時司るリトルメイジ

温水やすくみ

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エピソード001 相続問題は時間を巻き戻して

第十一章 清掃開始・そしてデュエル

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 現在東京の時刻は午後十一時ぐらい。
 もうすっかり夜も更けて人々の足取りが少なるなる頃。
 東京のとある場所にいかにもいかついビルが建っていた。
 その看板には堂々と”難波浪速組本部”と記されている。
 正直ここのビルは実に指定暴力団の本拠という事で評判は著しく悪く昼間でも近づく人間は少ない。
 そんなビルにもう深夜だというのに凄まじい怒鳴り声が響き渡る。

「なにっ!計画が失敗しただと!!」
「申し訳ありません組長」

 今、長堀町あけみを怒鳴りつけている男は難波組組長であっる難波正人。
 いやぁ、いかにも私は悪いヤクザです!と言って回っているような形相の男ですねぇ。

「それにしても……お前程の女がしくじるとはな」
「私としたことが不覚でした。思わぬ邪魔者が入りまして」
「ほう、お前の計画を台無しにした連中とはな。どんな連中だ」

 長堀町あけみは組長に計画失敗の経緯を話す。
 当然、俺達の事もしゃべりやがった。

「そうか、そいつは相当な手練れのリトルメイジだな」
「おまけに連中はヒョウマと互角……いやそれ以上の魔族を率いています」
「お前が契約している魔族すら適わない奴まで……こうなると我々にサツが来る恐れがあるな」
「では」
「あけみ、お前は暫く雲隠れをしたほうがいいな。後の事は私に任せるがいい」
「組長、申し訳ございません」

 おいおい、連中実行犯を高飛びさせて自分達のした事はすっとぼける算段かい。
 それでほとぼりが冷めるまで逃げ切るつもりか?
 そうはいくか。

「おい、今回の計画書とかマズイのは全て処分しろ」
「へい!」

 この組長さっさと子分に証拠という証拠を処分する気だな。
 だが……もう遅いよ。

「あけみ!なにボーっと突っ立ってるんだ。早く高飛びする準備をせんか」

 おっと!そうはいかねぇせ。
 今夜がお前達にとって最後の日なんだよ。
 ではそろそろ行ってみましょうか!



 ミュージック♪



「!?何だぁ、この音楽は」
「おい、何をしている!さっさとこの煩い音楽を止めろ」

 はい、現在このビル中に鳴り響いている音楽は俺達からのささやかな葬送曲でござい。
 今夜のナンバーはドヴォルザーク: 交響曲第9番「新世界より」第4楽章。
 それと同時に……このビル内で異変が始まりました~っ♪

 バタッ!
 バタッ!バタッ!バタッ!

 おや~っ?
 ビルの中にいる怖いヤクザの組員の皆様が次々と倒れていくぞ。
 これはどうなってるのかなぁ。
 そして自分達の仲間が次々と原因不明の現象に完全に大パニック。
 こうなると天下の極道連中も形無しだな。
 さ~て、そろそろ種明かしでもしましょうか。
 この大パニックの仕掛人はこの娘さん。

「ぶんぶんぶん♪蜂が飛ぶ~っ♪」
「さもなよ……お主相変わらずえげつないのう」

 ビルの出入口にいるのは寝屋川さもなちゃんとカヤ・シーマのご両名。
 しかもさもなちゃんは実に上機嫌。

「しかしのう、今さもなが使役してるのがパラライズ・ビーだから良いのじゃがこれが有害なキラー;ビーだったら大量殺戮だぞ」
「キラー・ビーなんて物騒な蜂なんか使わないわよ。けど本当にこれって本当に気持ちいいなぁ」
「お主……結構ドSじゃのう」

 そう、この現象は他ならぬ寝屋川さもなちゃんの仕業。
 一時的な麻痺能力を持つ魔界の蜂であるパラライズ・ビーを数匹程召喚、それらを悪い組員達に襲わせたのだ。
 結果、哀れ関東難波組の怖い組員一同はほぼ全員餌食となり麻痺状態にされてぶっ倒れた訳ですわ♪
 当然、組長室にいた南河正人と長堀町あけみを除く他組員の皆様もさもなちゃんが放ったパラライズ・ビーの餌食に。

「おい!お前達どうした」
「!?組長、ここは危険です」

 はい、この極悪人二人を残してみ~んな倒れてもらいました!
 だけど解ってるね、さもなちゃん。
 この組長と若頭に関してはこれでは済まさないからね。
 どうやら危険を察したのか組長と若頭は組長室から飛び出したみたいだぞ。

