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婚約期
結婚式
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控室で待機して化粧直しをした後、聖堂の扉の前でアルベルトが待っていた。
アルベルトはお揃いの青い高価な正装を身に付け、胸元には家門が彫られたブローチがキラリと光っていた。
少し長めのローブを羽織っており刺繍も見事なものだった。まるでアルベルトの為にあつらえたような服にマリィアンナは一瞬、息を止めた。
まぁ!素敵ね。麗しいお姿がさらに煌びやかに…
この人がわたくしの夫に…なるのね…
マリィアンナの緊張感が高まる中、アルベルトは終始無言で真顔だった。
表情がまったく読めないわ。もしかして緊張しているのかしら?
この人も緊張すること…あるのね…意外ですわ。
あ~!わたくしまで緊張してきましたわ…はぁ…胸が苦しい…
2人はガチガチに緊張し、固まったまま時間が過ぎるのを待った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
準備が終わり、神官補佐に促されてドアを開けると、奥にある祭壇までの道のりを空けて、ズラリとアルバートの親族とマリィアンナの親族わかれて参列者が並んでいた。
マリィアンナがアルバートにエスコートしてもらいながら祭壇までの道のりを歩く。
みなが静かになり一斉に顔をあげ、美しく着飾ったマリィアンナと見目麗しく豪華な装いのアルバートを見つめる。
祭壇の前には神官が白く輝いたローブを着て二人の歩いてる様を見つめている。
おもむろに右手を伸ばし手のひらを上に向けて、手のひらを翻し、下に向けた。それを合図に、神官以外の人々は片足をついてしゃがんだ。
タティの母がタティの背中を優しく押して、神官の下へと促した。
タティは小さなローブを翻しながら神官の下へ行きクルリと振り返り、参列者の方へ向き直した。
そして目を伏せ、深呼吸をして可愛い鈴の音のような声で口上を述べた。
母なる神よ
父なる神よ
我らの神よ 導きたまえ
我らの婚姻を 許したたまえ
血を繋いで 子々孫々を守りたまえ
聖なる無垢な証 地上の母なる腹へ繋ぎたまえ
口上が終わると神官はシンと静まり返った中、よく通る声で宣言をした。
「天上から我らを導く神よ、此度コディル家嫡男アルベルトとトリッシュ家長女マリィアンナの婚姻を許可することを願います」
タティはグラディル国の国教『バシリカ教』の婚姻式における『無垢なる幼子による神への口上』を無事終え、マリィアンナへ向かって満面の笑みを見せた。そして、意気揚々と母親の下へ駆けて行った。
マリィアンナはそんなタティを見て思わず頬を緩ませた。
口上が終わると神官が右手をかかげて合図を出すと、壁際にいた宗教専門の演奏家が厳かな音を奏で始めた。
「二人をつなぐ物をここへ…」
神官がそういうと、ドランジェ伯爵とクステルタ伯爵がそれぞれ金に輝くブレスレットを祭壇の前のスタンドに供えた。
神官はスタンドを掲げながら下を向き、かがみ込んで祈りをあげた。
しばらくしてからスッと立ち上がり、スタンドをアルベルトとマリィアンナへの前へ持っていき、2人の腕へ付けた。
そして祭壇にある羊皮紙の結婚証明書へのサインを2人へ促した。
アルベルトが先に書き込み、次いでマリィアンナがサラサラと書き込む。
そして神官補佐が用意した小さなワイングラスを渡され
「神の名のもとに!」
と、神官が凛とした声で合図すると一気に2人は飲みほした。
「無事、婚約がととのいました。二人へ神のご加護をー」
神官は両手を広げ目を閉じた。
それを合図に、参列者は聖堂が割れんばかりに「神のご加護を!」と声を出した。
厳かな雰囲気の中、マリィアンナとアルベルトは無事、婚姻を結んだのだった。
アルベルトはお揃いの青い高価な正装を身に付け、胸元には家門が彫られたブローチがキラリと光っていた。
少し長めのローブを羽織っており刺繍も見事なものだった。まるでアルベルトの為にあつらえたような服にマリィアンナは一瞬、息を止めた。
まぁ!素敵ね。麗しいお姿がさらに煌びやかに…
この人がわたくしの夫に…なるのね…
マリィアンナの緊張感が高まる中、アルベルトは終始無言で真顔だった。
表情がまったく読めないわ。もしかして緊張しているのかしら?
この人も緊張すること…あるのね…意外ですわ。
あ~!わたくしまで緊張してきましたわ…はぁ…胸が苦しい…
2人はガチガチに緊張し、固まったまま時間が過ぎるのを待った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
準備が終わり、神官補佐に促されてドアを開けると、奥にある祭壇までの道のりを空けて、ズラリとアルバートの親族とマリィアンナの親族わかれて参列者が並んでいた。
マリィアンナがアルバートにエスコートしてもらいながら祭壇までの道のりを歩く。
みなが静かになり一斉に顔をあげ、美しく着飾ったマリィアンナと見目麗しく豪華な装いのアルバートを見つめる。
祭壇の前には神官が白く輝いたローブを着て二人の歩いてる様を見つめている。
おもむろに右手を伸ばし手のひらを上に向けて、手のひらを翻し、下に向けた。それを合図に、神官以外の人々は片足をついてしゃがんだ。
タティの母がタティの背中を優しく押して、神官の下へと促した。
タティは小さなローブを翻しながら神官の下へ行きクルリと振り返り、参列者の方へ向き直した。
そして目を伏せ、深呼吸をして可愛い鈴の音のような声で口上を述べた。
母なる神よ
父なる神よ
我らの神よ 導きたまえ
我らの婚姻を 許したたまえ
血を繋いで 子々孫々を守りたまえ
聖なる無垢な証 地上の母なる腹へ繋ぎたまえ
口上が終わると神官はシンと静まり返った中、よく通る声で宣言をした。
「天上から我らを導く神よ、此度コディル家嫡男アルベルトとトリッシュ家長女マリィアンナの婚姻を許可することを願います」
タティはグラディル国の国教『バシリカ教』の婚姻式における『無垢なる幼子による神への口上』を無事終え、マリィアンナへ向かって満面の笑みを見せた。そして、意気揚々と母親の下へ駆けて行った。
マリィアンナはそんなタティを見て思わず頬を緩ませた。
口上が終わると神官が右手をかかげて合図を出すと、壁際にいた宗教専門の演奏家が厳かな音を奏で始めた。
「二人をつなぐ物をここへ…」
神官がそういうと、ドランジェ伯爵とクステルタ伯爵がそれぞれ金に輝くブレスレットを祭壇の前のスタンドに供えた。
神官はスタンドを掲げながら下を向き、かがみ込んで祈りをあげた。
しばらくしてからスッと立ち上がり、スタンドをアルベルトとマリィアンナへの前へ持っていき、2人の腕へ付けた。
そして祭壇にある羊皮紙の結婚証明書へのサインを2人へ促した。
アルベルトが先に書き込み、次いでマリィアンナがサラサラと書き込む。
そして神官補佐が用意した小さなワイングラスを渡され
「神の名のもとに!」
と、神官が凛とした声で合図すると一気に2人は飲みほした。
「無事、婚約がととのいました。二人へ神のご加護をー」
神官は両手を広げ目を閉じた。
それを合図に、参列者は聖堂が割れんばかりに「神のご加護を!」と声を出した。
厳かな雰囲気の中、マリィアンナとアルベルトは無事、婚姻を結んだのだった。
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