ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta

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第1章:広がりの章 〜運命の出会い〜

10 楓が起きて、楓と一緒にね

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  新年の訪れとともに、香織の心はまだ穏やかではなかった。
 お正月の集まりが終わり、香織は一人、部屋のベッドに座り込む。
 窓から差し込む朝日が部屋を照らす中、香織はゆっくりと息を吐き出した。

「いっちゃいましたね……」
 香織は小さく呟いた。
 今日の集まりは、久しぶりに会えた八重との再会や、由良君との出会いがあった。
 由良君の大きな体つきは、最初は怖いと思っていたが、実際に話をするととても面白い人だった。
 特に嘉位の親友という話、U-15の実力は、香織の胸に新鮮な驚きを与えた。

「由良君も、すごいですね。体が大きいから怖い方かと思いましたが、面白い人で、嘉位の親友ということが良くわかりました」
 自分が由良君と話をする中で、嘉位の親友という立場に由良君がいることがとても嬉しかった。
 それは嘉位の世界への招待状のようなものだと思えた。

「また、一緒に遊びたいですね」
 嘉位を見つめながら、そうつぶやいた。
 嘉位の表情は穏やかだった。
 香織が楽しんでいることがわかっているようだった。

「そうだね、楽しかったね。一緒にお風呂に入ろうか?」
 嘉位の誘いに、香織は少し戸惑った。
 嘉位の言葉には、明らかに誘いの意図が含まれていた。香織は、嘉位の誘いを断るために、あえて冷静な口調で答えた。

「はい、お風呂に一緒……、一緒には入りません。お風呂にそれぞれ入ります」
 香織の言葉は、嘉位の期待を裏切った。

 嘉位の表情は、わずかに曇った。

 香織の断り方が、嘉位の期待を無視したかのように見えた。

「しまったな……」
 自分の誘いが失敗に終わったことを悟った。
 由良、敗北だと小声で呟いた。

 香織がお風呂に入る時、嘉位は香織の表情を見つめた。求めても駄目なものは、駄目なのです。
 香織の顔が真っ赤になっていた。

「まったくもう」
 香織は、嘉位の視線を避けるように、脱衣所へ向かった。嘉位は、一度部屋に戻ってから、お風呂に入ることにした。



   ◇



 脱衣所に着いた香織は、楓と出会った。楓は眠そうな表情で、

「香織お姉さま、あけまして、おめでとうございます、あれ?もう、言ったよね、駄目だ、眠い」

「楓さん、お風呂に入っていたのですよね?」

「入っておりましたが、お風呂で寝てしまいまして……3時間ほど」

「中曽根さんや、由良君来ていたそうですね。声をかけてくだされば良かったですのに」

「おそらく、起きないのでは、ないかと?今も眠そうですし」嘉位がそう言っていたのだから、間違いないだろう。

「そ、そうですね、まだ寝れる。100時間位は、余裕」

「お姉さま、お風呂入れますわ。眠い……」何かを思いついたように、そうだ!


「そうですね、香織お姉さま、お風呂あがられたら、わたくしのお部屋にいらしては如何でしょうか?」

「良いのですか?お風呂あがりましたら、行きますね」香織は、楓の誘いに驚いた。楓が自分の部屋に誘ってくれるのは初めてだった。

「お待ちしています。眠い」
 香織は、服を脱ぎ、お風呂に入ることにした。
 香織は、今日の新たな発見がとても楽しかったことを思い出した。
 マネージャーという仕事について、香織はまだよく理解していなかったが、興味を持った。

「もしかして、マネージャーというのは、二人であんなことや、もしかして、こんなことも、マネージャーがするのかな?」
 湯船に顔を沈めながら、考え込んだ。
 しかし、香織は、自分がマネージャーになるなんて、考えてもいなかった。八重に感謝しなくちゃ。
 よーし頑張るぞ!

「硬式野球と、マネージャーの在り方を勉強しなければ!」・・・誰にも、聞こえてないよね?少し恥ずかしかった。

 香織は、お風呂から上がり、髪を乾かした。そして、寝間着を着て、楓の部屋へ向かった。



   ◇



 千佳に声をかけると、千佳は香織を楓の部屋へ案内してくれた。

「こちらが、楓様のお部屋でございます。おそらく、ノックをしても出てこないかと」
 香織は、恐る恐る部屋を開けた。
 寝ているのかな?、中には楓がいた。楓はヘッドフォンをつけながら、ストレッチをしていた。

 香織が入ってきたことに気がつかない様子だった。香織は、楓に気づかせる方法を考えながら、部屋に入った。

「香織お姉さま、いらっしゃるなら、声をかけて下されば良かったですのに」

「何度かはお声をかけたのにですが……」
 これか、これだ、ヘッドフォン。外して、テーブルに置いて

「それも、そうですわね」
 パソコンを指差した。そこには3台のパソコンがあった。

「香織お姉さまも、ゲームとかするのですか?」

「少しだけなら」

「お正月イベント、三日間通しでやりまして、レイドボスを倒しましたのよ」
 ゲームでレイドボスを倒したと自慢げに話、その話が、長い・・・長い。

「桜井さんも、佐伯さんも一緒に」
 途中で出て来た、二人の名前に驚いた。
 あの時の桜井さんと、佐伯さんである。少し、香織は不安になって、楓の話を・・・。これいつまで続くのだろう。

「ゲームの中では、三銃士と呼ばれるほどの強者なのです。超イケメンキャラなのですよ」

 ゲーム内での自分のキャラについて、ここが、かっこいいでしょう。どう、これなんか?

