奴隷を飼いました。

まぐろ

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ご主人様サイド
※ゆるいですが自傷表現あります。苦手な方すいません

「ただいまー。ごめんね遅くなって…みんな寝ちゃったかな…」

寝ているなら起こさないようにと、そっと玄関に入る。
すると、ドタドタという足音と共に目に涙をいっぱいに浮かべたねこが走ってきた。

「に゛ゃあ゛あ゛あ゛ーーっ!!い、い゛んまぢゃん゛がっ…淫魔ぢゃんがぁっ…!!」

「な、なに!?春紫苑くんがどうしたって!?」

珍しく取り乱すねこをなだめ、事情を聞く。

「いっ、淫魔ちゃんがご主人様の部屋でっ、う、動かにゃいのっ…!」

なんだって。
急いで俺の部屋に向かうと確かに春紫苑が倒れている。確かに寝ているのではなく、ピクリとも動かない。
春紫苑は俺が生きている限り不死身なんじゃないのか。

「春紫苑くん、春紫苑くん、」

反応がない。だが若干痙攣した。
俺は春紫苑を仰向けにし、心肺蘇生を行った。

「はぁっ、はぁっ、春紫苑っ、なんっでっ、ねこ!!あれ!!あの箱持ってこい!!」

「に、に゛ぁ゛ぁ゛ー!!」

ねこにAEDを持って来させる。
奴隷の年齢が幼いと、国から支給されるのだ。
電気を流し、もう一度心肺蘇生を行う。
その時、春紫苑の持っているものに気づいた。
それは、俺のアルバムと、1枚の写真だった。

「っくそっ…!っんで俺置きっぱなしにっ…!」

それらを机の中に投げ込む。
そして、俺は近くにあったカミソリで腕を切り、春紫苑の口に血を流し込んだ。
思いのほか傷が深く、貧血でクラクラしてくる。が、ゴクッと春紫苑の喉が動いた。

「ん…………んぐっ……?…ご主人様…?っ…!ご主人様ひどい怪我っ…!ど…どど…どうしよっ…」

「あーこれ?あ、やば、止血止血…」

タオルで傷口を抑え、紐で縛る。まぁこんなもんでいいだろう。
顔を上げると、春紫苑が大泣きしていた。

「う…ぅ゛…ごめんなさいご主人様ぁ゛…僕のせいでっご主人様がっ…」

別に気にすることはないし、置きっぱなしにしていた俺が悪いのに。

「春紫苑くん泣かないで。それより、これどこまで見た?」

「ぐすっ…ぅ、殆どのぺーじっ…でずっ…」

殆ど…じゃあ塗り潰したページも見たのだろうか。

「に゛ぁ゛ぁぁ……!!淫魔ぢゃんっ…良かったにゃぁぁ…」

「っわぁっ」

ねこは大泣きしながら春紫苑に抱きつく。
なんだかんだ言って、この2人仲が良いんだなぁ… 


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