時司るリトルメイジ

温水やすくみ

文字の大きさ
21 / 39
エピソード002 転売ヤーには地獄への片道切符

第三章 買い占め被害は甚大なり!

しおりを挟む

「ここか」

 依頼者達との楽しい昼食を楽しんだ俺と社長。
 それから早速、白いフェラーリを乗り俺と社長は午前中さもなちゃんが酷い目に会った家電屋へ。
 本当はさもなちゃんも一緒に同行させるべきだったが、また先程の悪夢を思い出させるのは酷という事で俺と社長で行く事に。
 俺と社長が問題の家電屋に到着したのは午後三時ぐらい。
 店は午前中に起こった出来事が原因なのか今日はもう臨時休業になっており店の出入口には数名の警察が。

「やはりというか……結構荒らされてる印象だな」
「見て宗吾、あのバカ刑事コンビもいるわよ」

 おやおや、そこには俺達にとってお馴染みの二人組。
 関目警部と野江刑事の凸凹セットがいやがる。

「げっ、光前寺にクソガキ!」
「どうやらコイツ等も一連の事件を追っているみたいですね警部」

 関目警部のクソガキ発言にうちの社長はムスッと膨れている。
 けど俺はそれに構わず関目警部から話を聞いてみる事に。

「くっ、本当はお前達なんか話す事はないのだが例のお前等のとこの会長が圧力かけてきたせいで上からお前達に協力しろとお達しだ」
「これはどうも!では現状そちらが解ってる事を聞かせてくださいな。何しろこの件ではうちの仲間が被害に会ってますから」

 さて、関目警部から話を聞いてみると……なんとまぁ今朝さもなちゃんが酷い目に会ったような事が現在東京中の家電店で起こっているそうだ。
 手口も全て予めパイプ椅子を設置してからバリアーを展開して他のお客様を入れないようにして開店時間直前に構成員がやって来て強制的に買い占めるという手口だ。
 しかも逆らう奴が出たら即刻暴力で排除する所まで同じだという。

「もう犠牲者は五十人を超えているんだ。酷いのだと今でも入院している奴もいる」
「うわぁ」

 今の魔法技術が発達して治癒魔法で大抵のゲガなどすぐに治療されるご時世で暴行が原因で数日以上も入院してるなんて相当な目に会ったみたいだな。
 余程重い病気にかかってる訳じゃあるまいし。

「今まで死亡者が出なかったのが俺が考えても奇跡に近いな。だがこれが今後エスカレートすれば……」
「死亡者が出る可能性もある訳ね。たかが遊び道具でここまでやるものね宗吾」
「呆れた……それしか言いようがないですよ社長」

 本当に俺としても呆れた連中だと思う。
 正直、転売だなんて他人の弱みに付け込んで金をせしめるだなんて最低の金儲けだよ。
 しかも今回のように強盗紛いのやり方で商品買い占めるとかなぁ。

「本当、何が悲しくて川の水せき止めて高く水を売りさばくなんて悪徳商人そのものじゃないの。私でもそんな金儲けは外道よ外道!」

 うわぁ、典型的な守銭奴社長ですら外道と言わせるとは……転売ヤーって人間やめてるんじゃないか?
 そこへ、俺達の元へ頭に包帯を巻いた男が姿を現した。

「すみません……あなた方は何方でしょうか?」
「私はこうゆう者です」

 俺は自分の名刺を男に手渡した。

「なになに?三条スイーパーカンパニー実務一課主任・光前寺宗吾って、まさか今巷て有名な影のポリス・三条スイーパーカンパニーの!」
「そうですが……貴方は一体?」

 すると今度は男が俺と社長に名刺を手渡した。

「あれ?貴方この店の店長さんで」
「はい、あぁ!遂に影のポリスが動いてくださるのですね!」

 この店長さん、俺と社長の手を握り感激しているみたいだ。

「ううっ、実はうちのチェーン店ほぼ全てでアイツ等の被害を受けているのです!このままではSP5がお客様の手に渡りません」
「実はアニー社の一派から依頼を受けております。小物転売ヤーは面倒見切れないけど今朝ここを襲ったような悪質なのは必ず叩き潰してあげるから大船に乗ったつもりでいなさい」
「お願いします!正直無能な警察では話になりませんので!」

 おいおい!
 今、俺達の傍にその無能な警部と刑事がいるんだぞ。

「あの店長……」
「我々警察を何だと思ってるのでしょうか」

 あ~あ!
 やっぱり怒ってる。
 ここは俺が宥めるのを兼ねてちょっと聞いてみたい事が。

「そういえば関目さん、連中が使っていたトレーラーですが何処へ行ったか解かりますか?」
「残念ながらこちらが駆けつける前に逃げられてたからな……だが三日前に一回だけ覆面パトカーがそのトレーラーで買い占めてる現場を見かけたから尾行したんだ」

