16 / 18
第3章 テコーダール国
3
しおりを挟む
目が覚めるとベッドに寝ているのが分かる。側にルークがいて起きたのに気づいてくれた。
「大丈夫?長旅だったし本当に無理させたね。ごめん」
「…大丈夫」
「フレッドはあれでも王子なんだ。体調大丈夫なら後で城に行こう」
「お城に…気軽に行けるの?」
「この国は城解放してるから。王様も気さくな人だしね」
──それでも…
トントンと扉を叩く音がして父親が顔を出す
「もう大丈夫か?」
「うん」
部屋に入ってきてベッドの横に椅子を寄せ座りながら
「リリーナにはちゃんと言っといたから。我儘ですまんな」
「そうだよ。リリーナは昔から自分が1番じゃないと機嫌悪くなるしな」
「そう言うなよ」
ハハハと笑いあってる2人を見てるとザワっとする。でもその感情を持つのが悪い事のようで目を閉じた。
昼すぎには動けるようなっていたので、城に行くことになった。
「まだ動くの辛くない?」
ハンナは心配してくれたが大丈夫と笑って答えた。そのハンナの足にしがみつくようにリリーナがいて、リルを睨んでいた。お留守番を言われて拗ねているのと、みんながリルを心配するのが許せないようだ。
「無理はさせないから」
ルークはそう言うとリルの背中に手を当て膝からヒョイと持ち上げた。
「ルーク!大丈夫私歩けるから」
真っ赤になりながら言ってみたが全く聞いてもらえなかった。城までの徒歩区間は全てそうされて恥ずかしすぎてずっと手で顔を覆っていた。
城は本当に解放されてて、誰でも中にすぐ入れる状態だった。さすがに王族に会うには申請が必要だったが、国王がいるかいないかの確認の為だけですぐに応接間に行くことができた。
ほどなくして国王とフレッドが出てくる。一応高い位置に椅子があるがそちらには座らずリル達の前まで普通に出てきた。
「ジャン。よかったな娘さん帰ってきて。君がリルだねよろしく」
「はい。リルと申します。お初にお目にかかり…」
「あー堅苦しい挨拶は不要だ!」
しっかりと頭を下げ挨拶仕掛けたリルは途中でやめるわけにも行かず形はきちんと挨拶して顔をあげた。
「最後の魔法使い…か…我が国の為にいてくれると思って良いのか」
「王様、私は娘をそんな存在にするつもりはないです」
「ハハッ冗談だ!許せジャン」
誤魔化してはいるがリルには分かる。今認識したぞと静かに、確実に圧をかけられる。
──無駄だけど…ね
「朝は体調悪そうだったけどもう大丈夫?」
フレッドが手を出して肩に手を置こうとするのをルークが跳ね除ける。
「はい。朝は申し訳ございませんでした」
「大丈夫ならよかった。そうだ今夜みんなで簡単なパーティーでもどうかな?君の歓迎パーティーを」
「え?」
「いいなやろうやろう!」
突然の発言のはずがどこか用意されたセリフの様で…。キョロキョロと周りを見ると、リル以外はそれを知ってる感じなので既に予定されてる事のようだ。
いかに開けた王室とはいえ昨日きた1人に対してそんな事はしないだろう。リルが魔法使いなのはもちろんだが、ジャンは今や国の大臣になっている。狭い土地でも育つ作物を作り、その作り方を広げ、魚介以外の収入源を作った功績かららしい。
ルークは剣の腕前から騎士団団長を務めているので、王族からの信頼もある上、フレッドの親友である。
華やかな世界は苦手だが断れない状況なので、ありがとうございますと答えるしかない。
リルの準備は王宮でとズラっと並んだメイドたちに連れて行かれ、自分で指1本動かすことなく身支度が終わっていく。
──倒れそう…
コルセットのせいなのか締め付けられるように全身に痛みが伴う。
「綺麗だ…」
迎えにきたルークは完璧に仕上がったリルを見て思わず声が出る。
