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エピソード003 夫婦刀を引き裂く輩は天罰を
第一章 ロマンチックな日常
しおりを挟む「ねぇ……宗吾、これどうかしら?」
ここは東京は港区にある三条スイーパーカンパニー本社ビル。
そこの中にある実務一課の事務室は実に平和である。
何しろ、うちの社長・三条司が珍しく白いワンピース姿をしている。
「…………」
「ん~!どうしてだんまりなのよ」
「…………馬子にも衣装ですか」
「どぉ~ゆ~う~事よ!」
そりゃ当然でしょう。
いくら俺の雇い主といっても俺的には初戦クソガキだからな。
故にうちの社長がおめかししても俺には何も感じないという訳だ。
「あ~あ!主任もあんまりですよ」
「すまないね都ちゃん」
そこへわが社のニューフェイスにして有能な秘書である中書島都ちゃんが実務一課にいる人全員にお茶を配っている。
しかも全てのお茶に茶柱が立っているのが凄いな。
「司ちゃん誰の為におめかししてると思ってるのですか!」
「悪い、俺はあの社長は恋愛対象外なんだ」
「ですが主任、もう少し司ちゃんの事を淑女として認識したらどうです?」
「すまん都ちゃん。俺はどうしても社長を淑女とかレディとして認識する事はできないよ」
「はぁ」
すまないな。
俺の女性の守備範囲は人間はに十歳以上、魔族は成人年齢である百歳以上じゃないと全く受け付けないんだ。
増してや子供そのものである社長は論外だ。
せいぜい金に汚い守銭奴妹という認識しかないよ。
「では主任」
「なに?都ちゃん」
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「チェンジ」
「は、はぁ?」
悪いね都ちゃん。
俺は都ちゃんでもまだ子供だという認識。
いくら家事全般得意といっても年齢的に色気が著しく足りないよ。
まぁ五年経過してから出直してきなさいな。
「全く……司ちゃんも都ちゃんもこのお兄ちゃんには無駄だと思うよ」
「「なんですって!」」
あらあら、今のやり取りを聞いてたさもなちゃん。
社長と都ちゃんに棘のある突っ込みだ。
「お兄ちゃんは青い果実よりも赤く熟した果実が好みなのよね」
「おっ、さもなちゃん判ってるじゃないか。女はやはり年季の入ったのがいいんだよな」
「なら御祖母ちゃんでも言い訳?」
「はは……流石に年齢高すぎるのはね。だけど四十代とかの熟女も悪くないかな?」
流石にさもなちゃんは俺に興味無さそうだな。
何しろさもなちゃん曰くゲームとホビーが恋人です!だからな。
けどある意味子供らしいから社長や都ちゃんよりは距離が取り易くで付き合いやすい。
「ぷぅ~っ!」
「ん~っ」
それに比べて社長と都ちゃんの膨れっぷり。
だから二人は子供なんだよな。
同じ子供でも身の程をわきまえているさもなちゃんを見習ったほうがいいぞ。
「あ~あ、この事務所にも大人の女性が欲しいな。落ち着いた雰囲気で程々に色気のある女性が」
本当にこれが俺の本音。
ある意味保育所みたいな職場にいると益々大人の女性が恋しくなる。
一応、調さんや知恵さんもいるが……あれは頭が良すぎる異星人という印象だからな。
とても恋愛対象には見れないよな。
「お、お兄ちゃん!あ……あれ」
「ん?どうしたんだい」
さもなちゃんが指さす方向を見てみると?
「誰が子供ですって?」
「主任……女子高生って最強だという事忘れてません?」
うわぁ!
完全に怒り心頭の社長と都ちゃんが俺を鋭い眼光で睨んでる。
特に都ちゃんは手に光の輪を握りしめてる!
怖い!