 あら?一応追跡しようとしてたんだ。
 警察の中にもそれなりに有能なのもいるんだな。

「それで結果はどうなったのかしら?」
「実は追跡途中で何者かに襲われてな……結局そいつにパトカーぶっ壊されて尾行断念となったよ」
「どんな奴に襲われたのかしら」
「追っていた刑事からの証言だと襲ったのは一人でかなりの大男だったそうだ。しかも頭に角があったような」

 得体の知れない角の生えた大男。
 恐らく、そいつは魔族だな。

「社長、どうやら連中は魔族と契約しているみたいですね」
「これはかなり厄介ね。またカヤちゃんの助けが必要になるかも」

 今度の標的の中には魔族がいるのか。
 まぁ、その魔族に出くわした刑事さん達はお気の毒としか言いようがないな。
 何しろ原則として人間が魔族に勝てる訳がないからな。
 とりあえず俺はその襲撃者が魔族の疑いがあると関目警部と野江刑事に伝える。

「うげ~っ、魔族か」
「そうなると面倒ですね警部。やはり魔族と契約しているメイジかリトルメイジを」
「だが現在警察と契約している魔族契約者は皆無だからな……どうしよう」

 あらら、これはお気の毒。
 現状警察は明らかに魔法使える人材が不足してる訳か。
 増してや魔族に対抗できる魔族契約者は皆無という現実。

「社長、それなりに収穫がありましたがこれ以上は情報は望めそうにありませんね」
「確かにもう長居は無用ね。では、私達はこれで失礼するわ」

 俺と社長は店の店長に挨拶をした後でここを後にしようとした。
 店長は「どうかお願いします!」と頭を下げてたなぁ。
 もっとも関目警部と野江刑事は「こら!私達は無視か」と吠えていたが……お前達にそんな事言う義理はねぇ。



 そうだ、俺も社長も……あの時の事は絶対に忘れねぇからな。




 それから俺は社長を載せて白いフェラーリを疾走させる。
 とりあえず今回の仕置き対象で判明している事は転売商材としてSP5を悪質な手段で買い占めて暴利を貪っている事。
 そして奴等は厄介な強さを秘めた魔族を従わせている事。 
 しかも相当数の一味みたいだな。
 とにかく一旦本社に戻ろう。
 
 とりあえず現状を整理しよう。
 まぁ……そこでとんでもない事が起こるとは、この時俺は考えもしていなかった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔王山田、誠実に異世界を征服する

nexustide400
ファンタジー
■概要 この作品はAIの力を借りて制作している長編の異世界群像劇です。 各話に連動したイラスト・BGMの他、動画・地図も作っています。(文末参照) ハーレム要素なし。登場人物は100人超。 第二部以降は第一部に比べて物語の温度がかなり変わりますので予めご了承下さい。 ■更新日:火・金・日(余裕があれば+木) ■お礼 数ある作品の中から読んでいただき、ありがとうございます。 ■構成と進捗 全四部構成で完結予定(200話以内に収まる予定でしたがプロット膨張中) 第一部《魔王VS勇者》編:1~90話(投稿済) 第二部《転生者VS??》編:91話~ 第三部《魔王VS??》編 第四部《魔王VS??》編 ※64話:重要エピソード ■AIを使っている部分(第一部:GPT 第二部:Gemini) ・プロット :100%自分 ・セリフ  :ほぼ自分 ・地の文  :AIが手直し ・校正   :AIと共同作業 ・世界観  :AIと共同設計 ・各種検証 :AIに依頼(設定や論理の確認など) ■その他 ・初の小説制作です。 ・小説家になろう・カクヨムにも同時投稿しています。 ■各話連動イラスト、イメージイラスト https://www.deviantart.com/nexustide400/gallery/97371975/isekai-demon-lord (DeviantArt内のGallery) ■各話連動BGM、イメージ動画 https://www.youtube.com/playlist?list=PLvwobsX9rAWxC8OC8ZUYrBphJrw8UaZvE (YouTube内の再生リスト) ■地図 【ランドア大陸南東マップ】https://www.deviantart.com/nexustide400/art/Isekai-Demon-Lord-163-1268207015 【ランドア大陸東部マップ】https://www.deviantart.com/nexustide400/art/Isekai-Demon-Lord-164-1268366391 【ランドア大陸北東マップ】https://www.deviantart.com/nexustide400/art/Isekai-Demon-Lord-165-1268366603 【ランドア大陸西部マップ】https://www.deviantart.com/nexustide400/art/Isekai-Demon-Lord-171-1270214638 (DeviantArt内の画像URL)

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依
ファンタジー
 氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。  死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。  大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

花鳥見聞録

木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。 記憶を取り戻して真実を知った時、ルイとモクの選ぶ道は?

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...