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ゴトラタンの町で私達は歓待を受けていた。見張りの衛兵の報告で私達二人の力でイーストリア帝国軍を壊滅させてしまった事がバレたからである。
正直好き勝手にやった事なので困っている。今は町の酒場に来ている。兵士達も押し掛け大混雑だ。朝から始まった酒宴はもう夕方に差し掛かっていた。
口を開いたのはシャウヤーン連合軍の旅団長のホムルズ大佐だ。黒い鎧に黒髪の中年男性だ。
「飲んでいるか…お嬢さん達。イーストリア帝国軍を倒した事に感謝の言葉が思い付かない。君達は勇敢で特別な技能を持っているのは間違いないだろうな。見張りの報告だと一瞬でイーストリア帝国軍一万を蹴散らしたとか…それも空飛ぶ船を呼んだと言うではないか。どのような魔法を使えばそんなことができるんだ。甚だ疑問だ。そしてその後に敵の大将と一騎討ちして見事勝利したと言うではないか。イーストリア帝国軍は大将に特殊な能力者を据えているという。そんなものを討ち払うとは見事だ。誠に見事。」
エリカは困ったように笑っている。
「エヘヘ…お褒めに預かって光栄だけどそこまで凄い事をやった訳じゃないよ。ボクにできる事をただやっただけさ。まあ隠しても無駄だろうから伝えるけれど、ボクはギフテッドなんだ。だからイーストリア帝国軍に対抗できるし、敵の特殊能力者と闘えるんだよ。ちなみに敵の特殊能力者を見た事があるけれど彼らもギフテッドだ。」
驚くホムルズ大佐。豪快にむせていた。
「なんと!それは本当か…。それならば合点が行くと言うものだ。まさか天下に名高い転生者…ギフテッドだとは。無限の戦闘能力…傍若無人な立ち振舞い。歩く伝説…。それがイーストリア帝国軍と闘っているなんて。それも敵にもギフテッドが居たとは…一筋縄では行かなかっただろう。もう一人のお嬢さんもギフテッドなのか?」
「私?私はギフテッド何かじゃないわ。ただの人間よ。まあギフテッドと闘って勝ったことはあるけどね。厳しい闘いだったわ。私自身もまさか勝てるとは思わなかった。」
ホムルズ大佐は酒をひっきりなしに運ぶ手を止めた。衝撃を受けたようだ。まさかギフテッドを倒す人間がいるとは思わなかったのだろう。
「それは真か?まさか生身の人間がギフテッドを打ち倒すとは…生きている内にそんな話を真剣に聞くことになるとは思わなかったぞ。そもそもギフテッドの存在自体が眉唾物なのに。それと闘って勝つとは…いや可能ならば一度手合わせ願いたいな。」
「フフ…ありがとう。でも手合わせするなら手加減出来ないわ。ホムルズ大佐も相当できる人なのでしょう?」
「それはどうかな…やってみなければ分からないだろう。君が勝つか…俺が負けるか。良し手合わせしてみるか。おい。お前達木刀を二本持ってこい。」
ホムルズ大佐は部下に命令を出した。本当に立ち合う気なのだろう。まあ生死が掛かっていないなら面白い余興になりそうね。勿論勝利するのは私だけれど。
部下が戻ってくる。
「木刀二本をお持ちしました。どうぞお受け取りください。」
「よし。受け取ったぞ。行け。」
「どうもありがとう。それでは立ち合いましょうか?ホムルズ大佐。」
酒場の外にホムルズ大佐は出た。私もついていく。ギャラリーもぞろぞろと着いてきた。皆結果が気になるのだろう。
私とホムルズ大佐は背を向けて十歩ほど離れた。距離は五メートル程だ。
お互いに向き合う。私は上段八双に構えた。示現の必殺の一撃だ。
ホムルズ大佐は中段からの居合いを使うようだ。
合図はない。どちらともなく足を踏み出した。渾身の袈裟斬りを放つ。魔力放出も全開で行った。
受けるホムルズ大佐は居合い抜きだ。だがその刃が届く前に大佐の頭を私の木刀が穿った。首はあらぬ方向に曲がっている。大佐は即死した。
ざわざわと声が立つ。野次馬は口々に言いたい事を言う。
「大佐やられるだけじゃなくて死んじゃったよ。どうするんだよ。これ。上に何て報告するんだ?俺は知らないからな。大佐の直属の部下でもないし。あーあ大人げなく女の子と決闘なんかして殺されるなんてなんて野郎だよ。」
「あーあの首の曲がり方は不味いね。死んでるよこれ。どーすんだかな。まっ俺には関係無いけどさ。しかしこんな美人な女の子に殺されるなんてある意味羨ましいのかもしれないな。くわばらくわばら。」
「大佐!嘘ですよね。起き上がってくださいよ。一騎討ちして死んだなんて報告できませんよ。それも素人の女の子と闘って死んじゃうなんて。この人は生きている時からそうだったけど、トラブルメーカーにも程があるよ。」
エリカに哀しい視線を送る。仕方ないにゃあ。とエリカ。
「ハイハイ。皆さんお静かになさってください。ボク…エリカ・フェニックスがこの場を収めるとしましょう。コードフェニックス!強制蘇生!」
そうエリカが謳うとホムルズ大佐の首は元の方向に戻り、息を吹き替えした。ハッと気付く大佐。
「ここは…俺は死んで女神様に天国に行くかエキセントリックな世界に行くかの二択を延々と迫られていたはずだったのに。生き返ったのか。」
エリカが口を開く。
「はい。ホムルズ大佐は元通り。大佐、どこかで聞いたような話だけど女神様の名前は誰だった?」
突然の事で思考が追い付いていない大佐。質問された事をとつとつと答えた。
「そう…女神様の名前はアイリスだった。天国行きを選んでもエキセントリックな世界にどうしても転生させたいみたいで何度も同じ問答を繰り広げていたんだ。」
やっぱりかと感じるエリカだった。
やはり死んだ者を変な世界に転生させるのがあの駄女神の得意技らしい。もしかしてイーストリア帝国軍の死んだ人達も皆変な世界に転生させられてるのかなぁ?
イスワルドで死ぬと代わりに地球に行くとか無いよね?
