転生した先は乙女ゲーム?私は登場しないモブだったので従兄弟をヒロインとくっつける為に奔走します!!

Hkei

文字の大きさ
16 / 44

16 仮説

しおりを挟む
ふっと目が覚める。
ぼやっとしていた視界がはっきりしてきてはじめに見えたのが見慣れた自室の天井だった。

──あれ?私寝てた?

片手を上げ目を擦るといきなり視界にアランが現れた。

──あーやっぱり綺麗な顔だなアラン…ってアラン?


「ちょ…っとアラン何?びっくりした」
「シルヴィ目が覚めた?どこか痛いところない?」
「え?」

シルヴィはアランが焦っている理由がわからず戸惑っていたが、ジワジワと思い出しふっと息を吐く。

「そっか…私あのまま気を失ったのね」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫お腹すいた」

ヘラヘラと笑って答えると途端アランの目にいっぱいの涙が溢れる。慌てて起き上がり

「アラン大丈夫?アランこそどこか痛いの?」

手をワタワタと動かしアランの顔を覗きこもうもしたら、アランに抱きしめられていた。

「よかった…シルヴィよかった…」
「うん…私は大丈夫よ」

軽いハグではなくしっかりと抱きしめられシルヴィは少し戸惑う。

──アランこんなに力強かった?っていつもより近い…近すぎるー!!

ばっと離れアランは涙をふき、みんなに知らせて来ると部屋の扉まで歩く。その後ろ姿を見てシルヴィは顔が赤くなるのを両手で抑えて隠す。

──熱い熱い!やばいわ私。

アランは扉を開け、護衛としてついていたロードに声をかけた。ロードは一礼して報告をしに廊下を歩いて行った。

アランはまたシルヴィの元まで帰ってきて側に座る。

「お腹すいたって?食べられるの?」

くすくすと笑うアランの顔をなぜだか直視出来ずにいたため下を向いたまま答える。

「食べる!」

すぐにベッドから降りようとすると足に力が入らなかった。
アランがすぐに気が付き

「今日はこのまま横になる方がいいよ。軽く食べれる物持ってきてもらうから」
「分かった」

ボスンとベッドに倒れ込むと同時にトリスタンとフィナが部屋に入ってきた。

「シルヴィ目が覚めた?」
「大丈夫?」
「お父様、お母様ごめんなさい心配かけて」
「いいよそんな事」

アランは二人が来たので食事を取りに部屋を出た。手が震えているのがわかると壁に手を付き大きく息を吐く。

──良かった…目が覚めた

ぐっと顔を上げ廊下を歩き出した。




◇◆◇

それから数日は変わりなく平和な日々が続いていた。首に残っていた指の跡も綺麗に消えていた。
あの事件以来アランがほぼずっと側にいるので宿題もはかどり、シルヴィはもう勉強する気はなかった。

明日にはローズとリオネルが来る日になっていて、シルヴィはすでにソワソワしていた。

「シルヴィ、浮かれるのもいいけど…」
「だってやっとローズが来るのよ!準備できてるよね?」
「ここの使用人たちは優秀だから任せとけば大丈夫だよ」

「でも本当に忘れないでよ。あんな事があったんだから!」
「はーい」



シルヴィはあの時の事を何度も考えひとつの仮説をたてていた。



『お前がごちゃごちゃ動くから…』
『話が変わってるだろ』
『俺の理想のローズが…』




──あれはこのゲームをプレイしている誰かだ…



いくらマイナーなゲームでもそこそこな人数プレイヤーはいるはずで、でもその全員がああなる事はないと思っている。


──全員なっていたらそこら辺黒い塊だらけだものね。私がプレイしていたあのソフトにだけに干渉していると思うんだけど…

黒い塊の噂もつい最近からで、出現時間場所も規則性はない。
ただ、間違いなくこの地…シルヴィを目指して現れているのである。

ローズに危険が及ばないように気をつけようと心に決めぐっと力を入れるも、明日会えると思うと表情は崩れていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた

夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。 そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。 婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません

嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。 人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。 転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。 せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。 少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

幼馴染に「つまらない」と捨てられた俺、実は学校一のクール美少女(正体は超人気覆面配信者)の「生活管理係」でした。

月下花音
恋愛
「つまらない」と幼馴染に振られた主人公・相沢湊。しかし彼には、学校一のクール美少女・天道玲奈の「生活管理係」という秘密の顔があった。生活能力ゼロの彼女を世話するうち、二人は抜け出せない共依存関係へ……。元カノが後悔してももう遅い、逆転ラブコメディ。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

処理中です...