぎる、人手が要る。
それも多数の。
事実を伏せてこの作業をあたらせるに相応しい人選、こんなところで立ち止まって
いる訳にはいかないのに難問だな、アシュベルは頭を抱える。
――――――――バタンッ!
「アシュベル様ああああー!」
けたたましく扉の開く音が響き、一人の青年が飛び込んできた。
「お前、シャルル!?」
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません
しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」
――それは私を縛る呪いの言葉だった。
家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。
痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。
でも、、そんな私、私じゃない!!
―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、私は、私に告げるだろう。
「私の人生に、おかえりなさい。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる