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亡国の姫君編
第56話 王女
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「で、さっきからそこのドアの裏にいるやつは誰にゃ?」
「ドアの裏?」
一斉に近くにあったドアに視線が集まった
観念したかのように、ゆっくりとそのドアから長い金髪の女性が出てきた。
その女性は立派なドレスに身を包み、外見だけではなく振る舞いからも上品さを感じる。
「おそらく私はあなた方を待っていたのですね・・・。」
「若いにゃ・・。どこかの王女様かにゃ?」
「きれい・・・」
「もしかしてレイヴン王国の王女様ですか?」
「いかにも、私こそレイヴン王国王女、フィオナ=レイヴンと申します。」
「ほーう。もしかして、あんたが俺を100年ここに閉じ込めた犯人ってことか?」
「何かの拍子にこの時空の狭間に迷い込んだと思われますが、そうなりますね・・・。お詫びしたします。」
「そうか・・・。お前のせいでユリアは・・・。」
近くの3人は息を合わせるように返答する。
「それは違うと思うにゃ・・・。」
「違うと思います・・・。」
「違うだろ・・・。」
「お前はモニカとイチャイチャしとけ、ガキ!」
「俺だけ扱いが酷いな。」
恥ずかしがりながらモニカがくっついてくる。
「だそうです・・・。」
「あぁ・・・。」
男はその様子を舌打ちしながら見届けた。
「チッ!!・・・・で、理由があるんだろ?王女様?」
「はい。あなた達は我が国がどうなったか知っているはずです。」
「そうにゃね。」
「ですので、私と過去に戻って救ってほしいのです。」
「でも大戦で滅んだ歴史を変えて良いのか?」
「えぇ。本来であればその時代に居ないはずの人物によって滅ぼされました。」
「にゃに!?」
「奪取者か・・・・。」
「あなた達が想像している相手かどうかは分かりませんが、相手は未来から来たと・・・。」
「時空系の能力者か・・。」
「いいえ。我々は秘技と呼んでいる特別な力ですが、不思議なことに相手は時空系の秘技を持っていませんでした。」
「何!?」
「どういうことにゃ!?」
「未来からそいつを送り込んだ第三者がいるってことだろうぜ。」
「そうなりますね。それで辺鄙(へんぴ)な場所に建てられたレイヴン王国にどのような目的で?」
「俺達は特典アイテムを探してここに来たんだが・・・。」
「特典アイテム?秘宝の事ですか?」
「多分それにゃ。」
「分かりました。我が王国はかなりの数を保有しているはずなので、本件の成功報酬として渡す形でお譲りします。」
「あぁ、わかった。」
男は腕を組みながら不機嫌な顔をしていた。
「でもな王女様、こちとら100年閉じ込められた挙げ句、謝罪と秘宝だけじゃぁ割に合わねえよ。」
「そうですね・・・あなたは記憶をそのままに元の時代に戻すというのはどうでしょうか?」
「あ?それでも割に合わねえよ」
「そうでしょうか?本来成しえない、子孫との邂逅(かいこう)、その行く末を垣間見えただけでも十分だとは思いますが・・・。」
「たしかに・・・。納得はいかねえがな・・・。」
「ふふっ、話を進めさせていただきますね。」
「チッ!こいつもガキと一緒の匂いがするな。」
「ここで立ち話もなんですし移動しましょうか。」
そう言うと王女は木の杖を取り出しそれをかざした。
そして当たりがまばゆい光に包まれた。
「っ!」
「ここは王城?」
「はい、そうです。」
ゆっくり目を開けると何処かの王城の応接間にいた。
おそらく過去のレイヴン王国であることは容易に想像できる。
そして王女を取り囲む様に騎士達が集まりだした。
「姫様、その方達は・・・。」
「私のご友人です。それ相応の対応をお願いします。」
「はっ!」
「では晩餐とでも致しましょう。」
次々と侍女と思わしき人々が食事を持って入室してくる。
「ほう・・・さすがは、王族だな。」
「すごいにゃ。」