もしもーし。女神様に霊的な通信…霊信を試みる。
プッ…
―なんでしょう。エリカ・フェニックスよ。どの様な用件で私を呼び出したのか答えなさい。―
「いや実はついさっき貴女の強引な選択肢に困っている男の人を蘇生させたんですよ。ズバリ聞きます。その人を何処の世界に送り込もうとしていたんですか?もしかして地球とかじゃないでしょうね。」
―ノーコメントです。個人情報に当たるのでお答えできませんね。そんな事を気にせずにイスワルド生活を満喫してください。―
「いいや。気になりますね。もっと言うとボク達が大量に倒したイーストリア帝国軍の兵士も変な世界に転生させて送り込もうとしているんじゃないですか?」
―ああ。最近貴女達が無節操に殺して回っている哀れな人達ですね。あの人達は主神が違いますから干渉はしていません。―
「ハッ?主神が違う…もしかしてボク達って宗教戦争に利用されてたりするの?ギフテッドの力で強気になっているイーストリア帝国軍に天誅を加える為に特段強力なボクという転生者を生み出してエリスに会わせたな。」
―フフ。偶然の結果ですよ。それにイーストリアにも女神信仰はあります。副次的な物では有りますがね。ですから例えイーストリア帝国が全ての人類をオーディン大陸から駆逐しても私への信仰がゼロになる事はありません。しかし女神信仰を主にする諸国が滅ぼされたのが痛手なのは事実です。今からでもカウンターになる貴女達が動き回る事の都合が良いのも事実と言っておきましょう。―
「もういいや。霊信終了。相変わらず胡散臭い女神様だ。ボクの天国行きを妨害したのは忘れないんだからね。それにギフテッドを呼び込みすぎて戦争になったんなら自分の責任じゃあないか!ボク達に尻拭いさせるような真似ばっかりしてとんでもない駄女神だよ。」
私達はポカンとして聞いていた。エリカの喋る内容しか聞こえてこないので当然意味が分からない。まあ神との会話なんて聞かない方が身の為だろう。どうせろくな事は話していない。そんな気がする。
それよりもついうっかり渾身の一撃を叩き込んで殺してしまったホムルズ大佐のケアの方が先だろう。
「大佐。殺すつもりは無かったのだけど…本気を出しすぎた結果ね。勝負事は手加減できなくて…ごめんなさい。」
「えっ…ああ。全く首をへし折る一撃を放ってくるなんて思っても居なかったぞ。まあ俺も骨折くらいはさせるつもりで打ち込む予定だったけどな。まあ恨みは無い。気にしなくて良いぞ。」
「そう言って頂けると有り難いわ。さあまたお酒を飲みに戻りましょう。」
「それもそうだな。皆、酒場に戻るぞ。俺の奢りだ。飲め飲め!」
また酒宴の席に戻った。エリカが話し掛けてくる。
「もう自分の力をひけらかす様な真似をしないようにね。一般人からしたらエリスももう化物みたいな物なんだから。」
「男の人と立ち合いなんて…昔を思い出すようで懐かしくてね。その頃から私は負け知らずだったけどね。」
「そう言われると弱いな。故郷と言えば…ここ最近イーストリア帝国軍をぼこぼこにしてるけど復讐心は落ち着いた?」
私は考え込む。改めて言われるとどうなのだろう。当たり前すぎる事なので最近考えていなかった。
………復讐心が晴れる事はない。それが答えだ。実際はイーストリア帝国軍を倒す事で少しは晴れたのだろうが…それでも失った国も家族も還ってこない。その事実を思い出した時たまらずに叫びだしそうになる…この胸にへばりつく泥のような塊は決して晴れない。
それでも晴らす為に私は走るのだ。
イーストリア帝国軍への勝利を繰り返して少し浮かれていたのかもしれない。
鬼の様な表情になった私を見てエリカは悟ったようだ。まだ何も終わっていないと。
「そっか。やっぱりこの大陸からイーストリア帝国を消し去るまで君の闘いは終わらないんだね。エリス。少しボクも気が抜けていた様だ。まだまだシャウヤーン連合地帯への侵攻は続いていくだろう。護らねばならないね。この人達とボク達で。」
私達の様子を見ていたホムルズ大佐が口を挟んできた。
「闘いの話は酒宴の後と思っていたが…今耳に入れた方が良さそうだな。エリスルージュ殿、エリカ殿。貴女達の活躍によりシャウヤーン連合地帯に攻め込んできていた…イーストリア帝国の残存三師団全てが撤退していった。偵察兵の報告によると三師団内二師団がそれぞれニブルヘルムとバディスタ王国の防御に当たっており、一師団は所在不明。恐らくイーストリア帝国の防衛に当たっていると思われる。君達の覚悟に胸を打たれて黙っていられなくなったのだ。めでたい酒宴の席で無作法にてご免。」
私は目を見開いた。闘わねば今すぐにでも旅立ちたい。胸が騒ぐ。闘いたい。滅ぼしたい。殺したい。滅したい。ともかくここには居られない。大佐には一言告げた。
「ありがとう。友よ。私は行きます。」
酒場の席から腰を上げて外に向かう。
エリカは待ってよ。エリス!と叫びながら着いてきた。
元バディスタ王国 首都サンヘルム
私達はゴトラタンから十五日程の旅を終えた。現在バディスタ王国の首都サンヘルムにいる。ここしか一万もの大軍を置いておける場所は考えられなかった。エリカの血魔法の探知でもサンヘルムが引っかかっている。
途中に検問等もあったが全て血祭りにあげておいた。情報が伝わっている可能性はゼロだ。
サンヘルムは完全に廃墟と化している。攻められた時に徹底的に街を燃やし尽くされたのだろう。
ニブルヘルムの首都ニブルヘルムも同様だった。街を…バッカニアの屋敷を燃やし尽くされた。全てを燃やし尽くして更地にした上で自分たちの町を立てるつもりなのだ。
胸が痛む。もうサンヘルムの町は戻ってこないだろう。人々の笑顔や生活が思い浮かぶ。イーストリア帝国軍が全てを奪い去ってしまったのだ。最早戻ってこない。何もかも…だから報復する。全てを奪い去った奴らからも奪うために。それは生産性なんてものは無いけれどそうしないと私は一歩だって先に進めなかった。
奴らを駆逐する…一兵残らずこのオーディン大陸から殲滅してやる。今の私を埋め尽くす感情は燃える様な復讐心だけだった。
瓦礫の中を歩いて行く。エリカが話しかけてきた。
落ち着いているように見えるが少し焦りが見える。
「ボク達を着けてきている奴等が居る。距離は後ろに五百メートル。構えてエリス。闘う時が来たよ。」
「帝国兵かしら…どうして焦っているのエリカ。」
「いやね。血魔法の探知に掛かった結果がおかしいんだ。魔力は感じない。でも高い精神エネルギー反応を感じるんだ。ギフテッドじゃない。こんな事は初めてだ。」
私はサイキッカーという人種を知っていた。魔法を使わず生来身に着けた超能力のみを使う人種だ。魔法使いでは無いものの強力な超能力の行使はその名を轟かせていた。
「それは恐らくサイキッカーよ。魔法使いよりも強大で恐ろしい敵だわ。待ち伏せして殲滅しましょう。私と貴女なら大丈夫よ。エリカ。」
「サイキッカーね。そんな人種もいるなんて。本当にイスワルドは信じられないよ。魔法使いとは別にそんな超能力者がいるなんて。まあボクと君相手なら負ける事は無いと思うけど。隠れて待ち伏せするとしよう。」
私達二人は付近の瓦礫に隠れた。しばらく五分程待つと三十人程の外骨格を身に着けた兵士がやってきた。奇妙な事にこの兵士達は誰も獲物を持っていなかった。やはりサイキッカーという事なのだろうか?
