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第3章 テコーダール国
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「記憶を消された?」
師匠が何故そんなことをしたのか…
「俺らの意識?をリルが感じちゃうと居場所とかバレるから?とか何とか言ってたよ」
「リルがちゃんと魔法使いとして育つまで存在を消す方が良かったんだよ。エヴァさんを責めるなよ」
うんと頷く。責めるも…師匠はもういないから。
「それが6年前だったかしら?いきなり記憶が戻ったの」
その時また声だけだったが、色々説明してくれたらしい。誓約の話もその時に聞いたみたいだ。
「あの馬鹿王子の記憶消したからリルは大丈夫だよな?」
「え?あっ…うん」
「今日は着いたばかりで疲れたろ。ゆっくりお休み」
「そうね、一緒に行きたい所もあるし会わせたい人もいるから」
「はい…」
ベッドに入って寝ようとしてもなかなか寝付けなかった。エヴァがかなり動いてくれてたのもはじめて知った。
エヴァが亡くなった時自分で感情に蓋をしたからか、誓約を解けるのを待ってしまったからか…もっと早く自分で探せたのかも?6年前なら今みたいに複雑に感じなかったかなと思いながら目を閉じ無理やり寝ることにした。
「リルおはよう。まだ顔色悪いかしら?」
「お母さんおはよう。私は大丈夫」
「ご飯食べる?」
「うん」
部屋から出て母親と一緒にご飯を並べてるテーブルまで行く。
「おはよう」
「お父さんおはよう」
こんな日常的な挨拶も何年ぶりなんだろ。懐かしくもあり少し恥ずかしくなる。4人分の準備があるがルークがおらずルークは?と聞くと
「ルークは別に住んでる」
「後で来るわ」
そうなんだと思いながら、朝ご飯を食べる。こんなちゃんとした朝ご飯も久しぶりだった。
──美味しい
ほっと胸のあたりが暖かくなるのを感じる。家族がいて一緒にに暮らす、こんな普通の事が幸せに感じるなんて…
「…おはよう」
ふにゃふにゃとした声がしてびっくりすると
「あら起きたの?リリーナ」
「こっちにおいで」
トコトコと歩きお父さんの膝に乗る8歳くらいの女の子。戸惑っているとその子がリルを見て
「誰?知らない人?お客さんなの?」
「リリーナ、ちゃんと話しただろ?お前のお姉ちゃんだよ」
「えー知らない」
「リルごめんなさいね、いきなりでびっくりしたわよね。この子あなたの妹のリリーナよ」
とハンナはリリーナをジャンの膝から抱っこして言う
今、目の前でおこってる事に動揺しているが長年の蓋のおかげで表には出てない。
「知らない!お姉ちゃんなんていらない!!」
リリーナはぷいと顔を背け拗ねる。子供らしい可愛いい仕草で父母も宥めながら笑ってる。
──ズキッ
3人のやり取りはまるでお芝居で、リルはものすごく遠くからそれを見ている観客だった。
食事も途端に喉を通らなくなりごちそうさまと言うのがやっとだった。
しばらくするとルークが来てその中に混ざっていく。
「リル!紹介したいやつがいるんだここに呼んでいい?」
「…うん」
「ルークもそんな知らない人と喋らないで!!」
「リリーナお前のお姉ちゃんだろ?」
「だから知らないってば!!」
──ズキッ
「はじめまして。フレッドって言います」
手を出して握手を求めてきたのはルークと同じ歳頃の背の高い男だった。
「はじめまして…リル…です」
「魔法使いなんてはじめて見たけど見た目は変わらないな」
「フレッド!それは言わないって」
「あっごめん!お城行くまで内緒だったな」
──お城…?
