53 / 92
第二章
第十九話 国王と王妃の出会い
しおりを挟む
使用人が香りのいい紅茶を置き、立ち去ったのを見届けるとエレナが切り出す。
「では、率直に、わたしは国王と王妃が殺された夜の記憶があります、あの時わたしは3歳で母上はわたし
を庇って亡くなりました。そしてそれを実行したのはセーデル、」
使用人が香りのいい紅茶を置き、立ち去ったのを見届けるとエレナが切り出す。
「では、率直に、わたしは国王と王妃が殺された夜の記憶があります、あの時わたし
は3歳で母上はわたし
を庇って亡くなりました。そしてそれを実行したのはセーデル、」
エレナが淡々と話す内容は、少女が語るには重すぎる、とさすがのオーギュスト公爵
もため息をつく。
「そうですな、薄々セーデルがやったのだろうと思ってはいました、しかし彼も抜け
目のない性格、証拠などどこにもなかったのですよ」
「アシュが調べてくれたので知っています、わたしは幸運にもクアドラの助けによっ
て命拾いし生き延びることが出来ました。」
思い出しながらエレナが話す、扉の前で待機していたクアドラは部屋での異変に気付
き、声をかけ中へ入ろうと扉を開こうとするが内鍵がかけられており、体当たりで鍵
を壊したのだ。話しているうちに抜けていた記憶のピースが埋まっていく。
中に入った時には、王妃と国王が血まみれで倒れ、窓から何者かが出て行った形跡が
残されていた。そしてそこにはセーデルが立っていた、手には武器はない、黒ずくめ
の彼の衣服に返り血は隠れ、床にはエレナが光のマナを覚醒させたまま転がってい
た。
全てを察したクアドラはエレナを抱いて王都を出たのだ、セーデルから守るために。
「英雄クアドラ様にも一時容疑がかけられましたが、彼は人望が厚く確かなアリバイ
もあったためその容疑はすぐに取り払われました、セーデルもクアドラ様を敵にまわ
したくなかったのでしょう、賊の仕業だと一貫して証言し続けてましたね」
「そう、おじい様の名誉は守られたのですね、よかった」
これまで本当の家族のように大切に育ててくれたクアドラにそっと感謝する。
「本題はここからです、セーデルは母上と親しかったと自ら言っていました、まるで
自分が母上と結婚するはずだったと言わんばかりに。でも母上は父上と結婚をした、
そこら辺の事情をお聞きしたいんです、」
あの頃の事は鮮明に覚えている、身内に能力者が現れ、王族との繋がりも一番濃い時
代だった。
「わたしとクリフトフ公爵とは祖父の頃から親交が深く、それぞれ情報交換などを行
うとともに家族ぐるみの付き合いをしていました、アシュベル、お前も何度かクリフ
トフ家に行ったのを覚えてないか、覚醒したてのお前のお披露目でもあったんだが、
その時マリアンヌ様もいらっしゃったはずだ。そうだな、お前が5歳くらいの時だか
らマリアンヌ様は16歳くらいか、今のエレナ様の年頃ですね。それに従妹という事
もあってセーデルもいたな、かれはマリアンヌ様より5歳ほど上だから21歳か」
そう言われてみれば、一際異彩を放つ美しい人がいた気がする、おぼろげながら微笑
むその人はエレナと重なる。
「マリアンヌは社交界が苦手でデビュタントとして夜会にでたきり、社交場には姿を
現さなかった、クリフトフ公爵が嘆いてらしてね、剣技の方が好みだったとか、」
そこはしっかりとエレナに受け継がれているな、とアシュベルは彼女を見る。
「そのせいもあって屋敷に居る事が多く、その後ろにはセーデルが付いてまわってい
ましたね。元来セーデルは頭はよかったが、内気で言葉数が少なく友人と呼べる人物
もいなくて一人でいる事が多かった、それを面倒見のいいマリアンヌ様は積極的に話
しかけ、彼もマリアンヌ様だけは心を開いていったようだった。はた目から見て、あ
くまでそれは親類としての接し方だと、わたしは思っていました。彼が勘違いしたの
なら、それは彼がそう望んだからでしょう」
セーデルの歪んだ愛情は、孤独だった彼と友情を深めた少女の行為から生まれた・・・
「ただマリアンヌ様は殺到するお見合いもことごとくお断りになり、セーデルとして
はふたりの時間をゆうせんしたのだと自分のいいように思っていたかもしれません。
彼女が見合いを断っていたのは、自分の見目だけしか興味のない殿方と連れ添うつも
