ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta

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第1章:広がりの章 〜運命の出会い〜

15 嘉位の行動力

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  雪が降り積もる夜、千佳は通常の作業に専念していた。普段と変わらぬ日常を過ごす彼女の姿に、何らかの策を巡らせる様子は窺えなかった。
 一方、嘉位は早々に風呂を終え、自室へと戻っていた。部屋の暖かさが体を包む中、瞑想に入り、時が過ぎ、静かにタブレットを手に取った。



   ◇



 香織は二時間ほどの時間を使い、風呂から上がると髪を乾かす作業に取り掛かった。ドライヤーの音が脱衣所に響き渡る中、彼女は鏡に映る自分のコラントッテに目を留めた。

「かわいいなー、これ大好き、お揃い……」
 その時である。
 ――けたたましい音と振動が部屋を揺るがした。


「緊急地震速報」


 エリアは第一報で関東全域を示していた。
 嘉位は即座にスマートフォンを手に取り、扉を開ける、突風が起こったかの如く駆け抜け、香織のいる風呂場へと向かった。

 震源は速報値:震源茨城県南部M6.8 予想最大深度6弱



   ◇



 一方の香織は、風呂から上がり、全裸の状態でタオルを手にしていた。彼女が鏡に映る自分のコラントッテに目を留め、微笑んでいた時、スマートフォンから緊急人速報が大音量で響く。

 数秒後、激しい揺れに襲われた。悲鳴をあげ、全裸のままその場でしゃがんで、頭を抱えていた。
 即座に嘉位が入って来て、「香織!香織!!香織!!! 」と叫んで入ってきた。
 揺れは激しく、香織がしゃがみこんでいるのを目の当たりにし、すぐにかけより、上から高価な籠が落ちていたが、左手で跳ねのけた。

「香織、大丈夫か?」震えていた。いつぶりであろうか、都内でこれだけ大きい揺れに襲われたのは。
 足ががくがく震えていたが、そっと抱きしめてくれたこともあり、落ち着きを取り戻し、スマートフォンに目をやった、東京震度5強と表示があった。

 揺れは収まり、「だ、大丈夫です。嘉位きてくれたありがとう」少し涙ぐむ。
 千佳が入って来て「香織お嬢様大丈夫ですか?」エプロンの紐すら結べていない。

「大丈夫、千佳さん、厨房やそのほかの確認と、それとあれを起動しておいて、香織とすぐにいく」

「かしこまりました」

「香織、そのままで良いからパジャマだけ羽織って、一緒に来てほしい」
 香織はいわれるがままに、パジャマを急いで羽織り、嘉位に手をとられてついていった……。



   ◇



 ――その場所には沢山のモニターがあり、全てが動作していた。
 映画でみるような中央指令室みたいな場所である。

 嘉位はすかさず、映し出し自分だけが映るように、モザイクをかけて
 連絡を取り始めた、SNSで海外の両親にもつたえた。
 多数あるモニターには既に、仕事をしている方型が映し出されていた。機械音が響く中、中央に座る嘉位。暗闇の中で光を放つモニター。数秒前までざわついていたスピーカー音が止まる。機械音だけが、聞こえる。

「既に各自が動いているとはずだが、会長、社長は海外であるため、わたしが指揮をとる」
「各自マニュアル通りに進めてください」
「尚、第一に従業員並びに、ご家族の安否の確認」
「第2に、近隣住民の避難が困難と判断した場合、各事業所へ」
「第3、民間業、サービス業等において、延泊、宿泊キャンセル等の対応もマニュアル通りにすすめてください」

 モニター越しにメモや、タブレット、スマートフォンを渡し、次々に指示が伝達されていく。慌しさはなく、適切な業務を遂行しているかのように見える。

「第4、5強を超えた都、県においてエレベータで閉じ込められている事が考えられる、こちらについて遠隔が無理な場合も含め対応を迅速に」


 モニター越しの大人たちは、さらに、メモを取ったり、通話を始めていた。じっくりと指示を飲み込むものが大多数である。

「第6、民間サービスにおいて、海外からのお客様の不安要素を取り除く、延泊や、食事についても訓練通り」
「第7、現在の地震が本震なのか余震であるのかは、判断が付かないため、気象庁会見と訓練通り72時間は待機または、備品を提供」

「第8、本部長を、セミコンダクターの社長且つ指揮権を社長とする、指示を同副社長に任せる」

「第9、全ての費用は山本ホールディングが負担するので、躊躇せず、従業員、ご家族、近隣住民の安心、安全を最優先とすること」

 モニター越しに、返答のやり取りをしている姿が、映り込む

「第10、予想困難な事において、セミコンの副社長からわたくしに衛星電話を用いる事」
「第11、衛星電話、臨時常備、緊急時の備品をマニュアルにそって配布すること」
「以上」

「はい、かしこまりました」声を揃えて

「各自、臨機応変に適切な対応ととりつつも、安全第一、最優先を訓練通りに遂行してください」
 すぐさまに、各自が行動を起こした。

 地震が起きてから3分もたっていない、迅速な対応。



   ◇



 ――香織は、嘉位と手をつないでいた。衛星会議には映ることはなかった。
 嘉位の適格な判断と指示に、お母さまがこの人であれば全てを任せられるとおっしゃっていたことが
 あらためて、頭をよぎった。
 同時に何故か、涙が出てきてしまった。

 安堵したのもそうであったが、指揮、統率力、判断力、決断力が
 高校生であるべきものではなく、これが世界に君臨する御曹司といわれる本当の姿であること

 ……私を選んでくれたこと、いろいろな事が一瞬、ほんの一瞬であるが頭の中
 いや体全身をかけめぐり、あらためて、嘉位であれば全てを受けいれる。そして揺れがあった不安は
 全て消し去ってくれた嘉位を見つめ、涙が止まらなかった。


 どのように表せばよいかわからないが、この安心かと、絶大な信頼感。
 わたしは、全てを嘉位に尽くすと改めて、心に誓った。この誓は間違いではなかった

 香織は唐突に、「愛しています」と声にだしていた。

「僕も、ですよ、香織、愛しています」


 本震であるのか、前震であるのかは、気象庁の発表を待つ事にした。

 テレビのニュースでは最大震度7 茨城県南部と変わっていた。

 詳細な情報が入ると、各地の震度は第一報より2段階上に変わっていた。
 父と母から衛星通信が入り、むこうは朝を迎えたばかりである。

 嘉位が迅速な指揮を取ってくれたくれた事に感謝と、同時にやはりこの子であれば、間違いないと父も母も思い
 ここからの指揮については、海外の両親が引き継ぐことになった。



   ◇



 この場を後にし、厨房等を見渡し、問題がないことを確認。

「まだこれが本震であるか、前震であるかはわかりません。火の取り扱いはやめて、訓練通りでお願い致します」
「わたくしと香織は部屋に戻ります。皆様もお部屋へ適宜マニュアル通りでお願い致します」

「余震は続く事でしょう。72時間警戒しつつ、皆様におかれましても、ご家族、親族の安否を最優先で御願いします」
 執事さん、メイドさん、運転手さんは深々と頭をさげた。驚いている様子もない。絶大な信頼を嘉位に寄せていると感じた。



   ◇




 香織一緒に、部屋にもどった。ずっと、嘉位をみつめていた

「怖かったよね、ごめんなさい、きちんと言葉をかけられなくて」

「いえ、そうではありません、嘉位の行動全てが卓越していて……」
 香織は肩によりかかり、嘉位はそっと、抱きしめた。
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