今まで着たことない薄いピンクの肩を出したドレス。顔周りはっきり見えるようサイドは編み込みされ後は真っ直ぐ腰まで伸ばされた金色の髪。派手すぎない上品なピンクのメイクが真っ白な肌に合って神々しさをかもしだす。
「ルークもかっこいいよ」
騎士団の正装だろうか、黒の詰襟に装飾が金色でルークにとても似合っていた。
エスコートされ会場まで向かう。王宮内にある小さなホールで、普段はプライベートで使う場所のようだ。少人数ではあるが招待された人もいて規模は決して小さいものではなかった。
中に入ると家族はいてすぐに寄ってきてくれた。
「リル…綺麗ね」
ハンナが涙ぐむのでジャンが嫁に出す訳じゃないしと言いかけ、その言葉に自分で泣きそうになっていた。
「何よ!私の方がいいでしょ!!ルークもなんで私の側にいてくれないの!!」
「リリーナ、今日はリルのパーティーだから我慢しなさい」
父親から我慢しろと言われみるみる頬を膨らましフンッと拗ねてお菓子を食べに行ってしまった。
国王、フレッドが入ってきてガヤガヤしてた会場が一瞬静まり返る。
「リル嬢が帰ってきて本当によかった。みんなで歓迎しよう!」
国王の言葉を聞いてまた盛り上がる。フレッドがリルの前に来て
「リルさん、綺麗です。僕と踊ってもらえますか?」
と手を出す。受けようか迷っているとルークが俺が先と手を引っ張って真ん中まで連れていかれる。
「ルーク踊れるの?」
「一応は…リルは?」
「教えてもらったから…」
「チッあいつか…」
ばっと腰に手が周り引き寄せられる。そのまま音楽に合わせダンスがはじめる。1曲終わっても解放してもらえず2・3曲連続で踊らされさすがに疲れたと言うと、また抱き抱えられ壁際の椅子に座らされた。
「おいおい、自分のモノ扱いがすぎるぞ」
「その通りだからいいんだ」
ルークは少し不機嫌だったが、リルの為に飲み物と軽く食べるものも持ってきてくれた。
踊りすぎたのか、別の理由か…少しぐらつく身体を必死に保ち、飲み物を口に含む。
「大丈夫?長旅だったし本当に無理させたね。ごめん」
「…大丈夫」
「フレッドはあれでも王子なんだ。体調大丈夫なら後で城に行こう」
「お城に…気軽に行けるの?」
「この国は城解放してるから。王様も気さくな人だしね」
──それでも…
トントンと扉を叩く音がして父親が顔を出す
「もう大丈夫か?」
「うん」
部屋に入ってきてベッドの横に椅子を寄せ座りながら
「リリーナにはちゃんと言っといたから。我儘ですまんな」
「そうだよ。リリーナは昔から自分が1番じゃないと機嫌悪くなるしな」
「そう言うなよ」
ハハハと笑いあってる2人を見てるとザワっとする。でもその感情を持つのが悪い事のようで目を閉じた。
昼すぎには動けるようなっていたので、城に行くことになった。
「まだ動くの辛くない?」
ハンナは心配してくれたが大丈夫と笑って答えた。そのハンナの足にしがみつくようにリリーナがいて、リルを睨んでいた。お留守番を言われて拗ねているのと、みんながリルを心配するのが許せないようだ。
「無理はさせないから」
ルークはそう言うとリルの背中に手を当て膝からヒョイと持ち上げた。
「ルーク!大丈夫私歩けるから」
真っ赤になりながら言ってみたが全く聞いてもらえなかった。城までの徒歩区間は全てそうされて恥ずかしすぎてずっと手で顔を覆っていた。
城は本当に解放されてて、誰でも中にすぐ入れる状態だった。さすがに王族に会うには申請が必要だったが、国王がいるかいないかの確認の為だけですぐに応接間に行くことができた。
ほどなくして国王とフレッドが出てくる。一応高い位置に椅子があるがそちらには座らずリル達の前まで普通に出てきた。
「ジャン。よかったな娘さん帰ってきて。君がリルだねよろしく」
「はい。リルと申します。お初にお目にかかり…」
「あー堅苦しい挨拶は不要だ!」
