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エピソード001 相続問題は時間を巻き戻して
第四章 襲撃
しおりを挟む「うわぁ!!いきなり撃ってきやがった」
まだ日も出ているというのにいきなりバズーカで俺達が乗る車へぶっ放してきやがった。
俺は車のアクセルを全開にして回避を試みるが弾はどこまでも追ってくる!
「これは……あれって魔法で自動追尾できるようにしているみたいね」
「社長!ダメです、逃げ切れません」
俺は必死に飛来してくる弾を回避しようとした。
しかし……それは叶わぬ願いであった。
正直あの弾はどこまでも追ってくる上に速すぎる!
そして、検討空しく……こうなりました。
チュド~ン!
はい、見事に命中されて俺の白い愛車は見事に木っ端微塵に大爆発!
これで俺達二人も一巻の終わりか?
ってそんな訳ないでしょう!
ここで俺と社長が息絶えたらこの作品「完」になっちゃうでしょうが!
「あ~っ!まだローンが残ってるのに……どうしてくれるんだよ」
「だから安っぽい日本車はやめとくべきだったのよ。やっぱり車ならフェラーリかランボルギーニ辺りが最高ね」
「それって俺の給料じゃあ買えませんよ」
はい、俺と社長は命中寸前で脱出に成功していました。
それにしても社長、今の発言はあんまりです。
謝れ!全日本国民の日本車ユーザーに謝ってくださいな。
「どうやらお呼びでないお客様が来たみたいね宗吾」
「そうですね社長。奴等から有り金奪って車弁償させますか?」
「多分無駄よ。あいつ等どう見ても金持ってる印象無さそうだし」
そうこうしている内にバズーカぶっ放した連中の黒い車がこちらにご到着。
黒い車から数名の黒スーツにグラサン姿の男達が出てきました。
勿論連中の手には黒く光る拳銃を持っているのはお約束。
「宗吾、今持ってるバッテリーはどのぐらい?」
「満充電できてるのは小さいのが三つ、大型のが一つですか。他には少し使ってる大型のが一つありますが」
「じゃあ使い古しの大型のを貸して。あんな連中そんだけあれば十分よ」
俺は社長に使い古しの大型バッテリーを手渡す。
その間に男達は俺達に銃口を向けている。
「五秒よ……それで終わりにしてあげるわ」
社長はスマートフォン型の魔道具に俺が渡したバッテリーを装填。
そして小さな声で詠唱を唱える。
「くたばれ!」
黒い男達のリーダーらしい奴の号令と共に社長に向けて発砲!
数発の弾丸が社長の体を打ち抜くべく飛来してくる。
だが……その複数の弾丸が社長に命中する寸前であった。
クロックアップ
すると社長の姿が忽然と消失した。
突然ウチの社長が姿を消した事に驚く黒い男達。
だが、衝撃的な事はこの後が本番!
「うわあああっ」
「ぐはっ!」
「ど、どうしたんだ」
突如連中の一人が何かに殴られたかの如くぶっ飛ばされ、また別の一人が腹部を殴られた感触を覚えて倒れる。
更にその直後、男の一人が顎に衝撃を受けて宙に富んでぶっ飛ばされた。
それからまた一人、更にまた一人と倒されていく。
やがて……襲ってきた黒い男達は一人残らずその場に倒されていた。
それまでの時間は五秒を切っていた。
「あら、五秒も掛からなかったみたいね」
「社長、お疲れさまです」
俺の眼前に社長が再び姿を現した。
そんな社長に俺は反射的に亜空間から缶ジュースを取り出して社長に差し出した。
「ありがとう、うんうん!私好みのコーラを用意してくるなんてわかってるじゃないの」
「礼には及びません。それよりこいつ等いかがなさいましょうか」
「とりあえず警察に通報ね。それに私達を襲った理由も知りたいしね」
俺は警察に通報しようとした。
だがそんな俺達に一瞬の油断があった。
なんと奴等の車から一人の男が出てきたのだ。
どうやらまだ一人残っていたらしい。
そして杖を取り出して何やら魔法の詠唱を唱えた。
すると先程社長ばぶっ飛ばした男達は忽然と姿を消した。
どうやら魔法で倒された仲間を回収したようだ。
そして黒い車は急発進してその場から立ち去ろうとする。
「しまった!」
「ちょっと待ちなさい」
社長はまた魔法を用いて追いかけようとした。
だが、非情にも所持していたバッテリーは切れており魔法行使ができない。
俺が満充電のバッテリーを手渡そうとしたが時すでに遅かった。
「こら待ちやがれ!」
「逃げ足だけは見事だわ。これは完全に私の油断ね」
俺達を襲った連中は一目散に逃げ去っていった。
残念ながら追跡はもう無理だろう。
おまけにこの大騒ぎに数名の野次馬にこの辺を巡回していたリトルメイジ数名がやってきた。
「一体何があったのですか」
「一応身分証明書の提示をお願いします」
俺と社長は職務質問をしてきた二人のリトルメイジに身分証明書を提示した。
「え……光善寺宗吾って星三つのメイジとはすごいですね」
「こちらの方も凄い!三条財閥のご令嬢でこの方も星三つのリトルメイジだなんて」
「僕達なんかまだ星二つなのよねぇ」
「では何があったのか聞かせてもらいましょう」
俺は今回の顛末を二人の可愛い女の子のリトルメイジに話した。
ちなみにこの二人は警察と契約して警ら任務に就いているリトルメイジらしい。
あぁこの可愛さがウチの社長にもあったらなぁ。
「あぁ、あの車でしたら僕達の仲間が現在目下追跡中です」
「これは思ったよりも優秀だなぁ」
「私達ってこれしか取り柄がありませんから。リトルメイジなのにまともな戦闘能力がないから」
まぁ星二つならこんなものだろう。
さて、事情徴収も終わったみたいだし俺達も帰ろうとしたのだが……そうだった、俺の白い愛車は木っ端微塵にされていたのだった。
「社長、悪いですが……」
「ここから歩くなんて嫌よ。それより小さな発電機持ってた筈よね」
「発電機ですね。お安い御用で」
俺は亜空間の穴を開いてガソリン駆動の小型発電機を取り出した。
そして俺はすぐに発電機のエンジンを起動する。
「社長、ではよろしくお願いいたします」
「よかったわね宗吾、ローンの支払いが無駄にならなくて」
社長は発電機のケーブルを自分のスマートフォン型の魔道具に接続。
それから短い詠唱を唱える。
タイム・リバース
するとどうでしょう!