 ――香織は、パソコンを眺めると、ギルドチャットが速いスピードで流れて行った。そこには男の子の言葉遣いがあった。

「これはMMORPGなのですね」

「そうですわ、佐伯さんがログインしましたわ」
 楓は、佐伯さんと桜井さんがログインしたことを話した。
 一瞬、香織の顔が暗くなったが、、楓に誘われてログインする事に。ものすごい綺麗な音と画面。ヘットフォンは付けないのかな?

 香織は、セクシーな女性キャラクターを操作した。

「グループチャットを作りました。わたくしと、桜井さんと佐伯さんと、香織お姉さまの部屋です、入ってください」

「香織さん、おめでとうございます、佐伯でーす」香織に挨拶した。

「桜井でーす。香織さん、おめでとう!良かったです。わたくしたちも、辛かったのですよ。普段は悪い女の子じゃないのですからね」


 香織は、複雑な思いが一瞬で、トランプの裏から表に変わったのだと、胸を撫でおろし、涙ぐんだ。


「香織お姉さま、泣いていらっしゃいますわよ、どうしましょうか?」

「そういうときは、ひとつ行ってみますか!、マスター」

「少しお待ちを、今操作方法を、香織お姉様に」

 なるほど、こういう設定、ふむふむ、うん。

「香織お姉さま、実は結構ゲームやられていたとか?操作がなれていらっしゃいますし」
 スキルの発動方法、キー割り当ても、教えて貰えますか、香織は呑み込みが早かったのである。

「いきましょうか4名、それともギルメンも?」

 楓は、パーティーを組み、香織は、パーティーに参加。

「今から、78層のエリアボスを倒して、レアアイテムをゲットしにいく、ポーション多めに、予備装備も10分後にゲート前」
 香織は、パーティーとともにゲートへ向かった。



   ◇



 一方の嘉位。
 あらゆるデータを閲覧、世界情勢、経済、日本の政治は荒れている。改めて瞑想に入る。
 ――しばらく時間が経過し、よし!。
 納得したうえで、タブレットでデータを整理していた。

「香織遅いな。お風呂で溺れていないかな」
 部屋を出て、足早に移動、お風呂場へ向かったが、誰もいない。

 戻り際に、千佳さんをみつけて「千佳さん、香織どこにいるのか知っている?体調が悪いとか?」

「いえ、大丈夫でございます。楓お嬢様のお部屋に」

「それなら、安心した。具合が悪いとか心配していたから、楓と仲良く遊ぶ事も大切な事ですからね」
 ゆっくりと、部屋に戻り、硬式野球のデータを、タブレットにまとめることを続けた。

 昨年の夏、秋、ドラフト等を改めて確認し、新高校1年生、中学時代のデータもまとめ上げた。「よし、これで完成と」

 気が付くと、既に0時を回っていた。

「香織まだ戻ってこないのか、楓の部屋で寝ているとかかな?」
 嘉位は、香織を心配し、楓に電話を「楓、楓、香織はそっちにいる?」


 楓は、香織に渡した。

「嘉位ごめんなさい、あれ、今何時だろう?え……」
 香織は、時間を忘れていた。

「お兄様、あと10分で倒せますので、お待ちください」
 楓は、一方的に電話を切った。

 ギルチャで、「よっしゃー!もらった!」という声が上がった。

「おつかれ!」

「おつっす」

「さまーっす」

 私も寝ますね、香織は、楓におやすみを伝えて、嘉位の部屋へ走って戻って行く。



   ◇



 急いで扉を開け、「嘉位ごめんなさい、こんな時間まで、それも連絡しなくて」息がハーハーァーと荒れているのが良くわかる。

「千佳さんに聞いていたから、大丈夫だよ、部屋にあったから届けようか迷ったのだけど、楓の事だから邪魔!とかいわれそうで、ゲーム始まると人が変わるから、楓は」

「うん、うん、そう、そう、びっくりしました」

「この時間まで一緒に居たということは、香織も楽しめたでしょう」

「とても楽しかったです。桜井さんも佐伯さんもいました。」香織は、ゲームの楽しさを話しはじめ、それが、長い。楽しめたことは十二分に伝わった。

「……あれらもいっしょに……それは眠いだろうな。」嘉位は、香織の話に微笑んでいた。

「そろそろ寝ますか0時過ぎているしね。」

「香織、明日お出かけしようか?」

「はい、行きましょう。では早く寝なくては」・・・と言ったが、寝るのが遅くなったのは自分のせいであると、……あちゃー。

「嘉位おやすみなさい」チュ!
 ごそごそと、何かが、動いてくる、、嘉位の手が胸に触れたとに気づき

「もう。嘉位ったら、ねなさい」

 香織は、嘉位に注意した。

「ね、な、さ、い」
 お出かけするのでしょうに!

 ドキドキしながら、落ち着こう、もっと触って欲しいのだけれど、あれ、どうしたのかしら、私。
 ダメよ、ダメ、ドキドキが収まることはないまま、瞳を閉じるのであった。



 バーン、ダダーン、ガチャーン、バーーーーーん……
 よし、制圧!
 夢の中で、香織はゲームの世界で英雄になっていた。……夢である。
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