しっかりと頭を下げ挨拶仕掛けたリルは途中でやめるわけにも行かず形はきちんと挨拶して顔をあげた。
「最後の魔法使い…か…我が国の為にいてくれると思って良いのか」
「王様、私は娘をそんな存在にするつもりはないです」
「ハハッ冗談だ!許せジャン」
誤魔化してはいるがリルには分かる。今認識したぞと静かに、確実に圧をかけられる。
──無駄だけど…ね
「朝は体調悪そうだったけどもう大丈夫?」
フレッドが手を出して肩に手を置こうとするのをルークが跳ね除ける。
「はい。朝は申し訳ございませんでした」
「大丈夫ならよかった。そうだ今夜みんなで簡単なパーティーでもどうかな?君の歓迎パーティーを」
「え?」
「いいなやろうやろう!」
突然の発言のはずがどこか用意されたセリフの様で…。キョロキョロと周りを見ると、リル以外はそれを知ってる感じなので既に予定されてる事のようだ。
いかに開けた王室とはいえ昨日きた1人に対してそんな事はしないだろう。リルが魔法使いなのはもちろんだが、ジャンは今や国の大臣になっている。狭い土地でも育つ作物を作り、その作り方を広げ、魚介以外の収入源を作った功績かららしい。
ルークは剣の腕前から騎士団団長を務めているので、王族からの信頼もある上、フレッドの親友である。
華やかな世界は苦手だが断れない状況なので、ありがとうございますと答えるしかない。
リルの準備は王宮でとズラっと並んだメイドたちに連れて行かれ、自分で指1本動かすことなく身支度が終わっていく。
──倒れそう…
コルセットのせいなのか締め付けられるように全身に痛みが伴う。
「綺麗だ…」
迎えにきたルークは完璧に仕上がったリルを見て思わず声が出る。
今まで着たことない薄いピンクの肩を出したドレス。顔周りはっきり見えるようサイドは編み込みされ後は真っ直ぐ腰まで伸ばされた金色の髪。派手すぎない上品なピンクのメイクが真っ白な肌に合って神々しさをかもしだす。
「ルークもかっこいいよ」
騎士団の正装だろうか、黒の詰襟に装飾が金色でルークにとても似合っていた。
エスコートされ会場まで向かう。王宮内にある小さなホールで、普段はプライベートで使う場所のようだ。少人数ではあるが招待された人もいて規模は決して小さいものではなかった。
中に入ると家族はいてすぐに寄ってきてくれた。
「リル…綺麗ね」
ハンナが涙ぐむのでジャンが嫁に出す訳じゃないしと言いかけ、その言葉に自分で泣きそうになっていた。
「何よ!私の方がいいでしょ!!ルークもなんで私の側にいてくれないの!!」
「リリーナ、今日はリルのパーティーだから我慢しなさい」
父親から我慢しろと言われみるみる頬を膨らましフンッと拗ねてお菓子を食べに行ってしまった。
国王、フレッドが入ってきてガヤガヤしてた会場が一瞬静まり返る。
「リル嬢が帰ってきて本当によかった。みんなで歓迎しよう!」
国王の言葉を聞いてまた盛り上がる。フレッドがリルの前に来て
「リルさん、綺麗です。僕と踊ってもらえますか?」
と手を出す。受けようか迷っているとルークが俺が先と手を引っ張って真ん中まで連れていかれる。
「ルーク踊れるの?」
「一応は…リルは?」
「教えてもらったから…」
「チッあいつか…」
ばっと腰に手が周り引き寄せられる。そのまま音楽に合わせダンスがはじめる。1曲終わっても解放してもらえず2・3曲連続で踊らされさすがに疲れたと言うと、また抱き抱えられ壁際の椅子に座らされた。
「おいおい、自分のモノ扱いがすぎるぞ」
「その通りだからいいんだ」
ルークは少し不機嫌だったが、リルの為に飲み物と軽く食べるものも持ってきてくれた。
踊りすぎたのか、別の理由か…少しぐらつく身体を必死に保ち、飲み物を口に含む。
10
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる