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第3章 テコーダール国
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馬で走り続け、国境近くまで来ていた。
敗戦したフォークランドを超えたテコーダール国に入る為、迎えを待っている。
「リル!もうすぐだからね。大丈夫?」
具合の悪そうなリルを見て声をかけるルーク。
「うん、大丈夫。馬に慣れてなくて…」
「馬車が来るから安心して」
うんと言ってから少し目を閉じる。
しばらく寝ていたのか馬車の音で目が覚める。
「乗る前にリル、この馬車見えなくするってできる?」
「え?」
「出来れば誰にも見られずテコーダールに入りたいんだ」
「見えなくするだけなら」
馬車に手をかざしスっと手を引く。瞬間ドクンと心臓が痛む。
──これくらい大丈夫…
「ありがとうリル!さあ行こう」
それからテコーダールに入るまで3日かかった。その間リルはルークに色々きいたが、みんな揃ってから話すよと言われ何も教えてもらえなかった。
◇◆◇
テコーダールは港が盛んな国で、広さはそんなにないが豊かで活気溢れる国だった。馬車はその港町から少し離れた屋敷の前で止まった。扉を開けてルークがリルをおろす。そのまま手を繋いで屋敷の中に入る。ホールにある椅子にリルを座らせて
「ここで待ってて」
とルークは奥の部屋にに入って行った。
1人になるとリルは大きく息を吸って吐く。ついに会える!!ドキドキしてる胸を押さえルークが戻ってくるのを待つ。
「リル?」
懐かしい母の声に顔を上げ声がした方を見る。
「リル!!」
父親が走ってきて抱きしめる。
「お…父さん!お母さん!!」
3人はしばらくそのまま泣き続けた。
「よく顔を見せて…面影そのまま…綺麗になったわね」
「元々だよな。俺に似てるから」
「積もる話もあると思うけどリルが知りたい事いっぱいあるよね」
ルークが仕切り直してくれた。
「まずあの日からだよね」
うんと頷く。ルークが切られ両親が倒れ目の前真っ白になった…あの日。
「あの時、俺死にかけてたんだよ。もしかしたら死んでたかも?」
「え?」
「どっちか分からないけど、リルの魔法のおかげで今いるから。髪色は変わっちゃったけどな」
「私は神職者じゃないから命を甦らすのは…無理…」
「そうなの?どっちでもいいよ。俺は生きてるし」
「私達は…勿論ルークも一緒だったけど、あの後ある人のおかげでこの国まで連れてきてもらったの」
「ある人…?」
そんな事できる人なんて、絶対1人しか思いつかないが聞いてみる。
「エヴァさんだ」
──ああ!!やっぱり師匠…
エヴァはあの光景を見ていた。リルを保護した後、3人をこの国に送り生きる為の土台まで作ったらしい。
「エヴァさんには落ち着くまでたくさん助けてもらったよ。会った事はないんだけどな」
「そう…なの?」
「その辺の事情も後で聞いたのよ」
「後?」
「ここでの生活に目処がたった頃、エヴァさんに記憶を消されたんだ」
父親の言葉にびっくりしすぎて言葉が出ない。
敗戦したフォークランドを超えたテコーダール国に入る為、迎えを待っている。
「リル!もうすぐだからね。大丈夫?」
具合の悪そうなリルを見て声をかけるルーク。
「うん、大丈夫。馬に慣れてなくて…」
「馬車が来るから安心して」
うんと言ってから少し目を閉じる。
しばらく寝ていたのか馬車の音で目が覚める。
「乗る前にリル、この馬車見えなくするってできる?」
「え?」
「出来れば誰にも見られずテコーダールに入りたいんだ」
「見えなくするだけなら」
馬車に手をかざしスっと手を引く。瞬間ドクンと心臓が痛む。
──これくらい大丈夫…
「ありがとうリル!さあ行こう」
それからテコーダールに入るまで3日かかった。その間リルはルークに色々きいたが、みんな揃ってから話すよと言われ何も教えてもらえなかった。
◇◆◇
テコーダールは港が盛んな国で、広さはそんなにないが豊かで活気溢れる国だった。馬車はその港町から少し離れた屋敷の前で止まった。扉を開けてルークがリルをおろす。そのまま手を繋いで屋敷の中に入る。ホールにある椅子にリルを座らせて
「ここで待ってて」
とルークは奥の部屋にに入って行った。
1人になるとリルは大きく息を吸って吐く。ついに会える!!ドキドキしてる胸を押さえルークが戻ってくるのを待つ。
「リル?」
懐かしい母の声に顔を上げ声がした方を見る。
「リル!!」
父親が走ってきて抱きしめる。
「お…父さん!お母さん!!」
3人はしばらくそのまま泣き続けた。
「よく顔を見せて…面影そのまま…綺麗になったわね」
「元々だよな。俺に似てるから」
「積もる話もあると思うけどリルが知りたい事いっぱいあるよね」
ルークが仕切り直してくれた。
「まずあの日からだよね」
うんと頷く。ルークが切られ両親が倒れ目の前真っ白になった…あの日。
「あの時、俺死にかけてたんだよ。もしかしたら死んでたかも?」
「え?」
「どっちか分からないけど、リルの魔法のおかげで今いるから。髪色は変わっちゃったけどな」
「私は神職者じゃないから命を甦らすのは…無理…」
「そうなの?どっちでもいいよ。俺は生きてるし」
「私達は…勿論ルークも一緒だったけど、あの後ある人のおかげでこの国まで連れてきてもらったの」
「ある人…?」
そんな事できる人なんて、絶対1人しか思いつかないが聞いてみる。
「エヴァさんだ」
──ああ!!やっぱり師匠…
エヴァはあの光景を見ていた。リルを保護した後、3人をこの国に送り生きる為の土台まで作ったらしい。
「エヴァさんには落ち着くまでたくさん助けてもらったよ。会った事はないんだけどな」
「そう…なの?」
「その辺の事情も後で聞いたのよ」
「後?」
「ここでの生活に目処がたった頃、エヴァさんに記憶を消されたんだ」
父親の言葉にびっくりしすぎて言葉が出ない。
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