放課後の後輩

林奈タケル

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通学のアクシデント

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「や、やべ……」
 おれはカバンを前に持ってきて股間を押さえる。
 ここは朝の満員バスの中。ほとんどがおれと同じ谷高の生徒だ。
 そこへどういうわけか朝帰りの水商売らしいケバいお姉さんが乗り込んで来た。
 それもおれの真後ろに密着している。
 バスが揺れるたびに背中にぎゅーぎゅーと大きな胸が押し付けられる。
 しかも、夏服の薄い生地を隔てただけで……
 当然のことながら、おれの股間は見事に反応していた。
 幸いお姉さんは次の停留所で降りて行った。
 まず、股間を押さえたマヌケな格好をなんとかしようと振り返る。
 マズい!
 おれの真後ろには谷高のマドンナと呼ばれる一年生の水森しのぶがいる。
 このまま体を回すと、まともに水森の体と正面からくっつくことになる。しかも、勃起したままで……
 おれは少しずつ体をひねり、水森の側面に背を向ける位置まで動いた。
 と、いきなり大勢の生徒が乗り込んで来て、おれの体は生徒の波に流される。
 ぐっと踏ん張ろうとしたが、押されたおれは一年生の男子と正面から向き合う形になった。
 ただ向き合っただけではない。
 これ以上ないくらい体が密着しているのだ。
 股間がいきり立ったままだ。
 なんとか腰を引こうとするのだが、逆に余計押し付けるようになってしまう。
 股間だけでなく膝から胸までくっついている男子は、同じ中学出身の白戸という後輩だった。色白であどけない顔をした奴で、一度も話したことはない。
 バスが動き出し体が揺れる。
 刺激のせいか、白戸の股間もむくむく起き上がって来た。
 えっと思って見ると、白戸は顔を真っ赤にして目を伏せている。
 心臓のドキドキも直接伝わってきた。。
 揺れに合わせて、呼吸が激しくなる。吐息が熱くおれの首筋にかかった。
 正面から鉢合わせしているお互いの股間は、一向におとなしくなる気配はない。
 それどころか、バスの振動でますます熱くなってくるのがわかった。
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