「あけみ!お前はヒョウマと率いて侵入者を排除しろ。私はあの女を連れで脱出する」
「解りました。では組長お気をつけて」

 おや?
 どうやら組長・難波正人と若頭・長堀町あけみが二手に分かれたぞ。
 まぁ、これで俺達もやり易くなったかな?
 この二人が別行動をしてから少しして長堀町あけみが「こいヒョウマ」と自分が契約している魔族ヒョウマ・ジェットを呼び出した。

「ヒョウマ、侵入者がこのビルを荒らしている。見つけ次第殺せ!」
「御意!」

 長堀町あけみはヒョウマ・ジェットに侵入者排除を命令しビル内の創作をさせる。
 そしてヒョウマ・ジェットと離れた長堀町あけみは自分の懐から魔具のスマートフォンを取り出して臨戦態勢に。
 どうやら彼女もメイジみたいだな。
 だが、これは俺達にとっては好都合。
 これから確実に倒してやるからな。

 ヒョウマ・ジェットが単独行動を始めてから数分は経過。
 気が付けば、そこは大広間。

「俟っておったぞ」
「!?」

 大広間に入ったヒョウマ・ジェット。
 なんとその大広間のど真ん中に自分と同じ魔族であるカヤ・シーマの姿があった。
 ちなみに先程まで同行していたさもなちゃんは危険と判断して少し離れた場所で待機している。

「ヒョウマよ、もう逃げたりはしないだろうな」
「確かに貴様から逃げるのは無理。もはや貴様の息の根を詰めるしか私が生きる道はない」
 
 ヒョウマはもうカヤちゃんと決着をつけるしかないと判断したのか逃走する気はない様子。
 いよいよ雌雄を決する時だ。
 カヤちゃんは意を決して詠唱を開始。
 魔族同士が決闘をする為のデュエルフィールドを展開していく。
 そして……カヤちゃんとヒョウマは見るからに異形といえる異空間へ!
 これが魔族同士の決闘に用いられるデュエルフィールドでござい!
 さて、ここで我等がカヤちゃんと悪漢魔族ヒョウマとの世紀の一戦が開幕する訳ですが……ここでひとまず俺は引っ込んで専門の方々にお任せしましょう。



 全魔界の住民の皆様こんばんは!
 今、このデュエルフィールドにて世紀の対決が始まろうとしております。
 果たしてこの対決を制するのはどっちなのでしょうか!
 なお、この戦いの模様は魔界の親愛なるアナウンサー”ベンジャミン光善寺”と解説として魔界一の博識者”ビューティー三条”でお送りします。

 まずは赤コーナー!
 関東難波組所属……ヒョウマ・ジェット!!

「殺す、俺は純粋に殺しを楽しみたいのだっ」

 いやはや、これは物騒な発言ですねビューティーさん。
 しかもデュエルフィールドに集まった観客からブーイングの嵐です!
「はい、何しろ魔界と人間界で無差別殺人を繰り返した面倒な奴ですから」
 では赤コーナー、ヒョウマさんのプルフィールですが出身地は魔界の何処かで詳細は不明。
 体内には並の魔族では足趾確実の猛毒を有しており、その能力で魔界で数多くの同族を殺害しており全魔界で指名手配されているそうです。
「これは怖いですわねぇ。私達なんかがその毒を受けたら一発で冥府への片道切符を切られそうですね」
 その通りですねビューティーさん。
 
 では続いては青コーナー!
 三条スイーパーカンパニー所属……我等が西の国の魔王カヤ・シーマ! 

「「「魔王様!魔王様!魔王様!!」」」
「うむ、いつも応援感謝するぞ!」

 赤コーナーとは打って変わってこちらは観客からは歓喜の声が響き渡っております。
「流石は魔界で一番の大国家・西の国の魔王ですからねぇ」
 さて、このカヤ・シーマ様は魔界の住民で余程の田舎者でない限り知らぬ者はいないと言われる有名人。
 これまでデュエルがあれば必ず勝利してきた我等が魔王様。
 今回もあの連続殺人鬼であるヒョウマ・ジェットに勝つ事ができるのか?

