ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta

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第1章:広がりの章 〜運命の出会い〜

8 4人で初めて、二人は驚く

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  朝の光がカーテンの隙間から差し込む中、香織はぼんやりと目を覚ました。
 隣で嘉位が先に起きている気配がする。
「勝ったぞ」小さな呟きが聞こえて、香織はくすっと笑いたくなった。

 アラームより先に起きるなんて、相変わらずだ。

 でも、寝返りを打った拍子に、自分の胸に嘉位の顔が埋まる形になってしまった。(あ……!)香織は慌てて体を固くした。嘉位の熱い吐息が伝わってくる。

「お、おはよう……」寝ぼけ声で挨拶すると、(無理に動かさないで!あ……!)嘉位が少し離れて、幸せそうな顔で言った。

「ふー……幸せだ」「なにが最高なのですか? 起きますよ」香織は頬を赤らめながらベッドから抜け出した。
 心の中では、ちょっと嬉しい。でも、絶対に認めない。



 ***



 車で由良の家に着くと、香織は表札を見て少し戸惑った。

「御手洗……みたらい?」朝トイレ行ったかな、なんて変な確認をしてしまって、自分でもおかしくなる。

 ――インターホンを押そうとした瞬間、玄関が開いて由良が出てきた。

「あけおめ! おっと、これは!?」由良の視線が自分に向いて、香織は少し緊張した。

 嘉位が紹介してくれる。
「由良の事だからすぐに分かったと思うが、蓬田香織さん。僕の婚約者だ」香織は深々と頭を下げた。由良の大きな体を見上げながら、

(本当に大きい……高校でもスター好意を寄せている人が多いし、中学の時も、私はお会いして良かったのかな。みたらいなのね、おてあらいの表札、クスクスと笑い、は!と気が付き、下を向いて・・・すみません。)と思った。



 ──八重の家で迎えると、香織はすぐに彼女の指の包帯に気づいた。



「あれ……?」八重は不適に笑って、
「ふふふ、やるわね、山本嘉位」「そのフルネーム呼び、変えようか?」二人のやり取りを見ながら、香織は少し照れくさくなった。

 でも、八重が「香織の旦那さん」と呼んでくれたのが、なんだか嬉しかった。



   ***



 ──お屋敷に到着し、食事中、由良が包帯を心配そうに見つめているのが目に入った。

「中曽根さん、その手どうしたの?」八重が明るく、でも少し寂しそうに答えた。

「実は、イブの日に部活で折っちゃって……終業式の日に、バスケやめてきたの」香織は箸を止めた。

「え……やめちゃったの? あんなに頑張ってたのに」八重は小さく笑った。「和井田は特待生ばかりで、私じゃ全然通用しなくて。
 新人戦にも入れなかったし、もういいかなって」そして、少し目を輝かせて続けた。

「それで、どこかの誰かさんのお話を聞いて、新しい目標ができたの。
 そっちを全力で進むことにした」香織は胸が熱くなった。
 八重の決断が、なんだか自分のことのように嬉しくて、切なくて。



   ◇




 ──嘉位の部屋に入ると、八重と由良がぴたりと会話を止めた。

 視線の先は、特大のベッド。

「愛の巣ってやつですな」八重の言葉に、香織は顔がカッと熱くなった。

「ち、違うよー!」全力で否定するけど、嘉位が悪戯っぽく、「違わないよー」なんて言ってきて、もう恥ずかしくてたまらない。由良が嘉位に何か視線を送っているのも、香織には気づいていた。

 男同士の、無言のやり取り。
(……まだ、なのか? みたいな?)

 香織はさらに赤くなって、下着を片付けたことを心の中で感謝した。
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