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第3章 テコーダール国
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ジェイドはリリーナが使っていた椅子に座り頭を抱えていた。
リリーナたちを追跡しようにも、何も手がかりがなかったのだ。
気がついた時には目の前に誰もいなかった。
ソルが残してた履歴はデタラメなもので役にはたたず、打つ手がなく途方に暮れていた。
──どうすれば…
国の魔法使いがいなくなったと大ごとにする訳にもいかず、少人数での探索なのも時間がかかった。
馬で王宮を出たところまでは確認できているがその先は…
占有権持ちの自分がリリーナの事を忘れてない以上、誓約は生きてる。
とするとこの屋敷から離れたリリーナの身体にどんな影響があるのか…
──無事でいてくれ…リリ
戦い後の処理もあって公務も忙しく全てをリリーナに向けられないのももどかしかった。
夜、自室に戻らず離の屋敷に来るのが習慣になっていた。ここでエヴァを含め過ごした時間、その後の2人での時間を思い出しながら、リリーナを探す方法を諦めず考えていた。
風にあたりたくて窓を開ける。この窓から…あの時何故手を伸ばさなかったのか…ずっと後悔している。リリーナを思い出して泣きそうになるのを堪えていると
名前を呼ばれた気がして振り返る。
部屋の真ん中に1点光が見えたと思ったら瞬く間に大きな球体になりやがて人型になっていった。
──ああ!!
「リリ!!」
崩れ落ちそうなその人型を受け止めると光は消えそこにはドレス姿のリリーナがいた。
「…ジェ…イドさ…ま?」
「リリ!リリ!そうだジェイドだ!!」
「よかっ…た…もどれ…た…」
その言葉を最後にリリーナは気を失う。
リリだ!
リリがいる!!
ここに!!
ギュッとリリーナを抱きしめた後、抱き抱えて急いでベッドにおろす。屋敷外に控えている護衛に医者を呼ぶように指示してリリーナの手を握り側に座る。
医者が診察するも大きな原因は分からないがとにかく衰弱しているので絶対の安静を言い渡される。
──どれほどの距離を飛んだのか…誓約で弱ってたはずなのに…
その後1週間たってもリリーナは目覚めなかった。ジェイドは時間が出来れば側に付き見守っている。
あまり長い時間このままだと命を落とす危険もあると言われ焦りもある。
──頼む。目を開けてくれ。リリ
ベッドのそばで座っていると、日頃の疲れもあるのか少し目を閉じると寝てしまった。
真っ白な空間の中、右も左も分からない状態で1人さまよってる。出口を探して歩いても何も変わらない。どうなってる?とキョロキョロすると
『マヌケな顔するでないわ』
聞き覚えのある声がするが姿は見えない。
『エヴァ!!』
『頼りないが…あの子が選んだのはお前さんだったんだ…私はあっち推しだったが…まぁ良しとするか』
『私の弟子を頼んだよ』
1本赤い線が空間の中に表れそれを頼りに歩き出す。先は見えないがとにかく前へ進む。何とか出口らしきものが見えた時…
はっと目が覚め顔を上げると、リリーナと目が合う。
「リリ?」
「はい。ジェイド様」
「目が覚めた?大丈夫か?」
「はい。大丈夫です」
答えを聞く前に抱きしめていた。良かった…良かった…よかった…
我慢してたものが溢れる。
「とっ、とりあえず医者をつれてくる!!今何か食べたい物は?飲みたい物は?ああすぐには無理か…えっと…」
「魔力戻ってきたのでもう大丈夫です」
にっこりと笑うリリーナを見て理性が飛ぶ。
リリーナの顔を手で挟み軽くキスをする。
「好きだよ…リリ」
「私もです」
と小さな声で言うリリーナにもう1度キスをして抱きしめる。
ジェイドが安堵から泣き顔になり、リリーナは笑っている。
医者が来て、後は体力つけるよう食べてくださいと言われると、毎度食べきれない程の食事をジェイドが用意してリリーナが怒る。
「ジェイド様…食べきれずもったいないですのでもう…」
「いやいや!リリは細すぎる!食べて元気になってもう少し太っても大丈夫だ」
「そういう事ではなくて、残るのがもったいないです」
こんなやり取りが毎回続く。まったくと呆れながらリリーナは穏やかな笑顔を浮かべるのであった。
──end
リリーナたちを追跡しようにも、何も手がかりがなかったのだ。
気がついた時には目の前に誰もいなかった。
ソルが残してた履歴はデタラメなもので役にはたたず、打つ手がなく途方に暮れていた。
──どうすれば…
国の魔法使いがいなくなったと大ごとにする訳にもいかず、少人数での探索なのも時間がかかった。
馬で王宮を出たところまでは確認できているがその先は…
占有権持ちの自分がリリーナの事を忘れてない以上、誓約は生きてる。
とするとこの屋敷から離れたリリーナの身体にどんな影響があるのか…
──無事でいてくれ…リリ
戦い後の処理もあって公務も忙しく全てをリリーナに向けられないのももどかしかった。
夜、自室に戻らず離の屋敷に来るのが習慣になっていた。ここでエヴァを含め過ごした時間、その後の2人での時間を思い出しながら、リリーナを探す方法を諦めず考えていた。
風にあたりたくて窓を開ける。この窓から…あの時何故手を伸ばさなかったのか…ずっと後悔している。リリーナを思い出して泣きそうになるのを堪えていると
名前を呼ばれた気がして振り返る。
部屋の真ん中に1点光が見えたと思ったら瞬く間に大きな球体になりやがて人型になっていった。
──ああ!!