「カヤちゃ~ん!頑張ってねぇ~っ」
「さ、さもな……また避難しないで。こっちのフィールドに来るなと言っておろうに」

 おや?
 観客席にはカヤ・シーマ様の人間界での契約者である寝屋川さもなさんがいる模様。
 しかも観客席で売っているポップコーンを買って余裕そうに観客席で食べているぞ。
 流石は我等が魔王様と契約されているお嬢さんですねビューティーさん。
「本当に肝が据わっている人間の子供ですね。私もあのような方と契約して人間界に赴きたいものです」
 全くその通りで。
 さて、いよいよ時間制限俟った無し!
 今、戦いの開始を告げるゴングが…………



 カァ~~~~ン!!!



 今、運命のゴングがデュエルフィールド中に鳴り響いた!
 両者互いに臨戦態勢!
 先に仕掛けるのはどっちだ。

「くらえっ!」
「!?」

 おっ~と!先に仕掛けたのはヒョウマだっ。
 先手必勝とばかりに口から食らったら即死確実の猛毒を噴射!
 あまりの不意打ちにカヤ・シーマ様もろに受けてしまったぁぁぁっ!!
「これはいけませんねベンジャミンさん。何しろ並の魔族や人間なら足趾毒ですからねぇ」
 あぁ我等が魔王様も即死してしまうのか?

「はっはっはっはっ!何じゃこれは?」
「なっ!?」

 なんと!魔王様にはヒョウマが出した毒は全く効いてはいないそ!
 しかも余裕たっぷりに高笑い!
 これにはヒョウマも一瞬ひるんだぁ~っ!
 それをカヤ・シーマ様は逃さないっ。

「うりゃあああああああああっ」

 まずは相手に強烈なドロップキック!
 更に倒れたヒョウマにストッピングの嵐!!
 これは強烈だぁぁぁっ!
 しかし、対するヒョウマも負けてない。
 一瞬の隙を狙ってカヤ・シーマ様の足を掴んで投げ飛ばす!
 しか~し、カヤ・シーマ様はそれを空中回転して見事着地!
 これは間違いなく十点満点だぁ~っ!
 ここでヒョウマがカヤ・シーマ様に接近して捕まえた。

「ぐおおおおっ」
「ぬっ」

 おお~っと!
 ヒョウマがカヤ・シーマ様にバックドロップ!
 これは見事に決まった~っ!
「これは意外でしたね。まさか毒攻撃が得意なヒョウマがこんな肉弾技を繰り出してくるとは」
 私も驚きです。
 このヒョウマ・ジェット……意外とバトルスタイルがガチだったようだぁ!
 ですがこれでこのデュエルが面白くなってきました。
 現にフィールド内の観客席は大反響で盛り上がっております。

「やるな!」
「殺す!」

 既にデュエル開始から五分が経過しておりますが実に白熱した戦いが展開されております。
 片やヒョウマ・ジェットがフライングクロスチョップを繰り出しカヤ・シーマ様をぶっ倒し。
 もう方やカヤ・シーマ様がブレーンバスターを繰り出した後にパイルドライバーと大技を連発!
 互いに引かない一進一退の攻防が続いております。

「カヤちゃん!しっかり」

 観客席にいるさもなちゃんも応援に気合が入っている模様。
 だが、このままでは決着がつかないぞ。
 果たしてこの戦いに終止符をうつのはどっちなのか?

「惜しいのう」
「何だと」
「これだけの実力がありながら何故あのような殺戮者の道を選んだ?お主なら国の騎士なり衛兵なり道があっただろう」
「煩い!貴様に何がわかるのだっ」

 !?はい、只今ヒョウマ・ジェットに関する詳しい情報が入りましたのでお伝えします。
 我々が独自に調査した結果、ヒョウマ・ジェットはかつて東の国の優秀な衛兵だったそうです。
 ですが今から百二十年程前に東の国の魔導士により改造されて猛毒使いになったのと引き換えに人格が崩壊、そのまま暴走して殺戮者になったそうです。
「呆れた魔導士もいたものですね」
 いずれにしてもあのヒョウマという魔族は実に悲しい存在だったようです。

「そろそろお互い限界みたいだな」
「決着をつけるか?毒使い」
「そうだな……自称・魔王」
「我は自称ではないぞ」

 ん?何を思ったかヒョウマ・ジェット自分の長い爪を自分に突き刺したぞ!
 何だとぉ!突如ヒョウマ・ジェットの姿が変わっていく。
 見るからに体の筋肉が増大しているようだっ!
「これは!」
 どうしたのですビューティーさん。
「実は毒にも色々ありまして……どうもヒョウマが自分に入れた毒は自分の身体能力を著しく向上させる効果のある毒を入れたみたいですね」
 となるとこれは一種のドーピングですか。
「そうなりますね」
 となると、これは驚きだっ!
 ヒョウマ・ジェットどうやら最後の切り札を使ったみたいだぁ~っ!

「い・く・ぞ!」

 お~っと、ドーピングしたヒョウマ・ジェット凄まじい速度!
 そして、その右拳がカヤ・シーマ様の顔面に直撃だぁ~っ!
 これは五メートルはぶっ飛ばされたぞぉっ。
 更にヒョウマ・ジェットがそんなカヤ・シーマ様に超高速で接近していく~っ!
 我らが魔王カヤ・シーマ様もこれまでかぁぁぁっ!



 我と契約し魔族の共よ……寝屋川さもなが命ずる。



 あれ?観客席にいた筈のさもなちゃんがどうゆう訳か戦っている両者の近くに!
 さもなちゃん危ないぞぉぉっ!


 
 
 今こそお主の力の拘束を解き放つ……わが友カヤ・シーマ!本来あるべき姿を我の前に示せっ!!



 おおおおおっと!
 突如カヤ・シーマが輝き始めた~っ!
 ややっ、カヤ・シーマ様の姿が……休息にその投身が大きくなっていくぞぉっ。
「まるで子供が急速に大人になっていくようですね」
 これはビューティーさんの仰る通りだぁ~っ! 
 正に蛹から蝶へ繁忙するかの如く!
 おおおおおっ、我等の魔王様が……大人になった~っ!


「な、なんだと!」
「ハハハハハ!これが……我の本来の姿じゃ。この姿になったからには貴様には一切の勝機はないぞ」

 大人……というか本来の姿を現した我等が魔王カヤ・シーマ様。
 その体から噴出している強烈な魔力!
 こうなるとヒョウマ・ジェットは完全に蛇に睨まれた蛙だぁぁぁぁっ!

「行っけぇぇっ!カヤちゃん。そ~んな奴ぶっ飛ばしちゃえ!!」
「うむ!」

 さもなちゃんに対して魔王様がサムスアップ!
 その直後、ヒョウマ・ジェットが魔王カヤ・シーマに襲い掛かる!!
 だが……「笑止!」と魔王様がヒョウマ・ジェットを指差した瞬間!



 ズパーーーーン!



「う……腕が」
「お主の動き……我から見れば亀のほうが早いぞ」 

 なんと!
 ヒョウマ・ジェットの右腕が著しく変形してしまっている!
 しかも魔王様が指先ひとつで……これが魔王様本来の戦闘能力なのか!
 
「ま、まさか……お前は本当に魔王なのか」
「気付くのが遅すぎたようじゃのう。我は魔王カヤ・シーマ。魔界四大国のひとつ西の国の魔王じゃ」
「道理で……だが俺にも意地というものがある!」
「よさんか、もう力量の差は悟っておるじゃろう」

 あ~っと!
 ヒョウマ・ジェットの体が更に大きくなった!
「どうやら自分の限界まで能力強化をしたみたいですね。ですがこれは危険ですよ」
 確かにこれはヒョウマ・ジェットの命を確実に縮めるぞ!
 限界まで己を強化して正気を失ったヒョウマ・ジェットが我等が魔王様に襲い掛かる!



「そろそろ終わりにするかのぅ」



 あ~っ!!
 カヤ・シーマ様の姿が消えたぁぁぁっ!
「ベンジャミンさん、後ろです」
 うおぉぉぉっ!
 いつの間に!いつの間にヒョウマ・ジェットの後ろに魔王様が!
 そして強烈な延髄切りがさくれ~っ!
 
「ぐあああああっ」
「これでトドメじゃ!」

 延髄切りを受けてふらついているヒョウマ・ジェット!
 それをカヤ・シーマ様が捕まえた!!
 そして……これは!!



 ズズーーーーーーーーーーン!!!!




 ジャーマンだぁ!
 魔王様必殺のジャーマンスープレックスだぁぁぁぁっ!!
 ややっ、ヒョウマ・ジェットの目が完全に白くなってるぞ。
「これは決まりましたね」
 そこへレフェリーがカウント!



 ワン!ツー!スリー!!
 カンカンカン!カンカンカン!