「これほどの料理見たことありませんよ!」
「あぁ・・。」
どれも一級品と呼ばれるにふさわしい食材を用いた料理が次々と運ばれてくる。
異世界人の少年ですら見たことのない、明らかに最上級という言葉に近い料理が机に並んでいく。
パン一つとっても、パンと呼ぶには形容し難い、前世のパンを超える物であった。
表面には雑味と呼べる物が一切なく、生焼けとは違うみずみずしい光沢が施されている。
それでいてパンの底と呼べる部分はしっかりとクッキー生地になっていた。
それらの芸術品が机にあらかた並び終えると王女は笑顔を振りまいた。
「さぁ、いただきましょうか。」
「あぁ!」
男は待っていましたと言わんばかりにパンを頬張った。
パリッという音と共に香ばしい匂いがこちらにまで漂ってくる。
そして反射的と言える程に男は即座に叫んだ。
「うめぇ!今まで食べた中で1番!」
「ちょっとグラスさん、端(はした)ないです・・・グランツベルグ家としてもうちょっと・・・。」
「あ?元貴族だろ・・・。」
「はい・・・・。」
しかし、貴族である男が端なさを見せるほど、非常にレベルが高い料理であった。
「これは・・・仕方ないにゃ・・・。」
「なんと表現したら良いんでしょう・・・至高の逸品・・・。」
「お、おいしいね!コウ君」
「あぁ。」
これを作った料理人を屋敷で雇いたいと思える程に少年は感動していた。
「ふふっ、皆様を満足させられて光栄です。」
「王女様は明らかに貴族の俺じゃぁ届かねえところにいるんだな。」
「一流を吟味するだけの目利きはあると、自負しております・・・・。」
その言葉を聞き少年は王女の明らかに常人から逸脱している才覚というのものに気づき始めていた。
それはアカネとはまた別の、王国を収めるだけの次期主導者としての才能と呼べるものであった。
少年はその天才達との才覚の差というものを比べてしまっていた。
「俺は少なくとも一流じゃないんだが・・・。」
その言葉を聞いて王女が少年の席に、近づき手を握る。
「何をおっしゃいますか。あの空間で貴方様を見ただけでも分かりますよ。」
その様子を見ていたリンやモニカが慌てて席を立つ。
「ちょっと!王女様!?」
「待ってください!」
それらを冷めた目で見ていた男は呆れる。
「ガキ、それは王女様を否定してることにもなるんだぜ。」
王女は笑顔で男の方を見る。
「申し上げなくても、分かって頂けて光栄です。」
「ここに連れてこられた時点で一流の働きをしろってことだろ・・・」
「そもそも、さっきの言葉を出された時点でこっちは詰んでるにゃ。」
「で?一流の王女様の手に負えないから、俺らにその野郎を討伐してほしいってことだろ?」
「えぇ。私はあくまで個としての才覚は持ち得ておりませんので。」
「けっ!どうせすべて把握済みなんだろ。教えな、王女様」
「はい。」
王女が視線を送ると、騎士たちが羊皮紙を壁に釘で貼り付けた。
「周りの奴らは言葉遣いにすら気を止めねえのかよ。」
「えぇ。当然こちらがお願いする身ですし・・・それに、その程度の騎士はそばに置いておりませんので。」
「馬鹿を証明しただけにゃね。お前は黙ってた方がいいにゃ。」
「姉御まで・・・。」
「私の力では此処までしか知りえませんでした。」
貼られた羊皮紙に目を通していく。
・パズル
・空間転移
・S級魔法
・物質生成
・透過
・水流操作
・雷撃耐性
・・・
「十分すごいと思うが・・・。」
「そう言って頂けて光栄です!」
王女は再び少年の手を握る。
その様子を少女達は嫉妬するように見つめていた。
「王女様・・・随分と独占欲が強そうにゃね・・。」
「ふふっ、よく言われますね。」
「ちょっと近いです!」
「そうですよ!」
「ごめんなさい。」
「モテモテだな坊主。」
「まぁな」
「ちっ!」
「こほん、能力数60・・・おそらく秘技を奪い、獲得したのでしょう。」
「奪うってことは、王女様はお留守番か。」
「はい、その予定です。」
「パズルというのは何なんだ?」
「それが相手の主力となる秘技を奪う、秘技のことでしょう。語源は異界の遊びの事らしいですが」
「パズルをするように相手から能力を剥がして奪えるってことか・・・」
「どうやら知っておいでのようですね。見た限りでは対象の何かを剥がしてそれを自身に貼り付けているようでした。」
「あぁ。想像したとおりで問題なさそうだな。」
「ガキ、俺にも教えろ。」
「あぁ。おそらく相手の能力はこちらを見ただけで奪えるタイプだな。」
男は椅子に仰け反り、両手を頭に回して呑気に笑う。
「ははっ!そりゃ良いねぇ!俺にぴったりじゃねえか。」
「それにゃら、グラスだけで行けそうだにゃ。」
少年は男の余裕な態度と獣人の信頼度合いの原因がわからなかった。
おそらく彼が持っているであろう能力のおかげと云ったところだろうか。
「で、あんたの能力は何なんだ?」
男は椅子に踏ん反り返る様に座り直す。
「あ?言うかよ、そんな事。」
「こいつはにゃぁ・・・!?」
次の瞬間、男の表情が一転すると獣人の少女の口を塞いだ。
その表情はまるで殺し屋のように冷徹であった。
「俺達の組織を作った姉御なら、簡単に明かせない理由ぐらいわかるだろ?」
「にゃぁ。あの時代はそうだったにゃね。」
「まぁ明かせない理由があるんならいいさ。」
「てめえも明かせないぐらいの力があるんだろ。」
「まぁな・・・。」
その沈黙を遮るように王女は手を叩く。
「あ!忘れてました!それと自身から剥がした何かで人を操作する事も出来るみたいですが。」
「要するに雑魚を操作出来るってことか、ならガキで十分だな。」
「あぁ。」
「それと力添えになるかは分かりませんが現地まではこちらの騎士マイルをお使いください。」
マイルは王女の目利き通り、動きに一切のブレがなく堂々とした様子で挨拶をする。
「姫様から紹介されました。王国上級騎士のマイルと申します。」
「よろしくお願いします、マイルさん。」
「よろしくな」
「はいよろしくお願いします。」
「明日出立する予定ですが大丈夫ですか?」
「あぁ。問題ないぜ。」
「こっちもな。」
「にゃ。」
「であれば今夜はお休みください。」
「ドアの裏?」
一斉に近くにあったドアに視線が集まった
観念したかのように、ゆっくりとそのドアから長い金髪の女性が出てきた。
その女性は立派なドレスに身を包み、外見だけではなく振る舞いからも上品さを感じる。
「おそらく私はあなた方を待っていたのですね・・・。」
「若いにゃ・・。どこかの王女様かにゃ?」
「きれい・・・」
「もしかしてレイヴン王国の王女様ですか?」
「いかにも、私こそレイヴン王国王女、フィオナ=レイヴンと申します。」
「ほーう。もしかして、あんたが俺を100年ここに閉じ込めた犯人ってことか?」
「何かの拍子にこの時空の狭間に迷い込んだと思われますが、そうなりますね・・・。お詫びしたします。」
「そうか・・・。お前のせいでユリアは・・・。」
近くの3人は息を合わせるように返答する。
「それは違うと思うにゃ・・・。」
「違うと思います・・・。」
「違うだろ・・・。」
「お前はモニカとイチャイチャしとけ、ガキ!」
「俺だけ扱いが酷いな。」
恥ずかしがりながらモニカがくっついてくる。
「だそうです・・・。」
「あぁ・・・。」
男はその様子を舌打ちしながら見届けた。
「チッ!!・・・・で、理由があるんだろ?王女様?」
「はい。あなた達は我が国がどうなったか知っているはずです。」
「そうにゃね。」
「ですので、私と過去に戻って救ってほしいのです。」
「でも大戦で滅んだ歴史を変えて良いのか?」
「えぇ。本来であればその時代に居ないはずの人物によって滅ぼされました。」
「にゃに!?」
「奪取者か・・・・。」
「あなた達が想像している相手かどうかは分かりませんが、相手は未来から来たと・・・。」
「時空系の能力者か・・。」
「いいえ。我々は秘技と呼んでいる特別な力ですが、不思議なことに相手は時空系の秘技を持っていませんでした。」
「何!?」
「どういうことにゃ!?」