「リリ!!」
崩れ落ちそうなその人型を受け止めると光は消えそこにはドレス姿のリリーナがいた。
「…ジェ…イドさ…ま?」
「リリ!リリ!そうだジェイドだ!!」
「よかっ…た…もどれ…た…」
その言葉を最後にリリーナは気を失う。
リリだ!
リリがいる!!
ここに!!
ギュッとリリーナを抱きしめた後、抱き抱えて急いでベッドにおろす。屋敷外に控えている護衛に医者を呼ぶように指示してリリーナの手を握り側に座る。
医者が診察するも大きな原因は分からないがとにかく衰弱しているので絶対の安静を言い渡される。
──どれほどの距離を飛んだのか…誓約で弱ってたはずなのに…
その後1週間たってもリリーナは目覚めなかった。ジェイドは時間が出来れば側に付き見守っている。
あまり長い時間このままだと命を落とす危険もあると言われ焦りもある。
──頼む。目を開けてくれ。リリ
ベッドのそばで座っていると、日頃の疲れもあるのか少し目を閉じると寝てしまった。
真っ白な空間の中、右も左も分からない状態で1人さまよってる。出口を探して歩いても何も変わらない。どうなってる?とキョロキョロすると
『マヌケな顔するでないわ』
聞き覚えのある声がするが姿は見えない。
『エヴァ!!』
『頼りないが…あの子が選んだのはお前さんだったんだ…私はあっち推しだったが…まぁ良しとするか』
『私の弟子を頼んだよ』
1本赤い線が空間の中に表れそれを頼りに歩き出す。先は見えないがとにかく前へ進む。何とか出口らしきものが見えた時…
はっと目が覚め顔を上げると、リリーナと目が合う。
「リリ?」
「はい。ジェイド様」
「目が覚めた?大丈夫か?」
「はい。大丈夫です」
答えを聞く前に抱きしめていた。良かった…良かった…よかった…
我慢してたものが溢れる。
「とっ、とりあえず医者をつれてくる!!今何か食べたい物は?飲みたい物は?ああすぐには無理か…えっと…」
「魔力戻ってきたのでもう大丈夫です」
にっこりと笑うリリーナを見て理性が飛ぶ。
リリーナの顔を手で挟み軽くキスをする。
「好きだよ…リリ」
「私もです」
と小さな声で言うリリーナにもう1度キスをして抱きしめる。
ジェイドが安堵から泣き顔になり、リリーナは笑っている。
医者が来て、後は体力つけるよう食べてくださいと言われると、毎度食べきれない程の食事をジェイドが用意してリリーナが怒る。
「ジェイド様…食べきれずもったいないですのでもう…」
「いやいや!リリは細すぎる!食べて元気になってもう少し太っても大丈夫だ」
「そういう事ではなくて、残るのがもったいないです」
こんなやり取りが毎回続く。まったくと呆れながらリリーナは穏やかな笑顔を浮かべるのであった。
──end
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6……。
拝読していて、おもわず震えました……っ。
素晴らしい関係。そして、素晴らしい言葉ですよね。
本当に、本当に心に響く場面でした。
ありがとうございます。もっと表現力あればもっとかけたこともあったと思うのですが、1章はこれでと決めてたのでよかったです
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