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包装

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今日もいつものようにパソコンを立ち上げた…が、パソコンには大量のメールが入っていた。

「あ゛ーーー!!!やッべぇえええ!!」

「お兄ちゃん、どしたの、?」

ポチが目を擦りながら起きてくる。
今日は打ち合わせがあるから出ないといけなかったのだ。

「ごめんポチ!ご飯、おにぎり置いておくから適当に食べといて…!!」

「あっ…あ、お兄ちゃん…ぁ…」

ポチは寂しげに俺を読んだが、時間がやばいので構っていられなかった。

✱✱✱✱✱✱

「ただいまー!ポチごめん!!お昼、ちゃんと食べられた!?」

「ぐすっ…うぅ~…おにいぢゃん……!!」

夜、慌てて帰ってくると、ポチは大泣きしながら抱きついてきた。
机には、一生懸命包装を剥がそうとしたけど失敗したようなおにぎりが置いてある。
そういえばポチに開け方教えていなかったような…

「うぇぇぇぇおにいぢゃんんんん!!!!」

「ポチぃぃ!マジでごめん!!お腹空いたよな…!すぐ作るから…!」

「違うぅ!!」

違う?
泣きじゃくるポチを抱きしめて落ち着かせる。

「ぐすっ…おにぎり、お部屋、汚しちゃった…」

机の上をよく見ると、確かに海苔の破片がバラバラと落ちていた。
それで怒られると思っていたのか。

「ポチ、大丈夫。俺、開け方教えるからさ、一緒に練習しよう?な?机はいくらでも掃除できるから。」

「んっ…うん…っ… 」

ようやくポチが泣き止む。
とりあえず晩飯を作り、2人で食べる。ポチがボロボロにしたおにぎりは、半分にして2人で分けた。

「ポチ、お腹いっぱいになった?ごめんね、放ったらかしちゃって…」

「大丈夫、!ぼく、ご飯抜きされたこといっぱいある。慣れてる。」

「…もうこんな事ないように、ちゃんと教えたり作り置きしとくからな…」

そもそも俺が出社の日を覚えていればいいだけなのだが。反省して俯くと、ポチはそっと俺の腕をきゅっと握った。

「お兄ちゃん悪くない、ご飯、用意してくれてた、ぼく頭悪いから…ぼくのせい。」

「違うよ、教えてなかった俺の責任だから…それと…食べ終わったか、おかわりは?」

「んーん。いらない。お兄ちゃん疲れてる、寝たほうがいい…」

こんな小さい子でも分かるほど疲れた顔してたのか。ありがとう、とポチの頭を撫でた。
明日は出社は無いから、家でいつものようにポチと過ごせるだろう。
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