「困りますよ。王子!びっくりさせるつもりだったのに…」
「全くだ。この国は大丈夫か?」
「フレッドさまも遊んで~」
──ドクンッ
鼓動は早くなって目の前が真っ暗になり世界が回る…
…リルは倒れた。
師匠が何故そんなことをしたのか…
「俺らの意識?をリルが感じちゃうと居場所とかバレるから?とか何とか言ってたよ」
「リルがちゃんと魔法使いとして育つまで存在を消す方が良かったんだよ。エヴァさんを責めるなよ」
うんと頷く。責めるも…師匠はもういないから。
「それが6年前だったかしら?いきなり記憶が戻ったの」
その時また声だけだったが、色々説明してくれたらしい。誓約の話もその時に聞いたみたいだ。
「あの馬鹿王子の記憶消したからリルは大丈夫だよな?」
「え?あっ…うん」
「今日は着いたばかりで疲れたろ。ゆっくりお休み」
「そうね、一緒に行きたい所もあるし会わせたい人もいるから」
「はい…」
ベッドに入って寝ようとしてもなかなか寝付けなかった。エヴァがかなり動いてくれてたのもはじめて知った。
エヴァが亡くなった時自分で感情に蓋をしたからか、誓約を解けるのを待ってしまったからか…もっと早く自分で探せたのかも?6年前なら今みたいに複雑に感じなかったかなと思いながら目を閉じ無理やり寝ることにした。
「リルおはよう。まだ顔色悪いかしら?」
「お母さんおはよう。私は大丈夫」
「ご飯食べる?」
「うん」
部屋から出て母親と一緒にご飯を並べてるテーブルまで行く。
「おはよう」
「お父さんおはよう」
こんな日常的な挨拶も何年ぶりなんだろ。懐かしくもあり少し恥ずかしくなる。4人分の準備があるがルークがおらずルークは?と聞くと
「ルークは別に住んでる」
「後で来るわ」
そうなんだと思いながら、朝ご飯を食べる。こんなちゃんとした朝ご飯も久しぶりだった。
──美味しい
ほっと胸のあたりが暖かくなるのを感じる。家族がいて一緒にに暮らす、こんな普通の事が幸せに感じるなんて…
「…おはよう」
ふにゃふにゃとした声がしてびっくりすると
「あら起きたの?リリーナ」
「こっちにおいで」
トコトコと歩きお父さんの膝に乗る8歳くらいの女の子。戸惑っているとその子がリルを見て
「誰?知らない人?お客さんなの?」
「リリーナ、ちゃんと話しただろ?お前のお姉ちゃんだよ」
「えー知らない」
「リルごめんなさいね、いきなりでびっくりしたわよね。この子あなたの妹のリリーナよ」
とハンナはリリーナをジャンの膝から抱っこして言う
今、目の前でおこってる事に動揺しているが長年の蓋のおかげで表には出てない。
「知らない!お姉ちゃんなんていらない!!」
リリーナはぷいと顔を背け拗ねる。子供らしい可愛いい仕草で父母も宥めながら笑ってる。
──ズキッ
3人のやり取りはまるでお芝居で、リルはものすごく遠くからそれを見ている観客だった。
食事も途端に喉を通らなくなりごちそうさまと言うのがやっとだった。
しばらくするとルークが来てその中に混ざっていく。
「リル!紹介したいやつがいるんだここに呼んでいい?」
「…うん」
「ルークもそんな知らない人と喋らないで!!」
「リリーナお前のお姉ちゃんだろ?」
「だから知らないってば!!」
──ズキッ
「はじめまして。フレッドって言います」
手を出して握手を求めてきたのはルークと同じ歳頃の背の高い男だった。
「はじめまして…リル…です」
「魔法使いなんてはじめて見たけど見た目は変わらないな」
「フレッド!それは言わないって」
「あっごめん!お城行くまで内緒だったな」
──お城…?
「困りますよ。王子!びっくりさせるつもりだったのに…」
「全くだ。この国は大丈夫か?」
「フレッドさまも遊んで~」
──ドクンッ
鼓動は早くなって目の前が真っ暗になり世界が回る…
…リルは倒れた。
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