私は瓦礫からタケミカヅチを覗かせると発射した。着弾して即死する兵士。それを合図に兵士達は戦闘態勢に入った。兵士達から虹色のオーラが立ち込め始めた。不味い。私はタケミカヅチを連射するスピードを上げた。一人、二人、三人…次々に倒れていく兵士達。だが一人の兵士の超能力が私に炸裂した。私の首にとんでもない力がかかりへし折られる。私の意識はそこで落ちた。至近距離とは言え離れた場所から首をへし折るなんて…
残されたのはエリカのみだ。エリカは兵士達の前に躍り出ると拳舞を舞った。
ブラッドヒート。拳足を限界まで強化。敵の数は二十六人。やるぞ。拳を叩き込むエリカ。
正拳突!外骨格爆裂。一名死亡。超能力による集中攻撃。虹色のオーラがエリカを包み込む。左腕が千切れ飛ぶ。
「畜生。やるじゃないか。サイキッカーとやら。こっちも本気でやらないと不味いかな。ブラッドヒーリング。」
左腕が蘇生する。だが次々に襲い掛かる超能力。虹色のオーラが沸き立つ。エリカの内臓破裂。両腕断裂。両足粉砕。心臓破壊…超能力で破壊出来うる限り全ての場所を破壊されるエリカ。
「ゴフッ…只者じゃないって事か…コードフェニックス…強制蘇生。」
サイキッカー達にも動揺が広がる。一人のサイキッカーが口を開いた。
「確かに殺しきったはずだが…蘇生しただと。何者だこの女…隊長どうしますか。」
「蘇生する暇を与えずに全身を打ち砕き続けろ。そこにしか勝機は無いぞ。」
エリカが蘇生する…そして謳う。
「ファンタズムオーバーロード…無銘神話楯。この身を護れ。」
神話時代の楯を召喚し身を護るエリカ。体の中に楯を一体化させる。これでどうだ!
サイキッカー達は超能力をエリカに掛け続けた。しかし神話時代の楯によって全ての超能力がかき消された。神秘の質が違う。現代でも使える超能力と遥か古代に失われたはずの楯とでは神秘の強度が違うのだ。
「クソ!何故効かないんだ。サイキック能力を打ち消すのなんてそれこそギフテッドでなければ不可能なはずだ。こんなレジスタンス二人にギフテッドがいるなんて考えられない。」
サイキック部隊の隊長は絶叫した。
面白そうに笑うエリカ…無銘神話楯をエリスの中にも埋め込む。その神秘に当てられて蘇生するエリス。
「さあ…戦いを続けるぞ。エリス。おねんねしている場合じゃないよ。」
「私は…首を折られて死んでいたはず。蘇生してもまた殺されてしまうんじゃないの?エリカ?」
「そうならない様に秘密兵器を君の体に埋め込んでおいた。やつらのサイキック能力はもう通用しない。撃って撃って撃ちまくるんだ!」
「了解。タケミカヅチよ。吼えろ。天高く…天界まで届けこの咆哮!」
私はタケミカヅチを連射した。四人、五人、六人、七人、八人…次々と屠られていくサイキッカー達。
サイキッカーが叫ぶ。
「隊長…俺達の能力がまるで通用しません。撤退しましょう。」
「そういう訳には行かない。こいつらは例の二人組の可能性が高い。サイキックだけに頼らずに闘うぞ。抜刀!突撃!」
サイキッカー達は刀を抜いてこちらに突撃してきた。私とエリカはそれぞれ突っ込んでくる敵を蹴散らしていた。
私の攻撃!オーラ袈裟斬り!一名頭部爆散。死亡…龍閃!一名の首撥。即死。なだれ込むように突っ込んでくるサイキッカー達。
オーラ回転切り!五名同時に死亡。
エリカにも敵は突っ込んでいった。ブラッドヒートで限界まで鍛えられた拳で相手をする。
手刀!胸部まで貫通。即死。足刀!腹から両断。死亡。正拳突!胸部貫通。即死。
八連正拳突!ダメージに耐えきれず対象爆散。死亡。両手突!頭部破砕。死亡。
まだまだ群がってくる。大技で仕留めるか。ブラッドオーラレイン!
マナが宿った血の雨が敵に降り注ぐ。それは刃と変わり敵を撃ち抜いた。九名死亡。
全敵の撃破確認。
ようやく終わった。中々しぶとい連中だったわね。超能力で殺されるし…エリカを見てみる。落ち着いている。彼女も恐らく一度は殺されたというのに気丈だと感じた。
「終わったわね。エリカ。先に進みましょう。イーストリア帝国軍が待ってるわ。」
「そうだね。エリス。とんだ足止めだったよ。サイキックに対抗する方法を思いつかなかったら今でも闘いは続いていたかもしれない。ただの人間の割には強敵だった。」
私達はサイキッカー達の血塗れの死体達を後にサンヘルムの中心部に向かって行った。
そこにはイーストリア帝国軍が待っているはずだったが…
確かに待っていた。完璧な布陣を敷いている。鶴翼陣だ。私達二人の為に戦闘配備が敷かれていた。
始まる。殺戮が…美しい復讐が…止めどない我が愉悦が…
敵との距離は一キロメートル。私は戦いの狼煙を上げるようにタケミカヅチを構えて速射を始めた。タケミカヅチの有効射程は一キロメートルでは収まらない。
ここからでは敵がどうなっているか確認できないが…敵の銃撃が始まった。
「エリカ…弾避けの加護をお願い!」
「了解。派手に始めるじゃないか。エリス。良いぞ。乗ってきた。ボクも必殺の一撃をかましてやるとしよう。」
弾避けの加護にアサルトライフルを始め、RPGやガトリングの砲撃は完全に無効化された。
私はタケミカヅチの速射のスピードを上げて行った。ただ甲高い発射音が響く勢いが上がっていく。一射一射が敵の命を奪って…燃やしていく。
…燃える
…燃え上がる
…我が復讐心
…イーストリア帝国兵に死を
…忘れられない。まだ燃えているんだ
…あの屋敷と一緒にお父様もお母様もまだ燃え続けているんだ
「エリス。準備が整った!派手に行くぞ。衝撃に備えて伏せていろ。」
「了解。エリカ!やってしまいなさい。」
血の魔力回路をフル回転させる。ファンタズムオーバーロード…オーディン大陸を頭上に召喚!そのままイーストリア帝国軍にぶつける!大陸突貫。
ミニチュアサイズのオーディン大陸がイーストリア帝国軍に向かって放たれた。逃げる余裕無く屠られていく兵士達。広がる衝撃波。伏せていても吹き飛ばされそうになる。
最後にはイーストリア帝国軍をすっぽりミニチュアのオーディン大陸が覆っていた。完全勝利。最早立ち上がる者等居ないはずだが…いやこれで終わりではない。私達は知っている…この状況でも立ち上がってくるものが居る事を…その名はギフテッド…
刀が飛んできた…真っすぐに私に向かって飛んでくる。弾き落したが…重い…なんて重い一撃なの…私もストームカリバーを落としてしまった。急いでストームカリバーを拾い上げる。
「エリカ…下がっててこのギフテッドは私が倒す。」
「面白い。やって見せるんだ。エリス。」
ミニチュアのオーディン大陸が真っ二つに両断された。中からは銀髪黒目のコートを着た男が出てきた。
「フフ…噂にたがわない戦闘能力だ。素晴らしい。ここまで出来る戦士が居るとはな。私の剣の肥やしにしてやろう。私の名はライゼン。我が能力は剣術。いざ参る。」
そう言うと男は私の前まで跳躍してきた。現在の距離は五メートル。
「ライゼン…私が相手よ。いざ勝負。」
「貴女は見た所…ギフテッドではない生身の人間の様だがそれでも私の相手が務まるかな?」
「そういうギフテッドを斬ってきた。貴方も私の刀の錆にする。」
ブラッドシールドを展開しておく…余り意味をなさないと思うけど。
二人の距離はジワリと縮まっていた。お互いすり足でにじり寄っている。最初に打ち込んだのは私だった。
オーラ袈裟斬り!ミス!龍閃!ミス!燕返し!ミス!直突!ミス!三連突!ミス!