だから二人ともまだ子供なんだよ。
この後……俺は凶暴化した子供二人に恐ろしい目にあわされた。
あぁ……やはり職場に麗しくて仕事もできる大人の女性が欲しい。
「はっはっはっ!確かに社長殿と都殿ではのう」
「すみませんねカヤちゃん」
凶暴化した社長と都ちゃんにフルボッコにされた俺。
それを見兼ねたのか、さもなちゃんはカヤちゃんを魔界から読んで話し相手に配慮してくれた。
まぁ、カヤちゃんこちらの世界では子供の見掛けだが実年齢は三百二十一歳。
魔族としては立派な大人である。
「確かに社長殿と都殿は我から見ればまだまだ子供じゃのう。些細な事で怒る辺りはまだまだじゃのう」
「おっしゃる通りで」
本当にあの二人は落ち着きがないと思うな。
少しはシュークリームを美味しく食べながら落ち着いた態度を取れるカヤちゃんを見習ったらいいのに。
本当に外見は子供だが、やはり大人の雰囲気が出てるんだよなカヤちゃんは。
さもなちゃん曰く魔界での本来の姿は絶世の褐色美女らしいが俺は直接見た事がないのが残念。
一応さもなちゃんが封印を解けばこちらの世界でも本来の姿になれるそうだが、その時はさもなちゃんの負担が著しいからな。
「それにしても……お主は嫁はおらんのか」
「いやぁ、女性は好きなんですが守備範囲に当てはまるのがね」
「確かにお主の周囲は子供か変質者しかおらんからのう」
「これは図星」
これは確かに。
俺の周囲にはクソガキか何処か異常な女性しかいないからな。
強いているなら目の前にいる褐色合法ロリ魔族がいる訳だが……どうも本能的に手を出すなと感じてるんだよな。
「なんならどうじゃ?我が知る魔族と契約してみるか?」
「えっ?魔族と契約ですか」
おや?これって今流行の異性の魔族と契約して夫婦になるというあれですか。
「年齢はぴちぴちの百八歳でかなりの才女じゃ!どうじゃ興味が沸くじゃろう」
おっ、魔族で百八歳じゃ成人成り立ての若い娘じゃないか。
「しかも外見は一見すれば長身のエルフみたいじゃぞ」
「え、エルフ?」
「どうじゃ?今度我がこちらの世界に来た時にでも一緒に連れてくるが?」
「うわぁ」
えっ?突然そうゆうの言われても俺にはまだ心の準備が。
突然のカヤちゃんからの話に俺の頭は大パニックだ。
「まぁ……我が次に来るまでに考えておくがよい」
「は、はぁ」
「おっ、そういえばロンリーグルメの再放送があったのう」
カヤちゃんはテレビのリモコンを手にしてスイッチオン。
だが、テレビの画像に映ったのはいつもの再放送ではなかった。
臨時にゅーるをお伝えします!
本日未明頃、東京にある三条大博物館が白昼堂々何者かにより襲撃されました。
なお現状判明しているだけで被害総額は……
これは大胆不敵な犯行だ。
しかもやられたのは三条財閥傘下の大博物館。
そのニュースを俺とカヤちゃんは勿論の事、社長と都ちゃんにさもなちゃんも見ていた。
特に社長は頭を抱えて「また面倒事が起こりそうね」大きくため息。
確かに何かが起こる前兆だ。
そんな時だった。
「司!緊急の依頼だ」
「お爺様」
実務一課に飛び込んできたのは三条財閥の会長である三条剛三。
しかも随分と顔色が悪いな。
「会長、もしかして三条大博物館の件ですか」
「そうじゃ婿殿!」
あぁ、やっぱり。
とりあえず会長をソファーに座らせて都ちゃんがお茶を用意した。
「どうしたの?いつものお爺様らしくないわ。博物館で窃盗に会ったのならまずは警察からよね」
「司!お前は事の重大さに気づいておらんのだ」
「?」
とにかく落ち着いてください会長!
何があったのか聞かせてくださいよ。
「実は……盗まれた物の中に危険極まりない妖刀があったのだ」
「「「妖刀?」」」
「性格には二本の夫婦刀じゃ。名は雪代丸と蛍丸という」
夫婦刀の雪代丸と蛍丸。
それは三条一族に代々伝わっている二本の刀である。
だが……その刀は恐ろしい妖力を秘めていたのだ。
「あの二本の刀は互いに傍に置いていれば全くの害はない。だが一度引き離すと雪代丸はその持ち主を悪鬼羅刹にしてしまい誰だろうと見境なく切り殺す」
「ま、まさか」
「そうじゃ!あの刀は手にした者を無差別殺人を繰り返す辻斬りへと変貌させる妖刀なのだ」
冗談だろ!
そんな危険な刀を世に放ったら恐ろしい事になるぞ。
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「そうなると最悪ね。わかったわ!私達は早速行動を開始するわ」
「すまぬ!あれは悲劇を呼ぶ妖刀じゃ。最悪の場合はあの刀を破壊してくれ」
これは飛んだ緊急任務だな。
社長は早速コンピューター室にいる調さんに大博物館に設置されていた監視カメラのチェックを依頼。
俺を含めた残りは事件現場へ赴く事に。
とにかく今は手掛かりが無さすぎる。
「社長、フェラーリを出します」
「頼むわ。とにかく些細な事でも手掛かりを掴む必要があるわ」
はぁ~っ、一体何者だ!
よりによって厄介な妖刀を盗み出すとは……本当はその情報を知らずに盗んだんじゃないだろうな。
とにかく現場に行ってみましょうか!
俺は愛車であるフェラーリのアクセルを踏みしめて一路事件現場である三条大博物館へ!
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