りはないと、クリフトフ公爵がおっしゃってましたね。ああ、ジュール国王の事も言
及しておきますと、彼はマリアンヌ様がデビュタントとして参加された夜会では第2
王子だったので、彼女とは面識がなかった。その後ジュール様の父君である国王が御
隠れになり、その頃不治の病にかかった第一王子がジュール様にその座を譲り、23
歳で国王の座に着いた。」
これではまるで父上と母上の接点がない、両親の結婚は政略的なものだったのか、こ
の時代ならそれも当然のことだが、幻影で見る両親は幸せそうに笑っていた。
「ジュール国王は、父君が築いてきた隣国との絆をより確かにし、その人柄で周囲の
者は彼への支援を惜しまなかった、また彼はお忍びで度々王都にでては人々の暮らし
ぶりをその目でご覧になっていました、そして運命の出会いが起こったのですよ、エ
レナ様、」
オーギュスト公爵は意味ありげにエレナを見る。
「運命の花売り事件をご存じないですか?」
聞き覚えのない言葉にエレナは首を振る、がアシュベルは思い出したかのように、声
を上げる。
「あ、それは聞いたことあるな、まさかヒメちゃんの母君と父君の?」
息子のエレナへの呼び方に顔をしかめながら、話の続きを優先させる。
「花売りは大変でね、花売りの少女は行きかう人々に声をかけ、馬車を見つけると駆
け寄っては花を買いませんかと売り込みに行くんです、生活のために。でもある日少
女は馬車を追いかけ転んでしまう、膝と手には擦りむいた傷が見られた、それでも生
活がかかっているからか、泣きもせずヒョコヒョコと花を売り続ける少女の姿に国王
は心打たれて、自らその少女の手伝いを申し出たんです、ちょうど私が国王のお供を
させていただいたので、この目で見ていました」
エレナは父親を知らずに育ったが、それを聞いて誇りに思った、その人がわたしの父
上であって嬉しいと。
「しかし、商売をするのは初めてで、」
その当時の様子を思い出したのか、オーギュスト公爵はふっと笑みを浮かべる。この
人でも笑う事はあるんだ、とエレナは少々以外に思う。
「よくとおる大きな声で、大人の男が花売りをするのはあまりにも目立って、そのた
めか花はすぐに売り切れたんですよ、そして最後に花を買った貴族の令嬢がその花を
彼に渡し、こう言った、わたしと結婚してくれませんか、とね」
貴族の令嬢からの求婚とはあまりにも突拍子もない行動だ。通例は気になる異性がい
ても、両親から打診をしてもらったり、会食のばをもうけもらい、最終的に男性から
求婚する形をとるのが一般的である。
「それがマリアンヌ様その人です、あなたの母君は国王である父君にプロポーズをし
たのですよ、彼の身分など考えもせず、国王の人のひととなりに惹かれ、」
エレナは母上の積極的な行動に賛美を贈りたくなる、公爵家の令嬢としてはいささか
問題があるが、彼女は選ばれるのではなく選ぶ側になったのだ。しかしその反面父
上は美しい女性に突然求婚されどれだけ驚いたか想像に難くない。
「国王は一兵士に身をやつし王都を視察してらしたので、マリアンヌ様は身分のわか
らない男性に求婚したことになりますね、国王もまた地位ではなく自分自身を見てく
れた彼女の真摯な姿を嬉しく思い、その場はなんとか身分を隠し立ち去りましたが、
翌日クリフトル公爵家に馬車をだし、城へ招かされたそうです、クリフトフ公爵がお
っしゃったのは、マリアンヌ様は彼が国王だったことに驚いたようですが、二人は会
話を楽しみ、時を忘れずいぶんとお話になっていたとか。次の日には国王から正式な
プロポーズがされ、マリアンヌ様はそれを承諾なさいました」
父上と母上は惹かれ合い結婚をした、ならばセーデルの立ち入る隙などないはず、彼
はそれでも母上をあきらめていなかったのか、そのセーデルの執着ぶりにエレナは言
いしれようもない気持ちになる。
―――――――― 愛するという事。
それがどんなものか、エレナはまだ知らない。
「では、率直に、わたしは国王と王妃が殺された夜の記憶があります、あの時わたしは3歳で母上はわたし
を庇って亡くなりました。そしてそれを実行したのはセーデル、」
使用人が香りのいい紅茶を置き、立ち去ったのを見届けるとエレナが切り出す。
