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居眠り
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ソファで眠っていると、ほっぺをむにむにと触られる。お兄さんが帰ってきたんだろう、でもまだ眠たい。
「う……ん……」
僕は軽く首を傾げるようにして、お兄さんの指から逃げる。すると、お兄さんの指は今度は僕のお腹を触ってきた。寝ている間に服がずれたらしい。
「うぅ…っ」
まだ粘る。僕はもう少しだけ寝たいんだ…!お兄さんと僕で静かに戦いが始まっていた。
僕が起きたら負け、お兄さんが諦めたら勝ちだ。
お兄さんの指はつつつ…と移動して、僕の太ももを撫でる。
「…っ…!」
お兄さんの指が一旦撫でるのをやめた。そのタイミングで僕は寝返りを打ち、うつ伏せになる。これならお兄さんお腹は触らないだろう。
僕の上の方から、ふふっと笑い声が聞こえてくる。
「夜空くん。ほら撫で撫で…起きてないから好きなだけ撫でようかな。」
大きな手が、僕の頭を撫でた。嬉しくて安心して、また眠れそうだ。やった、この勝負は僕の勝ちだ。……と思った瞬間。
「ひゃぁっ!?」
僕の陰嚢が、ズボン越しにお兄さんの指で突かれた。びっくりして飛び起きる。
「あ、起きた。おはよう。…夜空くんのこれはふにふにしてていいね。握っていい?」
「い、嫌です…!」
僕が立ち上がってお兄さんにそう言うと、お兄さんは笑った。そうだ、お兄さんはいつ帰ってきたんだろう。外はもう夕方だ。
「あ…!ば、晩御飯っ!」
「夜空くん!」
キッチンに向かおうとすると、お兄さんに呼び止められて手にじゃらりとした何かを乗せられた。
手を開けてみてみると、僕の手の中には綺麗な十字のネックレスがあった。
「プレゼント。安いやつだけどね。」
手の中のネックレスを首にかけ、僕は喜んだ。
十字でキラキラした物なんて、いかにも子供が好きそうだ。僕も例外ではない。
「わああ…!かっこいい!ありがとうございます!僕これ一生大事にするー!!」
ネックレスを見たり、付けたままくるくる回ってみたり。とにかく嬉しかった。
「喜んでもらえてよかった。」
僕はぴょんぴょんと喜びながらキッチンに向かい、お兄さんの冷蔵庫の中を覗く。
お兄さんの為に、とびきり美味しい料理を作るつもりだ。僕の本来の役目を活かすんだ、お兄さんのお手伝い。
「お兄さん!今日は照り焼きを作りますよー!」
「おー照り焼きか。いいね。」
お兄さんの承諾を聞き、頭の中に入っているレシピの情報を引き出し、僕は冷蔵庫の鶏肉を手に取った。
「う……ん……」
僕は軽く首を傾げるようにして、お兄さんの指から逃げる。すると、お兄さんの指は今度は僕のお腹を触ってきた。寝ている間に服がずれたらしい。
「うぅ…っ」
まだ粘る。僕はもう少しだけ寝たいんだ…!お兄さんと僕で静かに戦いが始まっていた。
僕が起きたら負け、お兄さんが諦めたら勝ちだ。
お兄さんの指はつつつ…と移動して、僕の太ももを撫でる。
「…っ…!」
お兄さんの指が一旦撫でるのをやめた。そのタイミングで僕は寝返りを打ち、うつ伏せになる。これならお兄さんお腹は触らないだろう。
僕の上の方から、ふふっと笑い声が聞こえてくる。
「夜空くん。ほら撫で撫で…起きてないから好きなだけ撫でようかな。」
大きな手が、僕の頭を撫でた。嬉しくて安心して、また眠れそうだ。やった、この勝負は僕の勝ちだ。……と思った瞬間。
「ひゃぁっ!?」
僕の陰嚢が、ズボン越しにお兄さんの指で突かれた。びっくりして飛び起きる。
「あ、起きた。おはよう。…夜空くんのこれはふにふにしてていいね。握っていい?」
「い、嫌です…!」
僕が立ち上がってお兄さんにそう言うと、お兄さんは笑った。そうだ、お兄さんはいつ帰ってきたんだろう。外はもう夕方だ。
「あ…!ば、晩御飯っ!」
「夜空くん!」
キッチンに向かおうとすると、お兄さんに呼び止められて手にじゃらりとした何かを乗せられた。
手を開けてみてみると、僕の手の中には綺麗な十字のネックレスがあった。
「プレゼント。安いやつだけどね。」
手の中のネックレスを首にかけ、僕は喜んだ。
十字でキラキラした物なんて、いかにも子供が好きそうだ。僕も例外ではない。
「わああ…!かっこいい!ありがとうございます!僕これ一生大事にするー!!」
ネックレスを見たり、付けたままくるくる回ってみたり。とにかく嬉しかった。
「喜んでもらえてよかった。」
僕はぴょんぴょんと喜びながらキッチンに向かい、お兄さんの冷蔵庫の中を覗く。
お兄さんの為に、とびきり美味しい料理を作るつもりだ。僕の本来の役目を活かすんだ、お兄さんのお手伝い。
「お兄さん!今日は照り焼きを作りますよー!」
「おー照り焼きか。いいね。」
お兄さんの承諾を聞き、頭の中に入っているレシピの情報を引き出し、僕は冷蔵庫の鶏肉を手に取った。
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