 デュエル決着~っ!
 今回色々と波乱がありましたが結果としてはやはり我等が魔王カヤ・シーマが勝利を掴みました!
 我等の魔王様勝利のガッツポーズ!
 観客達も試合内容に歓喜したらしく喜びの歓声が響き渡っております。

「やったねカヤちゃん」
「うむ、だが結局は今回もさもなに助けられたのう」

 勝利したカヤ・シーマ様の元へ契約者である寝屋川さもなが駆け寄り勝利の言葉を送っている様子。
 やはり、このコンビに敵う魔族はいないのか?
「今回も素晴らしいデュエルでしたねベンジャミンさん」
 そうですねビューティーさん。
 今回もエキサイト溢れるファイトでありました。
 さて誠に残念でございますがそろそろお時間となりました。
 またこのような迫力あるデュエルをお送りできる事を楽しみにしております。
 それではこちら関東難波組特設デュエルフィールドからお別れしようと思います。
 実況は私ベンジャミン光善寺、解説はビューティー三条さんでお送りしました。
 ではまたのデュエルをお楽しみに!
 それでは失礼します。
「失礼します」


 カヤ・シーマ 〇 VS ヒョウマ・ジェット
 試合時間 九分二十七秒
 決め技 ジャーマンスープレックス




 それから少ししてからデュエルフィールドが解除されていく。
 無論ナレーションは俺・光善寺宗吾に戻りました。
 デュエルフィールド解除されて残っているのは色っぽい大人になっているカヤちゃんとさもなちゃん。
 それとズタボロ状態で負けたヒョウマ・ジェットの姿があった。

「さて、こいつは……やはりこうするべきじゃのう」

 カヤちゃんは右手を翳して異空間の穴を形成。
 この穴はカヤちゃん曰く魔界への扉だそうだ。
 すると穴の中から数名の兵士らしい連中が。

「ご無事ですか魔王様」
「ご苦労だな。では悪いがこいつを魔界へ連行してくれんか」
「はっ!」

 どうもこの兵士達はカヤちゃんと同じ魔族みたい。
 しかも今のやり取りからしてカヤちゃんの配下みたいだな。
 そしてその配下は半死半生のヒョウマを拘束してカヤちゃんに頭を下げてからこのままご連行。
 この直後に穴は閉じちゃった。

「カヤちゃん、あいつ魔界に連れ帰ったの?」
「うむ、残念じゃがこちらの世界ではまともに魔族を裁くのは困難じゃからのう。奴は魔界の裁判を受けて然るべき裁きを受ける事じゃろう」

 まっ、これはカヤちゃんの対処が適切かな。
 何しろ現状このような事をした魔族は強制的に契約者との契約を解除して魔界に送り返すしかないからな。
 これでまずは一人駆除官僚した訳で。

「じゃあ、カヤちゃん……次……いっ……て……」


 バタッ


「さっ、さもな!」

 大変だ!
 さもなちゃんが倒れたぞ。
 しかもさもなちゃんの顔色が真っ青になってるぞ!

「いかん!すぐに我を元に戻さんか!!」
「ごめんね、少し張り切りすぎちゃった。やっぱカヤちゃんを本当の姿を保つのは疲れるなぁ」

 そう、ここでとりあえずご説明。
 実は今の大人状態のカヤちゃんが魔界での本来の姿。
 先程の戦いを見てた通りそれは魔王らしく無茶苦茶な能力を有している。
 しかし、カヤちゃんの契約者であるさもなちゃんの現状での能力では長い事その本来の能力を維持できないのだ。
 故に普段カヤちゃんは子供の姿になり能力を制限して契約におけるリンクを安定させているのだ。
 それから、さもなちゃんはゆっくりと立ち上がり「じゃあ、戻すからね」と詠唱。
 するとカヤちゃんの体がみるみるご逆成長。
 カヤちゃんは元の子供の姿に戻っていく。

「さもな、すまぬ!」
「いいんだよ。これで私達のお仕事はおしましだね」

 カヤちゃんが戻の姿に戻った事によりさもなちゃんの顔色が良くなっていく。
 どうやら契約のリンクが再び安定してきたようだ。
 だけど、その直後にカヤちゃんとさもなちゃんはその場に座り込んだ。
 お二人さん相当お疲れのようで。

「「はぁぁぁっ、疲れた~っ!」」

 はい本日は本当にお疲れ様。
 後は俺達に任せて二人はゆっくり休んでな!



 さて、残る仕置き対象は二人。
 俺と社長としてはどう清掃してやろうかな?
 


 
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