「では、率直に、わたしは国王と王妃が殺された夜の記憶があります、あの時わたし
は3歳で母上はわたし
を庇って亡くなりました。そしてそれを実行したのはセーデル、」
エレナが淡々と話す内容は、少女が語るには重すぎる、とさすがのオーギュスト公爵
もため息をつく。
「そうですな、薄々セーデルがやったのだろうと思ってはいました、しかし彼も抜け
目のない性格、証拠などどこにもなかったのですよ」
「アシュが調べてくれたので知っています、わたしは幸運にもクアドラの助けによっ
て命拾いし生き延びることが出来ました。」
思い出しながらエレナが話す、扉の前で待機していたクアドラは部屋での異変に気付
き、声をかけ中へ入ろうと扉を開こうとするが内鍵がかけられており、体当たりで鍵
を壊したのだ。話しているうちに抜けていた記憶のピースが埋まっていく。
中に入った時には、王妃と国王が血まみれで倒れ、窓から何者かが出て行った形跡が
残されていた。そしてそこにはセーデルが立っていた、手には武器はない、黒ずくめ
の彼の衣服に返り血は隠れ、床にはエレナが光のマナを覚醒させたまま転がってい
た。
全てを察したクアドラはエレナを抱いて王都を出たのだ、セーデルから守るために。
「英雄クアドラ様にも一時容疑がかけられましたが、彼は人望が厚く確かなアリバイ
もあったためその容疑はすぐに取り払われました、セーデルもクアドラ様を敵にまわ
したくなかったのでしょう、賊の仕業だと一貫して証言し続けてましたね」
「そう、おじい様の名誉は守られたのですね、よかった」
これまで本当の家族のように大切に育ててくれたクアドラにそっと感謝する。
「本題はここからです、セーデルは母上と親しかったと自ら言っていました、まるで
自分が母上と結婚するはずだったと言わんばかりに。でも母上は父上と結婚をした、
そこら辺の事情をお聞きしたいんです、」
あの頃の事は鮮明に覚えている、身内に能力者が現れ、王族との繋がりも一番濃い時
代だった。
「わたしとクリフトフ公爵とは祖父の頃から親交が深く、それぞれ情報交換などを行
うとともに家族ぐるみの付き合いをしていました、アシュベル、お前も何度かクリフ
トフ家に行ったのを覚えてないか、覚醒したてのお前のお披露目でもあったんだが、
その時マリアンヌ様もいらっしゃったはずだ。そうだな、お前が5歳くらいの時だか
らマリアンヌ様は16歳くらいか、今のエレナ様の年頃ですね。それに従妹という事
もあってセーデルもいたな、かれはマリアンヌ様より5歳ほど上だから21歳か」
そう言われてみれば、一際異彩を放つ美しい人がいた気がする、おぼろげながら微笑
むその人はエレナと重なる。
「マリアンヌは社交界が苦手でデビュタントとして夜会にでたきり、社交場には姿を
現さなかった、クリフトフ公爵が嘆いてらしてね、剣技の方が好みだったとか、」
そこはしっかりとエレナに受け継がれているな、とアシュベルは彼女を見る。
「そのせいもあって屋敷に居る事が多く、その後ろにはセーデルが付いてまわってい
ましたね。元来セーデルは頭はよかったが、内気で言葉数が少なく友人と呼べる人物
もいなくて一人でいる事が多かった、それを面倒見のいいマリアンヌ様は積極的に話
しかけ、彼もマリアンヌ様だけは心を開いていったようだった。はた目から見て、あ
くまでそれは親類としての接し方だと、わたしは思っていました。彼が勘違いしたの
なら、それは彼がそう望んだからでしょう」
セーデルの歪んだ愛情は、孤独だった彼と友情を深めた少女の行為から生まれた・・・
「ただマリアンヌ様は殺到するお見合いもことごとくお断りになり、セーデルとして
はふたりの時間をゆうせんしたのだと自分のいいように思っていたかもしれません。
彼女が見合いを断っていたのは、自分の見目だけしか興味のない殿方と連れ添うつも
りはないと、クリフトフ公爵がおっしゃってましたね。ああ、ジュール国王の事も言
及しておきますと、彼はマリアンヌ様がデビュタントとして参加された夜会では第2
王子だったので、彼女とは面識がなかった。その後ジュール様の父君である国王が御
隠れになり、その頃不治の病にかかった第一王子がジュール様にその座を譲り、23
歳で国王の座に着いた。」
これではまるで父上と母上の接点がない、両親の結婚は政略的なものだったのか、こ