「未来からそいつを送り込んだ第三者がいるってことだろうぜ。」
「そうなりますね。それで辺鄙(へんぴ)な場所に建てられたレイヴン王国にどのような目的で?」
「俺達は特典アイテムを探してここに来たんだが・・・。」
「特典アイテム?秘宝の事ですか?」
「多分それにゃ。」
「分かりました。我が王国はかなりの数を保有しているはずなので、本件の成功報酬として渡す形でお譲りします。」
「あぁ、わかった。」
男は腕を組みながら不機嫌な顔をしていた。
「でもな王女様、こちとら100年閉じ込められた挙げ句、謝罪と秘宝だけじゃぁ割に合わねえよ。」
「そうですね・・・あなたは記憶をそのままに元の時代に戻すというのはどうでしょうか?」
「あ?それでも割に合わねえよ」
「そうでしょうか?本来成しえない、子孫との邂逅(かいこう)、その行く末を垣間見えただけでも十分だとは思いますが・・・。」
「たしかに・・・。納得はいかねえがな・・・。」
「ふふっ、話を進めさせていただきますね。」
「チッ!こいつもガキと一緒の匂いがするな。」
「ここで立ち話もなんですし移動しましょうか。」
そう言うと王女は木の杖を取り出しそれをかざした。
そして当たりがまばゆい光に包まれた。
「っ!」
「ここは王城?」
「はい、そうです。」
ゆっくり目を開けると何処かの王城の応接間にいた。
おそらく過去のレイヴン王国であることは容易に想像できる。
そして王女を取り囲む様に騎士達が集まりだした。
「姫様、その方達は・・・。」
「私のご友人です。それ相応の対応をお願いします。」
「はっ!」
「では晩餐とでも致しましょう。」
次々と侍女と思わしき人々が食事を持って入室してくる。
「ほう・・・さすがは、王族だな。」
「すごいにゃ。」
「これほどの料理見たことありませんよ!」
「あぁ・・。」
どれも一級品と呼ばれるにふさわしい食材を用いた料理が次々と運ばれてくる。
異世界人の少年ですら見たことのない、明らかに最上級という言葉に近い料理が机に並んでいく。
パン一つとっても、パンと呼ぶには形容し難い、前世のパンを超える物であった。
表面には雑味と呼べる物が一切なく、生焼けとは違うみずみずしい光沢が施されている。
それでいてパンの底と呼べる部分はしっかりとクッキー生地になっていた。
それらの芸術品が机にあらかた並び終えると王女は笑顔を振りまいた。
「さぁ、いただきましょうか。」
「あぁ!」
男は待っていましたと言わんばかりにパンを頬張った。
パリッという音と共に香ばしい匂いがこちらにまで漂ってくる。
そして反射的と言える程に男は即座に叫んだ。
「うめぇ!今まで食べた中で1番!」
「ちょっとグラスさん、端(はした)ないです・・・グランツベルグ家としてもうちょっと・・・。」
「あ?元貴族だろ・・・。」
「はい・・・・。」
しかし、貴族である男が端なさを見せるほど、非常にレベルが高い料理であった。
「これは・・・仕方ないにゃ・・・。」
「なんと表現したら良いんでしょう・・・至高の逸品・・・。」
「お、おいしいね!コウ君」
「あぁ。」
これを作った料理人を屋敷で雇いたいと思える程に少年は感動していた。
「ふふっ、皆様を満足させられて光栄です。」
「王女様は明らかに貴族の俺じゃぁ届かねえところにいるんだな。」
「一流を吟味するだけの目利きはあると、自負しております・・・・。」
その言葉を聞き少年は王女の明らかに常人から逸脱している才覚というのものに気づき始めていた。
それはアカネとはまた別の、王国を収めるだけの次期主導者としての才能と呼べるものであった。
少年はその天才達との才覚の差というものを比べてしまっていた。
「俺は少なくとも一流じゃないんだが・・・。」
その言葉を聞いて王女が少年の席に、近づき手を握る。
「何をおっしゃいますか。あの空間で貴方様を見ただけでも分かりますよ。」
その様子を見ていたリンやモニカが慌てて席を立つ。
「ちょっと!王女様!?」
「待ってください!」
それらを冷めた目で見ていた男は呆れる。
「ガキ、それは王女様を否定してることにもなるんだぜ。」
王女は笑顔で男の方を見る。
「申し上げなくても、分かって頂けて光栄です。」
「ここに連れてこられた時点で一流の働きをしろってことだろ・・・」
「そもそも、さっきの言葉を出された時点でこっちは詰んでるにゃ。」
「で?一流の王女様の手に負えないから、俺らにその野郎を討伐してほしいってことだろ?」
「えぇ。私はあくまで個としての才覚は持ち得ておりませんので。」
「けっ!どうせすべて把握済みなんだろ。教えな、王女様」
「はい。」
王女が視線を送ると、騎士たちが羊皮紙を壁に釘で貼り付けた。
「周りの奴らは言葉遣いにすら気を止めねえのかよ。」
「えぇ。当然こちらがお願いする身ですし・・・それに、その程度の騎士はそばに置いておりませんので。」
「馬鹿を証明しただけにゃね。お前は黙ってた方がいいにゃ。」
「姉御まで・・・。」
「私の力では此処までしか知りえませんでした。」
貼られた羊皮紙に目を通していく。
・パズル
・空間転移
・S級魔法
・物質生成
・透過
・水流操作
・雷撃耐性
・・・
「十分すごいと思うが・・・。」
「そう言って頂けて光栄です!」
王女は再び少年の手を握る。
その様子を少女達は嫉妬するように見つめていた。
「王女様・・・随分と独占欲が強そうにゃね・・。」
「ふふっ、よく言われますね。」
「ちょっと近いです!」
「そうですよ!」
「ごめんなさい。」
「モテモテだな坊主。」
「まぁな」
「ちっ!」
「こほん、能力数60・・・おそらく秘技を奪い、獲得したのでしょう。」
「奪うってことは、王女様はお留守番か。」
「はい、その予定です。」
「パズルというのは何なんだ?」
「それが相手の主力となる秘技を奪う、秘技のことでしょう。語源は異界の遊びの事らしいですが」
「パズルをするように相手から能力を剥がして奪えるってことか・・・」
「どうやら知っておいでのようですね。見た限りでは対象の何かを剥がしてそれを自身に貼り付けているようでした。」
「あぁ。想像したとおりで問題なさそうだな。」
「ガキ、俺にも教えろ。」
「あぁ。おそらく相手の能力はこちらを見ただけで奪えるタイプだな。」
男は椅子に仰け反り、両手を頭に回して呑気に笑う。
「ははっ!そりゃ良いねぇ!俺にぴったりじゃねえか。」
「それにゃら、グラスだけで行けそうだにゃ。」
少年は男の余裕な態度と獣人の信頼度合いの原因がわからなかった。
おそらく彼が持っているであろう能力のおかげと云ったところだろうか。
「で、あんたの能力は何なんだ?」
男は椅子に踏ん反り返る様に座り直す。
「あ?言うかよ、そんな事。」
「こいつはにゃぁ・・・!?」
次の瞬間、男の表情が一転すると獣人の少女の口を塞いだ。
その表情はまるで殺し屋のように冷徹であった。
「俺達の組織を作った姉御なら、簡単に明かせない理由ぐらいわかるだろ?」
「にゃぁ。あの時代はそうだったにゃね。」
「まぁ明かせない理由があるんならいいさ。」
「てめえも明かせないぐらいの力があるんだろ。」
「まぁな・・・。」
その沈黙を遮るように王女は手を叩く。
「あ!忘れてました!それと自身から剥がした何かで人を操作する事も出来るみたいですが。」
「要するに雑魚を操作出来るってことか、ならガキで十分だな。」
「あぁ。」
「それと力添えになるかは分かりませんが現地まではこちらの騎士マイルをお使いください。」
マイルは王女の目利き通り、動きに一切のブレがなく堂々とした様子で挨拶をする。
「姫様から紹介されました。王国上級騎士のマイルと申します。」
「よろしくお願いします、マイルさん。」
「よろしくな」
「はいよろしくお願いします。」
「明日出立する予定ですが大丈夫ですか?」
「あぁ。問題ないぜ。」
「こっちもな。」
「にゃ。」
「であれば今夜はお休みください。」
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