全ての剣技を交わされた。ライゼンが攻撃に移ってきた。
袈裟斬り!命中!右腕切断!無明三段突!全段命中!左腕切断及び心臓破壊!
私は卒倒した。ブラッドシールドは余裕の貫通。剣技を捌く余裕すらなかった。レ…レベルが違う。ブラッドヒーリング…私は傷口を急速に回復し立ち上がった。
「ほう…回復能力だけはギフテッド並みと言う事か…面白い。まだ立てるというのなら立ち向かってくると良い。」
…私は負けない
…負けちゃいけないんだ
…ここで負けたらお父様とお母様の敵が討て無くなる
…動け…私の手足よ
…恐怖に慄くな
…必ず勝機はある
私はストームカリバーを構えた。それまでライゼンは待っていたらしい。
踏み込んでくるライゼン。私は敵の攻撃を回避する準備に入った。
三連一閃!一瞬で三手をほぼ同時に打ち込む一手。
二手は受け流したが残りの一手が腹部に命中。内臓破裂。
「ガハァ…ハァハァ…ブラッドヒーリング。」
腹部の致命傷回復。ライゼンの攻め手はまだ続く。
夢幻蓬栄刃!無限に続くような斬撃。私は後ろに足を蹴りながらなんとか躱した。が空間を切り刻んだ霊気の余波で私は全身を切り刻まれた。
武として頂点に至るとはこういう事なのだろう。正気でやっていては勝てない。何か手を考えないと…
ブラッドヒーリング…全身の傷を蘇生。
ライゼンは踏み込んできた。カウンターを決める。お願い極まって!
カオスカリバーオーバーロード!全魔力を込めた渾身の一撃。確かにライゼンの胸部に極まった。魂まで焼く斬撃に血を吹き出すライゼン。
「な…なるほどな。ギフテッドを殺すための奥の手を持っていたわけだ。だが残念だったな。私はそんなに簡単に死ぬほど甘くはない。神覇気!傷を五割は塞げるだろう。これだけのハンデがあってようやく互角だ。」
そんな…私の渾身の一撃を耐えきられた。最早魔力を込めた一撃は使えない。純粋な剣技の勝負になる。
ライゼンは一度距離を取ったかと思うと一瞬で目の前に躍り出た。縮地か?
袈裟斬り&燕返しを叩き込んでくるライゼン。私は刀で剣舞を舞い回避する。行ける。闘えるぞ。
私はカウンターで渾身の剣舞を舞った。これが私の最後の一撃だ。これ以上はもう舞えない。
袈裟斬り三連!全段命中。ライゼンの腹部及び胸部貫通。龍閃!首に命中。直突!ミス。燕返し!股間から胸部まで一閃!三連突!右腕切断、胸部命中…私の剣舞は致命傷を与えた。
「私が負傷していたとはいえ…素晴らしい腕前だ。少女よ。私の消え行く命で最後の一閃を放とう。これが我が生涯最後で最大の一撃!」
ライゼンはボロボロの体で左腕に刀を構えると霊刃を限界まで伸ばした。
冥府煉獄破神刃!オーラが伸長する極長の魔刃が私を襲った。カオスカリバーでいなそうとするもののカオスカリバーごと斬られる。霊刃なので見た目の傷は無いが、全身の神経がグチャグチャに切り刻まれた。私とライゼンはともに卒倒した。
私はかすれた声で歌う…ブラッドヒーリング…全身の神経は時間をかけて蘇生していった。
立ち上がる私。ライゼンはこと切れていた…勝者は私だ。さらばライゼン。我が宿敵よ…
ライゼン…雷禅英二 剣道で全国大会優勝レベルの腕を持つ高校生だったが、通学途中走ってくる電車に気狂いに突き落とされ絶命した。バディスタ王国領に転生。イーストリア帝国領で剣の修行をしている所をスカウトされて今に至る。
エリカが話しかけてくる。私はボウっとしていた。
「剣術対決見事だったぞ。エリス。君よりも数段上の剣術を使う相手だったようだね。良く勝てたよ。本当に。はらはらして途中で殴り込みに行こうとしちゃったよ。」
「ええ…ありがとう。エリカ。彼は真の剣神だったわ。敵ながら見事よ。埋葬してあげましょう。」
「君がそこまで言うならボクとしては反対しないよ。」
そういうとエリカは魔法で地面に穴を開けた。人一人入れる大きさだ。そこに私がライゼンを抱えて横たわらせる。その上から砂を掛けて、彼の刀を刺して簡単な墓標とした。
「さようなら。ライゼン。貴方の剣舞は生涯忘れないわ。私も追い続けましょう。貴方の後を。」
「もう行こうか。エリカ…バディスタ王国に最早イーストリア帝国軍はいない。」
「ええ…次はニブルヘルムを目指しましょう。私の始まりの地。全てはあそこから始まった。」
正直好き勝手にやった事なので困っている。今は町の酒場に来ている。兵士達も押し掛け大混雑だ。朝から始まった酒宴はもう夕方に差し掛かっていた。
口を開いたのはシャウヤーン連合軍の旅団長のホムルズ大佐だ。黒い鎧に黒髪の中年男性だ。
「飲んでいるか…お嬢さん達。イーストリア帝国軍を倒した事に感謝の言葉が思い付かない。君達は勇敢で特別な技能を持っているのは間違いないだろうな。見張りの報告だと一瞬でイーストリア帝国軍一万を蹴散らしたとか…それも空飛ぶ船を呼んだと言うではないか。どのような魔法を使えばそんなことができるんだ。甚だ疑問だ。そしてその後に敵の大将と一騎討ちして見事勝利したと言うではないか。イーストリア帝国軍は大将に特殊な能力者を据えているという。そんなものを討ち払うとは見事だ。誠に見事。」
エリカは困ったように笑っている。
「エヘヘ…お褒めに預かって光栄だけどそこまで凄い事をやった訳じゃないよ。ボクにできる事をただやっただけさ。まあ隠しても無駄だろうから伝えるけれど、ボクはギフテッドなんだ。だからイーストリア帝国軍に対抗できるし、敵の特殊能力者と闘えるんだよ。ちなみに敵の特殊能力者を見た事があるけれど彼らもギフテッドだ。」
驚くホムルズ大佐。豪快にむせていた。
「なんと!それは本当か…。それならば合点が行くと言うものだ。まさか天下に名高い転生者…ギフテッドだとは。無限の戦闘能力…傍若無人な立ち振舞い。歩く伝説…。それがイーストリア帝国軍と闘っているなんて。それも敵にもギフテッドが居たとは…一筋縄では行かなかっただろう。もう一人のお嬢さんもギフテッドなのか?」
「私?私はギフテッド何かじゃないわ。ただの人間よ。まあギフテッドと闘って勝ったことはあるけどね。厳しい闘いだったわ。私自身もまさか勝てるとは思わなかった。」
ホムルズ大佐は酒をひっきりなしに運ぶ手を止めた。衝撃を受けたようだ。まさかギフテッドを倒す人間がいるとは思わなかったのだろう。
「それは真か?まさか生身の人間がギフテッドを打ち倒すとは…生きている内にそんな話を真剣に聞くことになるとは思わなかったぞ。そもそもギフテッドの存在自体が眉唾物なのに。それと闘って勝つとは…いや可能ならば一度手合わせ願いたいな。」
「フフ…ありがとう。でも手合わせするなら手加減出来ないわ。ホムルズ大佐も相当できる人なのでしょう?」
「それはどうかな…やってみなければ分からないだろう。君が勝つか…俺が負けるか。良し手合わせしてみるか。おい。お前達木刀を二本持ってこい。」
ホムルズ大佐は部下に命令を出した。本当に立ち合う気なのだろう。まあ生死が掛かっていないなら面白い余興になりそうね。勿論勝利するのは私だけれど。
部下が戻ってくる。
「木刀二本をお持ちしました。どうぞお受け取りください。」
「よし。受け取ったぞ。行け。」
「どうもありがとう。それでは立ち合いましょうか?ホムルズ大佐。」
酒場の外にホムルズ大佐は出た。私もついていく。ギャラリーもぞろぞろと着いてきた。皆結果が気になるのだろう。
私とホムルズ大佐は背を向けて十歩ほど離れた。距離は五メートル程だ。
お互いに向き合う。私は上段八双に構えた。示現の必殺の一撃だ。
ホムルズ大佐は中段からの居合いを使うようだ。
合図はない。どちらともなく足を踏み出した。渾身の袈裟斬りを放つ。魔力放出も全開で行った。
受けるホムルズ大佐は居合い抜きだ。だがその刃が届く前に大佐の頭を私の木刀が穿った。首はあらぬ方向に曲がっている。大佐は即死した。
ざわざわと声が立つ。野次馬は口々に言いたい事を言う。
「大佐やられるだけじゃなくて死んじゃったよ。どうするんだよ。これ。上に何て報告するんだ?俺は知らないからな。大佐の直属の部下でもないし。あーあ大人げなく女の子と決闘なんかして殺されるなんてなんて野郎だよ。」
「あーあの首の曲がり方は不味いね。死んでるよこれ。どーすんだかな。まっ俺には関係無いけどさ。しかしこんな美人な女の子に殺されるなんてある意味羨ましいのかもしれないな。くわばらくわばら。」
「大佐!嘘ですよね。起き上がってくださいよ。一騎討ちして死んだなんて報告できませんよ。それも素人の女の子と闘って死んじゃうなんて。この人は生きている時からそうだったけど、トラブルメーカーにも程があるよ。」
エリカに哀しい視線を送る。仕方ないにゃあ。とエリカ。
「ハイハイ。皆さんお静かになさってください。ボク…エリカ・フェニックスがこの場を収めるとしましょう。コードフェニックス!強制蘇生!」
そうエリカが謳うとホムルズ大佐の首は元の方向に戻り、息を吹き替えした。ハッと気付く大佐。
「ここは…俺は死んで女神様に天国に行くかエキセントリックな世界に行くかの二択を延々と迫られていたはずだったのに。生き返ったのか。」
エリカが口を開く。
「はい。ホムルズ大佐は元通り。大佐、どこかで聞いたような話だけど女神様の名前は誰だった?」
突然の事で思考が追い付いていない大佐。質問された事をとつとつと答えた。
「そう…女神様の名前はアイリスだった。天国行きを選んでもエキセントリックな世界にどうしても転生させたいみたいで何度も同じ問答を繰り広げていたんだ。」
やっぱりかと感じるエリカだった。
やはり死んだ者を変な世界に転生させるのがあの駄女神の得意技らしい。もしかしてイーストリア帝国軍の死んだ人達も皆変な世界に転生させられてるのかなぁ?
イスワルドで死ぬと代わりに地球に行くとか無いよね?
もしもーし。女神様に霊的な通信…霊信を試みる。
プッ…
―なんでしょう。エリカ・フェニックスよ。どの様な用件で私を呼び出したのか答えなさい。―
「いや実はついさっき貴女の強引な選択肢に困っている男の人を蘇生させたんですよ。ズバリ聞きます。その人を何処の世界に送り込もうとしていたんですか?もしかして地球とかじゃないでしょうね。」
―ノーコメントです。個人情報に当たるのでお答えできませんね。そんな事を気にせずにイスワルド生活を満喫してください。―
「いいや。気になりますね。もっと言うとボク達が大量に倒したイーストリア帝国軍の兵士も変な世界に転生させて送り込もうとしているんじゃないですか?」
―ああ。最近貴女達が無節操に殺して回っている哀れな人達ですね。あの人達は主神が違いますから干渉はしていません。―
「ハッ?主神が違う…もしかしてボク達って宗教戦争に利用されてたりするの?ギフテッドの力で強気になっているイーストリア帝国軍に天誅を加える為に特段強力なボクという転生者を生み出してエリスに会わせたな。」
―フフ。偶然の結果ですよ。それにイーストリアにも女神信仰はあります。副次的な物では有りますがね。ですから例えイーストリア帝国が全ての人類をオーディン大陸から駆逐しても私への信仰がゼロになる事はありません。しかし女神信仰を主にする諸国が滅ぼされたのが痛手なのは事実です。今からでもカウンターになる貴女達が動き回る事の都合が良いのも事実と言っておきましょう。―
「もういいや。霊信終了。相変わらず胡散臭い女神様だ。ボクの天国行きを妨害したのは忘れないんだからね。それにギフテッドを呼び込みすぎて戦争になったんなら自分の責任じゃあないか!ボク達に尻拭いさせるような真似ばっかりしてとんでもない駄女神だよ。」
私達はポカンとして聞いていた。エリカの喋る内容しか聞こえてこないので当然意味が分からない。まあ神との会話なんて聞かない方が身の為だろう。どうせろくな事は話していない。そんな気がする。
それよりもついうっかり渾身の一撃を叩き込んで殺してしまったホムルズ大佐のケアの方が先だろう。
「大佐。殺すつもりは無かったのだけど…本気を出しすぎた結果ね。勝負事は手加減できなくて…ごめんなさい。」
「えっ…ああ。全く首をへし折る一撃を放ってくるなんて思っても居なかったぞ。まあ俺も骨折くらいはさせるつもりで打ち込む予定だったけどな。まあ恨みは無い。気にしなくて良いぞ。」
「そう言って頂けると有り難いわ。さあまたお酒を飲みに戻りましょう。」
「それもそうだな。皆、酒場に戻るぞ。俺の奢りだ。飲め飲め!」
また酒宴の席に戻った。エリカが話し掛けてくる。
「もう自分の力をひけらかす様な真似をしないようにね。一般人からしたらエリスももう化物みたいな物なんだから。」
「男の人と立ち合いなんて…昔を思い出すようで懐かしくてね。その頃から私は負け知らずだったけどね。」
「そう言われると弱いな。故郷と言えば…ここ最近イーストリア帝国軍をぼこぼこにしてるけど復讐心は落ち着いた?」
私は考え込む。改めて言われるとどうなのだろう。当たり前すぎる事なので最近考えていなかった。
………復讐心が晴れる事はない。それが答えだ。実際はイーストリア帝国軍を倒す事で少しは晴れたのだろうが…それでも失った国も家族も還ってこない。その事実を思い出した時たまらずに叫びだしそうになる…この胸にへばりつく泥のような塊は決して晴れない。
それでも晴らす為に私は走るのだ。
イーストリア帝国軍への勝利を繰り返して少し浮かれていたのかもしれない。
鬼の様な表情になった私を見てエリカは悟ったようだ。まだ何も終わっていないと。
「そっか。やっぱりこの大陸からイーストリア帝国を消し去るまで君の闘いは終わらないんだね。エリス。少しボクも気が抜けていた様だ。まだまだシャウヤーン連合地帯への侵攻は続いていくだろう。護らねばならないね。この人達とボク達で。」
私達の様子を見ていたホムルズ大佐が口を挟んできた。
「闘いの話は酒宴の後と思っていたが…今耳に入れた方が良さそうだな。エリスルージュ殿、エリカ殿。貴女達の活躍によりシャウヤーン連合地帯に攻め込んできていた…イーストリア帝国の残存三師団全てが撤退していった。偵察兵の報告によると三師団内二師団がそれぞれニブルヘルムとバディスタ王国の防御に当たっており、一師団は所在不明。恐らくイーストリア帝国の防衛に当たっていると思われる。君達の覚悟に胸を打たれて黙っていられなくなったのだ。めでたい酒宴の席で無作法にてご免。」
私は目を見開いた。闘わねば今すぐにでも旅立ちたい。胸が騒ぐ。闘いたい。滅ぼしたい。殺したい。滅したい。ともかくここには居られない。大佐には一言告げた。
「ありがとう。友よ。私は行きます。」
酒場の席から腰を上げて外に向かう。
エリカは待ってよ。エリス!と叫びながら着いてきた。
元バディスタ王国 首都サンヘルム
私達はゴトラタンから十五日程の旅を終えた。現在バディスタ王国の首都サンヘルムにいる。ここしか一万もの大軍を置いておける場所は考えられなかった。エリカの血魔法の探知でもサンヘルムが引っかかっている。
途中に検問等もあったが全て血祭りにあげておいた。情報が伝わっている可能性はゼロだ。
サンヘルムは完全に廃墟と化している。攻められた時に徹底的に街を燃やし尽くされたのだろう。
ニブルヘルムの首都ニブルヘルムも同様だった。街を…バッカニアの屋敷を燃やし尽くされた。全てを燃やし尽くして更地にした上で自分たちの町を立てるつもりなのだ。
胸が痛む。もうサンヘルムの町は戻ってこないだろう。人々の笑顔や生活が思い浮かぶ。イーストリア帝国軍が全てを奪い去ってしまったのだ。最早戻ってこない。何もかも…だから報復する。全てを奪い去った奴らからも奪うために。それは生産性なんてものは無いけれどそうしないと私は一歩だって先に進めなかった。
奴らを駆逐する…一兵残らずこのオーディン大陸から殲滅してやる。今の私を埋め尽くす感情は燃える様な復讐心だけだった。
瓦礫の中を歩いて行く。エリカが話しかけてきた。
落ち着いているように見えるが少し焦りが見える。
「ボク達を着けてきている奴等が居る。距離は後ろに五百メートル。構えてエリス。闘う時が来たよ。」
「帝国兵かしら…どうして焦っているのエリカ。」
「いやね。血魔法の探知に掛かった結果がおかしいんだ。魔力は感じない。でも高い精神エネルギー反応を感じるんだ。ギフテッドじゃない。こんな事は初めてだ。」
私はサイキッカーという人種を知っていた。魔法を使わず生来身に着けた超能力のみを使う人種だ。魔法使いでは無いものの強力な超能力の行使はその名を轟かせていた。
「それは恐らくサイキッカーよ。魔法使いよりも強大で恐ろしい敵だわ。待ち伏せして殲滅しましょう。私と貴女なら大丈夫よ。エリカ。」
「サイキッカーね。そんな人種もいるなんて。本当にイスワルドは信じられないよ。魔法使いとは別にそんな超能力者がいるなんて。まあボクと君相手なら負ける事は無いと思うけど。隠れて待ち伏せするとしよう。」
私達二人は付近の瓦礫に隠れた。しばらく五分程待つと三十人程の外骨格を身に着けた兵士がやってきた。奇妙な事にこの兵士達は誰も獲物を持っていなかった。やはりサイキッカーという事なのだろうか?
私は瓦礫からタケミカヅチを覗かせると発射した。着弾して即死する兵士。それを合図に兵士達は戦闘態勢に入った。兵士達から虹色のオーラが立ち込め始めた。不味い。私はタケミカヅチを連射するスピードを上げた。一人、二人、三人…次々に倒れていく兵士達。だが一人の兵士の超能力が私に炸裂した。私の首にとんでもない力がかかりへし折られる。私の意識はそこで落ちた。至近距離とは言え離れた場所から首をへし折るなんて…
残されたのはエリカのみだ。エリカは兵士達の前に躍り出ると拳舞を舞った。
ブラッドヒート。拳足を限界まで強化。敵の数は二十六人。やるぞ。拳を叩き込むエリカ。
正拳突!外骨格爆裂。一名死亡。超能力による集中攻撃。虹色のオーラがエリカを包み込む。左腕が千切れ飛ぶ。
「畜生。やるじゃないか。サイキッカーとやら。こっちも本気でやらないと不味いかな。ブラッドヒーリング。」
左腕が蘇生する。だが次々に襲い掛かる超能力。虹色のオーラが沸き立つ。エリカの内臓破裂。両腕断裂。両足粉砕。心臓破壊…超能力で破壊出来うる限り全ての場所を破壊されるエリカ。
「ゴフッ…只者じゃないって事か…コードフェニックス…強制蘇生。」
サイキッカー達にも動揺が広がる。一人のサイキッカーが口を開いた。
「確かに殺しきったはずだが…蘇生しただと。何者だこの女…隊長どうしますか。」
「蘇生する暇を与えずに全身を打ち砕き続けろ。そこにしか勝機は無いぞ。」
エリカが蘇生する…そして謳う。
「ファンタズムオーバーロード…無銘神話楯。この身を護れ。」
神話時代の楯を召喚し身を護るエリカ。体の中に楯を一体化させる。これでどうだ!
サイキッカー達は超能力をエリカに掛け続けた。しかし神話時代の楯によって全ての超能力がかき消された。神秘の質が違う。現代でも使える超能力と遥か古代に失われたはずの楯とでは神秘の強度が違うのだ。
「クソ!何故効かないんだ。サイキック能力を打ち消すのなんてそれこそギフテッドでなければ不可能なはずだ。こんなレジスタンス二人にギフテッドがいるなんて考えられない。」
サイキック部隊の隊長は絶叫した。
面白そうに笑うエリカ…無銘神話楯をエリスの中にも埋め込む。その神秘に当てられて蘇生するエリス。
「さあ…戦いを続けるぞ。エリス。おねんねしている場合じゃないよ。」
「私は…首を折られて死んでいたはず。蘇生してもまた殺されてしまうんじゃないの?エリカ?」
「そうならない様に秘密兵器を君の体に埋め込んでおいた。やつらのサイキック能力はもう通用しない。撃って撃って撃ちまくるんだ!」
「了解。タケミカヅチよ。吼えろ。天高く…天界まで届けこの咆哮!」
私はタケミカヅチを連射した。四人、五人、六人、七人、八人…次々と屠られていくサイキッカー達。
サイキッカーが叫ぶ。
「隊長…俺達の能力がまるで通用しません。撤退しましょう。」
「そういう訳には行かない。こいつらは例の二人組の可能性が高い。サイキックだけに頼らずに闘うぞ。抜刀!突撃!」
サイキッカー達は刀を抜いてこちらに突撃してきた。私とエリカはそれぞれ突っ込んでくる敵を蹴散らしていた。
私の攻撃!オーラ袈裟斬り!一名頭部爆散。死亡…龍閃!一名の首撥。即死。なだれ込むように突っ込んでくるサイキッカー達。
オーラ回転切り!五名同時に死亡。
エリカにも敵は突っ込んでいった。ブラッドヒートで限界まで鍛えられた拳で相手をする。
手刀!胸部まで貫通。即死。足刀!腹から両断。死亡。正拳突!胸部貫通。即死。
八連正拳突!ダメージに耐えきれず対象爆散。死亡。両手突!頭部破砕。死亡。
まだまだ群がってくる。大技で仕留めるか。ブラッドオーラレイン!
マナが宿った血の雨が敵に降り注ぐ。それは刃と変わり敵を撃ち抜いた。九名死亡。
全敵の撃破確認。
ようやく終わった。中々しぶとい連中だったわね。超能力で殺されるし…エリカを見てみる。落ち着いている。彼女も恐らく一度は殺されたというのに気丈だと感じた。
「終わったわね。エリカ。先に進みましょう。イーストリア帝国軍が待ってるわ。」
「そうだね。エリス。とんだ足止めだったよ。サイキックに対抗する方法を思いつかなかったら今でも闘いは続いていたかもしれない。ただの人間の割には強敵だった。」
私達はサイキッカー達の血塗れの死体達を後にサンヘルムの中心部に向かって行った。
そこにはイーストリア帝国軍が待っているはずだったが…
確かに待っていた。完璧な布陣を敷いている。鶴翼陣だ。私達二人の為に戦闘配備が敷かれていた。
始まる。殺戮が…美しい復讐が…止めどない我が愉悦が…
敵との距離は一キロメートル。私は戦いの狼煙を上げるようにタケミカヅチを構えて速射を始めた。タケミカヅチの有効射程は一キロメートルでは収まらない。
ここからでは敵がどうなっているか確認できないが…敵の銃撃が始まった。
「エリカ…弾避けの加護をお願い!」
「了解。派手に始めるじゃないか。エリス。良いぞ。乗ってきた。ボクも必殺の一撃をかましてやるとしよう。」
弾避けの加護にアサルトライフルを始め、RPGやガトリングの砲撃は完全に無効化された。
私はタケミカヅチの速射のスピードを上げて行った。ただ甲高い発射音が響く勢いが上がっていく。一射一射が敵の命を奪って…燃やしていく。
…燃える
…燃え上がる
…我が復讐心
…イーストリア帝国兵に死を
…忘れられない。まだ燃えているんだ
…あの屋敷と一緒にお父様もお母様もまだ燃え続けているんだ
「エリス。準備が整った!派手に行くぞ。衝撃に備えて伏せていろ。」
「了解。エリカ!やってしまいなさい。」
血の魔力回路をフル回転させる。ファンタズムオーバーロード…オーディン大陸を頭上に召喚!そのままイーストリア帝国軍にぶつける!大陸突貫。
ミニチュアサイズのオーディン大陸がイーストリア帝国軍に向かって放たれた。逃げる余裕無く屠られていく兵士達。広がる衝撃波。伏せていても吹き飛ばされそうになる。
最後にはイーストリア帝国軍をすっぽりミニチュアのオーディン大陸が覆っていた。完全勝利。最早立ち上がる者等居ないはずだが…いやこれで終わりではない。私達は知っている…この状況でも立ち上がってくるものが居る事を…その名はギフテッド…
刀が飛んできた…真っすぐに私に向かって飛んでくる。弾き落したが…重い…なんて重い一撃なの…私もストームカリバーを落としてしまった。急いでストームカリバーを拾い上げる。
「エリカ…下がっててこのギフテッドは私が倒す。」
「面白い。やって見せるんだ。エリス。」
ミニチュアのオーディン大陸が真っ二つに両断された。中からは銀髪黒目のコートを着た男が出てきた。
「フフ…噂にたがわない戦闘能力だ。素晴らしい。ここまで出来る戦士が居るとはな。私の剣の肥やしにしてやろう。私の名はライゼン。我が能力は剣術。いざ参る。」
そう言うと男は私の前まで跳躍してきた。現在の距離は五メートル。
「ライゼン…私が相手よ。いざ勝負。」
「貴女は見た所…ギフテッドではない生身の人間の様だがそれでも私の相手が務まるかな?」
「そういうギフテッドを斬ってきた。貴方も私の刀の錆にする。」
ブラッドシールドを展開しておく…余り意味をなさないと思うけど。
二人の距離はジワリと縮まっていた。お互いすり足でにじり寄っている。最初に打ち込んだのは私だった。
オーラ袈裟斬り!ミス!龍閃!ミス!燕返し!ミス!直突!ミス!三連突!ミス!