の時代ならそれも当然のことだが、幻影で見る両親は幸せそうに笑っていた。
「ジュール国王は、父君が築いてきた隣国との絆をより確かにし、その人柄で周囲の
者は彼への支援を惜しまなかった、また彼はお忍びで度々王都にでては人々の暮らし
ぶりをその目でご覧になっていました、そして運命の出会いが起こったのですよ、エ
レナ様、」
オーギュスト公爵は意味ありげにエレナを見る。
「運命の花売り事件をご存じないですか?」
聞き覚えのない言葉にエレナは首を振る、がアシュベルは思い出したかのように、声
を上げる。
「あ、それは聞いたことあるな、まさかヒメちゃんの母君と父君の?」
息子のエレナへの呼び方に顔をしかめながら、話の続きを優先させる。
「花売りは大変でね、花売りの少女は行きかう人々に声をかけ、馬車を見つけると駆
け寄っては花を買いませんかと売り込みに行くんです、生活のために。でもある日少
女は馬車を追いかけ転んでしまう、膝と手には擦りむいた傷が見られた、それでも生
活がかかっているからか、泣きもせずヒョコヒョコと花を売り続ける少女の姿に国王
は心打たれて、自らその少女の手伝いを申し出たんです、ちょうど私が国王のお供を
させていただいたので、この目で見ていました」
エレナは父親を知らずに育ったが、それを聞いて誇りに思った、その人がわたしの父
上であって嬉しいと。
「しかし、商売をするのは初めてで、」
その当時の様子を思い出したのか、オーギュスト公爵はふっと笑みを浮かべる。この
人でも笑う事はあるんだ、とエレナは少々以外に思う。
「よくとおる大きな声で、大人の男が花売りをするのはあまりにも目立って、そのた
めか花はすぐに売り切れたんですよ、そして最後に花を買った貴族の令嬢がその花を
彼に渡し、こう言った、わたしと結婚してくれませんか、とね」
貴族の令嬢からの求婚とはあまりにも突拍子もない行動だ。通例は気になる異性がい
ても、両親から打診をしてもらったり、会食のばをもうけもらい、最終的に男性から
求婚する形をとるのが一般的である。
「それがマリアンヌ様その人です、あなたの母君は国王である父君にプロポーズをし
たのですよ、彼の身分など考えもせず、国王の人のひととなりに惹かれ、」
エレナは母上の積極的な行動に賛美を贈りたくなる、公爵家の令嬢としてはいささか
問題があるが、彼女は選ばれるのではなく選ぶ側になったのだ。しかしその反面父
上は美しい女性に突然求婚されどれだけ驚いたか想像に難くない。
「国王は一兵士に身をやつし王都を視察してらしたので、マリアンヌ様は身分のわか
らない男性に求婚したことになりますね、国王もまた地位ではなく自分自身を見てく
れた彼女の真摯な姿を嬉しく思い、その場はなんとか身分を隠し立ち去りましたが、
翌日クリフトル公爵家に馬車をだし、城へ招かされたそうです、クリフトフ公爵がお
っしゃったのは、マリアンヌ様は彼が国王だったことに驚いたようですが、二人は会
話を楽しみ、時を忘れずいぶんとお話になっていたとか。次の日には国王から正式な
プロポーズがされ、マリアンヌ様はそれを承諾なさいました」
父上と母上は惹かれ合い結婚をした、ならばセーデルの立ち入る隙などないはず、彼
はそれでも母上をあきらめていなかったのか、そのセーデルの執着ぶりにエレナは言
いしれようもない気持ちになる。
―――――――― 愛するという事。
それがどんなものか、エレナはまだ知らない。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
私の人生に、おかえりなさい。――都合のいい「お姉ちゃん」は、もうどこにもいません
しょくぱん
恋愛
「お姉ちゃんなんだから」
――それは私を縛る呪いの言葉だった。
家族の醜い穢れを一身に吸い込み、妹の美しさの「身代わり」として生きてきた私。
痛みで感覚を失った手も、鏡に映らない存在も、全ては家族のためだと信じていた。
でも、、そんな私、私じゃない!!
―― 私は、もう逃げない。 失われた人生を取り戻した今、私は、私に告げるだろう。
「私の人生に、おかえりなさい。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる