時司るリトルメイジ

温水やすくみ

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エピソード003 夫婦刀を引き裂く輩は天罰を

プロローグ

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 時は応仁の乱から始まった戦国時代。
 力こそが正義とばかりに日本中の戦国武将が天下を掴む為に血を血で争う弱肉強食のご時世。
 そんな中で……また一つの敗者が滅ぶ時が訪れた。
 燃え盛る城、勝ち誇る武将とその配下。
 その燃えていく城の天守閣。
 燃えている天守閣の中で一人の女性が自分の夫を必死に探していた。

「史郎さま~っ!」

 女性は炎の中で……一人の男を見つける。
 その男は女性が探していた夫・雪代史郎であった。

「蛍!何故逃げなかった」
「史郎さま、蛍は史郎さまの妻でございます。逃げろと申すのでしたら共に落ち延びましょう」

 だが、蛍の嘆願に史郎は首を横に振る。

「蛍、我は敗れるべくして敗れたのだ。故に拙者は生き恥を晒すすもりはない」
「史郎さま」

 燃える天守閣の中で雪代史郎と妻の蛍との時間は過ぎていく。
 だが、その間にも得t気が自分達の首を狙ってくるのも時間の問題だ。

「蛍……共に黄泉へ赴いてくれぬか」
「私はどこまでも史郎さまと一緒でございます」

 二人は互いに刀を握りしめた。
 自分達の最後を悟り史郎と蛍は互いに見つめあう。

「蛍!」
「史郎さま!」

 燃え盛る炎の中、史郎と蛍はお互い手にした刀で……互いの心の臓を貫いた。
 その直後、天守閣の柱が炎により崩れ落ち亡骸になった二人を焼き尽くしていく。
 こうして、戦国という時代に敗れ去った者たちがまた歴史の闇へと消えていった。

 それから天守閣の炎は消え、この戦いの勝者が天守閣のあった場所を見渡していた。
 だが、完全に焼け野原と化した天守閣を探しても目ぼしい金品は見当たらなかった。
 左程、財力が無かった辺り雪代史郎は敗れるべくして敗れたのだ。
 この戦いの勝者である武将は内心虚しさを感じていた。

「兼人様!大変です」
「どうした」
「足軽の一人は刀を手にして発狂して他の物を襲っております」

 これは確かに異常事態といえる。
 兼人は他の配下を引き連れてその現場へ急ぐ。

「こっ……これは!」

 なんと兼人が見たのは明らかに正気を失っている足軽が手にした刀を振り回して味方に襲い掛かっている。
 しかも既に多数の被害者が出ている。

「くっ」

 兼人は刀を手にして発狂している足軽を倒すべく応戦する。
 そして兼人は狂人の刀を自身の刀で受け止める。
 だが、その時兼人の脳裏にある言葉が聞こえてきた。



 蛍は……蛍は何処だ。



 この声に兼人は一瞬怯む。
 足軽はその隙をつき兼人の刀をへし折ってしまう。

「バカな!」

 仮にも兼人が手にしていた刀は一流の刀鍛冶が作った業物。
 それを怯んでいたとはいえ簡単にへし折るとは。
 こうなると武器を失った兼人は防戦一方である。

「まずい!こんな場所で……こんな形で討ち死にはしたくはいわ」

 死にたくない。
 だが、味方は数十名やられ自らも思わぬ形で討ち死にされる状況。
 もはやこれまでか……兼人は心の何処かで悟っていた。
 だが、その時だった。
 何処かから声が聞こえる。



 史郎まま……史郎さまは何処でしょうか。



 兼人は僅かな希望を掴もうとしたかの如く周囲を見渡した。
 すると目の前には一本の刀が突き刺さっている。
 兼人は藁を掴むようにその刀を手にする。
 そして死中に活とばかりに狂った足軽の刀へ鍔迫り合い!

 すると……足軽の表情が徐々に落ち着いていく。
 そして足軽は手にした刀を手放した後にこの場へ倒れた。
 なんとか事態を収拾した兼人の脳裏に再び声が聞こえてくる。



 蛍……拙者は断じて離れはせんぞ。
 史郎さま……このまま永遠にお傍に。



 それから兼人は意識を取り戻した足軽から話を聞いてみる事に。
 足軽からの話によると天守閣跡で探索していた時に二本の刀が突き刺さっていたという。
 そして足軽はその内の一本を引き抜いた処、意識を失ったという。

「安心するがいい。どうやらお前が引き抜いたのは妖刀だ。しかも相当な妖力を秘めたものだ」
「では……」
「私はこの件についてはお前を罰したりはせん。むしろこんあ危険な妖刀を世に放つのを防ぐのに一躍買ったのだ」

 兼人は妖刀を発見した足軽を不問にした。
 そして、その問題といえる二本の妖刀を見て思った。

「恐らく、あの二本の妖刀は拙者が討った雪代史郎とその妻の魂と怨念が宿ったのだろう」

 兼人は今、一緒の場所に安置してある二本の妖刀を見て思う。
 この二本は互いに引き合っているみたいだ。
 まるで夫婦のように。
 故に先程のように迂闊に引き離すとあの足軽のように妖刀の呪いにより使い手を発狂させるのだろう。

「とにかく、この二本の刀を引き離すのは危険じゃな」

 それからその二本の妖刀はそれぞれ雪代丸と蛍丸と名付けられ兼人の一族が代々伝えられる事になった。
 ちなみにその刀を管理する事になった戦国武将のフルネームは三条兼人。
 天下は取れなかったが戦国の世を生き延び後に江戸時代は旗本として血筋は残り、後にあの三条財閥を築いたのだ。
 もうお気付きだろうが、この三条兼人こそがうちの社長・三条司のご先祖様なのだ。

 という訳で今回はこの三条一族に伝わる夫婦刀に纏わるお話だ。
 今に思えばとんでもない出来事だったよ。
 では物語の舞台を現代に戻すとしますか!
 それでは今回も景気よくオープニングと行きますか。




 アカシックレコードを開いてみれば魔法文化が始まりもう半世紀ぐらいかな。
 
 だけど、いつの世も悪というゴミや汚れが増えてもんですなぁ。

 悲しいかなそれが人の業というものでっせ。

 そしてそんなゴミや汚れが増えれば余は乱れ荒れるものなのが寂しいなぁ。

 そこのあんた!そんなゴミと汚れに嘆いているならウチの会社に来てみなせぇ。

 頑固なゴミと汚れ……綺麗サッパリお掃除して差し上げますわぁ。



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