4探偵の弟子入り修行

広虫

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単独捜査編

弟子入り初日 1

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推理ドラマや小説の中での一番の目玉と言ったら、探偵が犯人を名指しする場面であろう。
「犯人は…平田だ!」
「いや、犯人は鈴森さんですね」
「こんなのどう見たって野村の犯行だろう!」
「いや、祖父の名にかけてもいい。犯人は只見さんだね」
とはいえ、こんな風に私を含む4人の探偵が一斉に犯人を名指ししていては、格好もつかないというものだ。

私達は古田探偵事務所に所属する4人の探偵である。事情は様々だが、とにもかくにも古田探偵を慕っているというところでは皆同じだろう。古田探偵は世間でも有名な探偵であり、単独捜査を好んでいたが、去年突然この探偵事務所を立ち上げ、弟子を募集し始めたのだった。当然古田探偵の弟子というポストは当時探偵界隈では羨望され、倍率はかなりのものだったようだが、私は運良くその弟子試験に合格し、無事事務所に入ることとなった。
そして彼から出された最初の指導が、弟子の4人それぞれがある1つの事件についてまず捜査を共同で行い、その後各自違う人に対して犯人の目星をつけ、その目星を大前提として個別で捜査し、その捜査の元に全員が議論して犯人を決めろ、というなんとも面倒なものであった。つまり4人の探偵が4人の犯人を指摘することになるのが必然である。しかも最終的に我々が導き出した結論が誤審だった場合、弟子入りはなかったことになる、ということで各人必死でこの捜査に取り組むこととなった。とはいえこの事件は警察が匙を投げ、古田探偵に持ち込んできた難事件らしく、弟子試験を通り抜けた4人であっても、皆首を捻らせることとなった。
遡ること2016年10月12日、事件は東京都豊島区で発生した。
「被害者は只見信介、42歳。腹にナイフを刺され失血死、か」
弟子の一人の光村がつい先ほど古田探偵から全員に渡されたファイルを見ながらそう呟いた。光村はある程度は名の知れた探偵で、推理力は言わずもがな、頑強な体格から分かる通り、格闘技にも通じていて、武装した犯人を無力化することにも長けているらしい。
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