奴隷を使った実験録。

まぐろ

文字の大きさ
2 / 50

僕の名前

しおりを挟む
ご主人様に連れられ、着いたのは大きなお屋敷だった。外の世界にはこんなに大きな建物があるんだ、と僕が感心しているとご主人様は僕を屋敷に入れた。
おずおずと入った途端、いい匂いが僕の鼻腔をくすぐった。

「お腹、空いてるでしょう?君とはゆっくり話したいから、一緒にご飯食べながらお話しようね。」

ご主人様はにっこりと笑いながらそう言った。僕は少し緊張を解いて返事をした。ご主人様の後をついていき、椅子に座らせてもらった。椅子なんて座ったことがないから不思議な感じだった。

「…?ほら、ご飯食べていいんだよ?これ全部君のご飯。」

「い、いいんですかこんなに…?」

テーブルの上いっぱいに美味しそうな料理が乗ったお皿が置かれている。僕は笑顔で頷いたご主人様にお礼を言って、パンを一口かじった。
いつも食べていた硬くて味のしない食べ物じゃない、ふわふわで甘い味がした。美味しくて思わずガツガツ食べてしまう。

「んふー…あっ…ご、ごめんなさい…」

「そんなことで謝らないで。…それじゃあ…まず名前教えてもらおうかな?8842番…これは名前じゃないでしょう?」

「な…名前…ゆうき…です。」

「ふーん、祐希くんかぁ…可愛い名前だね。」

本当は、僕の名前かわからない。これは僕が小さい頃の最後の記憶だ。祐希、と名前を呼んでくれた大人を覚えている。だから僕の名前は多分…祐希だ。

「それじゃあ祐希くん、これからいくつか質問するから…正直に答えてね?」

「は、はい…っ」

それからいろいろな質問をされた。
奴隷になる前の記憶はあるか、親の顔は分かるか、今は何歳か、精通はしているか。身長や体重も測った。僕は11歳の平均と比べて身長、体重とともにだいぶ少なくなってしまった。

「うん。やっぱり思ったとおりだ。祐希くん、君の服と部屋を用意してあるから、そこの廊下…手前から3番目の部屋ね。」

「僕の部屋…!あ、ありがとうございますご主人様…!」

この人は怖い人じゃない。それどころかすごく優しいしいい人だ。きっと僕が頑張って働いたら喜んでくれるに違いない。
僕は少しだけわくわくしながら自分の部屋と言われた場所に入った。

「こ…これ…僕の部屋…すごい…」

ふかふかのベッドに、ふかふかのカーペット…勉強机も置いてある。豪華な子供部屋だ。
ベッドの上に置いてあった服に着替え、ご主人様の所に向かう。こんなに良い人に買ってもらえたなんて嬉しい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

処理中です...