全ての剣技を交わされた。ライゼンが攻撃に移ってきた。
袈裟斬り!命中!右腕切断!無明三段突!全段命中!左腕切断及び心臓破壊!
私は卒倒した。ブラッドシールドは余裕の貫通。剣技を捌く余裕すらなかった。レ…レベルが違う。ブラッドヒーリング…私は傷口を急速に回復し立ち上がった。
「ほう…回復能力だけはギフテッド並みと言う事か…面白い。まだ立てるというのなら立ち向かってくると良い。」
…私は負けない
…負けちゃいけないんだ
…ここで負けたらお父様とお母様の敵が討て無くなる
…動け…私の手足よ
…恐怖に慄くな
…必ず勝機はある
私はストームカリバーを構えた。それまでライゼンは待っていたらしい。
踏み込んでくるライゼン。私は敵の攻撃を回避する準備に入った。
三連一閃!一瞬で三手をほぼ同時に打ち込む一手。
二手は受け流したが残りの一手が腹部に命中。内臓破裂。
「ガハァ…ハァハァ…ブラッドヒーリング。」
腹部の致命傷回復。ライゼンの攻め手はまだ続く。
夢幻蓬栄刃!無限に続くような斬撃。私は後ろに足を蹴りながらなんとか躱した。が空間を切り刻んだ霊気の余波で私は全身を切り刻まれた。
武として頂点に至るとはこういう事なのだろう。正気でやっていては勝てない。何か手を考えないと…
ブラッドヒーリング…全身の傷を蘇生。
ライゼンは踏み込んできた。カウンターを決める。お願い極まって!
カオスカリバーオーバーロード!全魔力を込めた渾身の一撃。確かにライゼンの胸部に極まった。魂まで焼く斬撃に血を吹き出すライゼン。
「な…なるほどな。ギフテッドを殺すための奥の手を持っていたわけだ。だが残念だったな。私はそんなに簡単に死ぬほど甘くはない。神覇気!傷を五割は塞げるだろう。これだけのハンデがあってようやく互角だ。」
そんな…私の渾身の一撃を耐えきられた。最早魔力を込めた一撃は使えない。純粋な剣技の勝負になる。
ライゼンは一度距離を取ったかと思うと一瞬で目の前に躍り出た。縮地か?
袈裟斬り&燕返しを叩き込んでくるライゼン。私は刀で剣舞を舞い回避する。行ける。闘えるぞ。
私はカウンターで渾身の剣舞を舞った。これが私の最後の一撃だ。これ以上はもう舞えない。
袈裟斬り三連!全段命中。ライゼンの腹部及び胸部貫通。龍閃!首に命中。直突!ミス。燕返し!股間から胸部まで一閃!三連突!右腕切断、胸部命中…私の剣舞は致命傷を与えた。
「私が負傷していたとはいえ…素晴らしい腕前だ。少女よ。私の消え行く命で最後の一閃を放とう。これが我が生涯最後で最大の一撃!」
ライゼンはボロボロの体で左腕に刀を構えると霊刃を限界まで伸ばした。
冥府煉獄破神刃!オーラが伸長する極長の魔刃が私を襲った。カオスカリバーでいなそうとするもののカオスカリバーごと斬られる。霊刃なので見た目の傷は無いが、全身の神経がグチャグチャに切り刻まれた。私とライゼンはともに卒倒した。
私はかすれた声で歌う…ブラッドヒーリング…全身の神経は時間をかけて蘇生していった。
立ち上がる私。ライゼンはこと切れていた…勝者は私だ。さらばライゼン。我が宿敵よ…
ライゼン…雷禅英二 剣道で全国大会優勝レベルの腕を持つ高校生だったが、通学途中走ってくる電車に気狂いに突き落とされ絶命した。バディスタ王国領に転生。イーストリア帝国領で剣の修行をしている所をスカウトされて今に至る。
エリカが話しかけてくる。私はボウっとしていた。
「剣術対決見事だったぞ。エリス。君よりも数段上の剣術を使う相手だったようだね。良く勝てたよ。本当に。はらはらして途中で殴り込みに行こうとしちゃったよ。」
「ええ…ありがとう。エリカ。彼は真の剣神だったわ。敵ながら見事よ。埋葬してあげましょう。」
「君がそこまで言うならボクとしては反対しないよ。」
そういうとエリカは魔法で地面に穴を開けた。人一人入れる大きさだ。そこに私がライゼンを抱えて横たわらせる。その上から砂を掛けて、彼の刀を刺して簡単な墓標とした。
「さようなら。ライゼン。貴方の剣舞は生涯忘れないわ。私も追い続けましょう。貴方の後を。」
「もう行こうか。エリカ…バディスタ王国に最早イーストリア帝国軍はいない。」
「ええ…次はニブルヘルムを目指しましょう。私の始まりの地。全てはあそこから始まった。」
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