大炎上していた俺の愛車が鎮火。
更にまるで時間を巻き戻されるかの如く車の破損された箇所がみるみると修復されていく。
そして……俺の破壊された筈の愛車はまるで新車のような美しさを得て見事に蘇った。
「し、社長!本当にありがとうございます!」
「個人的にはこれを機会にフェラーリやランボルギーニ辺りに乗り換えて欲しかったけどね」
さ~て、愛車も復活した事ですし、そろそろ帰りますか……と思っていた時であった。
「なんか騒ぎがあったと思ったら……やはり貴様か光善寺!」
いかにも下品そうな声。
俺達の前に世界で一番関わりたくないオッサンがやって来た。
「なんか用ですか関目警部」
「けっ、相変わらず愛想が悪いな」
こいつの名前は関目警部。
警視庁捜査五課の警部で……俺の刑事時代の上司。
そして俺を警察から追放した張本人でもある。
それとその関目警部の傍らにいる男は野江刑事で典型的な腰巾着。
「巡回中のリトルメイジから通報を受けて来てみればやはりお前等だった訳だが……お前達!今度は何をやった」
はぁ、いつ聞いても嫌味たっぷりの台詞だ事。
まっここは正直に話しますか。
本当は思いっきりぶん殴りたいのですが。
「先程怪しい連中にバズーカ撃たれました」
「それで」
「問答無用で襲われたから返り討ちにしてやったわ。残念ながら逃げられたけど」
「クソガキに聞いてないわっ!私は光善寺に聞いているのだっ!」
「いえいえ、今の顛末はウチの社長が申し上げた通りです」
「とにかく著まで来てもらおうか!今度こそお前を刑務所にぶち込んでやるぞ」
うわぁ、冗談じゃないぞ。
こいつ等俺達をありもしない罪状で逮捕する気だぞ。
折角さっさと帰って色々と情報整理しようとしてたのに面倒だなぁ。
「宗吾」
「なんですか社長」
「ここは私に任せてもらえない。バッテリー渡してくれる?」
どうやらウチの社長に考えがあるようで。
俺はこっそり社長に小さなバッテリーをあの馬鹿二人に悟られないように手渡す。
「何をコソコソ話をしている!お前等公務執行妨害で逮捕だっ」
「あら?被害者の私達を逮捕って警察ってそ~んなに偉いのかしら」
「うるさい!クソガキ如きが黙りやがれ」
その直後、関目警部と野江刑事のご両名の動きが止まった。
あぁ、こりゃウチの社長この馬鹿二人の時間を止めたな。
更にウチの社長が動きの止まった二人の股間に強烈な蹴りが炸裂!
「さて、魔法の効力が切れない内に帰りましょう」
「そうですね。では社長参りましょうか」
俺はこの場にいたリトルメイジ達に「お疲れさまです」と別れを告げて新品同様になった愛車に社長を載せて一路我が社へ。
それから数秒後、関目警部と野江刑事に掛けられた時間停止魔法の効力が切れた。
無論、その直後に馬鹿二人の股間に男にしか判らない強烈な激痛が襲ったのは言うまでもないだろう。
「さて社長、どうして俺達は襲われたのでしょうねぇ」
「間違いなく例の遺言状ね。会社に到着したら調に徹底的に調べてもらいましょう」
「それに……これは俺の感ですが勇さんは……本当は何者かに殺害されたのではと感じるんです」
「確かにあり得そうね。そうじゃないとお爺ちゃんが私に調査依頼してくる筈がないわ」
確かに。
本当に調査開始から色々とありすぎたなぁ。
こりゃ色々と骨が折れそうだ。
「処で社長、お腹が空きましたね」
「あらもう時刻は七時前なの?仕方がないわ……おたけさんに何か作ってもらいましょう」
とにかく初日から長く感じたなぁ。
これは思ったより厄介なお家騒動になりそうだ。
しかし今は会社に戻って飯を食べたい。
「あぁ……できれば肉食べたいな」
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